2 / 3
【地雷有り】私が婚約者と結婚したくない理由
しおりを挟む
「姉様。姉様」
私は虚ろに男を受け入れていました。
泣き叫んでも、誰も助けてはくれません。
快楽に狂って、男を受け入れていました。
誰も来ません。
王子に愛されていない妃など、弱い立場です。
王族が暮らすプライヴェートエリア。そこに入れる者は限られています。
私の部屋で立ち入りを許されている殿方は親族くらい。
愛妾やそれ以外の浮気相手だけを愛する王子から、私はこの部屋から出ることを許されていません。公には嫁いでから体調を崩したとされています。
愛されぬ妃など自室に幽閉されるだけの存在。
それでも、私は夫を待ち続けていました。
ですが、私の下に訪れるのは弟だけ。
「姉様。姉様」
昏い目をした若い男が私を犯す。
結婚して数年。夫婦関係のない白い結婚を続けていた私の下に訪れた弟は、私の身体を暴きました。
ほんの数日前までは、私たちはごく普通の姉弟でした。
たった数日で、弟は変わってしまった。
いつものように、顔を見せに来てくれたのだと、お茶を用意しようとした時、襲われました。部屋の外に逃げようとして、扉を開けましたが、そこには警備の者はいませんでした。
状況に躊躇した私は弟に捕まり、引きずられて寝室に連れ込まれました。
あとは忌まわしい記憶です。
それから、何度も弟は私を犯しに来るようになりました。
後片付けをする侍女たちは何があったのか知っていても、何も言いませんでした。
助けてもくれませんでした。
私ははしたない声を上げて、男を受け入れます。
誰も助けてはくれない絶望と、可愛い弟の変貌を嘆きながら。
やがて、この関係に耐えられなくなった私は、自ら命を絶ちました。
しかし、14歳に戻りました。
今度こそは王子に愛してもらえると結婚すれば、白い結婚で、数年したら弟にまたも犯されました。
同じでした。
何も変わりませんでした。
王子の愛妾や浮気相手が変わろうと、私が白い結婚をすれば、弟に犯されることは変わりません。
何度繰り返しても、王子は私を愛さず、成人を迎えた弟に犯されました。
王子との婚約を解消してようやく、弟に犯されなくなりました。
成人した弟は婚約者と仲睦まじく、私を犯したあの昏い目をしていませんでした。
私が賭けで求婚してきた相手と白い結婚をした時ですら、弟は可愛い弟のままでした。
獣に成り果てた弟は、王子と婚約解消しただけで可愛い弟のままでいられました。
私は王子との婚約解消を目指します。
死んでは14歳から繰り返す人生が何故繰り返すのか、それは知りません。
ですが、弟が獣にならず、幸せになってくれるなら、何度でも王子と婚約解消しましょう。
私は虚ろに男を受け入れていました。
泣き叫んでも、誰も助けてはくれません。
快楽に狂って、男を受け入れていました。
誰も来ません。
王子に愛されていない妃など、弱い立場です。
王族が暮らすプライヴェートエリア。そこに入れる者は限られています。
私の部屋で立ち入りを許されている殿方は親族くらい。
愛妾やそれ以外の浮気相手だけを愛する王子から、私はこの部屋から出ることを許されていません。公には嫁いでから体調を崩したとされています。
愛されぬ妃など自室に幽閉されるだけの存在。
それでも、私は夫を待ち続けていました。
ですが、私の下に訪れるのは弟だけ。
「姉様。姉様」
昏い目をした若い男が私を犯す。
結婚して数年。夫婦関係のない白い結婚を続けていた私の下に訪れた弟は、私の身体を暴きました。
ほんの数日前までは、私たちはごく普通の姉弟でした。
たった数日で、弟は変わってしまった。
いつものように、顔を見せに来てくれたのだと、お茶を用意しようとした時、襲われました。部屋の外に逃げようとして、扉を開けましたが、そこには警備の者はいませんでした。
状況に躊躇した私は弟に捕まり、引きずられて寝室に連れ込まれました。
あとは忌まわしい記憶です。
それから、何度も弟は私を犯しに来るようになりました。
後片付けをする侍女たちは何があったのか知っていても、何も言いませんでした。
助けてもくれませんでした。
私ははしたない声を上げて、男を受け入れます。
誰も助けてはくれない絶望と、可愛い弟の変貌を嘆きながら。
やがて、この関係に耐えられなくなった私は、自ら命を絶ちました。
しかし、14歳に戻りました。
今度こそは王子に愛してもらえると結婚すれば、白い結婚で、数年したら弟にまたも犯されました。
同じでした。
何も変わりませんでした。
王子の愛妾や浮気相手が変わろうと、私が白い結婚をすれば、弟に犯されることは変わりません。
何度繰り返しても、王子は私を愛さず、成人を迎えた弟に犯されました。
王子との婚約を解消してようやく、弟に犯されなくなりました。
成人した弟は婚約者と仲睦まじく、私を犯したあの昏い目をしていませんでした。
私が賭けで求婚してきた相手と白い結婚をした時ですら、弟は可愛い弟のままでした。
獣に成り果てた弟は、王子と婚約解消しただけで可愛い弟のままでいられました。
私は王子との婚約解消を目指します。
死んでは14歳から繰り返す人生が何故繰り返すのか、それは知りません。
ですが、弟が獣にならず、幸せになってくれるなら、何度でも王子と婚約解消しましょう。
63
お気に入りに追加
117
あなたにおすすめの小説

百度目は相打ちで
豆狸
恋愛
「エスポージト公爵家のアンドレア嬢だな。……なにがあった? あんたの目は死線を潜り抜けたものだけが持つ光を放ってる。王太子殿下の婚約者ってのは、そんなに危険な生活を送ってるのか? 十年前、聖殿で会ったあんたはもっと幸せそうな顔をしていたぞ」
九十九回繰り返して、今が百度目でも今日は今日だ。
私は明日を知らない。

眠りから目覚めた王太子は
基本二度寝
恋愛
「う…うぅ」
ぐっと身体を伸ばして、身を起こしたのはこの国の第一王子。
「あぁ…頭が痛い。寝すぎたのか」
王子の目覚めに、侍女が慌てて部屋を飛び出した。
しばらくしてやってきたのは、国王陛下と王妃である両親と医師。
「…?揃いも揃ってどうしたのですか」
王子を抱きしめて母は泣き、父はホッとしていた。
永く眠りについていたのだと、聞かされ今度は王子が驚いたのだった。



あなたをずっと、愛していたのに 〜氷の公爵令嬢は、王子の言葉では溶かされない~
柴野
恋愛
「アナベル・メリーエ。君との婚約を破棄するッ!」
王子を一途に想い続けていた公爵令嬢アナベルは、冤罪による婚約破棄宣言を受けて、全てを諦めた。
――だってあなたといられない世界だなんて、私には必要ありませんから。
愛していた人に裏切られ、氷に身を閉ざした公爵令嬢。
王子が深く後悔し、泣いて謝罪したところで止まった彼女の時が再び動き出すことはない。
アナベルの氷はいかにして溶けるのか。王子の贖罪の物語。
※オールハッピーエンドというわけではありませんが、作者的にはハピエンです。
※小説家になろうにも重複投稿しています。

【完結】待ち望んでいた婚約破棄のおかげで、ついに報復することができます。
みかみかん
恋愛
メリッサの婚約者だったルーザ王子はどうしようもないクズであり、彼が婚約破棄を宣言したことにより、メリッサの復讐計画が始まった。

彼女(ヒロイン)は、バッドエンドが確定している
基本二度寝
恋愛
おそらく彼女(ヒロイン)は記憶持ちだった。
王族が認め、発表した「稀有な能力を覚醒させた」と、『選ばれた平民』。
彼女は侯爵令嬢の婚約者の第二王子と距離が近くなり、噂を立てられるほどになっていた。
しかし、侯爵令嬢はそれに構う余裕はなかった。
侯爵令嬢は、第二王子から急遽開催される夜会に呼び出しを受けた。
とうとう婚約破棄を言い渡されるのだろう。
平民の彼女は第二王子の婚約者から彼を奪いたいのだ。
それが、運命だと信じている。
…穏便に済めば、大事にならないかもしれない。
会場へ向かう馬車の中で侯爵令嬢は息を吐いた。
侯爵令嬢もまた記憶持ちだった。

婚約破棄から~2年後~からのおめでとう
夏千冬
恋愛
第一王子アルバートに婚約破棄をされてから二年経ったある日、自分には前世があったのだと思い出したマルフィルは、己のわがままボディに絶句する。
それも王命により屋敷に軟禁状態。肉塊のニート令嬢だなんて絶対にいかん!
改心を決めたマルフィルは、手始めにダイエットをして今年行われるアルバートの生誕祝賀パーティーに出席することを目標にする。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる