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色食う鳥も好き好き
しおりを挟む秋風に靡く紅葉の音色を鷹が愛おしく聞く。
大きな松に身を寄せる梟は愛をうたう。
誰よりも優雅に舞う蝶には鷲は届かない。
暖かい陽の光は孤独だった雲雀を照らす。
柳が揺れる妖艶な姿に燕が見惚れている。
瓶に入った美しい水を鷸は覗いている。
菫の色と藤の香りに鴻鳥は思いを馳せる。
春の日には梅の木で百舌鳥が飯を嗜む。
金色の風と共に鸇が大きく羽を広げる。
痛みに泣き叫ぶ鼠を鴉が励まし癒してくれる。
波を立てた水面に鴎が口付けをする。
真白い鶴は花々を美しく彩色し、
尊き鳳凰は鶴の花達に引き寄せられる。
貴方様は何色がお好き?
私が好きだって鳴いてよ。
どうぞ、今宵も私を可愛がってくださいな。
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