22 / 69
第四章
第41話 クラウディアさんの依頼
しおりを挟む
ブックマーク&ポイントありがとう御座います。
********************************************
「お願いしたい事というのは、エメラルドヒドラを倒すのを手伝って欲しいのです」
エメラルドヒドラ? この迷宮にいる魔物かな?
『セバスさん。エメラルドヒドラについてなにか知ってますか?』
『はい。エメラルドヒドラは、ヒドラ種の中でも魔法攻撃を得意とする変わった種です。この迷宮の30階層に棲息する魔物ですが、レベルは135と30階層に生息する魔物の中では突出したレベルの高さを魔物です』
レベル135か。かなりに強敵だな。
『ちなみにクラウディアさん達のレベルっていくつです?』
『クラウディア様が112、アンネマリー様が105、リーゼ様が102でございます』
それなりのレベルの高さだとは思うけど、エメラルドヒドラを倒すのはちょっと難しいかも。
「なぜ、エメラルドヒドラを倒したいんですか?」
クラウディアさん達にとってエメラルドヒドラはかなり危険な相手、全滅する可能性はかなり高い。彼女たちレベルで狙うような魔物ではないはずだ。まあ、僕も人の事言えないけど……。
「実は私の父が半年前から魔包病という病に掛かってしまい、それを治療するのにどうしてもエメラルドヒドラの魔石が必要なのです」
魔包病? 聞いた事ないな。どんな病気なんだろう
『セバスさん。魔包病って、どんな病気か知っていますか?』
『はい、知っております』
さすがセバスさん。聞けば何でも答えてくれる。
『魔包病とは極まれに高いに力を持った魔術師が掛かる病気で、突如魔力を体から放出できなくなり、その体に溜まった魔力が体を蝕んでいく病でございます。一度発病すると治療を行わなければ必ず1年以内に死に至ると言われる病です』
うわっ! マジに危ない病気だ。
『治療法はあるの?』
『はい。先ほどクラウディア様がおっしゃられていたエメラルドヒドラ、もしくはエメラルドドラゴンの魔石を粉末状にして飲む事で、滞っていた魔力の流れが正常に戻る事が確認されております』
なるほど、だからエメラルドヒドラの魔石が必要なのね。
『ちなみにセバスさんはエメラルドヒドラかエメラルドドラゴンの魔石は持ってない? あっ! 魔石の粉末を持っているのなら尚いいけど』
あれだけ色々持っているセバスさんなら持っているかも。
『申し訳ございません。持っておりません』
さすがに何でもかんでも持っている訳じゃないよね。
「一つ聞きたいのですが、エメラルドヒドラの魔石を買う事は出来なかったんですか?」
ギルドを通せば指定の魔石が手に入ることが多い。多少高いかもしれないが、A級迷宮で討伐系の依頼をしてくるのだから、特にお金が無い訳ではないだろう。
「ハンターギルドはもちろん商人ギルドや魔術師ギルドなどぼうぼう手を尽くし探したのですが……」
『エメラルドヒドラやエメラルドドラゴンの魔石は、強力な杖を作るのに必須の魔石ですので、おそらく一般の市場に出回る事は少ないのでしょう』
なるほど、それで……。確か発病から半年って言ってたし、もう時間が無いから自分たちで採るしかなくなったって事なんだな。
『みんなの意見を聞きたいんだけど、この依頼達成できると思う?』
取り敢えず、みんなの意見を聞いてみて考えよう。
『あの娘達と組んででしょ。それからの連携次第だけど行けるんじゃない』
最初に意見を言ったのはレヴィだ。当然参加に1票。
『私も特に問題に無いかと。強いて言うなら私達の事をどう伝えるかですが、オーラを見る限り伝えても特に問題ないかと』
オーラってなんだよ? 初めて聞いた。これは後でセバスさんい問いたださなければ。取り敢えず今回はその事は後にして、セバスさんも参加に賛成という事だな。
『わたくしも面白そう出から、いいんじゃないかしら』
段々分かってきたが、アキーレさんの判断基準は面白いか、面白くないかのようだ。で、今回は面白そうなので参加という事らしい。
『拙者は主の判断に従います。ただ何があっても拙者が主をお守りするのでご安心を』
まあ、イジスさんはいつも通りだな。
『わたしは、あの人達がいる所為でご飯が食べれないなら反対です。ただご飯が食べれるなら問題ありません』
依頼が達成出来るかどうかって話なのに全く関係ない答えじゃん。クイらしいけど。
『キーレはお兄ちゃんと一緒にいられるなら大丈夫』
『アーレも兄様と一緒なら大丈夫です』
うん、僕の言った意味が通じてないみたいだけど反応が可愛いからいいや。後で撫でてあげよう。
で、みんなの意見をまとめると依頼を受けるって事になるのかな。まあ、たまには、普通の人達とパーティーを組むのもいいかもしれないか。
クラウディアさん達の表情を見ると不安そうに僕が答えを出すのを待っている。どうやら、僕がみんなと相談しているのを、依頼を受けるか考えていると思って、ずっと黙って待っていたみたいだ。まあ、考えていたのは間違いけどね。
「あの、そう言えば報酬を聞いていなかったんですが……」
いくらでも受けるつもりだけど、一応きっちり決めておかないと。こういう事はきっちりしとかないとトラブルの原因になるしね。
「あっ! これは失礼しました。肝心な事をお伝えしてしておりませんでした。報酬ですが、金貨30枚、更に我が家にある迷宮産の武具の中から望む物を1点差し上げます」
おお、すごい! 金貨30枚ってレベル135の魔物の魔石の相場から考えるとかなり高い気がする。それに迷宮産の武具か……。まあ、そっちはあまり期待できないかな。今の装備がすご過ぎるし。
「分かりました。事情も分かりましたし、この依頼受けさせてもらいます」
そう僕が言うと、3人の表情がパッと明るくなる。こんな美人さん3人の笑顔を見れただけで、依頼を受けて良かったと思ってしまうのは、やっぱり僕がまだお子様だからなのだろうか? まあ、実際お子様だけどね。
こうして新たにクラウディアさん達をパーティーに加え、迷宮に挑むことになった。目指すは30階層にいるエメラルドヒドラ。明確な目標が決まり、僕達4人+装備7人による迷宮探索は始まった。
************************************************
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ブックマークや評価ポイントを頂けると、とても励みになります。
アルファポリス様でランキング参加する事にしました。下のバナーからよろしくお願いします。
********************************************
「お願いしたい事というのは、エメラルドヒドラを倒すのを手伝って欲しいのです」
エメラルドヒドラ? この迷宮にいる魔物かな?
『セバスさん。エメラルドヒドラについてなにか知ってますか?』
『はい。エメラルドヒドラは、ヒドラ種の中でも魔法攻撃を得意とする変わった種です。この迷宮の30階層に棲息する魔物ですが、レベルは135と30階層に生息する魔物の中では突出したレベルの高さを魔物です』
レベル135か。かなりに強敵だな。
『ちなみにクラウディアさん達のレベルっていくつです?』
『クラウディア様が112、アンネマリー様が105、リーゼ様が102でございます』
それなりのレベルの高さだとは思うけど、エメラルドヒドラを倒すのはちょっと難しいかも。
「なぜ、エメラルドヒドラを倒したいんですか?」
クラウディアさん達にとってエメラルドヒドラはかなり危険な相手、全滅する可能性はかなり高い。彼女たちレベルで狙うような魔物ではないはずだ。まあ、僕も人の事言えないけど……。
「実は私の父が半年前から魔包病という病に掛かってしまい、それを治療するのにどうしてもエメラルドヒドラの魔石が必要なのです」
魔包病? 聞いた事ないな。どんな病気なんだろう
『セバスさん。魔包病って、どんな病気か知っていますか?』
『はい、知っております』
さすがセバスさん。聞けば何でも答えてくれる。
『魔包病とは極まれに高いに力を持った魔術師が掛かる病気で、突如魔力を体から放出できなくなり、その体に溜まった魔力が体を蝕んでいく病でございます。一度発病すると治療を行わなければ必ず1年以内に死に至ると言われる病です』
うわっ! マジに危ない病気だ。
『治療法はあるの?』
『はい。先ほどクラウディア様がおっしゃられていたエメラルドヒドラ、もしくはエメラルドドラゴンの魔石を粉末状にして飲む事で、滞っていた魔力の流れが正常に戻る事が確認されております』
なるほど、だからエメラルドヒドラの魔石が必要なのね。
『ちなみにセバスさんはエメラルドヒドラかエメラルドドラゴンの魔石は持ってない? あっ! 魔石の粉末を持っているのなら尚いいけど』
あれだけ色々持っているセバスさんなら持っているかも。
『申し訳ございません。持っておりません』
さすがに何でもかんでも持っている訳じゃないよね。
「一つ聞きたいのですが、エメラルドヒドラの魔石を買う事は出来なかったんですか?」
ギルドを通せば指定の魔石が手に入ることが多い。多少高いかもしれないが、A級迷宮で討伐系の依頼をしてくるのだから、特にお金が無い訳ではないだろう。
「ハンターギルドはもちろん商人ギルドや魔術師ギルドなどぼうぼう手を尽くし探したのですが……」
『エメラルドヒドラやエメラルドドラゴンの魔石は、強力な杖を作るのに必須の魔石ですので、おそらく一般の市場に出回る事は少ないのでしょう』
なるほど、それで……。確か発病から半年って言ってたし、もう時間が無いから自分たちで採るしかなくなったって事なんだな。
『みんなの意見を聞きたいんだけど、この依頼達成できると思う?』
取り敢えず、みんなの意見を聞いてみて考えよう。
『あの娘達と組んででしょ。それからの連携次第だけど行けるんじゃない』
最初に意見を言ったのはレヴィだ。当然参加に1票。
『私も特に問題に無いかと。強いて言うなら私達の事をどう伝えるかですが、オーラを見る限り伝えても特に問題ないかと』
オーラってなんだよ? 初めて聞いた。これは後でセバスさんい問いたださなければ。取り敢えず今回はその事は後にして、セバスさんも参加に賛成という事だな。
『わたくしも面白そう出から、いいんじゃないかしら』
段々分かってきたが、アキーレさんの判断基準は面白いか、面白くないかのようだ。で、今回は面白そうなので参加という事らしい。
『拙者は主の判断に従います。ただ何があっても拙者が主をお守りするのでご安心を』
まあ、イジスさんはいつも通りだな。
『わたしは、あの人達がいる所為でご飯が食べれないなら反対です。ただご飯が食べれるなら問題ありません』
依頼が達成出来るかどうかって話なのに全く関係ない答えじゃん。クイらしいけど。
『キーレはお兄ちゃんと一緒にいられるなら大丈夫』
『アーレも兄様と一緒なら大丈夫です』
うん、僕の言った意味が通じてないみたいだけど反応が可愛いからいいや。後で撫でてあげよう。
で、みんなの意見をまとめると依頼を受けるって事になるのかな。まあ、たまには、普通の人達とパーティーを組むのもいいかもしれないか。
クラウディアさん達の表情を見ると不安そうに僕が答えを出すのを待っている。どうやら、僕がみんなと相談しているのを、依頼を受けるか考えていると思って、ずっと黙って待っていたみたいだ。まあ、考えていたのは間違いけどね。
「あの、そう言えば報酬を聞いていなかったんですが……」
いくらでも受けるつもりだけど、一応きっちり決めておかないと。こういう事はきっちりしとかないとトラブルの原因になるしね。
「あっ! これは失礼しました。肝心な事をお伝えしてしておりませんでした。報酬ですが、金貨30枚、更に我が家にある迷宮産の武具の中から望む物を1点差し上げます」
おお、すごい! 金貨30枚ってレベル135の魔物の魔石の相場から考えるとかなり高い気がする。それに迷宮産の武具か……。まあ、そっちはあまり期待できないかな。今の装備がすご過ぎるし。
「分かりました。事情も分かりましたし、この依頼受けさせてもらいます」
そう僕が言うと、3人の表情がパッと明るくなる。こんな美人さん3人の笑顔を見れただけで、依頼を受けて良かったと思ってしまうのは、やっぱり僕がまだお子様だからなのだろうか? まあ、実際お子様だけどね。
こうして新たにクラウディアさん達をパーティーに加え、迷宮に挑むことになった。目指すは30階層にいるエメラルドヒドラ。明確な目標が決まり、僕達4人+装備7人による迷宮探索は始まった。
************************************************
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ブックマークや評価ポイントを頂けると、とても励みになります。
アルファポリス様でランキング参加する事にしました。下のバナーからよろしくお願いします。
0
お気に入りに追加
407
あなたにおすすめの小説
【完】あの、……どなたでしょうか?
桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー
爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」
見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は………
「あの、……どなたのことでしょうか?」
まさかの意味不明発言!!
今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!!
結末やいかに!!
*******************
執筆終了済みです。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
婚約者に消えろと言われたので湖に飛び込んだら、気づけば三年が経っていました。
束原ミヤコ
恋愛
公爵令嬢シャロンは、王太子オリバーの婚約者に選ばれてから、厳しい王妃教育に耐えていた。
だが、十六歳になり貴族学園に入学すると、オリバーはすでに子爵令嬢エミリアと浮気をしていた。
そしてある冬のこと。オリバーに「私の為に消えろ」というような意味のことを告げられる。
全てを諦めたシャロンは、精霊の湖と呼ばれている学園の裏庭にある湖に飛び込んだ。
気づくと、見知らぬ場所に寝かされていた。
そこにはかつて、病弱で体の小さかった辺境伯家の息子アダムがいた。
すっかり立派になったアダムは「あれから三年、君は目覚めなかった」と言った――。
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と叫んだら長年の婚約者だった新妻に「気持ち悪い」と言われた上に父にも予想外の事を言われた男とその浮気女の話
ラララキヲ
恋愛
長年の婚約者を欺いて平民女と浮気していた侯爵家長男。3年後の白い結婚での離婚を浮気女に約束して、新妻の寝室へと向かう。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と愛する夫から宣言された無様な女を嘲笑う為だけに。
しかし寝室に居た妻は……
希望通りの白い結婚と愛人との未来輝く生活の筈が……全てを周りに知られていた上に自分の父親である侯爵家当主から言われた言葉は──
一人の女性を蹴落として掴んだ彼らの未来は……──
<【ざまぁ編】【イリーナ編】【コザック第二の人生編(ザマァ有)】となりました>
◇テンプレ浮気クソ男女。
◇軽い触れ合い表現があるのでR15に
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾は察して下さい…
◇なろうにも上げてます。
※HOTランキング入り(1位)!?[恋愛::3位]ありがとうございます!恐縮です!期待に添えればよいのですがッ!!(;><)
あなたの子ですが、内緒で育てます
椿蛍
恋愛
「本当にあなたの子ですか?」
突然現れた浮気相手、私の夫である国王陛下の子を身籠っているという。
夫、王妃の座、全て奪われ冷遇される日々――王宮から、追われた私のお腹には陛下の子が宿っていた。
私は強くなることを決意する。
「この子は私が育てます!」
お腹にいる子供は王の子。
王の子だけが不思議な力を持つ。
私は育った子供を連れて王宮へ戻る。
――そして、私を追い出したことを後悔してください。
※夫の後悔、浮気相手と虐げられからのざまあ
※他サイト様でも掲載しております。
※hotランキング1位&エールありがとうございます!
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
夫から国外追放を言い渡されました
杉本凪咲
恋愛
夫は冷淡に私を国外追放に処した。
どうやら、私が使用人をいじめたことが原因らしい。
抵抗虚しく兵士によって連れていかれてしまう私。
そんな私に、被害者である使用人は笑いかけていた……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる