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9.レステンクール編
恋した娘は疫病神
しおりを挟む「リシャールさん、春の舞踏会は来られるんですか?」
クリストフと共に店を開いたリシャール。
シャンパーニの気温も暖かくなり、春の訪れを感じていた。
「…春の舞踏会…」
「はい。行きますか?」
「行かないわ」
「えっ、なんで??!!」
「…結婚するつもりはないからよ。」
「リシャールさん…でも……」
「クリストフは、行くんでしょう?」
「行くつもりでしたけど…。リシャールさんがいないと意味がありません!!!」
「…私以外に探せばいいじゃない、」
「そんな気まぐれな奴ではありませんよ、俺は!!」
リシャールは、ふふっと笑って店の外を掃除しに出た。
「リビオは出なさいね、」
「え、何が?」
外で花に水をやっていたリビオ。話の脈略が分からない。
「春の舞踏会よ。街で開かれるのに出なさい」
「春の舞踏会って何するの?」
「…お嫁さんを探すのよ。」
「……僕、結婚しないよ」
「まぁ、どうしてそういう事言うのよ」
思いがけない息子の一言に驚いた。
「…ママの傍にいたいから。それに、別に結婚したいとか無いし、相手もどうせいないし、だから結婚しない。」
「そんなの、まだわからないじゃない」
「そうだけど!」
「……」
親離れ出来ない子だったら、どうしよう。少し心配になったけど。
「……私が弱いだけね、」
「ん?ママ、何か言った?ちゃんと聞こえなかった」
「いいえ、何も。」
「幻聴かな…」
息子はちゃんと大人になっている。
ただ、母親になった自分がめそめそとしていただけから。心配を掛けているのは自覚していた。
「リビオ、」
「?」
「春の舞踏会は行きなさい。相手がいてもいなくても、良いから。ね?」
「……うーん…」
リビオは渋々頷いた。
すると、そこにクリストフが来た。
「リビオ君、リシャールさんには俺がいるから大丈夫だよ」
「だから心配なんだよ!!!!」
またタイミングの悪い奴まで登場してきた。
「大丈夫さ、僕もいるよ」
「ブラウンさんまで!だから心配なんだってば!!!!ママ、僕やっぱり春の舞踏会は行けないよ!!!」
「あははははっ」
リシャールは久しぶりに大きく笑った。
それを見た三人は、ほっとした。
舞踏会へ出ないと聞いたブラウンも話にがっついた。
「リシャールさん、春の舞踏会出ないんですか?!」
「私は出ないわ。リビオを出させるだけ」
「ママ!だから僕は……!」
「リビオ、つべこべ言わないで出なさい。」
「……う…」
「…リシャールさんのドレス姿、見たいなぁ」
クリストフはうっとりして、その姿を想像した。
「…どんなに綺麗か…」
それはブラウンも同じ。
「ほら、ママ、こんな二人には任せられないってば」
「二人に私を任せた記憶はないわ」
「確かに」
「…そうだ、リビオ。ナタリアは元気?」
「……うん、多分。」
「会えたの?」
「会えたって言うか、僕が盗み見ただけ。やっぱり恋人のダニエルと一緒だったよ、」
「…そう、元気なら良かった。」
リシャールは家出したナタリアの行方を心配していたが、リビオの読みは当たり、シャンパーニ内に居ることも分かったので少し安心していた。
「ところで、オーガンの奴、今日は来ねぇみたいだな」
「来なくていいよ、あんな奴…」
オーガンは執拗いくらいにリシャールの元に来ていたが、今日は来なかった。
「気になってたんだけど、オーガンって貴族なのか」
「さぁな、金は持ってそうだけど。レステンクールからわざわざシャンパーニまで通うなんて馬鹿だよなぁ、」
「リシャールさんが魅力的すぎるだけだよ」
リシャールは眉を上げて、店の奥へ逃げた。
「リシャールさんと結婚するなんて、あいつには無理難題だよ」
「レステンクールの貴族でも、リシャールさんは振り向かないくらいだから、国王レベルじゃないとね」
「あぁ!そうだな!」
クリストフとブラウンは、げらげらと笑っていた。
「あの二人の方がよっぽど馬鹿だと思うけどな」
リビオが呟いた。
そして店を開けてから時間が経ち、日が暮れた。
「リシャールさん、俺はこれで」
「はぁい、またね」
リシャールとリビオは店の片付けをした。
「ママ、やっぱりブッドレアの蜜売れてるよ」
「そうね、嬉しいわ」
「多分…ママが気に入ってるって勧めるから…」
客の雄蜂が、ブッドレアを勧めたリシャールの美貌に惹かれて買っただけだと、リビオは思った。
すると、
「…今日は…!!…も、もう終わりなん?!」
「…今日はもう……あら、オーガン。」
「あぁっ!今日は来ないと思ったのに」
オーガンはぜぇぜぇと息を切らしてやって来た。急いで来たみたい。
「もぉ、今日は会えへんか思た……!!!あれ、あの二人は?」
「もう帰ったわ。」
「え、そうなん?」
「何しに来たの。」
リビオが二人の間に割って入った。
「何しにって…リシャールに会いに来たんや。」
「ママ、こいつふざけてるよ」
「なんでやねん」
オーガンはいつだって真面目。
「せや、リシャール!」
「何?」
「春の舞踏会、レステンクールに来たって!」
「えっ、レステンクールに?」
「せやで、ほら今度あるやんか」
「そうだけど…。私、春の舞踏会は出ないの。」
「なんでや!独り身やろ?」
「そうね、独り身だけど。出ないの。」
オーガンはまた詰め寄る。
「……なんでそんなに結婚したくないんや?」
「………。」
棚に置かれた瓶を綺麗に並べ直す。
「……もう誰も、失いたくないのよ。」
リシャールは悲しげに笑って答えた。
「出会いがあれば、必ず別れがあるってよく言うやんか。しゃーなしや。」
「…私にとって、別れって凄く辛いの。…貴方にも経験はあるでしょう?」
「あぁ、俺の両親はとうの昔に死んだし」
「そう……、いつか…両親だけじゃなく、兄弟も、友人も、恋人も、子供も失う時が来るのね…」
「……リシャール…?」
オーガンの想像以上に、リシャールは大切な誰かを失っていた。
「…なんで、そんな辛いことがあったん」
「……私が疫病神だからよ」
「…?」
リシャールは小さな瓶を1つ、オーガンに手渡した。
「…これあげる。」
「えっ?」
リシャールの希望で店に置くようになった、ブッドレアの蜜。
オーガンは戸惑った。
「…ブッドレアの蜜よ、レステンクールの貴方には甘すぎると思うけど。」
「…お、おおきに」
ブッドレアの蜜が入った瓶を見つめた。
なんだか、リシャールの色んな想いが詰まっているような気がして、重かった。
「リシャール、俺と結婚しよう」
「…どうしてそうなるのよ、」
リシャールは思わず笑った。
「…ええやんか、結婚したいねん。せや、青蜜蜂は、幸せのブルービー言われてるんやで」
「…私と結婚したら、きっと貴方にまで災難が降りかかるわ。」
「別にええやろが。災難を共に乗り越えるのが夫婦やろ?」
「…せっかく出来た異国のお友達ですもの。」
「……お、お友達?」
嬉しいのか、嬉しくないのか、分からない。
「お友達やなくて…、恋人がええねん、旦那がええねん。俺は。」
「……諦めて。」
リシャールはオーガンを店から追い出すように押して店を出た。
「な、なんや……」
「諦めて、レステンクールに帰りなさい」
「おじさん、しつこいよ」
リビオもオーガンを追い出した。
「お、俺はまだおじさんやないて言うとるやんけ!!」
「……」
「な、なんや、何か付いとるか?」
リシャールは、じっとオーガンの顔を見ていた。
「隈ができてるのね。…寝れていないの?」
「……え、あ…あぁ……」
そして、オーガンの頬に触れた。
「……!?」
「…ちゃんと食べれてる?」
「めっちゃ食ってんで。…オカンみたいな心配せんでええて…」
「ごめんなさい、つい。…今日はちゃんと休んだ方がいいわ。それじゃ」
リシャールとリビオは店を仕舞い、巣に戻った。
その後ろ姿をオーガンは瓶を握りしめて、じっと見つめるだけだった。
「……」
瓶の蓋を開けて、ブッドレアの蜜を一口舐めた。
「…甘っ…」
レステンクールでは有り得ないくらい、甘い蜜だった。甘さに慣れないオーガンの鼻にツンと来る香りだ。
「…キスした時と同じ味や。リシャール、君はブッドレアが好きなんか。」
オーガンは貰った蜜を大切に抱えて帰国した。
春の舞踏会を目前にしたある日、リシャールは自身の部屋で探し物をしていた。
「…あったわ……!」
リシャールの宝箱。ただの鞄だけど。
小さな鍵が付いており、それで開けると宝物が飛び出した。
母から継いだイエローダイヤの品々に、アプリコットカラーのドレス。
「……」
そして、愛しい彼から貰ったガーネットのチョーカーとリボンのついた鍵。
「今はこっちよ。」
リシャールが取り出したのは、母のドレス。腰あたりにシミがついたままだった。
「…もう取れないわね。何とかなるかしら」
宝石たちは机に仕舞い、ドレスだけを鞄に入れて、リシャールは巣を飛び出した。
「リビオ!出かけてくるわ!店をお願い!」
「えっ?!あ、うん!!」
「……何処か良い所ないかしら。」
一先ず、シャンパーニの街を知り尽くすコラリーの元へ行った。
「あら、リシャール、いらっしゃい。」
「こんにちは、コラリーさん、」
「どうしたの?荷物抱えて。」
「良い仕立て屋を知らない?」
「仕立て屋?…もしかして、その中身はドレスかしら?」
「そ、そうなの。」
コラリーは手を叩いて、思いついたみたい。
「よし、ドレスなら、マリーさんの所がいいわ。長く続く老舗で、ベテランのマリーさんの腕は確かよ。」
「本当?何処にあるの?」
「この大通りのすぐそこの曲がり角、右に行ったところよ。看板があるからすぐに分かるはずよ」
「分かったわ!ありがとう!!!」
リシャールは走って言われた先へ向かった。
言われた通り、大きい看板があった。
“仕立て屋 ノワレ”
店を覗くと、何十人もの働き蜂が忙しなく動き回っていた。
「…やっぱり、春の舞踏会前で忙しいのね」
すると、働き蜂の一人がリシャールに気付いた。
「いらっしゃいませ、少々お待ちください!」
「…あ、はい…」
少しすると、店奥から可愛らしいおばあちゃんが出てきた。きっと、店主のマリーだ。
「……お嬢さん、いらっしゃい。」
「お忙しい所、ごめんなさい。ドレスのお直しを……」
「はぁい、見せてちょうだい」
「これです…」
分厚いメガネを掛けて、リシャールのドレスをじっくりと見始めた。
「素敵なドレスだねぇ。あら、シミだわ…付いてから時間が経っているようだから、取れないかもしれないわ…」
「…どうにか出来ないかしら」
「ここを取るとか、似た様な生地を少し足そうかね…」
「はい、それでも構いません。」
「ドレスの形は変えないようにするわ」
「ありがとうございます!」
マリーはリシャールのドレスを恍惚と見つめた。
「このドレスは、いつの物だい?」
「…母から継いだ物なので、かなり年数は経っているものかと。」
「へぇ~…素敵だねぇ、美人さんにしか似合わないものだよ、良いものを貰ったねぇ」
「私も気に入っているんです。」
上品でシンプルなアプリコットカラーのドレス。見ているだけで、胸が高鳴る。
「…これは、春の舞踏会までかな?」
「えぇ、出来れば…」
「うん…でも見ての通り、この状態でね。…出来るだけ間に合わせるわ。何日かしたら、また来てくれる?」
「はい、」
「お名前は?」
「リシャールです。」
「リシャールさんね…」
「…?」
じっと目を細めて、ドレスとリシャールの顔を交互に見た。
「…フレア・ラポルト?」
「えっ、」
「あぁ、結婚してヤプセレになったのか…」
「母をご存知なのですか!」
「あぁ!やっぱり。昔、何度か来てくれたの。フレアが嫁ぐ前にね。」
久しくヤプセレ家を知る人に会えた。リシャールは嬉しくなって話が止まらなかった。
店主のマリーは、町娘だった時のフレアを知っていた。ルイ・ヤプセレに嫁いだ後も何度か訪れていたと言う。
「そう…フレアの娘ね…。だから美人さんなのね、納得したわ。」
「そ、そんな…」
「…フレアにまた会えた気分だわ。張り切っておばあちゃん頑張るわね、じゃあ…ドレスは私が預かっておくわ」
「お願いします!」
リシャールはすっかり気分が良くなって、鼻歌を歌って店を出た。
仕立て屋から飛び出したリシャールを見た雄蜂は皆、あの娘も春の舞踏会に出るのだと思い、背筋を伸ばした。
楽しそうに歩いているリシャールは誰よりも輝いていた。すれ違う雄蜂は目を奪われた。
「リシャールさん!」
「クリストフ!」
雄蜂は街で一番のハンサム、クリストフに負けた。指をくわえて二人の仲睦まじい様子を見ていた。
しかし、これがただのクリストフの片想いに過ぎないことは、誰も知らない。
「どちらに行かれていたのですか」
「いいえ、少し用事があったのよ。」
「そうなんですね。…店はリシャールさんのお陰で大繁盛ですよ。早く対応してやってください」
「……分かったわ」
わざとらしくリシャールを待つ雄蜂で溢れている。これも商売なので、リシャールは蜜を売った。
雄達に何か違うことを聞かれれば、「私には夫がいるのよ!」と、その一点張り。
もちろん、雌蜂も訪れる。それはクリストフの担当。
「…え、僕は?」
リビオは商品を並べて、掃除。
春の訪れは、蜜蜂にとって一大イベント。
華やかで、にぎやかで…。
リシャールも春が大好き。
春の舞踏会を目前にした今、蜜蜂は胸を躍らせて今か今かと楽しみに待っている。
数日後、リシャールが依頼したドレスのお直しが完成した。
「まぁ、すっごく素敵だわ!」
ドレスの形は変わらず、柔らかいレースが足された。直しをする前よりも、ふんわりとして優しい印象になった。
「…春の舞踏会、楽しんで。」
「ありがとうございます!」
リシャールは巣に戻って早速ドレスを広げた。
鏡の前に立ち、自分に合わせた。舞踏会を想像してくるりと回った。
「……綺麗。」
「…ママ?」
「はっ!驚いた。」
部屋の扉の隙間からリビオが覗いていた。
「ママ、そのドレスどうしたの?」
リシャールはこのドレスをロナルドや子供たち前に出したことがなかった。
「……えっと…ママのママから貰ったものよ。リビオから見て、おばあちゃんに当たるわね」
「…僕の、おばあちゃん?」
「そうよ。ドレス素敵でしょう?」
「うん、凄く綺麗。」
リビオは、自分の母親も乙女の一人だと実感した。
「…ママ、本当は、春の舞踏会行きたいんじゃないの?」
「……行きたいとか、そんなんじゃ…。」
「…じゃあ、そのドレス、何?」
「…ただ、ママが着たいだけよ。」
「ドレス着るなら、春の舞踏会行けばいいじゃん。」
「……」
舞踏会に行きたくない訳じゃない。
ただ、怖いだけだった。
初めて行った、春の舞踏会。
当時は王子だったアンドレと初めて会った日。
もういつからか、アンドレの顔を見ていないし、元気でいるのかも分からない。
また、何かあるんじゃないか。
ただ、それだけで。
「…ママ?大丈夫?」
「えっ…、あぁ、うん。大丈夫よ。」
「…ママが春の舞踏会行くなら、僕も行くよ。」
「ど、どうしてよ、ママが居なくても大丈夫でしょう?」
「ママが行かないなら、僕もここにいるよ」
「…ちょ、ちょっと、リビオ……」
リビオは部屋を出て、何か持ってきた。
「ママ、見て。」
「…あら。」
それはタキシード。すっかり大人になったリビオにはぴったりのものだった。
「……リビオ、それどうしたの?」
「パパから貰ったんだ。」
「…ロナルドから…?」
「うん、パパが話してたんだ。もし、春の舞踏会があったら、着て欲しいって。パパ、春の舞踏会出たことないんだって。」
「……そうなの…?」
そのロナルドの話は聞いたことがなかった。ロナルドのタキシード姿も見たことがなかった。
「だからママ、一緒に行こう?」
リビオの顔はロナルドに似てないけど、性格や雰囲気が似ていた。大人になってよりロナルドに似ている気がする。
血は繋がってないけど、ずっとそばに居たから似たのかな。
「ロナルドも一緒に行きましょう?」
『俺も一緒に連れて行ってくれるかい?』
「もちろんよ、」
『リシャールのドレス姿が楽しみだよ』
「貴方のタキシード姿も見たいわ」
『いやだなぁ、恥ずかしいよ』
「……リビオは結婚するのかしら」
『君も再婚していいんだよ。』
「……」
『彼の元に戻っていいんだよ。』
「……私は…」
リシャールは黙り込んだ。
「ママ、ママ?」
「……ん?」
「だから、行こうって。舞踏会?ってやつ。一緒に。」
リシャールは微笑んで答えた。
「……うん、わかった。」
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