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俺たちが住んでいるマンションは同棲した時から住んでいた。バス通りに近いこともあって、そこそこいいお値段だが、東京近辺だと考えてみると安いものだ。
瓶の入った袋をマンションのゴミの集積所に置いて、妻と俺は近くのバス停に向かって並んで歩く。
別々の会社に勤めているから一緒なのは電車の途中までだ。俺が先に降りて別の線に乗り継ぎ、妻はそのまま中心街に行く。
「今日の夕飯どうする?」
「帰り遅くなるからいいよ」
「また残業? カツヤの会社って残業ばかりだよね」
「残業のない会社のほうが少ないだろ」
「定時上がりしてる人もいるじゃん」
「だって残業だろ?」
「まあ、そうだけど」
「二人とも残業なんだし、待ち合わせて食べて帰るか?」
「もったいないよ。それなら作るよ」
「リノだって疲れてんだろ。俺が作るから」
「カツヤが作れるのはお茶漬けだけでしょ。栄養偏るから作るよ」
「中食って手もあるわけだし」
「消費税が据え置きでも、高いからいいよ。ハンバーグの作り置きがあるから、後はコンソメスープとご飯でいいよね」
「それでいいよ」
そんな会話をしながら一日のスケジュールを確認しあってバスを待つ。
バスや電車の中でもいろんなことを話しているから、近くの乗客からこのバカップルめという目で見られることもある。
そんなバカップルだと思われるような幸せも、呆気なく捨てることを俺はしでかしたのだ。
瓶の入った袋をマンションのゴミの集積所に置いて、妻と俺は近くのバス停に向かって並んで歩く。
別々の会社に勤めているから一緒なのは電車の途中までだ。俺が先に降りて別の線に乗り継ぎ、妻はそのまま中心街に行く。
「今日の夕飯どうする?」
「帰り遅くなるからいいよ」
「また残業? カツヤの会社って残業ばかりだよね」
「残業のない会社のほうが少ないだろ」
「定時上がりしてる人もいるじゃん」
「だって残業だろ?」
「まあ、そうだけど」
「二人とも残業なんだし、待ち合わせて食べて帰るか?」
「もったいないよ。それなら作るよ」
「リノだって疲れてんだろ。俺が作るから」
「カツヤが作れるのはお茶漬けだけでしょ。栄養偏るから作るよ」
「中食って手もあるわけだし」
「消費税が据え置きでも、高いからいいよ。ハンバーグの作り置きがあるから、後はコンソメスープとご飯でいいよね」
「それでいいよ」
そんな会話をしながら一日のスケジュールを確認しあってバスを待つ。
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