26 / 137
幕間十:物忘れがヒドイ
しおりを挟む心桜「つっちゃー、今日もお便りが届いてるよ!」
七夏「わぁ☆ いつもお便りありがとうです♪」
心桜「じゃ、早速読んでみるよ!」
七夏「はい☆」
心桜「えーっと『七夏さん心桜さん、こんにちは。私、物忘れが凄くひどくて、例えばお出かけした直後に、家の鍵閉めたかなーって不安になったり、封筒にお手紙入れたのに、ポストの前でお手紙入れたか不安になったり・・・他にも、二階から一階に物を取りに行って、一階で何を取りに来たか思い出せなくなったり・・・どうすれば物忘れが直ると思いますか?』・・・んー、物忘れかー。つっちゃーはどう思う?」
七夏「私も物忘れはあります。お買い物帳を忘れて、お店で何を買えばいいのか分からなくなったり・・・」
心桜「それ、なんか微妙ーに違う気がするけど・・・なんだろ?」
七夏「忘れ物?」
心桜「それだっ! 物忘れって言うのはあれだよあれ・・・みたいに思い出せないような事」
七夏「実体が無い事?」
心桜「思い出せたら実体はあるんだけどね・・・そう、あれだよ、ほら、あれ・・・分かるでしょ?」
七夏「あっ、あれの事ですね!」
心桜「そうそう! ・・・って、分かるんかいっ!!」
七夏「物忘れの事ですよね!」
心桜「そうなんだけど、あーなんかもう、訳が分からなくなってきたよ」
七夏「そう言えば、この前、知らない人に声を掛けられて・・・」
心桜「うぉー!! つっちゃーナンパされたの!?」
七夏「そ、そうじゃなくて、私は知らない人なのですけど、声を掛けてきた人は私の事を知っているみたいで・・・私、その人の事忘れているのかなーって思って一生懸命思い出そうとしたのですけど・・・」
心桜「あー、あたしだよ、あたしっ!!・・・って、言われても、相手の名前が出てこない・・・ってやつか」
七夏「はい。一生懸命思い出そうとしたのですけど・・・」
心桜「そういう時は、単刀直入に『名前』を訊くといいよ」
七夏「それって、失礼にならないかなー」
心桜「ここでのポイントは『名前』なんだよ」
七夏「???」
心桜「まず、『ごめん、なんて名前だったっけ?』と訊くと、例えば『時崎です』・・・と、苗字が分かるよね?」
七夏「はい・・・って、どおして柚樹さんの名前が!?」
心桜「まあまあ・・・そこで、『あ、苗字は分かってるんだけど、名前が思い出せなくて・・・ごめん』と続け、名前も教えてもらう」
七夏「なるほど☆」
心桜「『名前が分からない』という事なら、相手もそんなに傷つかないと思うよ。さらに随分変わった(綺麗になった/格好よくなった等)から分からなかったよ・・・と彩を添えてあげれば完璧!」
七夏「ここちゃー、凄いです!」
心桜「しかし、この方法は弱点もあるよ」
七夏「え!?」
心桜「同じ相手に二度使えない」
七夏「さすがにそれは・・・」
心桜「んで、つっちゃーは、その人の事、思い出せたの?」
七夏「いえ・・・。以前にご宿泊くださったお客様だったのですけど、私はお話した記憶が無くて、でも、その人は私の事を覚えててくれたみたいで・・・」
心桜「なるほどねー。つっちゃーは、一度見たら忘れられない魅力があるからね~」
七夏「そんなのないよー」
心桜「あるよーって・・・ちょっと本題に戻さないと」
七夏「本題?」
心桜「つっちゃー、まさかの物忘れですか!?」
七夏「えっと・・・物忘れがひどいという事でお悩みのご相談ですね」
心桜「なんとか、首の皮一枚つながっていたか・・・」
七夏「ここちゃー、それって、事実上つながってないって意味になります」
心桜「あははー。だからこそ、あたしが繋げてしんぜよう!」
七夏「いつの時代の人なの?」
心桜「まあまあ、んで、物忘れにはもうひとつあって『忘れるという事は、今の自分にとって必要の無い事』と考える事もできるよね。大切な事って忘れないはずだから。忘れる事も成長なんだよ」
七夏「忘れる事を記憶される・・・のかな?」
心桜「なかなか難しいね。他にも忘れている方が良い事もあるよ」
七夏「どんな事?」
心桜「例えば、懸賞! 応募した事を忘れている方が当選したりしない?」
七夏「そう言われれば・・・」
心桜「ま、懸賞に関しての確証はないんだけど、あたし個人的にはそんな気がするよ」
七夏「意識しない方が、滑らかに事が進みそうですね!」
心桜「そうそう、幸運の女神様は無欲な心の人に惹かれるんだと思うよ」
七夏「忘れる事で良い事もあるんですね☆」
心桜「そゆこと! そんな訳で、ちょっと物忘れるくらいの方が可愛くて親近感があるなーと思う私たち『ココナッツ』でした!」
七夏「お便り、ありがとうございました♪」
幕間十 完
------------
幕間十をお読みくださり、ありがとうございました!
本編の方も、どうぞよろしくお願い申しあげます!
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ママはヤンママ女子高生! ラン&ジュリー!!
オズ研究所《横須賀ストーリー紅白へ》
キャラ文芸
神崎ランの父親の再婚相手は幼馴染みで女子高生の高原ジュリーだった。
ジュリーは金髪美少女だが、地元では『ワイルドビーナス』の異名を取る有名なヤンキーだった。
学校ではジュリーは、ランを使いっ走りにしていた。
当然のようにアゴで使われたが、ジュリーは十八歳になったら結婚する事を告白した。
同級生のジュリーが結婚するなんて信じられない。
ランは密かにジュリーの事を憧れていたので、失恋した気分だ。
そう言えば、昨夜、ランの父親も再婚すると言っていた。
まさかとは思ったが、ランはジュリーに結婚相手を聞くと、ランの父親だと判明した。
その夜、改めて父親とジュリーのふたりは結婚すると報告された。
こうしてジュリーとの同居が決まった。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
咲坂(SAKISAKA)という、誰の目にも留まるほど美しい女性は――俺にだけ“心の闇”を見せた。
里見 亮和
キャラ文芸
誰もが振り返る美しさを持つ咲坂雪菜。
普通ならとても近づけない存在なのに、なぜか彼女は俺にだけ歩み寄る。
その理由に触れたとき、彼女の“心の闇”は静かに俺へ重なり始めた。
ヤクザに医官はおりません
ユーリ(佐伯瑠璃)
ライト文芸
彼は私の知らない組織の人間でした
会社の飲み会の隣の席のグループが怪しい。
シャバだの、残弾なしだの、会話が物騒すぎる。刈り上げ、角刈り、丸刈り、眉毛シャキーン。
無駄にムキムキした体に、堅い言葉遣い。
反社会組織の集まりか!
ヤ◯ザに見初められたら逃げられない?
勘違いから始まる異文化交流のお話です。
※もちろんフィクションです。
小説家になろう、カクヨムに投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
