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第三章

第26話 VSオーガロード

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 激しい鮮血をまき散らしながら、オーガが密集する中を魔剣レヴィを振りながら突き進む。

 オーガ達は何とか抵抗しようとしているが、僕の攻撃がそれを許さない。

 たとえ複数のオーガに囲まれたとしても、地獄のバトルロワイヤルと比べれば、ピクニックに行くようなものだ。

 オーガの数は、時間を追うごとに次々の減っていき、ついには残り3体を数えるまでになった。

 そこまで来るとオーガの方も僕には敵わないと思ったのか、逃げるような動きをし始める。

 しかし、それをオーガロードが許さない。

 逃げようとする、オーガの頭を掴むと、その握力で一気に握りつぶしてしまった。

 オーガの頭は熟れたトマトのように簡単に握り潰され、それを見た残りの2体のオーガは恐怖でその場に踏みとどまる。そして再び僕に得物向け戦闘態勢をとり始める。

 中々おっかないボスのようだ。

 しかもデカさが尋常じゃない! 普通のオーガの2倍以上あるんじゃないかな。

 しかし、なんちゅう握力してるんだ? ただでさえ硬そうそなオーガの頭を片手で握り潰すなんて、化け物にも程があるだろ。

 まあ、そうは言ってもここはやるしかないんだろな。どう見ても撤退してくれそうにはない。

 そうすると先ずは、

 『クイ! クレイさんは邪魔になるから、村に降ろして来てくれ』

 『了解しました。降ろしたらすぐに戻ります』

 取り敢えず、クレイさんの事は大丈夫だろう。後はオーガロードだな。

 「セバスさん。このオーガロードのレベルは?」

 『148で御座います』

 おお、思ったよりも高い。

 僕の今のレベルは101だから、その差47か。ちょっとまずいレベル差かも。

 『ね~、クラウド。メキドソード使う?』とレヴィが提案してくる。

 メキドソードは迷宮脱出の時に使って以来使用していない。既に迷宮を脱出してから1ヶ月以上経っている。使用するのに問題ない状態だ。

 確かにメキドソードを使えば一発で倒せるだろうけど、30日縛りがある以上、今後何が有るか分からない状態で、そう簡単に使う訳には行かない。もちろんヤバくなったら迷わず使うけどね。

 「いや、今のところは止めておこう。もし、まともにやってダメなら遠慮なく使わせてもらうけどね」

 『了解! まあ、ボク達が付いてるから、正攻法でも何とかなると思うよ』
 
 レヴィ先生のお墨付きだ。何とかまともにやって倒す方法を考えよう。

 取りあえずは一戦してみてレベル差47がどれほどのものか体感してみるのがいいだろう。



 「じゃあ、レヴィ、イジスさん! 行くよ!」

 レヴィとイジスさんに呼びかけ、一気に突撃してオーガロードとの間合いを詰める。

 オーガロードは、こちらを睨むと、手に持っていた大剣を縦一閃、振り抜く。

 まだ、間合いには遠いはずだが、背中のにゾクリとする嫌な感覚を感じ、横に躱す。

 すると、今いた場所を、地面を抉りながら斬撃が抜けていく。

 あんな筋肉の塊のくせして、遠距離攻撃ありですか。見かけによらないな。

 しかし、いくら飛び道具を持っていたとしても、あんな大振りの攻撃、来るのが分かっていれば恐い攻撃ではない。

 すぐに体勢を立て直し、再び突撃を開始しオーガロードとの間合いを詰める。

 更に1度、飛ぶ斬撃の攻撃が有ったが、それを紙一重で躱し、オーガロードの懐に飛び込み、その胴体に一気に斬りかかる。

 しかしオーガロードはそれを察知して、バックステップで簡単に躱してしまう。

 くそっ! そんな図体して、何でそんなに機敏に動けるんだよ。

 文句を言っている間もなく、オーガロードは剣を横に薙ぎ払う。

 ガキキィィィン!!

 イジスさんを盾にその攻撃を受ける。

 しかしその強烈な力を抑えきる事が出来ず、5mほど激しく弾き飛ばされた。

 「いっつー」

 くそっ! なんて馬鹿力だ。

 何とか体勢を立て直し、追撃に備える。しかし、オーガロードはその場から動こうとしない。

 ちっ! 追撃をしてこないところをみると、完全に僕の事を舐めてやがるな。

 「イジスさん、大丈夫ですか?」

 『主よ、あの程度の攻撃、何万回、喰らったとしても、拙者には傷一つ付ける事など出来ませぬわ』

 さすが伝説の神盾イジスだ。

 ただ、何万回もあんな攻撃くらったら、僕の方が持ちませんよ。


 しかし、さすがに強いな。力はもちろんだけど、あんなに俊敏の動けるのは予想外だ。というより反則だろ。

 力でダメなら速さ勝負と思ったけど、その速さでもほぼ互角とあっては正直しんどすぎる。

 これがレベル差47の実力差というやつだろうか。正直、接近戦でまったく勝てる気がしなし。

 さて、そうするか……。

 取りあえず、剣でダメなら……。
 
 『ご主人様。クレイさんを降ろしてきました』

 おっと。ここでクイが戻ってきた。これで戦力が揃った。

 セバスさんも僕のサポートに集中してもらうとして。いよいよここからが本番。総力戦といきますか。
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