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「んぁ、あ……」
声を我慢するとか、最初からさせてもらえないのは、雅哉はよくわかっている。
雅哉がどう感じているのか知りたいからと、五紀は声を抑えるのことをさせてくれないのだ。
わかってはいても、雅哉には恥ずかしいことで。
「ん。もう指三本入ってる。わかる?雅哉さん」
そんな確認さえも、雅哉には羞恥心を煽って来るものでしかない。
「はっ、抑え、きかないとか、言ってたのは、どこのどいつだ」
最初から、焦らされているではないかと、雅哉は思う。
だが、この状態で五紀を睨んでも、煽るだけだと熟知している。
「久しぶりだからね、傷付けるなんて、したくないし。ほら、まだ苦しそう」
なんて、五紀は言って。指の角度を変えて来るから、雅哉の身体はビクリと跳ねた。
「あ、はっ。も、だいじょ、ぶだと、わかってん、だろうが」
それでも雅哉の言葉は、五紀に強気で。
欲しいとねだっている様なものだけれど。これ以上焦らされても、辛いのはお互い様なのだけれど。
五紀が自分で焦らしているにもかかわらず、がっつかれて困るのは雅哉だ。
「雅哉さん、俺のこと欲しいって、言って?」
五紀の言葉に、雅哉は「は?」と呆ける。
言ってるじゃないかと雅哉は思うのだが。あの言葉だけじゃ、足りないらしい。
何度もされて、身体の開き方を覚えさせられた雅哉だ。今だって、圧迫感に苦しんでいるのではない。
中のイイ所を擦られはするけれど。決定的な物が足りないのだ。
灼熱の楔で、奥を付かれる良さを、知ってしまっている。だから、足りない。
そう雅哉は思っている。けれど、それを言葉に出せと言われるのは、羞恥心が上回る。
「ひぁ……」
焦れたのか、指の動きが早くなった五紀。
「ね、雅哉さん。指だけでイく?」
そんなこと、五紀自身が辛いだけだろうに。
けれど本当にしてしまいそうな五紀に、雅哉が焦る。
前を弄られれば、たしかに指だけでイけるだろう。けれど、奥が欲しがっているのは事実で。
ひく付く自分の身体が、心底恨めしい。雅哉は荒い呼吸の中で、なんとか言葉を探す。
一度出した後で、五紀に抱かれるのは、相当に辛いのだ。雅哉自身が。イけるほど、回復しないのに、それでも快楽は来るから。
「出さないで、イきたいの?」
どの道五紀に付き合うと、そうなることもしばしば有るのだが。最初からそれでは、本当に雅哉の体力では付いて行けない。
「じらす、な。早く、欲しい……」
出て来た言葉は率直過ぎて。ねだってる内に入るかどうかも怪しい。
けれど。
「んあ……くっ」
いきなり五紀の指がズルリと抜かれ、あてがわれた熱。
「ひっ、あ、あぁぁ……」
いきなり過ぎるだろう。とか、雅哉は思うけれど。
本人が抑えが効かないとか言っていたとおりで、熱い楔は雅哉の最奥まで一気にうがたれた。
「い、つき……おま、え……な……」
「ごめん。雅哉さん。でも大丈夫そうだね」
謝っているようには聞こえない五紀の言葉。それでも、中が五紀のソレを、しっかりと感じて蠢いていることを、雅哉は知っている。
「はっ、すげーイイ」
なんて、自分の上で言っている五紀を、雅哉は呼吸を整えながら見上げる。
「雅哉さん、顔溶けてる。イイの?」
自身の顔がどんななのかは、雅哉は知りたくも無いけれど。
それでもやはりこうされてしまえば、身体は素直に悦んでいるのだから、仕方がない。
「う、ごくのは、も、すこし、まて」
さすがに一気に挿れられて、すぐに大丈夫になれるほどではない。
「この状態で、動くなとか、キツイんだけど」
と言いつつも、五紀はしっかりと待ってくれるのを、雅哉は知っている。
五紀本人が、抑えるのが本当に辛そうではある。のだけれど。
たしかに先週が無かったから、二週間ぶりではあるので。ということは、雅哉の負担も、間を置いた分だけ多くなるのだ。
「すっげー中、動いてるけど?吸い付かれてるってか、吸い出そうとしてるみたい」
「言うな、馬鹿か」
雅哉が顔を背けた瞬間だった。五紀が大きく動いたのは。
「っ、は、んあ……」
文句も出ない。
というか、出せない。
「我慢してんのに、雅哉さん、本当にもう、俺すぐイきそう」
童貞のガキでもあるまいに。何を言っているんだか。
と雅哉は心で思う。思うしか出来そうにない。
「ひ、やめ、前、さわ……ん、な!」
慌てたのは雅哉で。今後そのまま五紀に付き合うなら、今イってしまえば辛くなる。
だから、雅哉も我慢していたのだ。
「だって、最初は一緒にイきたいじゃん。大丈夫。雅哉さんが回復するまでは、待つから。今度は、ちゃんと待つから、ね、イって」
そう言われてしまえば、雅哉は五紀の言葉を信じるしかなくなる。
五紀だって、雅哉に無理強いはしたくないのだ。けれど、自分の熱を自分で抑えられないから。
最初は一緒にイきたい。
そう思っても良いだろう。と五紀は思う。
その後に待つくらいは、出来る。気がする。
一度上がった熱を、一旦下げれば、何とかなる。気がする。
五紀はそう思いながら、自身と雅哉を追い詰めていく。
「い、あぁ、ん、ん……」
抑えられない雅哉のいつもより高い声。
あぁ、これがずっと聞きたかったと、五紀は思う。
いつもよりも甘く高い声は、それだけで五紀を高める材料だ。
雅哉本人は毎回声を出すのを嫌がっていたけど。あんまりにも五紀が毎回声を出せと言うからか、いつからか声を我慢しないでくれる様になっていた。
うがたれて、乱れる雅哉は、本当に綺麗だと五紀は思う。
雅哉は自身をオッサンだとか、オヤジだろとか言うけれど。
引き締まっている身体には、贅肉は無いし。まだまだ綺麗にハリが有ると五紀は思う。
どんな女より、雅哉が綺麗だと思うから。だから五紀は他に目移りをしたことが無い。
雅哉にもさせない。
というか、雅哉自身女にはさほど興味を持っていない。
五紀が居るから、五紀以外とはこんなことをしようとは思ってもいない。
もともと雅哉は一途だった。だから、五紀を受け入れてからは、五紀以外を考えたことは無かった。
「は、い、つき、あ、も、イく」
雅哉も我慢していたのだから、こんな風にされてしまえば、すぐにイくのは当たり前で。
抱かれる悦びを知った身体は、五紀以外受け付けないだろうと、雅哉は思う。
こんな風に名を呼ぶのは、五紀だけで良いと。そう思っている。
けれど。
自身の年齢を顧みて、これで良いのかとも思うのも事実で。雅哉はだから自分をオッサンだとか、オヤジだとか、何かにつけて五紀に言うのだ。
それでも良いという答えを期待して。
その答えが無くなれば、この関係も終わりなのだろう、と。
「は、本当、雅哉さん綺麗。俺も我慢限界」
イこ?と。
言葉どおりに、五紀の指が、楔が、雅哉を上り詰めさせる。
ドクリと爆ぜたのは、どちらが先だったのか。
余韻で、しばらくは動けそうにはない。
お互いに息が荒い。
フワリと雅哉を抱き込む様に倒れて来た五紀の体重を思い、雅哉は知らず笑みがもれる。
いつから、こんなにも五紀に絆されていたのかなぁ。などと雅哉は思いながら。眠気に抗って、なんとか五紀を抱き締め返す。
「眠そうだね、雅哉さん」
五紀はすぐに雅哉の状態を把握する。
「眠くなるだろ。普通に」
オッサンだからな、とは今は言わない。
必要じゃ無いから。
「俺はまだまだイけるけど。雅哉さん回復するまでは待つって言ったからね。寝ないでよ」
中に五紀を感じたままだ。抜かれていない。
「こんな状態で寝れるか」
「んー、中に挿ったままでも良いなら、寝て良いよ?」
「馬鹿か」
こんな軽口も、二人の間で出来る様になったのは、本当につい最近だ。
「まぁ、まだ付き合ってもらうから、寝ちゃっても起こすけどね」
起こし方の問題が有る。そう雅哉は思いつつ、眠気をなんとかやり過ごそうとする。
「んじゃ、会話してよ?」
声を我慢するとか、最初からさせてもらえないのは、雅哉はよくわかっている。
雅哉がどう感じているのか知りたいからと、五紀は声を抑えるのことをさせてくれないのだ。
わかってはいても、雅哉には恥ずかしいことで。
「ん。もう指三本入ってる。わかる?雅哉さん」
そんな確認さえも、雅哉には羞恥心を煽って来るものでしかない。
「はっ、抑え、きかないとか、言ってたのは、どこのどいつだ」
最初から、焦らされているではないかと、雅哉は思う。
だが、この状態で五紀を睨んでも、煽るだけだと熟知している。
「久しぶりだからね、傷付けるなんて、したくないし。ほら、まだ苦しそう」
なんて、五紀は言って。指の角度を変えて来るから、雅哉の身体はビクリと跳ねた。
「あ、はっ。も、だいじょ、ぶだと、わかってん、だろうが」
それでも雅哉の言葉は、五紀に強気で。
欲しいとねだっている様なものだけれど。これ以上焦らされても、辛いのはお互い様なのだけれど。
五紀が自分で焦らしているにもかかわらず、がっつかれて困るのは雅哉だ。
「雅哉さん、俺のこと欲しいって、言って?」
五紀の言葉に、雅哉は「は?」と呆ける。
言ってるじゃないかと雅哉は思うのだが。あの言葉だけじゃ、足りないらしい。
何度もされて、身体の開き方を覚えさせられた雅哉だ。今だって、圧迫感に苦しんでいるのではない。
中のイイ所を擦られはするけれど。決定的な物が足りないのだ。
灼熱の楔で、奥を付かれる良さを、知ってしまっている。だから、足りない。
そう雅哉は思っている。けれど、それを言葉に出せと言われるのは、羞恥心が上回る。
「ひぁ……」
焦れたのか、指の動きが早くなった五紀。
「ね、雅哉さん。指だけでイく?」
そんなこと、五紀自身が辛いだけだろうに。
けれど本当にしてしまいそうな五紀に、雅哉が焦る。
前を弄られれば、たしかに指だけでイけるだろう。けれど、奥が欲しがっているのは事実で。
ひく付く自分の身体が、心底恨めしい。雅哉は荒い呼吸の中で、なんとか言葉を探す。
一度出した後で、五紀に抱かれるのは、相当に辛いのだ。雅哉自身が。イけるほど、回復しないのに、それでも快楽は来るから。
「出さないで、イきたいの?」
どの道五紀に付き合うと、そうなることもしばしば有るのだが。最初からそれでは、本当に雅哉の体力では付いて行けない。
「じらす、な。早く、欲しい……」
出て来た言葉は率直過ぎて。ねだってる内に入るかどうかも怪しい。
けれど。
「んあ……くっ」
いきなり五紀の指がズルリと抜かれ、あてがわれた熱。
「ひっ、あ、あぁぁ……」
いきなり過ぎるだろう。とか、雅哉は思うけれど。
本人が抑えが効かないとか言っていたとおりで、熱い楔は雅哉の最奥まで一気にうがたれた。
「い、つき……おま、え……な……」
「ごめん。雅哉さん。でも大丈夫そうだね」
謝っているようには聞こえない五紀の言葉。それでも、中が五紀のソレを、しっかりと感じて蠢いていることを、雅哉は知っている。
「はっ、すげーイイ」
なんて、自分の上で言っている五紀を、雅哉は呼吸を整えながら見上げる。
「雅哉さん、顔溶けてる。イイの?」
自身の顔がどんななのかは、雅哉は知りたくも無いけれど。
それでもやはりこうされてしまえば、身体は素直に悦んでいるのだから、仕方がない。
「う、ごくのは、も、すこし、まて」
さすがに一気に挿れられて、すぐに大丈夫になれるほどではない。
「この状態で、動くなとか、キツイんだけど」
と言いつつも、五紀はしっかりと待ってくれるのを、雅哉は知っている。
五紀本人が、抑えるのが本当に辛そうではある。のだけれど。
たしかに先週が無かったから、二週間ぶりではあるので。ということは、雅哉の負担も、間を置いた分だけ多くなるのだ。
「すっげー中、動いてるけど?吸い付かれてるってか、吸い出そうとしてるみたい」
「言うな、馬鹿か」
雅哉が顔を背けた瞬間だった。五紀が大きく動いたのは。
「っ、は、んあ……」
文句も出ない。
というか、出せない。
「我慢してんのに、雅哉さん、本当にもう、俺すぐイきそう」
童貞のガキでもあるまいに。何を言っているんだか。
と雅哉は心で思う。思うしか出来そうにない。
「ひ、やめ、前、さわ……ん、な!」
慌てたのは雅哉で。今後そのまま五紀に付き合うなら、今イってしまえば辛くなる。
だから、雅哉も我慢していたのだ。
「だって、最初は一緒にイきたいじゃん。大丈夫。雅哉さんが回復するまでは、待つから。今度は、ちゃんと待つから、ね、イって」
そう言われてしまえば、雅哉は五紀の言葉を信じるしかなくなる。
五紀だって、雅哉に無理強いはしたくないのだ。けれど、自分の熱を自分で抑えられないから。
最初は一緒にイきたい。
そう思っても良いだろう。と五紀は思う。
その後に待つくらいは、出来る。気がする。
一度上がった熱を、一旦下げれば、何とかなる。気がする。
五紀はそう思いながら、自身と雅哉を追い詰めていく。
「い、あぁ、ん、ん……」
抑えられない雅哉のいつもより高い声。
あぁ、これがずっと聞きたかったと、五紀は思う。
いつもよりも甘く高い声は、それだけで五紀を高める材料だ。
雅哉本人は毎回声を出すのを嫌がっていたけど。あんまりにも五紀が毎回声を出せと言うからか、いつからか声を我慢しないでくれる様になっていた。
うがたれて、乱れる雅哉は、本当に綺麗だと五紀は思う。
雅哉は自身をオッサンだとか、オヤジだろとか言うけれど。
引き締まっている身体には、贅肉は無いし。まだまだ綺麗にハリが有ると五紀は思う。
どんな女より、雅哉が綺麗だと思うから。だから五紀は他に目移りをしたことが無い。
雅哉にもさせない。
というか、雅哉自身女にはさほど興味を持っていない。
五紀が居るから、五紀以外とはこんなことをしようとは思ってもいない。
もともと雅哉は一途だった。だから、五紀を受け入れてからは、五紀以外を考えたことは無かった。
「は、い、つき、あ、も、イく」
雅哉も我慢していたのだから、こんな風にされてしまえば、すぐにイくのは当たり前で。
抱かれる悦びを知った身体は、五紀以外受け付けないだろうと、雅哉は思う。
こんな風に名を呼ぶのは、五紀だけで良いと。そう思っている。
けれど。
自身の年齢を顧みて、これで良いのかとも思うのも事実で。雅哉はだから自分をオッサンだとか、オヤジだとか、何かにつけて五紀に言うのだ。
それでも良いという答えを期待して。
その答えが無くなれば、この関係も終わりなのだろう、と。
「は、本当、雅哉さん綺麗。俺も我慢限界」
イこ?と。
言葉どおりに、五紀の指が、楔が、雅哉を上り詰めさせる。
ドクリと爆ぜたのは、どちらが先だったのか。
余韻で、しばらくは動けそうにはない。
お互いに息が荒い。
フワリと雅哉を抱き込む様に倒れて来た五紀の体重を思い、雅哉は知らず笑みがもれる。
いつから、こんなにも五紀に絆されていたのかなぁ。などと雅哉は思いながら。眠気に抗って、なんとか五紀を抱き締め返す。
「眠そうだね、雅哉さん」
五紀はすぐに雅哉の状態を把握する。
「眠くなるだろ。普通に」
オッサンだからな、とは今は言わない。
必要じゃ無いから。
「俺はまだまだイけるけど。雅哉さん回復するまでは待つって言ったからね。寝ないでよ」
中に五紀を感じたままだ。抜かれていない。
「こんな状態で寝れるか」
「んー、中に挿ったままでも良いなら、寝て良いよ?」
「馬鹿か」
こんな軽口も、二人の間で出来る様になったのは、本当につい最近だ。
「まぁ、まだ付き合ってもらうから、寝ちゃっても起こすけどね」
起こし方の問題が有る。そう雅哉は思いつつ、眠気をなんとかやり過ごそうとする。
「んじゃ、会話してよ?」
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