執着系皇子に捕まってる場合じゃないんです!聖女はシークレットベビーをこっそり子育て中

鶴れり

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一夜限りの交わり(3)※

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「じゃあ、俺のものになってしまおうか──」

 もう一度唇を強く押しつけられ、こじ開けるように熱い舌が侵入してくる。くちゅ、とかき回されて粘膜同士を擦り合わせる。

「んっ、ん……んうっ!」

 口づけに気を取られていると、乳首を指で弾かれ、反射的に体が跳ねた。
 そのままころころと優しく転がされて、硬く膨らんでいく。円を描くように撫でられたり、指の間に挟まれたり、勃ち上がった乳首を弄られるたびに甘い刺激が下腹部に溜まっていく。

「ん……気持ちいい? クララ……」
「はあっ、はぁ、はぁ……」

 ライオネルとの間に繋がった銀色の糸がプツリと切れる。そんな様子をぼんやり見つめながら、クララは必死に乱れた息を整えようとした。
 体を起こしたライオネルが、クララの全身をじっくりと観察する。
 部屋着は袖を通したままだけれど、ぐちゃぐちゃに乱れていて、クララの大切な場所は全てさらけ出されている。

「すごい……真っ白で、まるで雪みたい」
「や、みない、で……」

 きりっとした凛々しい眼が、クララの全てを凝視する。
 なだらかな脚を持ち上げられ、大きく広げさせられるのをぼうっと見つめることしかできない。

「あっ…………」

 内ももに口づけを落としながら、引っかかっていた下着を剥ぎ取られる。
 秘裂を左右に開かれ、羞恥心が爆発してしまいそうだった。女性の最も秘するべきところを見られている。
 クララはシーツを思いきり握り締めた。

「大昔、女性の秘所を薔薇に例えた画家がいたけれど、まったくその通りなんだな」
「でんか……っ、そこはだめです……」

 生温かくて湿った舌が、クララの恥ずかしいところを舐め上げる。
 蜜液と唾液が混ざり合う淫靡な音を聞きながら、じわじわと迫り上がってくる快感を受け止めた。

 何度制止しても、やめてくれないことはわかっている。それにライオネルに触れられて、どこか嬉しく思う自分がいて──。

(止めなきゃいけないのに……このまま殿下に溶かされてしまいたい)

 ずっと心の内だけでひっそりと想ってきたライオネルに再会できただけでなく、こうして求められて触れられて。こんな幸せなことがあっていいのだろうか。

「ねぇ、気持ちいい? クララの声を聞かせて」
「あ……っ、んんっ……」
「クララの気持ち良くなるところ、教えて? ここは?」
「あんんっ……」

 舐められてほぐされた秘裂に指を入れられる。探るように内壁を擦られて、はしたない声が出そうになって、慌てて口を手で押さえた。

「必死に声を抑えられると、暴きたくなるね」
「ん……? んんうぅっ!」
「あ。肌が白いからすぐ赤くなるのか」

 胸の膨らみにかぷっと噛みつかれて、じんじんと痺れる。薄らと赤く痕がついていた。

 ライオネルは攻める手技を止めてくれない。
 いつの間にか指の本数を増やされ、執拗になかをほぐされて。胸は先端を丁寧に舐めまわされて吸われて。
 クララは大波にさらわれるように、ただただ翻弄された。

(や、なんかっ、くる……!)

 ぞくぞくと甘い刺激が全身を巡って爆ぜそうになる。初めての感覚にどうしたらいいのかわからない。

「あっ、あ、へんっ……へん、ですっ、でんか……!」
「すごくうねってる……いいよ。クララ、身を委ねてごらん」
「やあっ、こわい……」
「俺に達するところ見せて」

 刺激する動きを強められて、なすすべなく絶頂に押し上げられる。
 クララの必死の抵抗も虚しく、瞼の裏に星が瞬いた。

「やああぁあ──ッ!」

 声を押し留める余裕もなく、背を弓なりに反らして打ち震える。全身からどっと熱が出て、肌を濡らしていった。上気した白肌は薄らと紅に色づいている。

「あぁ、可愛いクララ……。もうとろとろになってる。痛くさせないつもりだったのに、はぁ、無理かも……」
「あ、あ、あっ……」

 なかなか愉悦の余韻がおさまらないなか、蜜穴に熱く硬いものが当てられる。
 それを何かを認識したクララは、必死に薄れていた理性をかき集めた。

「でんか、それは、いけません……!」
「クララ、聖女でなくなるか、俺のものになって抱かれるか……どっちがいい?」

 ライオネルの熱のこもった扇情的な瞳が刺さる。
 究極の二択を突きつけられたら、クララに選ぶ余地はない。

「そんなぁ……ずるいです……」
「ふふ、そうだね。でも逃がす気はないんだ。どっちにする? ほら、早く決めて」

 浅く腰を進められて、雄の先端が押し入ろうとしてくる。淫らに粘膜が擦れ合う感触に、またぞくぞくと身悶えた。

 ──殿下からは、逃げられない。
 本能でそう確信した。

「…………でんかに、抱かれたいです……あああぁあっ!」
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