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80.断罪必至の悪役令息に転生したので断罪されました
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途中で客観視点になる部分があります。
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「ああっ! ラファエル様お美しいです」
「本当にこの素晴らしいレースのベールが良くお似合いですこと。お天気も良くて、神様もラインハルト殿下とラファエル様のご婚姻を祝福されているようですわね」
フローリアン様とブリギッタ様が、僕が婚礼衣装を身に着けているのを見て称賛してくださった。僕は、つやのある生地の白いロングタキシードに長いレースのべールを被っている。ロングタキシードは、僕の体形を生かしただけのシンプルなものになっている。
今日は、ラインハルト様と僕の婚姻式が行われる。一年以上前から用意した様々なことが実を結ぶ日となるのだ。
ラインハルト様は今日という日を心待ちにしていたと、この一週間ほどはかなりお喜びだった。王妃殿下によると「浮かれている」という状態であったと。
僕も愛するラインハルト様の正式な伴侶になるのは嬉しいけれど、その分責任も重くなるのだから、身の引き締まるような思いの方が強い。
「さあ。もう一度笑顔を作ってくださいませ。もう夜会まではお目にかかれませんからね」
「……これでいいだろうか」
ブリギッタ様の言葉を受けて、この一年間訓練してきた笑顔を作るために、口角を上げる。
「少し硬いですね」
「ラインハルト殿下のことを思い出してくださいまし」
フローリアン様とブリギッタ様からの指導を受けて、自然に見えるようにと工夫するが、緊張しているせいもあって、なかなかうまくいかない。
そんな風に過ごしている控室に、来訪者があった。
「ラファエル、準備はできたかい?」
「ラインハルト様……」
僕と同じくシンプルなデザインのロングタキシードを身につけたラインハルト様が、控室にいらっしゃった。
ああ、ラインハルト様はなんと美しいのだろうか。
「ああ、ラファエル美しいね。式の前に姿を見ることができて良かったよ。神殿の式で見るのが初めてだったら、わたしの心臓が止まってしまったかもしれない」
「ラインハルト様もお美しいです」
ラインハルト様が僕を見て微笑んでいらっしゃるのを見て、僕の頬も自然に緩む。ようやくこの日が来たのだという喜びが満ちてくるように。
「ラファエル様、今は素敵な笑顔になっていますからね。それをお忘れなきように」
「聞いていらっしゃらないと思いますわ」
確かに僕はラインハルト様に夢中で、フローリアン様とブリギッタ様の言葉を聞いてはいなかった。ラインハルト様の笑顔に夢中になっていたのだから。
神殿での婚姻式が終ってから、馬車でパレードを行い、王宮広場で市民にお披露目をする。あの星祭の日にリンドヴルムが暴れた王宮前広場で、ラインハルト様と婚姻を結んだことのお披露目をすることができるのだ。リンドヴルムのことも今となっては遠い思い出だ。
「ラファエル、ほら皆に手を振るよ」
「はい、ラインハルト様」
たくさんの人が集まった王宮前広場の演台で手を振る。ここで、この一年間の訓練の成果を出すのだ。僕が精一杯の笑顔を作って手を振ると、大歓声が上がった。
「ラインハルト殿下! ラファエル殿下! おめでとうございます」
「第二王子の伴侶はお美しい」
「誰だ、氷の貴公子と言ったのは。春の始まりに咲く青いシュテルンブルーメ(星の花)のように可憐ではないか」
市民の皆さんが口々に僕たちをお祝いしてくださる。手を振って僕たちの婚姻を喜んでくださる。
ああ、僕はなんと幸せなのだろうか。
各国の来賓を招待した豪華な夜会も終わり、寝室でラインハルト様を待つ。
体力には自信があるのだが、たくさんの侍女に体を隅々まで洗われて、全身に香油を塗られたことで、疲れ果ててしまった。夜着も薄く頼りないものなので心もとない。
「ヒムメル侯爵領に帰りたい」
「それは、しばらくは無理だな。落ち着いたら二人で訪問しようね」
思わず弱音を吐いてしまったのをラインハルト様に聞かれてしまった。二人で過ごす初めての夜に、帰りたいなどと言っているのを聞かれてしまっては非常にまずいのではなかろうか。
ラインハルト様も僕と同様の薄い夜着を纏っていらっしゃる。ラインハルト様も湯あみをされて磨かれたのだろう。大層お美しいその姿を見ていると、胸が高鳴る。
「あの、ラインハルト様と離れたいということでは……」
「わかっているよ。ラファエルはわたしといつも一緒にいたいと思っていることぐらい」
「はい、その通りです」
「わたしも同じ気持ちだ」
ラインハルト様はそうおっしゃると、僕の肩を抱いて額に、頬に、キスをした。僕もラインハルト様の頬にキスを返す。
「愛しているよ。ラファエル……」
ラインハルト様は僕の返答を待つことなく、そう語った唇で僕の唇を塞いだ。
◇◇◇◇◇
ラインハルトはラファエルの唇をついばむようにキスをした。たったそれだけの触れ合いなのに、ラファエルの手は、まるで縋りつくようにラインハルトの夜着を掴んでいる。
婚姻を結んだばかりの伴侶の可愛らしい姿に、ラインハルトは笑みを漏らした。
ラインハルトは、ラファエルの顔を見つめながら、手を夜着から優しく離した。そしてラファエルの腰を抱きよせた。
「ラファエル、少し口を開けて」
ラファエルが言いつけ通りに開けた唇にラインハルトは再び口づけ、その口の中に自らの舌を割り込ませる。ラインハルトの舌はラファエルの舌を絡めとり、上顎を、歯列を舐めていく。口の中からみだらな水音がして、お互いは自ずと高まっていく。
ラファエルは戸惑っていたものの、やがてラインハルトの舌の動きに、その気持ち良さに夢中になっていく。
やがて自らも、ラインハルトの舌を求めるように口を動かした。
ラインハルトは、名残惜しく感じながらもその唇を離すと、ラファエルの夜着に手をかけて肌を露わにした。
「ああ、ラファエルは美しいね。この美しさは……すべてわたしのものだ……」
「はい、僕はラインハルト様のものです……」
「そうだね。わたしもラファエルのものだよ」
ラインハルトはその言葉とともに、ラファエルの体を寝台に沈めた。
ラインハルトはラファエルの白い肌に手を滑らせながら、その顎に、喉にとキスを落としていく。
ラインハルトの手がラファエルの背中から脇腹、そして胸へと動いていく。ラファエルの緊張を解くような、優しい動きだ。
やがてラインハルトの指は、それを探り当てたかのようにラファエルの胸の尖りをつまんで、押し潰した。
「ああっ」
「気持ち良いかい?」
「わからなっ……あっ」
ラインハルトはラファエルを見て微笑むと、もう片方の手で既に兆し始めているラファエルの中心を掴み、緩やかに扱いた。
「あっ、だめっだめです」
「だめじゃないだろう。ほら、気持ち良い」
「あっ、あああああああっ!」
ラインハルトの刺激を受けたそれは、あっという間に白濁を吐き出した。
涙ぐんでいるラファエルの瞼にキスをしてから、ラインハルトは自らの夜着を脱ぎ捨てた。
「可愛いラファエル。次はわたしを気持ちよくしてもらうから準備をするよ」
ラインハルトはラファエルの足を大きく開かせると、その後孔に香油をたらし、その襞に塗りこめていった。
ラファエルの中を探るようにラインハルトの指は動く。やがて、ある部分に触れると、ラファエルの体が跳ね上がった。
そのもどかしい気持ち良さに、ラファエルは戸惑った。
「あああっ……こわいっ」
「こわくないよ。ここがラファエルのいいところだ。ゆっくり気持ちよくなろう」
ラインハルトは、ラファエルの中をほぐしながらその場所に何度も触れる。ラファエルの体が快感を覚えるようにと。
「そろそろいいね。ラファエル、わたしを受け入れて」
ラインハルトは、ラファエルの中から指を抜き、自分自身に香油を纏わせる。
そして、ラファエルの色づいた後孔にそれを宛がうと、ゆっくりとその中に押し進めた。
「あああああっ……ラインハルトさま……!」
「ラファエル、愛しているよ」
ラインハルトは、痛みに耐えるように荒い息を繰り返すラファエルの中に自身を納め、宥めるように口づけをする。
ラファエルの中は温かく、その襞がうねるようにラインハルトに絡みついてくる。まるで、自分自身が溶けていくようだ。
このまま留まっていることなどできない。
「そろそろ……限界だ。動くよ」
「ああ、動いて……動いてくださいっ」
ラインハルトがゆっくりと動き出すと、ラファエルはそれに応えるように腰を揺らした。痛みと快感が同時にラファエルを襲ってくる。
やがてラインハルトの動きが激しくなると、ラファエルの体は快感に支配されていく。
「ああっ! ラインハルトさま……ああんっ」
「ラファエル、可愛い、可愛い」
ラインハルトがラファエルに激しく腰を打ち付けながらその胸の尖りをつまむ。ラファエルは快感に体を震わせ、ラインハルトを締め付けた。
「ああああああああ!」
激しく揺さぶられながらやがてラファエルは絶頂を迎えて再び白濁を吐き出した。ラファエルの中が激しく収縮して、ラインハルトを締め付ける。
それと同時に、ラインハルトも、ラファエルの中に自分の熱を吐き出していた。
心地よい倦怠を感じながら、ラインハルトはラファエルにキスをする。
「愛しているよ。ラファエル。これからもずっと」
「僕も、ラインハルト様を愛しています……」
抱き合った二人は、それから何度も愛を交わした。
◇◇◇◇◇
目を覚ますと、サファイアのような青い瞳が僕を覗き込んでいるのが見えた。
「ラインハルト様……」
「ラファエル、おはよう。昨日は素晴らしかったよ」
「……何をおっしゃるのですか」
昨夜は何度……
いや、考えるのはやめておこう。僕は途中で気を失ってしまったのだから。
「今日は公務もないし、二人でゆっくりと過ごそうね」
「はい、ラインハルト様」
僕はそう言って寝台から出ようとしたのだが、腕を引かれて寝台に戻されてしまった。
いったい、どうされたのだろうか。
「ラインハルト様?」
「ラファエル、其方を断罪する」
「え?」
「その美しさと可愛らしさと健気さと……すべてが罪だ。
一生わたしの傍にいることを命ずる」
ラインハルト様はそうおっしゃってから、その口で僕の唇を塞ぐと、僕の体に手を這わせた。
断罪必至の悪役令息だった僕は、断罪されて寝台に沈んでいった。
全身で幸せを感じながら……
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「ああっ! ラファエル様お美しいです」
「本当にこの素晴らしいレースのベールが良くお似合いですこと。お天気も良くて、神様もラインハルト殿下とラファエル様のご婚姻を祝福されているようですわね」
フローリアン様とブリギッタ様が、僕が婚礼衣装を身に着けているのを見て称賛してくださった。僕は、つやのある生地の白いロングタキシードに長いレースのべールを被っている。ロングタキシードは、僕の体形を生かしただけのシンプルなものになっている。
今日は、ラインハルト様と僕の婚姻式が行われる。一年以上前から用意した様々なことが実を結ぶ日となるのだ。
ラインハルト様は今日という日を心待ちにしていたと、この一週間ほどはかなりお喜びだった。王妃殿下によると「浮かれている」という状態であったと。
僕も愛するラインハルト様の正式な伴侶になるのは嬉しいけれど、その分責任も重くなるのだから、身の引き締まるような思いの方が強い。
「さあ。もう一度笑顔を作ってくださいませ。もう夜会まではお目にかかれませんからね」
「……これでいいだろうか」
ブリギッタ様の言葉を受けて、この一年間訓練してきた笑顔を作るために、口角を上げる。
「少し硬いですね」
「ラインハルト殿下のことを思い出してくださいまし」
フローリアン様とブリギッタ様からの指導を受けて、自然に見えるようにと工夫するが、緊張しているせいもあって、なかなかうまくいかない。
そんな風に過ごしている控室に、来訪者があった。
「ラファエル、準備はできたかい?」
「ラインハルト様……」
僕と同じくシンプルなデザインのロングタキシードを身につけたラインハルト様が、控室にいらっしゃった。
ああ、ラインハルト様はなんと美しいのだろうか。
「ああ、ラファエル美しいね。式の前に姿を見ることができて良かったよ。神殿の式で見るのが初めてだったら、わたしの心臓が止まってしまったかもしれない」
「ラインハルト様もお美しいです」
ラインハルト様が僕を見て微笑んでいらっしゃるのを見て、僕の頬も自然に緩む。ようやくこの日が来たのだという喜びが満ちてくるように。
「ラファエル様、今は素敵な笑顔になっていますからね。それをお忘れなきように」
「聞いていらっしゃらないと思いますわ」
確かに僕はラインハルト様に夢中で、フローリアン様とブリギッタ様の言葉を聞いてはいなかった。ラインハルト様の笑顔に夢中になっていたのだから。
神殿での婚姻式が終ってから、馬車でパレードを行い、王宮広場で市民にお披露目をする。あの星祭の日にリンドヴルムが暴れた王宮前広場で、ラインハルト様と婚姻を結んだことのお披露目をすることができるのだ。リンドヴルムのことも今となっては遠い思い出だ。
「ラファエル、ほら皆に手を振るよ」
「はい、ラインハルト様」
たくさんの人が集まった王宮前広場の演台で手を振る。ここで、この一年間の訓練の成果を出すのだ。僕が精一杯の笑顔を作って手を振ると、大歓声が上がった。
「ラインハルト殿下! ラファエル殿下! おめでとうございます」
「第二王子の伴侶はお美しい」
「誰だ、氷の貴公子と言ったのは。春の始まりに咲く青いシュテルンブルーメ(星の花)のように可憐ではないか」
市民の皆さんが口々に僕たちをお祝いしてくださる。手を振って僕たちの婚姻を喜んでくださる。
ああ、僕はなんと幸せなのだろうか。
各国の来賓を招待した豪華な夜会も終わり、寝室でラインハルト様を待つ。
体力には自信があるのだが、たくさんの侍女に体を隅々まで洗われて、全身に香油を塗られたことで、疲れ果ててしまった。夜着も薄く頼りないものなので心もとない。
「ヒムメル侯爵領に帰りたい」
「それは、しばらくは無理だな。落ち着いたら二人で訪問しようね」
思わず弱音を吐いてしまったのをラインハルト様に聞かれてしまった。二人で過ごす初めての夜に、帰りたいなどと言っているのを聞かれてしまっては非常にまずいのではなかろうか。
ラインハルト様も僕と同様の薄い夜着を纏っていらっしゃる。ラインハルト様も湯あみをされて磨かれたのだろう。大層お美しいその姿を見ていると、胸が高鳴る。
「あの、ラインハルト様と離れたいということでは……」
「わかっているよ。ラファエルはわたしといつも一緒にいたいと思っていることぐらい」
「はい、その通りです」
「わたしも同じ気持ちだ」
ラインハルト様はそうおっしゃると、僕の肩を抱いて額に、頬に、キスをした。僕もラインハルト様の頬にキスを返す。
「愛しているよ。ラファエル……」
ラインハルト様は僕の返答を待つことなく、そう語った唇で僕の唇を塞いだ。
◇◇◇◇◇
ラインハルトはラファエルの唇をついばむようにキスをした。たったそれだけの触れ合いなのに、ラファエルの手は、まるで縋りつくようにラインハルトの夜着を掴んでいる。
婚姻を結んだばかりの伴侶の可愛らしい姿に、ラインハルトは笑みを漏らした。
ラインハルトは、ラファエルの顔を見つめながら、手を夜着から優しく離した。そしてラファエルの腰を抱きよせた。
「ラファエル、少し口を開けて」
ラファエルが言いつけ通りに開けた唇にラインハルトは再び口づけ、その口の中に自らの舌を割り込ませる。ラインハルトの舌はラファエルの舌を絡めとり、上顎を、歯列を舐めていく。口の中からみだらな水音がして、お互いは自ずと高まっていく。
ラファエルは戸惑っていたものの、やがてラインハルトの舌の動きに、その気持ち良さに夢中になっていく。
やがて自らも、ラインハルトの舌を求めるように口を動かした。
ラインハルトは、名残惜しく感じながらもその唇を離すと、ラファエルの夜着に手をかけて肌を露わにした。
「ああ、ラファエルは美しいね。この美しさは……すべてわたしのものだ……」
「はい、僕はラインハルト様のものです……」
「そうだね。わたしもラファエルのものだよ」
ラインハルトはその言葉とともに、ラファエルの体を寝台に沈めた。
ラインハルトはラファエルの白い肌に手を滑らせながら、その顎に、喉にとキスを落としていく。
ラインハルトの手がラファエルの背中から脇腹、そして胸へと動いていく。ラファエルの緊張を解くような、優しい動きだ。
やがてラインハルトの指は、それを探り当てたかのようにラファエルの胸の尖りをつまんで、押し潰した。
「ああっ」
「気持ち良いかい?」
「わからなっ……あっ」
ラインハルトはラファエルを見て微笑むと、もう片方の手で既に兆し始めているラファエルの中心を掴み、緩やかに扱いた。
「あっ、だめっだめです」
「だめじゃないだろう。ほら、気持ち良い」
「あっ、あああああああっ!」
ラインハルトの刺激を受けたそれは、あっという間に白濁を吐き出した。
涙ぐんでいるラファエルの瞼にキスをしてから、ラインハルトは自らの夜着を脱ぎ捨てた。
「可愛いラファエル。次はわたしを気持ちよくしてもらうから準備をするよ」
ラインハルトはラファエルの足を大きく開かせると、その後孔に香油をたらし、その襞に塗りこめていった。
ラファエルの中を探るようにラインハルトの指は動く。やがて、ある部分に触れると、ラファエルの体が跳ね上がった。
そのもどかしい気持ち良さに、ラファエルは戸惑った。
「あああっ……こわいっ」
「こわくないよ。ここがラファエルのいいところだ。ゆっくり気持ちよくなろう」
ラインハルトは、ラファエルの中をほぐしながらその場所に何度も触れる。ラファエルの体が快感を覚えるようにと。
「そろそろいいね。ラファエル、わたしを受け入れて」
ラインハルトは、ラファエルの中から指を抜き、自分自身に香油を纏わせる。
そして、ラファエルの色づいた後孔にそれを宛がうと、ゆっくりとその中に押し進めた。
「あああああっ……ラインハルトさま……!」
「ラファエル、愛しているよ」
ラインハルトは、痛みに耐えるように荒い息を繰り返すラファエルの中に自身を納め、宥めるように口づけをする。
ラファエルの中は温かく、その襞がうねるようにラインハルトに絡みついてくる。まるで、自分自身が溶けていくようだ。
このまま留まっていることなどできない。
「そろそろ……限界だ。動くよ」
「ああ、動いて……動いてくださいっ」
ラインハルトがゆっくりと動き出すと、ラファエルはそれに応えるように腰を揺らした。痛みと快感が同時にラファエルを襲ってくる。
やがてラインハルトの動きが激しくなると、ラファエルの体は快感に支配されていく。
「ああっ! ラインハルトさま……ああんっ」
「ラファエル、可愛い、可愛い」
ラインハルトがラファエルに激しく腰を打ち付けながらその胸の尖りをつまむ。ラファエルは快感に体を震わせ、ラインハルトを締め付けた。
「ああああああああ!」
激しく揺さぶられながらやがてラファエルは絶頂を迎えて再び白濁を吐き出した。ラファエルの中が激しく収縮して、ラインハルトを締め付ける。
それと同時に、ラインハルトも、ラファエルの中に自分の熱を吐き出していた。
心地よい倦怠を感じながら、ラインハルトはラファエルにキスをする。
「愛しているよ。ラファエル。これからもずっと」
「僕も、ラインハルト様を愛しています……」
抱き合った二人は、それから何度も愛を交わした。
◇◇◇◇◇
目を覚ますと、サファイアのような青い瞳が僕を覗き込んでいるのが見えた。
「ラインハルト様……」
「ラファエル、おはよう。昨日は素晴らしかったよ」
「……何をおっしゃるのですか」
昨夜は何度……
いや、考えるのはやめておこう。僕は途中で気を失ってしまったのだから。
「今日は公務もないし、二人でゆっくりと過ごそうね」
「はい、ラインハルト様」
僕はそう言って寝台から出ようとしたのだが、腕を引かれて寝台に戻されてしまった。
いったい、どうされたのだろうか。
「ラインハルト様?」
「ラファエル、其方を断罪する」
「え?」
「その美しさと可愛らしさと健気さと……すべてが罪だ。
一生わたしの傍にいることを命ずる」
ラインハルト様はそうおっしゃってから、その口で僕の唇を塞ぐと、僕の体に手を這わせた。
断罪必至の悪役令息だった僕は、断罪されて寝台に沈んでいった。
全身で幸せを感じながら……
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