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《41》ほんの少しの自信(1)
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ホテルの会場を出て、受付で手続きを済ませると上の階へ向かう。
部屋に入るとワンルームではなく、寝室とダイニングが分かれていて、良い部屋をとってくれたのだとわかった。
「瑛美」
大和の手が伸びてきて、帯を解こうとする。それを手で制した。
「今日は、自分で脱ぎます」
そう言って瑛美は振袖を脱ぎ始めた。
そんな瑛美の様子を見ながら、大和も羽織を脱ぎ、紐を解く。
どんどん身に纏っていた衣の重みがなくなっていくと同時に、心臓が早鐘を打ち始める。
ついにサラシと下穿きを履いただけの姿になった。
広いベッドの淵に腰掛けた大和も下着姿だ。
「瑛美、おいで」
そう言って大和が手を差し伸べてくれたが、首を横に振った。
大和の目の前でサラシを解く。すぐに緩んで瑛美の豊かな乳房が露わになり、白布は足元へと落ちていった。
――怖い。
子供のころから、周りの友達よりも胸の生育が早かった瑛美は、胸のことで揶揄われることが多かった。『乳深谷』なんてあだ名をつけられて、陰で笑われていることを知ったときは涙が枯れるほど泣いた。
初めてできた彼氏と一線を越えた時には胸ばかり触られて。胸に興奮した初彼はその勢いのまま瑛美の柔らかな蜜園を傷つけた。
痛い。苦しい。恥ずかしい。
胸に関して良い思い出がない。いつの間にか瑛美は胸が小さく見えるように背中を丸めて歩くようになり、どんなときも決して胸のラインが出ないような服ばかりを選んでいた。おしゃれとか可愛いは二の次だった。
でも少しだけ自信がついたから。
着付けを習って自分で着たいものを着て、胸を張って前を向く。
いきなり見た目が変わるわけでもないし、急に頭が良くなるわけでもない。
けれど、大和と過ごして、大和と触れ合って、自分は自分のままで良いとほんの少しだけ思えたから。地味で冴えない凡庸なアラサー女だけど、前より自分のことを好きになれたから。
だからもう隠さない。
「……っ、すき。やまと……」
目は開けられなかった。大和が一体どんな表情をしているのか、見る勇気はなかった。
けれど、きっと大和なら馬鹿にしない。変だって笑わない。好きだと、愛してくれると信じて――。
部屋に入るとワンルームではなく、寝室とダイニングが分かれていて、良い部屋をとってくれたのだとわかった。
「瑛美」
大和の手が伸びてきて、帯を解こうとする。それを手で制した。
「今日は、自分で脱ぎます」
そう言って瑛美は振袖を脱ぎ始めた。
そんな瑛美の様子を見ながら、大和も羽織を脱ぎ、紐を解く。
どんどん身に纏っていた衣の重みがなくなっていくと同時に、心臓が早鐘を打ち始める。
ついにサラシと下穿きを履いただけの姿になった。
広いベッドの淵に腰掛けた大和も下着姿だ。
「瑛美、おいで」
そう言って大和が手を差し伸べてくれたが、首を横に振った。
大和の目の前でサラシを解く。すぐに緩んで瑛美の豊かな乳房が露わになり、白布は足元へと落ちていった。
――怖い。
子供のころから、周りの友達よりも胸の生育が早かった瑛美は、胸のことで揶揄われることが多かった。『乳深谷』なんてあだ名をつけられて、陰で笑われていることを知ったときは涙が枯れるほど泣いた。
初めてできた彼氏と一線を越えた時には胸ばかり触られて。胸に興奮した初彼はその勢いのまま瑛美の柔らかな蜜園を傷つけた。
痛い。苦しい。恥ずかしい。
胸に関して良い思い出がない。いつの間にか瑛美は胸が小さく見えるように背中を丸めて歩くようになり、どんなときも決して胸のラインが出ないような服ばかりを選んでいた。おしゃれとか可愛いは二の次だった。
でも少しだけ自信がついたから。
着付けを習って自分で着たいものを着て、胸を張って前を向く。
いきなり見た目が変わるわけでもないし、急に頭が良くなるわけでもない。
けれど、大和と過ごして、大和と触れ合って、自分は自分のままで良いとほんの少しだけ思えたから。地味で冴えない凡庸なアラサー女だけど、前より自分のことを好きになれたから。
だからもう隠さない。
「……っ、すき。やまと……」
目は開けられなかった。大和が一体どんな表情をしているのか、見る勇気はなかった。
けれど、きっと大和なら馬鹿にしない。変だって笑わない。好きだと、愛してくれると信じて――。
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