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俺、戸惑う1
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週が明けまた一週間が始まる。休日身体を休めたおかげでやっと治まった筋肉痛にほっとしながら職場へ赴く。
「おはようございます」
まだ職場の人と打ち解けたとはいえないが、朝の挨拶は自然にできるようになった。ノミの一歩かもしれないが、引きニートしていた頃の俺と比べたらもはや別人である。
相田に今日の担当を確認すると、今週から夜勤シフトにも組み込まれることを告げられた。
「夜勤は定期的な見回りと防犯モニターのチェックの繰り返しだ。居眠りは気を付けろよ」
仕事内容自体は日勤よりも簡単なようだった。もともと俺は昼夜逆転生活を送っていたので、夜勤の方が向いているのではないかと思いながらその日を迎えた。
「いや、夜勤舐めてた」
ふらつく足で帰路に着く。確かに日勤ほどやることはない。けれど自分の足音しか聞こえない見回りは結構精神にくるし、管理室でモニター監視をするのも、画面が変わらなさすぎて退屈で死にそうだった。もちろん何度も睡魔にも襲われた。
夜勤明けに浴びる太陽の光はいつも以上に眩しく感じ、目をしばしばさせながら歩く。
やっとシェアハウスに着いた、と思ったら玄関先で人とぶつかりそうになる。
なんとか避けることができたが、見ると相手はゾンビのように顔色が悪い。しかし、なんだか見たことがあるような顔だ。
目を細めてよく見て気付く。松永だ。
「……松永さん?」
「うぇ?……あー野口さん。なんかお久しぶりです」
大学生の松永は実験で忙しく最近あまりシェアハウスに帰ってきていなかった。
だからだろうか。顔色は青く目の下には大きな隈ができている。俺は自分がモヤシである自覚があるが、松永も俺に負けないくらいモヤシである。
「それじゃ野口さん、おやすみなさい」
松永はそのまま玄関で寝ようとする。慌てて起こそうとするも、松永は既に眠りの世界へ旅立っていた。寝るの早すぎだろう、と思うが、隈の濃さからだいぶ寝不足だったのだろう。
とはいえどうすればいいのか。
今は午前九時過ぎで、この時間は大抵皆家にいない。中里は朝食の時間の後、結構外出しているのだ。
放置することも考えたが、疲れ切っている若者をこんな硬い床に転がして置くほど俺は非道ではなかった。
仕方なく松永の片腕を自分の肩に回して運ぼうとする。
「うぐぅぅぅぅ」
重い。
モヤシだから俺でも運べると思ったが、思っていた以上に重い。数日前に始めたばかりの筋トレの成果はまだ出ていない。
それでも半分引きずるような形で何とかリビングまで運ぶ。松永の部屋は二階にあるが、そこまで運ぶのは無理だ。持ち上げた瞬間に諦めた。
ソファの上に松永を転がしふう、と息をつく。
しかしこんなに引きずられても目が覚めないのだから相当疲れていたのだろう。
というか、俺も夜勤で疲れていたんだった。
思い出すとどっと疲れを感じ、自室に戻ってベッドに倒れ込んだ。
「おはようございます」
まだ職場の人と打ち解けたとはいえないが、朝の挨拶は自然にできるようになった。ノミの一歩かもしれないが、引きニートしていた頃の俺と比べたらもはや別人である。
相田に今日の担当を確認すると、今週から夜勤シフトにも組み込まれることを告げられた。
「夜勤は定期的な見回りと防犯モニターのチェックの繰り返しだ。居眠りは気を付けろよ」
仕事内容自体は日勤よりも簡単なようだった。もともと俺は昼夜逆転生活を送っていたので、夜勤の方が向いているのではないかと思いながらその日を迎えた。
「いや、夜勤舐めてた」
ふらつく足で帰路に着く。確かに日勤ほどやることはない。けれど自分の足音しか聞こえない見回りは結構精神にくるし、管理室でモニター監視をするのも、画面が変わらなさすぎて退屈で死にそうだった。もちろん何度も睡魔にも襲われた。
夜勤明けに浴びる太陽の光はいつも以上に眩しく感じ、目をしばしばさせながら歩く。
やっとシェアハウスに着いた、と思ったら玄関先で人とぶつかりそうになる。
なんとか避けることができたが、見ると相手はゾンビのように顔色が悪い。しかし、なんだか見たことがあるような顔だ。
目を細めてよく見て気付く。松永だ。
「……松永さん?」
「うぇ?……あー野口さん。なんかお久しぶりです」
大学生の松永は実験で忙しく最近あまりシェアハウスに帰ってきていなかった。
だからだろうか。顔色は青く目の下には大きな隈ができている。俺は自分がモヤシである自覚があるが、松永も俺に負けないくらいモヤシである。
「それじゃ野口さん、おやすみなさい」
松永はそのまま玄関で寝ようとする。慌てて起こそうとするも、松永は既に眠りの世界へ旅立っていた。寝るの早すぎだろう、と思うが、隈の濃さからだいぶ寝不足だったのだろう。
とはいえどうすればいいのか。
今は午前九時過ぎで、この時間は大抵皆家にいない。中里は朝食の時間の後、結構外出しているのだ。
放置することも考えたが、疲れ切っている若者をこんな硬い床に転がして置くほど俺は非道ではなかった。
仕方なく松永の片腕を自分の肩に回して運ぼうとする。
「うぐぅぅぅぅ」
重い。
モヤシだから俺でも運べると思ったが、思っていた以上に重い。数日前に始めたばかりの筋トレの成果はまだ出ていない。
それでも半分引きずるような形で何とかリビングまで運ぶ。松永の部屋は二階にあるが、そこまで運ぶのは無理だ。持ち上げた瞬間に諦めた。
ソファの上に松永を転がしふう、と息をつく。
しかしこんなに引きずられても目が覚めないのだから相当疲れていたのだろう。
というか、俺も夜勤で疲れていたんだった。
思い出すとどっと疲れを感じ、自室に戻ってベッドに倒れ込んだ。
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