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今日も日々いつもと同じ。
特に何も無く終われるのは良いことなのだろうな。
「あ、雅哉さんお帰りなさい」
「あぁ。お前は出先からの直帰だったか」
帰ったら、五紀が居て。もうこれもいつもどおり。
今までの独り暮らしのアパートから、二人で暮らすマンションへ帰る場所が変わっただけ。
「もうずっと残業ばっかだったんで。やーと目途が立ちましたから」
疲れ切ってる会社員の男二人の会話だな。
普通だ。
「飯すぐに用意するんで、雅哉さん着替えて来てください」
五紀が俺の世話焼きしてるのもいつもと変わらない。おっさんの世話してて、楽しいのか?と思いはするけれど、五紀には言うだけ無駄だ。
まぁ、俺も五紀にあれこれ言われるのに、慣れてきているのも有る。
五紀の残業は、俺が急な仕事を五紀にぶち込んだことも有るんだが。それについては五紀は何も言ってはこない。どころか、俺役に立てる様になって良かったとか言ってた気もする。
プライベートもだが、仕事面でも俺は結構五紀を頼っているんじゃないかと思ったりもするほどだ。
浅野には珍しいとか言われたな。俺が五紀を抜擢するのが。だがまぁ、浅野も五紀の出来具合を見てるから、納得もしているみたいだったが。
そうか。もう一週間経つな。
三島については、五紀や浅野が言っていたとおりで。あいつの単純な面倒がりな性格だった様だ。
それでは会社としては困るので、逐一浅野に報告させてる。それでやっとだ。浅野は仕事が増えてしまっているが。
新人教育に俺は向かないのだから、仕方がない。浅野も浅野で、部下に回せる仕事は回しているみたいだし。残業ばかりでもないから、気にしていない。
珍しいといえば、浅野の新人に対しての愚痴は珍しかったか。
今日は金曜だからと、飲みに誘われたが、愚痴大会になるだろうと考えて断って来た。
浅野の同期ばかりのメンバーだったというのも、一つの理由だが。
部屋着に着替えてリビングに行けば、五紀はキッチンに立っていた。
「あ、ビール飲みます?簡単なのならすぐ出せるんで、すきっ腹にはあんま良くないんで、食いながら飲んでくださいね」
冷蔵庫を開けに行った俺に素早い五紀の言葉が飛んでくる。
休日前は、やっぱり飲みたいだろう。
「あー、いや。一緒に飲むか。終わるの待つ」
常々勝手をしているが、たまにはこうやって五紀を待つのも良いだろう。
「え、なんすか。なんだろう。雅哉さんが優しい」
「いつも優しいだろうが」
なんて言ってるが。俺だっていつもいつも自分勝手に動いているのを自覚している。
いや、俺だけじゃないな。五紀だって大概自分勝手に動いてる。特に休日前の夜にな。
「そうですねー。いつも優しいですねー」
なんだその棒読みは。
「サッサと用意して来い。じゃないと先に飲んでるぞ」
「うわー。言ってることが変わってるー」
慌てたのか手の動きが早くなる五紀。
いや、待つって言ったけどな。言ったとおりに待ってやるつもりではいるのだが。
どうもこう、俺は沸点が低いのだろう。すぐにこうして前言撤回をする。
まぁ、そこを五紀にどうのこうの言われても、治るものじゃないからな。五紀もわかってるのか、何も言わない。
俺は結構五紀に甘えてるのか?
「金曜だから飲むと思って。摘まみ系統の飯で用意してみましたー」
とか言いつつ、出される量は結構有る。
俺はこういう系統は作らないからなぁ。冷凍のソラマメを解凍する程度のつまみしか用意したことが無かった。
ここ最近は、こういうつまみが食える様になった。それは五紀が俺のところに押しかけて来るようになってからだから、もう一年になるか。
いや待てよ?付き合いだす前も、なんだかんだと押しかけて来てたから、一年以上経つのか?まぁ、良いか。
おれは旨い物が食えればそれで良い。
「んじゃ、一週間お疲れさまでした」
「あぁ、お疲れ」
缶ビールで乾杯とか、味気ないが。わざわざコップに移すのも、洗い物が増えるだけ無駄だろう。
俺はそういう意味で気にしないが、五紀も似た様なものだろう。
「あー、そうだ。雅哉さん、俺と養子縁組してください」
「はぁ?」
なんだ唐突に。
日本じゃたしかに結婚は出来ない。そういうカップルがどうするのかくらいは、俺だってわかってはいるのだが。
しかし簡単に、近所に買い物に行って来る程度な感覚で言われる様なことでは無い。
「んー、ずっといつ言おうかなぁ、と考えてたんですけどね。なんつーか、俺もうすでに親にはカミングアウト済みなんで。言い出すタイミング考えてたんですけど。俺さ、雅哉さんのモノになりたいんですよ。養子縁組ってさ、ほらもう、雅哉さんのって感じじゃないですか」
「……はぁ?」
ビールを吹き出さなかっただけマシだと思いたい。
「お前まだ二十三だろ……」
どこにそんな若いのに、四十過ぎのおっさんのものになろうとする人間が居るんだ。あ、眼の前に居るのか。
というか、こいつ何て言った?
「親にカミングアウト済み……?」
何をどうカミングアウトしたんだ?
「あー、その雅哉さんと同居というか、同棲だってことを。うち兄貴がもう嫁さん連れて家に居るんで。だから俺就職してすぐに独り暮らしだったんですけど。なんっつうか、親には勝手にしなさいって言われましたけどね」
いやそれは親もいつか目が覚めるだろうとか考えたんじゃないのか?
許したって感じじゃないだろう。
どこの世界に二十近く年上の男との同棲を許す親がいるのだろうか。いや、そういうのに寛容なとこも有るんだろうが。日本じゃまだそんなわけは無い。
「いつか目が覚めるだろうって思われてるのも、わかってますよ?でも俺この先さ、雅哉さん以上に愛せる人なんて、見付からないって思ってるから。若いとかどうとか、関係ないでしょ。俺が今考えてるのは、俺は雅哉さんのになりたいし、雅哉さんを俺のにしたいってことです」
いつも以上に真剣な五紀の瞳が、俺を射抜く様に見ていた。
これは駄目だ。俺は絆される。
元々五紀には甘いんだ。こんな風に言われて、嬉しいくないと思うわけがない。
「ちょっと待ってろ」
俺はソファから立ち上がって、自室に再度戻る。
渡すか渡さないか、悩んでいたんだがな。
「指輪。とりあえず、養子縁組は保留だ」
「え、えぇ?!」
男物のペアリングなんて、海外からの輸入じゃなきゃ手に入らない。
そういう意味では、今の世の中のネット社会の便利さを頼った。
「養子縁組したら、後戻りが効かない。だが、俺だってお前を独り占めしたいと思うぐらいには思ってるってことだ。こんなもん買うくらいにはな。俺はチェーン使うが、お前は指にはめてろ。モテる自覚持ってくれ。営業部のエースってだけでも、モテてるだろ」
五紀に言われた言葉は、全部を俺は返せていないと思う。
けれど、こうやって縛り付けようとするくらいには、俺はお前が好きだと、わかってくれただろう。
「っ!雅哉さん。も、俺本当、嬉しい」
どうしようとか言いながら、指輪を見つめている五紀。
泣きそうになっている様に見えるのは、俺がこういった独占欲を見せたことが無かったせいだろうか。
「お前はまだ若い。けど、それを理由に俺は逃げるのを止めた。俺はお前を縛り付けるぞ?」
嫌だと言うなら、今のうちだ。
若い分、出会いの場はたくさんあるだろう。けれど、俺の幸せの在り処は、五紀の隣だ。
五紀が養子縁組を言い出すほどに、俺と共に居たいと思ってくれるのならば、俺はもうそれを隠さない。
「指輪、はめてくれるか?」
「雅哉さんが、はめてくれないんですか?」
泣きそうで、それでも笑顔で。五紀はそんな風に俺を見上げた。
「逃げられないと、そう思えよ」
五紀の分の指輪を、五紀の左手の薬指にはめる。これは俺からの鎖だ。
「俺は逃げませんよ。雅哉さんこそ、本当に逃げないでくださいね」
五紀が俺の左手の薬指に、同じ様に指輪をはめてくれた。
指輪は俺が用意はしたが、それは互いに縛る鎖になった。
特に何も無く終われるのは良いことなのだろうな。
「あ、雅哉さんお帰りなさい」
「あぁ。お前は出先からの直帰だったか」
帰ったら、五紀が居て。もうこれもいつもどおり。
今までの独り暮らしのアパートから、二人で暮らすマンションへ帰る場所が変わっただけ。
「もうずっと残業ばっかだったんで。やーと目途が立ちましたから」
疲れ切ってる会社員の男二人の会話だな。
普通だ。
「飯すぐに用意するんで、雅哉さん着替えて来てください」
五紀が俺の世話焼きしてるのもいつもと変わらない。おっさんの世話してて、楽しいのか?と思いはするけれど、五紀には言うだけ無駄だ。
まぁ、俺も五紀にあれこれ言われるのに、慣れてきているのも有る。
五紀の残業は、俺が急な仕事を五紀にぶち込んだことも有るんだが。それについては五紀は何も言ってはこない。どころか、俺役に立てる様になって良かったとか言ってた気もする。
プライベートもだが、仕事面でも俺は結構五紀を頼っているんじゃないかと思ったりもするほどだ。
浅野には珍しいとか言われたな。俺が五紀を抜擢するのが。だがまぁ、浅野も五紀の出来具合を見てるから、納得もしているみたいだったが。
そうか。もう一週間経つな。
三島については、五紀や浅野が言っていたとおりで。あいつの単純な面倒がりな性格だった様だ。
それでは会社としては困るので、逐一浅野に報告させてる。それでやっとだ。浅野は仕事が増えてしまっているが。
新人教育に俺は向かないのだから、仕方がない。浅野も浅野で、部下に回せる仕事は回しているみたいだし。残業ばかりでもないから、気にしていない。
珍しいといえば、浅野の新人に対しての愚痴は珍しかったか。
今日は金曜だからと、飲みに誘われたが、愚痴大会になるだろうと考えて断って来た。
浅野の同期ばかりのメンバーだったというのも、一つの理由だが。
部屋着に着替えてリビングに行けば、五紀はキッチンに立っていた。
「あ、ビール飲みます?簡単なのならすぐ出せるんで、すきっ腹にはあんま良くないんで、食いながら飲んでくださいね」
冷蔵庫を開けに行った俺に素早い五紀の言葉が飛んでくる。
休日前は、やっぱり飲みたいだろう。
「あー、いや。一緒に飲むか。終わるの待つ」
常々勝手をしているが、たまにはこうやって五紀を待つのも良いだろう。
「え、なんすか。なんだろう。雅哉さんが優しい」
「いつも優しいだろうが」
なんて言ってるが。俺だっていつもいつも自分勝手に動いているのを自覚している。
いや、俺だけじゃないな。五紀だって大概自分勝手に動いてる。特に休日前の夜にな。
「そうですねー。いつも優しいですねー」
なんだその棒読みは。
「サッサと用意して来い。じゃないと先に飲んでるぞ」
「うわー。言ってることが変わってるー」
慌てたのか手の動きが早くなる五紀。
いや、待つって言ったけどな。言ったとおりに待ってやるつもりではいるのだが。
どうもこう、俺は沸点が低いのだろう。すぐにこうして前言撤回をする。
まぁ、そこを五紀にどうのこうの言われても、治るものじゃないからな。五紀もわかってるのか、何も言わない。
俺は結構五紀に甘えてるのか?
「金曜だから飲むと思って。摘まみ系統の飯で用意してみましたー」
とか言いつつ、出される量は結構有る。
俺はこういう系統は作らないからなぁ。冷凍のソラマメを解凍する程度のつまみしか用意したことが無かった。
ここ最近は、こういうつまみが食える様になった。それは五紀が俺のところに押しかけて来るようになってからだから、もう一年になるか。
いや待てよ?付き合いだす前も、なんだかんだと押しかけて来てたから、一年以上経つのか?まぁ、良いか。
おれは旨い物が食えればそれで良い。
「んじゃ、一週間お疲れさまでした」
「あぁ、お疲れ」
缶ビールで乾杯とか、味気ないが。わざわざコップに移すのも、洗い物が増えるだけ無駄だろう。
俺はそういう意味で気にしないが、五紀も似た様なものだろう。
「あー、そうだ。雅哉さん、俺と養子縁組してください」
「はぁ?」
なんだ唐突に。
日本じゃたしかに結婚は出来ない。そういうカップルがどうするのかくらいは、俺だってわかってはいるのだが。
しかし簡単に、近所に買い物に行って来る程度な感覚で言われる様なことでは無い。
「んー、ずっといつ言おうかなぁ、と考えてたんですけどね。なんつーか、俺もうすでに親にはカミングアウト済みなんで。言い出すタイミング考えてたんですけど。俺さ、雅哉さんのモノになりたいんですよ。養子縁組ってさ、ほらもう、雅哉さんのって感じじゃないですか」
「……はぁ?」
ビールを吹き出さなかっただけマシだと思いたい。
「お前まだ二十三だろ……」
どこにそんな若いのに、四十過ぎのおっさんのものになろうとする人間が居るんだ。あ、眼の前に居るのか。
というか、こいつ何て言った?
「親にカミングアウト済み……?」
何をどうカミングアウトしたんだ?
「あー、その雅哉さんと同居というか、同棲だってことを。うち兄貴がもう嫁さん連れて家に居るんで。だから俺就職してすぐに独り暮らしだったんですけど。なんっつうか、親には勝手にしなさいって言われましたけどね」
いやそれは親もいつか目が覚めるだろうとか考えたんじゃないのか?
許したって感じじゃないだろう。
どこの世界に二十近く年上の男との同棲を許す親がいるのだろうか。いや、そういうのに寛容なとこも有るんだろうが。日本じゃまだそんなわけは無い。
「いつか目が覚めるだろうって思われてるのも、わかってますよ?でも俺この先さ、雅哉さん以上に愛せる人なんて、見付からないって思ってるから。若いとかどうとか、関係ないでしょ。俺が今考えてるのは、俺は雅哉さんのになりたいし、雅哉さんを俺のにしたいってことです」
いつも以上に真剣な五紀の瞳が、俺を射抜く様に見ていた。
これは駄目だ。俺は絆される。
元々五紀には甘いんだ。こんな風に言われて、嬉しいくないと思うわけがない。
「ちょっと待ってろ」
俺はソファから立ち上がって、自室に再度戻る。
渡すか渡さないか、悩んでいたんだがな。
「指輪。とりあえず、養子縁組は保留だ」
「え、えぇ?!」
男物のペアリングなんて、海外からの輸入じゃなきゃ手に入らない。
そういう意味では、今の世の中のネット社会の便利さを頼った。
「養子縁組したら、後戻りが効かない。だが、俺だってお前を独り占めしたいと思うぐらいには思ってるってことだ。こんなもん買うくらいにはな。俺はチェーン使うが、お前は指にはめてろ。モテる自覚持ってくれ。営業部のエースってだけでも、モテてるだろ」
五紀に言われた言葉は、全部を俺は返せていないと思う。
けれど、こうやって縛り付けようとするくらいには、俺はお前が好きだと、わかってくれただろう。
「っ!雅哉さん。も、俺本当、嬉しい」
どうしようとか言いながら、指輪を見つめている五紀。
泣きそうになっている様に見えるのは、俺がこういった独占欲を見せたことが無かったせいだろうか。
「お前はまだ若い。けど、それを理由に俺は逃げるのを止めた。俺はお前を縛り付けるぞ?」
嫌だと言うなら、今のうちだ。
若い分、出会いの場はたくさんあるだろう。けれど、俺の幸せの在り処は、五紀の隣だ。
五紀が養子縁組を言い出すほどに、俺と共に居たいと思ってくれるのならば、俺はもうそれを隠さない。
「指輪、はめてくれるか?」
「雅哉さんが、はめてくれないんですか?」
泣きそうで、それでも笑顔で。五紀はそんな風に俺を見上げた。
「逃げられないと、そう思えよ」
五紀の分の指輪を、五紀の左手の薬指にはめる。これは俺からの鎖だ。
「俺は逃げませんよ。雅哉さんこそ、本当に逃げないでくださいね」
五紀が俺の左手の薬指に、同じ様に指輪をはめてくれた。
指輪は俺が用意はしたが、それは互いに縛る鎖になった。
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