30 / 69
第四章
第49話 エメラルドヒドラを捜索中
しおりを挟む
ブックマーク&ポイントありがとう御座います。
********************************************
30層に降りてから早1時間。エメラルドヒドラが見つからない。
エメラルドヒドラはレベル135と低層の守護者並みの実力を持っているが、守護者ではなく普通の魔物だ。故に固定の生息地があるわけでもなく30層を彷徨っている為、僕達も30層を探し回るはめになっていた。
ここで、セバスさんに聞けばいいのではと思う人もいるだろうが、実は先のサンダーレイス戦の時に、お力をお借りしたため「これも訓練です。今回はご自身の力でお探し下さい」と言われてしまった。正直面倒くさい。一応、近くに来たら教えて下さいとお願いしたら「仕方ありませんね」と、そこは許可してくれたのでいきなり遭遇戦をさせられる事が無くなっただけでも良しとしよう。
そんな訳で僕達はあても無く30層を探し回る事になったのだ。
しかし、ここ30層に来てから再び魔物が一気に強力になって来た。大まなか平均レベルが120くらいだろうか。流石にこれだけレベルが高いと1回1回戦う度に全力で戦わないとマジで死ぬレベルだ。
とは言いつつ僕自身のレベルも、10体のサンダーレイスをほぼ単独撃破した事と、30層での戦闘で115まで上がったで、以前よりも多少は楽に戦えるようになった気がする。
問題はエメラルドヒドラの実力かな。まあ、オーガロードと比べるとレベルが低いから単独撃破も可能だとは思うけど、油断はできないだろう。というか、ここまでレベルの高い魔物が相手となると、装備補正が無いクラウディアさん達は正直戦力にはならない……。いや、足手まとい的な……。
実際は戦ってみないと分からないか。一度当たって見て危険と感じたらクラウディアさん達には撤退してもらおう。
それから2時間ほどエメラルドヒドラの探索を続け、今日はもう諦めようかと思い始めた頃、セバスさんから報告が入る。ちなみにエメラルドヒドラが100m以内に入ればセバスさんから報告が入る事になっていた。
『クラウド様、お待ちください。そこの角を右に曲がり80mほど行った場所にエメラルドヒドラがいます』
やっとか。ようやくエメラルドヒドラと対面だよ。そうだ、クラウディアさん達にも伝えないとな。
「あそこの角を右に曲がった所にエメラルドヒドラがいるようです。クラウディアさん達も戦闘の準備をお願いします。それから今回の敵はレベル135と今までの魔物とは格が違います。守護者だったあのダイルバイパーよりも更にレベルが10も高い魔物です。僕が危険と感じたら撤退指示を出します。その時は必ず指示に従って撤退して下さい。後は僕が何とかしますから」
僕の言葉に最初は「私たちがお願いしている事です。クラウド様を置いて先に逃げるわけにはまいりません」とか言っていたが、素直に「実力不足の者が一緒にいては却って僕自身も危険にさらされます」と伝えると悔しそうであったが了承してくれた。
これで取りあえず、クラウディアさん達は問題無いかな。
『みんな、いよいよエメラルドヒドラと戦うけど準備は良い?』
俺が装備のみんなに声を掛けるとそれぞれ元気な返事が返って来た。
では、とその前に、先ずはどんなやつか確認しないとね。ということで、角までコソコソ歩いていくと慎重にエメラルドヒドラのいる方を覗く。
いました。しかしデカいな。通路の天井に頭が届きそうだ。
覗いた先には、全身エメラルドのような美しい鱗で覆われた巨体に、凶悪な9つの竜の頭を持ったドラゴンが立っていた。
あれは見るからに強そうだな。見た目だけならオーガロードよりも強そうに見えるのは、竜種ならではの迫力のようなものなのかもしれない。
「じゃあ、僕から先ず先制攻撃します。クラウディアさん達はなるべく距離を取って僕のサポートに回るようにしてください」
僕の言葉にクラウディアさん達は頷き各々の武器を構える。ちなみに今回はアンネマリーさんも弓装備で戦ってもらう事になっている。
それではこれから先制攻撃開始するのだが、その攻撃方法は雷魔法の雷の槍9本セットによりヘッドショットを狙い。同時にクイの『魔炎の矢』により攻撃をしかける。そして先制攻撃の後は与えたダメージによって臨機応変に対応するという事になりそうだ。
ホント『魔導の深淵』も使いたいが、セバスさん的に「それでは訓練になりませんので今回は許可を出せません」との事らしい。相変わらず厳しい方です。というか、これも訓練のうちのようです。
そんな訳でホントに戦闘開始だ。クイを構えた僕は同時に雷の槍を展開し、準備万端になった所でエメラルドヒドラの前に躍り出る。
「じゃあ、戦闘開始します!」
クラウディアさん達に宣言するように一つ気合の言葉を発し、僕は魔炎の矢と9本の雷の槍を一斉に発射した。
************************************************
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ブックマークや評価ポイントを頂けると、とても励みになります。
アルファポリス様でランキング参加する事にしました。下のバナーからよろしくお願いします。
********************************************
30層に降りてから早1時間。エメラルドヒドラが見つからない。
エメラルドヒドラはレベル135と低層の守護者並みの実力を持っているが、守護者ではなく普通の魔物だ。故に固定の生息地があるわけでもなく30層を彷徨っている為、僕達も30層を探し回るはめになっていた。
ここで、セバスさんに聞けばいいのではと思う人もいるだろうが、実は先のサンダーレイス戦の時に、お力をお借りしたため「これも訓練です。今回はご自身の力でお探し下さい」と言われてしまった。正直面倒くさい。一応、近くに来たら教えて下さいとお願いしたら「仕方ありませんね」と、そこは許可してくれたのでいきなり遭遇戦をさせられる事が無くなっただけでも良しとしよう。
そんな訳で僕達はあても無く30層を探し回る事になったのだ。
しかし、ここ30層に来てから再び魔物が一気に強力になって来た。大まなか平均レベルが120くらいだろうか。流石にこれだけレベルが高いと1回1回戦う度に全力で戦わないとマジで死ぬレベルだ。
とは言いつつ僕自身のレベルも、10体のサンダーレイスをほぼ単独撃破した事と、30層での戦闘で115まで上がったで、以前よりも多少は楽に戦えるようになった気がする。
問題はエメラルドヒドラの実力かな。まあ、オーガロードと比べるとレベルが低いから単独撃破も可能だとは思うけど、油断はできないだろう。というか、ここまでレベルの高い魔物が相手となると、装備補正が無いクラウディアさん達は正直戦力にはならない……。いや、足手まとい的な……。
実際は戦ってみないと分からないか。一度当たって見て危険と感じたらクラウディアさん達には撤退してもらおう。
それから2時間ほどエメラルドヒドラの探索を続け、今日はもう諦めようかと思い始めた頃、セバスさんから報告が入る。ちなみにエメラルドヒドラが100m以内に入ればセバスさんから報告が入る事になっていた。
『クラウド様、お待ちください。そこの角を右に曲がり80mほど行った場所にエメラルドヒドラがいます』
やっとか。ようやくエメラルドヒドラと対面だよ。そうだ、クラウディアさん達にも伝えないとな。
「あそこの角を右に曲がった所にエメラルドヒドラがいるようです。クラウディアさん達も戦闘の準備をお願いします。それから今回の敵はレベル135と今までの魔物とは格が違います。守護者だったあのダイルバイパーよりも更にレベルが10も高い魔物です。僕が危険と感じたら撤退指示を出します。その時は必ず指示に従って撤退して下さい。後は僕が何とかしますから」
僕の言葉に最初は「私たちがお願いしている事です。クラウド様を置いて先に逃げるわけにはまいりません」とか言っていたが、素直に「実力不足の者が一緒にいては却って僕自身も危険にさらされます」と伝えると悔しそうであったが了承してくれた。
これで取りあえず、クラウディアさん達は問題無いかな。
『みんな、いよいよエメラルドヒドラと戦うけど準備は良い?』
俺が装備のみんなに声を掛けるとそれぞれ元気な返事が返って来た。
では、とその前に、先ずはどんなやつか確認しないとね。ということで、角までコソコソ歩いていくと慎重にエメラルドヒドラのいる方を覗く。
いました。しかしデカいな。通路の天井に頭が届きそうだ。
覗いた先には、全身エメラルドのような美しい鱗で覆われた巨体に、凶悪な9つの竜の頭を持ったドラゴンが立っていた。
あれは見るからに強そうだな。見た目だけならオーガロードよりも強そうに見えるのは、竜種ならではの迫力のようなものなのかもしれない。
「じゃあ、僕から先ず先制攻撃します。クラウディアさん達はなるべく距離を取って僕のサポートに回るようにしてください」
僕の言葉にクラウディアさん達は頷き各々の武器を構える。ちなみに今回はアンネマリーさんも弓装備で戦ってもらう事になっている。
それではこれから先制攻撃開始するのだが、その攻撃方法は雷魔法の雷の槍9本セットによりヘッドショットを狙い。同時にクイの『魔炎の矢』により攻撃をしかける。そして先制攻撃の後は与えたダメージによって臨機応変に対応するという事になりそうだ。
ホント『魔導の深淵』も使いたいが、セバスさん的に「それでは訓練になりませんので今回は許可を出せません」との事らしい。相変わらず厳しい方です。というか、これも訓練のうちのようです。
そんな訳でホントに戦闘開始だ。クイを構えた僕は同時に雷の槍を展開し、準備万端になった所でエメラルドヒドラの前に躍り出る。
「じゃあ、戦闘開始します!」
クラウディアさん達に宣言するように一つ気合の言葉を発し、僕は魔炎の矢と9本の雷の槍を一斉に発射した。
************************************************
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ブックマークや評価ポイントを頂けると、とても励みになります。
アルファポリス様でランキング参加する事にしました。下のバナーからよろしくお願いします。
0
お気に入りに追加
407
あなたにおすすめの小説
【完】あの、……どなたでしょうか?
桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー
爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」
見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は………
「あの、……どなたのことでしょうか?」
まさかの意味不明発言!!
今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!!
結末やいかに!!
*******************
執筆終了済みです。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
【完結】言いたいことがあるなら言ってみろ、と言われたので遠慮なく言ってみた
杜野秋人
ファンタジー
社交シーズン最後の大晩餐会と舞踏会。そのさなか、第三王子が突然、婚約者である伯爵家令嬢に婚約破棄を突き付けた。
なんでも、伯爵家令嬢が婚約者の地位を笠に着て、第三王子の寵愛する子爵家令嬢を虐めていたというのだ。
婚約者は否定するも、他にも次々と証言や証人が出てきて黙り込み俯いてしまう。
勝ち誇った王子は、最後にこう宣言した。
「そなたにも言い分はあろう。私は寛大だから弁明の機会をくれてやる。言いたいことがあるなら言ってみろ」
その一言が、自らの破滅を呼ぶことになるなど、この時彼はまだ気付いていなかった⸺!
◆例によって設定ナシの即興作品です。なので主人公の伯爵家令嬢以外に固有名詞はありません。頭カラッポにしてゆるっとお楽しみ下さい。
婚約破棄ものですが恋愛はありません。もちろん元サヤもナシです。
◆全6話、約15000字程度でサラッと読めます。1日1話ずつ更新。
◆この物語はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。
◆9/29、HOTランキング入り!お読み頂きありがとうございます!
10/1、HOTランキング最高6位、人気ランキング11位、ファンタジーランキング1位!24h.pt瞬間最大11万4000pt!いずれも自己ベスト!ありがとうございます!
婚約者に消えろと言われたので湖に飛び込んだら、気づけば三年が経っていました。
束原ミヤコ
恋愛
公爵令嬢シャロンは、王太子オリバーの婚約者に選ばれてから、厳しい王妃教育に耐えていた。
だが、十六歳になり貴族学園に入学すると、オリバーはすでに子爵令嬢エミリアと浮気をしていた。
そしてある冬のこと。オリバーに「私の為に消えろ」というような意味のことを告げられる。
全てを諦めたシャロンは、精霊の湖と呼ばれている学園の裏庭にある湖に飛び込んだ。
気づくと、見知らぬ場所に寝かされていた。
そこにはかつて、病弱で体の小さかった辺境伯家の息子アダムがいた。
すっかり立派になったアダムは「あれから三年、君は目覚めなかった」と言った――。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と叫んだら長年の婚約者だった新妻に「気持ち悪い」と言われた上に父にも予想外の事を言われた男とその浮気女の話
ラララキヲ
恋愛
長年の婚約者を欺いて平民女と浮気していた侯爵家長男。3年後の白い結婚での離婚を浮気女に約束して、新妻の寝室へと向かう。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と愛する夫から宣言された無様な女を嘲笑う為だけに。
しかし寝室に居た妻は……
希望通りの白い結婚と愛人との未来輝く生活の筈が……全てを周りに知られていた上に自分の父親である侯爵家当主から言われた言葉は──
一人の女性を蹴落として掴んだ彼らの未来は……──
<【ざまぁ編】【イリーナ編】【コザック第二の人生編(ザマァ有)】となりました>
◇テンプレ浮気クソ男女。
◇軽い触れ合い表現があるのでR15に
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾は察して下さい…
◇なろうにも上げてます。
※HOTランキング入り(1位)!?[恋愛::3位]ありがとうございます!恐縮です!期待に添えればよいのですがッ!!(;><)
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
あなたの子ですが、内緒で育てます
椿蛍
恋愛
「本当にあなたの子ですか?」
突然現れた浮気相手、私の夫である国王陛下の子を身籠っているという。
夫、王妃の座、全て奪われ冷遇される日々――王宮から、追われた私のお腹には陛下の子が宿っていた。
私は強くなることを決意する。
「この子は私が育てます!」
お腹にいる子供は王の子。
王の子だけが不思議な力を持つ。
私は育った子供を連れて王宮へ戻る。
――そして、私を追い出したことを後悔してください。
※夫の後悔、浮気相手と虐げられからのざまあ
※他サイト様でも掲載しております。
※hotランキング1位&エールありがとうございます!
夫から国外追放を言い渡されました
杉本凪咲
恋愛
夫は冷淡に私を国外追放に処した。
どうやら、私が使用人をいじめたことが原因らしい。
抵抗虚しく兵士によって連れていかれてしまう私。
そんな私に、被害者である使用人は笑いかけていた……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる