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番外編
体に異変がありました その2(完)
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前半はラインハルト視点、後半はラファエル視点です。前半はR18なのでご注意ください。
★★★★★
明日も執務があるというのに、また愛しいラファエルを抱きつぶしてしまった。いくらラファエルに体力があるといっても、無理をさせてばかりではいけない。
わたしも共寝だけができる落ち着いた日が増えるように精進しなければ。
ラファエルが可愛すぎてなかなか難しいことではあるが。
閨での行動をほんの少しばかり反省し、浴室で水浴びをしてから寝室へ帰った。
そのときのわたしは、睡眠をとるべくそのままベッドに入るつもりであったのだ。
それなのに、ああ、それなのにである。
寝室へ戻ると、薄明りの中に猫耳と猫尻尾をつけた可愛いラファエルが佇んでいたのだ。
猫の獣人になってしまったためにわたしの伴侶でいられるかどうかと思い悩むラファエル。
戦闘能力が高くなっていればわたしを守るための役に立つのではないかと考えるラファエル。
こんな時でも、わたしのことばかり考えてくれるラファエルのなんと愛しいことか。
しかも、猫耳や猫尻尾に触れると明らかに……、気持ち良いのを我慢しているのがわかる。
そんな状態のラファエルに触れたわたしが、水を浴びながら反省したことなど忘れて暴走しても、何の不思議もないであろう。
いや、愛しい伴侶の可愛い姿と戸惑った様子を見て、それに抗える者がいるのなら、その方法を伝授して欲しいものだ。
「ライン……ハル……トさまっ……ああ、いいっ……
きもち……い……、あああ……あ……」
喘ぐラファエルを膝の上に抱え、尻尾を愛撫しながら揺さぶる。先刻までわたしを受け入れていたその秘孔はまだ柔らかい。再び注ぎ込んだ香油でぬかるんだ秘孔の奥が、うねりながら私に絡みついてくるのがたまらない。
尻尾を握り、胸の飾りを甘噛みすると、秘孔が締まってわたし自身を絞り上げる。
「ああんっ! ラインハルトさまあ!」
ひと際大きな声を上げたラファエルの腰を引き寄せ、しとどに濡れた秘孔の奥深くまでわたし自身を突き入れる。その部分だけが生き物のように蠢き、このわたしを受け入れて悦んでいるようだ。
「くっ……、ラファエルっ」
「は……あっ……、ラインハルトさまっ……ふかいっ……ああああああ」
わたしは、体を震わせるラファエルをベッドの上にあおむけに沈めると、両足を抱えあげた。そして、その体の中へ埋め込んだわたし自身を深く突き入れては引く。
それを繰り返す。
ラファエル自身はすでに何も吐き出せなくなっていて、力なく揺れながら、透明な蜜をもらしている。その様子も愛しい。
潤んでうつろになった水色の瞳を見つめながら猫耳を愛撫する。はくはくと息をしようと動いている唇に口づけを落とす。
可愛い。
可愛い。
可愛い。
可愛い。
「あああ……はっ ひぁっ……」
ラファエルの口から出るのは、すでに意味をなさない喘ぎ声だけだ。
その様子に高揚したわたしは、激しく腰を動かしてラファエルを攻め立てていった。
温かいラファエルの体の中は、わたしを受け入れ、強く締めあげる。
それは、わたしを決して離さないようにしているのだろうかと思わせるほどに。
愛しい伴侶が自分を受け入れてくれている悦びが、わたしの中にも湧き上がる。
「くっ……うううっ、ラファエル……」
絶頂を迎えて体を痙攣させるラファエルの中にわたしは欲望を吐き出すと、何ともいえない満たされた気持ちになる。
「ラファエル、愛している。愛している……」
気を失ったラファエルの体を抱きしめたわたしは、そのまま眠ってしまった。
◇◇◇◇◇
「……魔道具。魔道具でございますか?」
「ああ、そうだ。驚かせてしまったな。ラファエル」
僕の体には猫耳と猫尻尾が生えてきて、猫の獣人になってしまったと思っていた。しかし、その翌朝、僕の体は元通りになっていた。
ベッドサイドには、僕の髪と同じ色の猫耳と猫尻尾が置かれている。
この魔道具を持ち込んで僕に装着したのは、ラインハルト様なのだそうである。
「なるほど、頭とお尻につけたら、猫の獣人のように見えるという玩具のような魔道具なのでございますね」
「そういうことだね。
ディートフリートが研究の合間に遊び心で作ってみたのだそうだ」
ディートフリート様は、作ってみられたその猫獣人に変身する魔道具を、試しにフローリアン様に装着されたらしい。そして、それで遊んだところとても楽しかったので、僕たちの分も作ってくださったのだそうだ。
そう、この魔道具を身につけるとその部分がとても敏感になる。特に、快感を拾いやすくなるのだそうだ。
ディートフリート様は、研究の合間にいったい何を作っていらっしゃるのか……
そしてディートフリート様が、フローリアン様とどのような遊びをされたのかがわかってしまったので、少しいたたまれない気持ちになっているところである。
「それで、どうして昨夜は僕がそれを装着することになったのでしょうか?」
「いや、ラファエルが眠ってしまってから、ディートフリートがそれをくれたことを思い出してね。ちょっと猫耳と猫尻尾をつけたラファエルを見たくなってしまって……」
本当は、ラインハルト様と僕が休暇を取れる時に、猫耳と猫尻尾を装着することを提案する予定でいらっしゃったそうだ。
しかし、昨夜愛し合った後に眠っている僕を見て、猫耳をつけたいという衝動に駆られて装着してしまったのだと。
そのように説明をなさった。
「猫耳をつけたラファエルが可愛すぎたから……、その、我慢しなければならないと思って水を浴びにいったのだけれどね。
無駄になってしまったよ……」
ラインハルト様はすまなそうに微笑んでそのようにおっしゃるけれど、こういう時はどんなふうに返答したら良いのだろうか。未だに僕にはよくわからない。
僕は首を傾げてラインハルト様を見つめ、考え込んでしまった
「ラファエル、怒っているのかい?」
「いえ、ラインハルト様に怒りを抱くなどということはございません。ただ、非常に驚きましたので、今後は事前にご説明いただきたく存じます」
「ラファエル、すまない……」
「ラインハルト様がお望みでしたら、休暇の前日に装着すること自体はかまいません」
「ラファエルっ! ありがとう!」
ラインハルト様は僕の申し出にすまなそうなお顔をしていらっしゃった。しかし、休暇の前日に装着しても良いとつげたことで、その青い瞳をきらきらと輝かせて美しい笑顔を浮かべられた。
そして、僕を強く抱きしめてこられる。
うれしそうなラインハルト様を見るとぼくもうれしくなる。
ラインハルト様の願いは全て叶えて差し上げたい。
それは、いつも僕が考えていることである。
とりあえず、猫の獣人になっていたのではなくて良かった。
これからもラインハルト様の伴侶でいられるであろうから。そして、獣人になどならなくても自分を鍛えることによって戦闘能力は上げていけば良いのである。
僕は全て解決したような気持ちになって、ラインハルト様の背中に自分の両手を回した。
この時の僕が暢気すぎたということに気づくのは、次の休暇の前日のことであった。
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明日も執務があるというのに、また愛しいラファエルを抱きつぶしてしまった。いくらラファエルに体力があるといっても、無理をさせてばかりではいけない。
わたしも共寝だけができる落ち着いた日が増えるように精進しなければ。
ラファエルが可愛すぎてなかなか難しいことではあるが。
閨での行動をほんの少しばかり反省し、浴室で水浴びをしてから寝室へ帰った。
そのときのわたしは、睡眠をとるべくそのままベッドに入るつもりであったのだ。
それなのに、ああ、それなのにである。
寝室へ戻ると、薄明りの中に猫耳と猫尻尾をつけた可愛いラファエルが佇んでいたのだ。
猫の獣人になってしまったためにわたしの伴侶でいられるかどうかと思い悩むラファエル。
戦闘能力が高くなっていればわたしを守るための役に立つのではないかと考えるラファエル。
こんな時でも、わたしのことばかり考えてくれるラファエルのなんと愛しいことか。
しかも、猫耳や猫尻尾に触れると明らかに……、気持ち良いのを我慢しているのがわかる。
そんな状態のラファエルに触れたわたしが、水を浴びながら反省したことなど忘れて暴走しても、何の不思議もないであろう。
いや、愛しい伴侶の可愛い姿と戸惑った様子を見て、それに抗える者がいるのなら、その方法を伝授して欲しいものだ。
「ライン……ハル……トさまっ……ああ、いいっ……
きもち……い……、あああ……あ……」
喘ぐラファエルを膝の上に抱え、尻尾を愛撫しながら揺さぶる。先刻までわたしを受け入れていたその秘孔はまだ柔らかい。再び注ぎ込んだ香油でぬかるんだ秘孔の奥が、うねりながら私に絡みついてくるのがたまらない。
尻尾を握り、胸の飾りを甘噛みすると、秘孔が締まってわたし自身を絞り上げる。
「ああんっ! ラインハルトさまあ!」
ひと際大きな声を上げたラファエルの腰を引き寄せ、しとどに濡れた秘孔の奥深くまでわたし自身を突き入れる。その部分だけが生き物のように蠢き、このわたしを受け入れて悦んでいるようだ。
「くっ……、ラファエルっ」
「は……あっ……、ラインハルトさまっ……ふかいっ……ああああああ」
わたしは、体を震わせるラファエルをベッドの上にあおむけに沈めると、両足を抱えあげた。そして、その体の中へ埋め込んだわたし自身を深く突き入れては引く。
それを繰り返す。
ラファエル自身はすでに何も吐き出せなくなっていて、力なく揺れながら、透明な蜜をもらしている。その様子も愛しい。
潤んでうつろになった水色の瞳を見つめながら猫耳を愛撫する。はくはくと息をしようと動いている唇に口づけを落とす。
可愛い。
可愛い。
可愛い。
可愛い。
「あああ……はっ ひぁっ……」
ラファエルの口から出るのは、すでに意味をなさない喘ぎ声だけだ。
その様子に高揚したわたしは、激しく腰を動かしてラファエルを攻め立てていった。
温かいラファエルの体の中は、わたしを受け入れ、強く締めあげる。
それは、わたしを決して離さないようにしているのだろうかと思わせるほどに。
愛しい伴侶が自分を受け入れてくれている悦びが、わたしの中にも湧き上がる。
「くっ……うううっ、ラファエル……」
絶頂を迎えて体を痙攣させるラファエルの中にわたしは欲望を吐き出すと、何ともいえない満たされた気持ちになる。
「ラファエル、愛している。愛している……」
気を失ったラファエルの体を抱きしめたわたしは、そのまま眠ってしまった。
◇◇◇◇◇
「……魔道具。魔道具でございますか?」
「ああ、そうだ。驚かせてしまったな。ラファエル」
僕の体には猫耳と猫尻尾が生えてきて、猫の獣人になってしまったと思っていた。しかし、その翌朝、僕の体は元通りになっていた。
ベッドサイドには、僕の髪と同じ色の猫耳と猫尻尾が置かれている。
この魔道具を持ち込んで僕に装着したのは、ラインハルト様なのだそうである。
「なるほど、頭とお尻につけたら、猫の獣人のように見えるという玩具のような魔道具なのでございますね」
「そういうことだね。
ディートフリートが研究の合間に遊び心で作ってみたのだそうだ」
ディートフリート様は、作ってみられたその猫獣人に変身する魔道具を、試しにフローリアン様に装着されたらしい。そして、それで遊んだところとても楽しかったので、僕たちの分も作ってくださったのだそうだ。
そう、この魔道具を身につけるとその部分がとても敏感になる。特に、快感を拾いやすくなるのだそうだ。
ディートフリート様は、研究の合間にいったい何を作っていらっしゃるのか……
そしてディートフリート様が、フローリアン様とどのような遊びをされたのかがわかってしまったので、少しいたたまれない気持ちになっているところである。
「それで、どうして昨夜は僕がそれを装着することになったのでしょうか?」
「いや、ラファエルが眠ってしまってから、ディートフリートがそれをくれたことを思い出してね。ちょっと猫耳と猫尻尾をつけたラファエルを見たくなってしまって……」
本当は、ラインハルト様と僕が休暇を取れる時に、猫耳と猫尻尾を装着することを提案する予定でいらっしゃったそうだ。
しかし、昨夜愛し合った後に眠っている僕を見て、猫耳をつけたいという衝動に駆られて装着してしまったのだと。
そのように説明をなさった。
「猫耳をつけたラファエルが可愛すぎたから……、その、我慢しなければならないと思って水を浴びにいったのだけれどね。
無駄になってしまったよ……」
ラインハルト様はすまなそうに微笑んでそのようにおっしゃるけれど、こういう時はどんなふうに返答したら良いのだろうか。未だに僕にはよくわからない。
僕は首を傾げてラインハルト様を見つめ、考え込んでしまった
「ラファエル、怒っているのかい?」
「いえ、ラインハルト様に怒りを抱くなどということはございません。ただ、非常に驚きましたので、今後は事前にご説明いただきたく存じます」
「ラファエル、すまない……」
「ラインハルト様がお望みでしたら、休暇の前日に装着すること自体はかまいません」
「ラファエルっ! ありがとう!」
ラインハルト様は僕の申し出にすまなそうなお顔をしていらっしゃった。しかし、休暇の前日に装着しても良いとつげたことで、その青い瞳をきらきらと輝かせて美しい笑顔を浮かべられた。
そして、僕を強く抱きしめてこられる。
うれしそうなラインハルト様を見るとぼくもうれしくなる。
ラインハルト様の願いは全て叶えて差し上げたい。
それは、いつも僕が考えていることである。
とりあえず、猫の獣人になっていたのではなくて良かった。
これからもラインハルト様の伴侶でいられるであろうから。そして、獣人になどならなくても自分を鍛えることによって戦闘能力は上げていけば良いのである。
僕は全て解決したような気持ちになって、ラインハルト様の背中に自分の両手を回した。
この時の僕が暢気すぎたということに気づくのは、次の休暇の前日のことであった。
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