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22話 魔力①
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「わあっ、これもおいしい! イージスさん、すごいっ」
エミリーは鈴を転がしたようなかわいらしい声ではしゃぐ。
「イージスさん、本当にお料理得意なんですねぇ……。いいなあ、イージスさん、街でお店開いてくれたら毎日食べられるのに……」
うっとりとエミリーは顔をとろけさせる。
あれからエミリーはイージスの作るご飯にハマりにハマっていた。毎日おかわりをする彼女に、イージスも悪い気はしないようで、エミリーのための特別メニューなんてものまで作ってあげているみたい。
「あ……。私、仕事があるから毎日外食なんてできないんだった……ハハ……」
「お前さあ、その最終的に自虐に終わる癖どうにかなんねえの?」
「えーん!」
ガクリと肩を落とすエミリーにイージスは容赦なく追い討ちをかける。良くも悪くも、歯に衣着せぬイージスの物言いはエミリーも気楽なようだった。
日に日に血色よく、笑顔が増えていくエミリーにホッとする。
この屋敷で特にやることがないことは相当気にしているみたいで、同じく
聖女として労働していたわたしとしてはものすごい共感できるんだけど、ここは心を鬼にしてエミリーにはひたすらゴロゴロしてもらっていた。
「それにしても、王子もいなくなってたんですねえ。知りませんでしたぁ。ずうっとお城でふんぞり返ってるもんだと~」
エミリーはイージスの焼いたマフィンをつまみながらのんびり言った。
「ここに王子もいるって聞いてビックリしましたよぉ」
「エミリーも知らなかったんだ」
「いやあ、お仕事忙しすぎてお城にもほとんどいれなかったし……。へへ……」
あっ、また自虐モードにさせてしまった。
「なんでも、国王陛下に言われてわたしを探しにきていたみたい」
「自分で追い出したくせに、自業自得ですよねえ」
話の焦点を王子に戻すと、エミリーはまたマフィンを一口齧り、うんうん頷く。わたしも少し分けてもらった。大粒の木の実がゴロゴロ入っていて、フワフワのマフィン生地とザクザクの木の実の食感が楽しめておいしい。
「……どうして、国王陛下はわたしが必要なんだろう?」
ぽつりと疑問を呟けば、エミリーは尖らせた唇に「うーん」と指を当てながら答える。
「メリアさんの力がすごいからじゃないですかぁ? それに、やっぱり、『聖女』一人なんて絶対無理ですよ! わたし、しんじゃうかと思いました!」
しんじゃうかと思った、とエミリーが『過去形』で言っていることにちょっと安心する。やっぱり、あそこがエミリーの限界だった。
「私、ヤバヤバのヤバの時に仕事が落ち着いたらメリアさんを探しに行けとかわけわからんバカなこと言われてぇ……マジで無理でしたぁ……」
「国王陛下、だいぶ無茶言うわね……」
でも、壁の外を捜索するなら、そんなことができるのはエミリーくらいだ。
──だったらちゃんと彼女の仕事量調整してやれよと怒りが滲む。
「……あのボンクラ……」
「ひえぇ、メリアさんが直球の悪口言ってるぅ」
「──まあ、その認識は間違いない」
突然食堂に響いた低い声に、ん? と顔を上げると、魔王さまが食堂の扉のところにいた。
「ディグレスが帰ってきた」
「どうも、乙女のご歓談中失礼いたします」
魔王さまの背中からひょっこりと、薄紫の髪をオールバックにした眼鏡の男が現れる。相変わらず鋭い金の眼をしているけれど、口元に浮かべた笑みは優しげである。
「ディグレスさん! おかえりなさい! お使い、ありがとうございました!」
「はい。メリアさんのご両親もお変わりはなさそうでしたよ。お元気とも言い難いですが……」
「それが普通ですから……生きてたならよかったです」
席を立ってわたしはディグレスさんに駆け寄る。頭を下げてお礼を言うわたしにディグレスさんは「そんなにお気になさらず」と言って微笑んでくれた。
よかった、お父さんとお母さんも生きていてくれて。治療費とお世話代分のお金も渡せたし、ホッとする。
「魔王さまから、お話を伺いましたが、なんと天命が我々に向いているとか。都合よく王家の血を引くものと、『聖女』がこの手に内にあるのだと」
「あ、こ、こんにちは」
エミリーが慌ててマフィンから手を離し、緊張した様子でディグレスさんに挨拶した。
「……なるほど。あなたが今世の聖女様なのですね。初めまして、私はディグレス。魔王様の配下の一人です。以後、お見知り置きを」
「は、はい! ……魔王様って、本当に魔王様なんですねえ」
エミリーはなんだかのんびりとした口調で魔王さまに言った。
でも、その実感はなんとなくわかる。わたしもディグレスさんが魔王さまに接する態度を見てようやく「あ、魔王さまって魔王さまなんだ」と思った。
「信じていなかったのか」
「ううーん、あんまりそんなにピンとこなくて……」
「……俺の力が相当弱まっているからな、仕方がない」
「本来、魔王様と聖女は対ですからねえ。出会った瞬間、ビビッとくるはずなんですが」
ディグレスさんが眼鏡をクイとあげる。エミリーはえへへ、とはにかみながらツインテールの毛先をいじった。
「なんか、むしろ、魔王さまはフワッとしてますねぇ。私、お城にいるよりここにいる方が落ち着きますぅ」
「お寛ぎいただいているようで、何よりです。……イージスも、厨房の方にいますかね」
ディグレスさんに呼ばれて、イージスも食堂の方に顔を出す。
空席の目立つ食堂の椅子に、わたしたちは固まって座った。
「ディグレス、早速で悪いが……あまり時間を置くのもなんだ。早速、話を進めていきたい」
「ええ、それがよいでしょう。メリアさんのご両親のこともありますからね。早い方がいいでしょう。それに、エミリーさんがいないことで若干ですが、王宮の方が慌ただしくなっていました」
「あ……やっぱり……」
「若干、ですよ。些事です」
しょげるエミリーにディグレスさんは苦笑をしてフォローを入れる。
……それにしても、わたしの両親のこと? 体調に変わりはないと言っていたのに、なにかあったんだろうか。
「……俺たちはこれから、あの国に引導を叩きつけにいく。そのために、聖女エミリー、メリア。力を貸して欲しい」
「……引導、って」
食堂に響いた魔王さまの声にわたしは目を丸くした。やっぱり、魔王さまはあの国に攻め入ろうとしている?
もはや野心はない、と言っていたのに。……わたしは魔王さまの言葉の続きを待った。
「……あの国に暮らす民に危害を加えようとする意思はない。ただ、あの王家に一言一泡吹かせてやるだけだ」
「王家に?」
「ああ。それだけだ」
魔王さまは首を小さく横に振り、わたしの眼をじっと見つめる。
「メリア。俺たち魔族の魔力はお前の身体に封じられているんだ。……それを返してもらう」
「えっ?」
真剣な眼差しと声に、わたしは目を見開く。
わたしの身体に封じられた魔力、とは。
「……えっ、あの、わたしの力が魔力っていうのは、なんとなくわかってたんですけど、でも、その……」
「昔、俺たちはあの国の連中に魔力を奪われた。当時の聖女は奪った魔力をある一人の人間の身体に無理やりいれた。そして、魔族の魔力を引き受けた人間は寿命で死を迎えた。……おそらく、人間たちの認識ではそれで『終わった』と思われていただろう」
うわずった声のわたしに被せるように、魔王さまは語り出す。いまいちまだ話の要領を得ていないわたしは押し黙った。
「だが、すべての魔族が無抵抗のまま魔力を封じられたわけじゃない。何人かの魔族は器になった人間に『呪い』をかけたようだ」
「……」
「いつか、その器がもう一度産まれてくる『呪い』、そして、もう一つ、その器を産んだ者を蝕む『呪い』だ」
「それって」
ハッ、と息を呑む。
魔王さまは「ああ」と頷いた。
「メリア。お前の両親は病気じゃない。……呪われているんだ」
「……」
魔族の魔力を封じた人間の生まれ変わり。わたしが産まれてきたから、わたしを産んだ母も、その片割れである父も呪われた。
両親の病は治らなかった。どんな薬を使っても、名医に診てもらっても、何も変わらなかった。ただ、幸いなことは『死なない』ことだけだった。二人は永遠に苦しみながら、しかし、死にはしなかった。
それが『呪い』によるものだと、そう思うと、納得がいった。
途方もなく、ただ、二人が死なないようにと、それだけを願って、真っ暗な道を走り続けていて、ようやくわたしは光が見えた気がした。
「魔王さま、呪いということは……治るのですよね?」
「ああ、もちろんだ。そのためにも、メリア。お前の力を借りたい」
「わかりました」
原因不明の治らない病。それよりも、治る呪いであるなら、その方がいい。魔王さまが『呪い』だ、とわたしに話して下さった以上、それは治るのだという確信がわたしにはあった。
もしも、治せない呪いであったのなら、魔王さまはきっと「これは呪いだ」と訂正せずに両親のことを「病気」ということにしたままだったろう。魔王さまは、そういう優しさの方だと思う。
「……ありがとう、メリア」
わたしと魔王さまは互いに視線を交わし、頷き合った。
「メリアさん。物分かりの良い方で助かりました。では、早速」
ディグレスさんがわたしの近くにやってくると、クイ、とわたしの顎に手をかけ上を向かせる。……なんで?
「いてててて」
そして感電ビリビリするディグレスさん。
わたしがポカンとしている間に、魔王さまが慌ててディグレスさんの頭を叩いた。結構いい勢いで。
エミリーは鈴を転がしたようなかわいらしい声ではしゃぐ。
「イージスさん、本当にお料理得意なんですねぇ……。いいなあ、イージスさん、街でお店開いてくれたら毎日食べられるのに……」
うっとりとエミリーは顔をとろけさせる。
あれからエミリーはイージスの作るご飯にハマりにハマっていた。毎日おかわりをする彼女に、イージスも悪い気はしないようで、エミリーのための特別メニューなんてものまで作ってあげているみたい。
「あ……。私、仕事があるから毎日外食なんてできないんだった……ハハ……」
「お前さあ、その最終的に自虐に終わる癖どうにかなんねえの?」
「えーん!」
ガクリと肩を落とすエミリーにイージスは容赦なく追い討ちをかける。良くも悪くも、歯に衣着せぬイージスの物言いはエミリーも気楽なようだった。
日に日に血色よく、笑顔が増えていくエミリーにホッとする。
この屋敷で特にやることがないことは相当気にしているみたいで、同じく
聖女として労働していたわたしとしてはものすごい共感できるんだけど、ここは心を鬼にしてエミリーにはひたすらゴロゴロしてもらっていた。
「それにしても、王子もいなくなってたんですねえ。知りませんでしたぁ。ずうっとお城でふんぞり返ってるもんだと~」
エミリーはイージスの焼いたマフィンをつまみながらのんびり言った。
「ここに王子もいるって聞いてビックリしましたよぉ」
「エミリーも知らなかったんだ」
「いやあ、お仕事忙しすぎてお城にもほとんどいれなかったし……。へへ……」
あっ、また自虐モードにさせてしまった。
「なんでも、国王陛下に言われてわたしを探しにきていたみたい」
「自分で追い出したくせに、自業自得ですよねえ」
話の焦点を王子に戻すと、エミリーはまたマフィンを一口齧り、うんうん頷く。わたしも少し分けてもらった。大粒の木の実がゴロゴロ入っていて、フワフワのマフィン生地とザクザクの木の実の食感が楽しめておいしい。
「……どうして、国王陛下はわたしが必要なんだろう?」
ぽつりと疑問を呟けば、エミリーは尖らせた唇に「うーん」と指を当てながら答える。
「メリアさんの力がすごいからじゃないですかぁ? それに、やっぱり、『聖女』一人なんて絶対無理ですよ! わたし、しんじゃうかと思いました!」
しんじゃうかと思った、とエミリーが『過去形』で言っていることにちょっと安心する。やっぱり、あそこがエミリーの限界だった。
「私、ヤバヤバのヤバの時に仕事が落ち着いたらメリアさんを探しに行けとかわけわからんバカなこと言われてぇ……マジで無理でしたぁ……」
「国王陛下、だいぶ無茶言うわね……」
でも、壁の外を捜索するなら、そんなことができるのはエミリーくらいだ。
──だったらちゃんと彼女の仕事量調整してやれよと怒りが滲む。
「……あのボンクラ……」
「ひえぇ、メリアさんが直球の悪口言ってるぅ」
「──まあ、その認識は間違いない」
突然食堂に響いた低い声に、ん? と顔を上げると、魔王さまが食堂の扉のところにいた。
「ディグレスが帰ってきた」
「どうも、乙女のご歓談中失礼いたします」
魔王さまの背中からひょっこりと、薄紫の髪をオールバックにした眼鏡の男が現れる。相変わらず鋭い金の眼をしているけれど、口元に浮かべた笑みは優しげである。
「ディグレスさん! おかえりなさい! お使い、ありがとうございました!」
「はい。メリアさんのご両親もお変わりはなさそうでしたよ。お元気とも言い難いですが……」
「それが普通ですから……生きてたならよかったです」
席を立ってわたしはディグレスさんに駆け寄る。頭を下げてお礼を言うわたしにディグレスさんは「そんなにお気になさらず」と言って微笑んでくれた。
よかった、お父さんとお母さんも生きていてくれて。治療費とお世話代分のお金も渡せたし、ホッとする。
「魔王さまから、お話を伺いましたが、なんと天命が我々に向いているとか。都合よく王家の血を引くものと、『聖女』がこの手に内にあるのだと」
「あ、こ、こんにちは」
エミリーが慌ててマフィンから手を離し、緊張した様子でディグレスさんに挨拶した。
「……なるほど。あなたが今世の聖女様なのですね。初めまして、私はディグレス。魔王様の配下の一人です。以後、お見知り置きを」
「は、はい! ……魔王様って、本当に魔王様なんですねえ」
エミリーはなんだかのんびりとした口調で魔王さまに言った。
でも、その実感はなんとなくわかる。わたしもディグレスさんが魔王さまに接する態度を見てようやく「あ、魔王さまって魔王さまなんだ」と思った。
「信じていなかったのか」
「ううーん、あんまりそんなにピンとこなくて……」
「……俺の力が相当弱まっているからな、仕方がない」
「本来、魔王様と聖女は対ですからねえ。出会った瞬間、ビビッとくるはずなんですが」
ディグレスさんが眼鏡をクイとあげる。エミリーはえへへ、とはにかみながらツインテールの毛先をいじった。
「なんか、むしろ、魔王さまはフワッとしてますねぇ。私、お城にいるよりここにいる方が落ち着きますぅ」
「お寛ぎいただいているようで、何よりです。……イージスも、厨房の方にいますかね」
ディグレスさんに呼ばれて、イージスも食堂の方に顔を出す。
空席の目立つ食堂の椅子に、わたしたちは固まって座った。
「ディグレス、早速で悪いが……あまり時間を置くのもなんだ。早速、話を進めていきたい」
「ええ、それがよいでしょう。メリアさんのご両親のこともありますからね。早い方がいいでしょう。それに、エミリーさんがいないことで若干ですが、王宮の方が慌ただしくなっていました」
「あ……やっぱり……」
「若干、ですよ。些事です」
しょげるエミリーにディグレスさんは苦笑をしてフォローを入れる。
……それにしても、わたしの両親のこと? 体調に変わりはないと言っていたのに、なにかあったんだろうか。
「……俺たちはこれから、あの国に引導を叩きつけにいく。そのために、聖女エミリー、メリア。力を貸して欲しい」
「……引導、って」
食堂に響いた魔王さまの声にわたしは目を丸くした。やっぱり、魔王さまはあの国に攻め入ろうとしている?
もはや野心はない、と言っていたのに。……わたしは魔王さまの言葉の続きを待った。
「……あの国に暮らす民に危害を加えようとする意思はない。ただ、あの王家に一言一泡吹かせてやるだけだ」
「王家に?」
「ああ。それだけだ」
魔王さまは首を小さく横に振り、わたしの眼をじっと見つめる。
「メリア。俺たち魔族の魔力はお前の身体に封じられているんだ。……それを返してもらう」
「えっ?」
真剣な眼差しと声に、わたしは目を見開く。
わたしの身体に封じられた魔力、とは。
「……えっ、あの、わたしの力が魔力っていうのは、なんとなくわかってたんですけど、でも、その……」
「昔、俺たちはあの国の連中に魔力を奪われた。当時の聖女は奪った魔力をある一人の人間の身体に無理やりいれた。そして、魔族の魔力を引き受けた人間は寿命で死を迎えた。……おそらく、人間たちの認識ではそれで『終わった』と思われていただろう」
うわずった声のわたしに被せるように、魔王さまは語り出す。いまいちまだ話の要領を得ていないわたしは押し黙った。
「だが、すべての魔族が無抵抗のまま魔力を封じられたわけじゃない。何人かの魔族は器になった人間に『呪い』をかけたようだ」
「……」
「いつか、その器がもう一度産まれてくる『呪い』、そして、もう一つ、その器を産んだ者を蝕む『呪い』だ」
「それって」
ハッ、と息を呑む。
魔王さまは「ああ」と頷いた。
「メリア。お前の両親は病気じゃない。……呪われているんだ」
「……」
魔族の魔力を封じた人間の生まれ変わり。わたしが産まれてきたから、わたしを産んだ母も、その片割れである父も呪われた。
両親の病は治らなかった。どんな薬を使っても、名医に診てもらっても、何も変わらなかった。ただ、幸いなことは『死なない』ことだけだった。二人は永遠に苦しみながら、しかし、死にはしなかった。
それが『呪い』によるものだと、そう思うと、納得がいった。
途方もなく、ただ、二人が死なないようにと、それだけを願って、真っ暗な道を走り続けていて、ようやくわたしは光が見えた気がした。
「魔王さま、呪いということは……治るのですよね?」
「ああ、もちろんだ。そのためにも、メリア。お前の力を借りたい」
「わかりました」
原因不明の治らない病。それよりも、治る呪いであるなら、その方がいい。魔王さまが『呪い』だ、とわたしに話して下さった以上、それは治るのだという確信がわたしにはあった。
もしも、治せない呪いであったのなら、魔王さまはきっと「これは呪いだ」と訂正せずに両親のことを「病気」ということにしたままだったろう。魔王さまは、そういう優しさの方だと思う。
「……ありがとう、メリア」
わたしと魔王さまは互いに視線を交わし、頷き合った。
「メリアさん。物分かりの良い方で助かりました。では、早速」
ディグレスさんがわたしの近くにやってくると、クイ、とわたしの顎に手をかけ上を向かせる。……なんで?
「いてててて」
そして感電ビリビリするディグレスさん。
わたしがポカンとしている間に、魔王さまが慌ててディグレスさんの頭を叩いた。結構いい勢いで。
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