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《幕間4》こじれた初恋(4)ひかり視点※
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ひかりは文太郎に振られることを想定して、あらかじめ部屋をとっていた。それは思う存分に泣くために用意していたのだが、予約していて良かったと思う。
文太郎の手を引いてカードキーをかざし、部屋に入室する。
「ひぃちゃん、こんなこと良くないんじゃないかなぁ……」
「文ちゃん。私はもう文ちゃんの後ろをくっついて歩く女の子じゃないよ。もう二十九歳なの。それにこんな歳になるまで文ちゃんのこと好きだったんだから、一夜のお情けくらいあっても良いと思わない?」
「う、うん……」
未だに踏ん切りがつかない文太郎の羽織りを脱がす。
ひかりは自分の振袖を脱ぎ、一糸纏わぬ姿になった。そして文太郎の袴を解いていく。
文太郎を下穿きだけの姿にすると、そっと肌を合わせるように抱きしめた。
「そんなに深く考えないで。ただ何も考えずに気持ちよくなることだけ考えていればいいの」
――瑛美のことなんて忘れて。今だけは私を見て。
そんな込み上げる恋情に蓋をしながら、文太郎の肌に唇を寄せる。
筋骨隆々ではないが、細身の体には薄らと筋肉が浮かび上がっている。
溝をペロリと舐め上げていると、下穿きの下が硬さを持ち始めた。
(私に反応してくれてるんだ。嬉しい……。でもこの先は一体どうしたらいいんだろう)
ひかりは異性と交際したことはあるものの、身体を繋げたことがない。
社長令嬢として、性交渉は慎重になっていた。文太郎への想いもあって、ズルズルと未経験のままアラサーになってしまったのだ。
知識がなくて、この先をどうしていいかわからない。とにかく文太郎のぬくもりを感じたくて身体を密着させる。
「ひぃちゃん……」
文太郎の艶やかな声を聞いて、ドクンと心臓が跳ねた。
ゆっくりとひかりをベッドに押し倒す。
頬を染めた文太郎は、ひかりの全身を撫でながら首筋から鎖骨にかけて舌を這わす。
ぞくぞくとした感覚が背筋を駆け上っていった。
柔らかな双丘に文太郎の筋張った指が沈む。先端の頂きを摘まれて身体の奥から愉悦が沸き起こった。
「んんっ、ぶん、ちゃん……」
「痛かったら、すぐに言ってね。僕あんまりこういうの慣れてなくて」
むにむにと柔肉の形を変えられて、先端をペロリと舐められる。文太郎の波打つ黒髪を撫でて、この情景を目に焼きつける。
(文ちゃんが私に触れてる)
それだけでとても幸福感に満ち満ちた。
文太郎の愛撫に過敏に反応してしまう。
文太郎の手のひらが内太腿を撫で上げて、その先を求めるように足を広げた。
「ひぃちゃん」
文太郎の指が敏感な秘裂を撫でる。入り口を溶かすように何度も指が往復する。
ある程度馴染んだところで、中に指が侵入した。
初めて感じる圧迫感に戸惑う。
「文ちゃん、ゆっくりしないでっ、」
優しくされると、もっと好きになってしまいそうだった。
痛みを感じるくらい、いっそのこと手酷くされてしまいたかった。
(痛くても苦しくてもいい。一瞬でも良いから、一度で良いから、文ちゃんと一つになりたい)
文太郎の手を引いてカードキーをかざし、部屋に入室する。
「ひぃちゃん、こんなこと良くないんじゃないかなぁ……」
「文ちゃん。私はもう文ちゃんの後ろをくっついて歩く女の子じゃないよ。もう二十九歳なの。それにこんな歳になるまで文ちゃんのこと好きだったんだから、一夜のお情けくらいあっても良いと思わない?」
「う、うん……」
未だに踏ん切りがつかない文太郎の羽織りを脱がす。
ひかりは自分の振袖を脱ぎ、一糸纏わぬ姿になった。そして文太郎の袴を解いていく。
文太郎を下穿きだけの姿にすると、そっと肌を合わせるように抱きしめた。
「そんなに深く考えないで。ただ何も考えずに気持ちよくなることだけ考えていればいいの」
――瑛美のことなんて忘れて。今だけは私を見て。
そんな込み上げる恋情に蓋をしながら、文太郎の肌に唇を寄せる。
筋骨隆々ではないが、細身の体には薄らと筋肉が浮かび上がっている。
溝をペロリと舐め上げていると、下穿きの下が硬さを持ち始めた。
(私に反応してくれてるんだ。嬉しい……。でもこの先は一体どうしたらいいんだろう)
ひかりは異性と交際したことはあるものの、身体を繋げたことがない。
社長令嬢として、性交渉は慎重になっていた。文太郎への想いもあって、ズルズルと未経験のままアラサーになってしまったのだ。
知識がなくて、この先をどうしていいかわからない。とにかく文太郎のぬくもりを感じたくて身体を密着させる。
「ひぃちゃん……」
文太郎の艶やかな声を聞いて、ドクンと心臓が跳ねた。
ゆっくりとひかりをベッドに押し倒す。
頬を染めた文太郎は、ひかりの全身を撫でながら首筋から鎖骨にかけて舌を這わす。
ぞくぞくとした感覚が背筋を駆け上っていった。
柔らかな双丘に文太郎の筋張った指が沈む。先端の頂きを摘まれて身体の奥から愉悦が沸き起こった。
「んんっ、ぶん、ちゃん……」
「痛かったら、すぐに言ってね。僕あんまりこういうの慣れてなくて」
むにむにと柔肉の形を変えられて、先端をペロリと舐められる。文太郎の波打つ黒髪を撫でて、この情景を目に焼きつける。
(文ちゃんが私に触れてる)
それだけでとても幸福感に満ち満ちた。
文太郎の愛撫に過敏に反応してしまう。
文太郎の手のひらが内太腿を撫で上げて、その先を求めるように足を広げた。
「ひぃちゃん」
文太郎の指が敏感な秘裂を撫でる。入り口を溶かすように何度も指が往復する。
ある程度馴染んだところで、中に指が侵入した。
初めて感じる圧迫感に戸惑う。
「文ちゃん、ゆっくりしないでっ、」
優しくされると、もっと好きになってしまいそうだった。
痛みを感じるくらい、いっそのこと手酷くされてしまいたかった。
(痛くても苦しくてもいい。一瞬でも良いから、一度で良いから、文ちゃんと一つになりたい)
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