18 / 86
18.わたしだけの天使 ~ラインハルト~
しおりを挟む
婚約者選定の茶会にラファエルが来ていなかったのは、領地の魔獣討伐が予定通りに進まなかったからだという。わたしの婚約者は、美しいだけでなく、優秀な魔法騎士候補らしい。
わたしの婚約者になったからには、魔法騎士になることはできないけれども。
顔を合わせてから半年ほど後に、わたしとラファエルの婚約が発表された。
そしてわたしは、ラファエルとの信頼関係を深めていくことになる。婚約者とはいってもまだ十歳であったわたしは、今にして思えば同志を得たような気持ちだったのかもしれない。それが、もっと違う気持ちに変化するのは、間もなくのことではあったが。
王都近郊の森へ魔獣討伐、『狩』に一緒に行ったときには、ラファエルの戦闘能力の高さに目を見張った。「何があろうとラインハルト様をお守りしてみせます」と言って微笑むラファエルは、何にもたとえようのない美しさだった。
わたしたちが十一歳になると、ラファエルが王子の伴侶になるための教育が始まった。ラファエルが王都にいる時は、王宮で教育を受け、領地に帰る時は、王家から教師が派遣されることとなった。
一年のうちの一定期間、ラファエルは領地へ帰る。それは、婚約に当たって王家とヒムメル侯爵家との間で交わされた約束事であった。
「ラファエル様は、ラインハルト殿下の伴侶になる予定の方です。ラインハルト様に恥じない知識や教養を身に着けなければなりませんが、ラインハルト様を超えてはなりません」
教育係のキルステンは、初対面のラファエルに向かってそう告げた。
キルステンは、兄上を基準として行動するようにわたしに教育をしてきた。わたしの大切なラファエルにも、そういうふうに接するつもりなのだ。心の中に怒りがこみ上げる。
わたしが両手を握りしめていたときのことだ。
「どうして、ラインハルト殿下を超えてはいけないのですか?」
心底わからないという顔をしたラファエルは、美しい薄い水色の目を大きく見開いて、キルステンの灰緑色の目を見つめた。
「それは……ラインハルト殿下はあなたより上のお立場だからです」
「……それは、無理だと思います」
「はあ? 無理とはどういうことですか!」
「今でも僕は、ラインハルト殿下より魔法についても戦闘についても能力が高いと思います。魔獣に関する生物学にしても僕の方が詳しいです。その方が、ラインハルト殿下をお守りするのに都合が良いですし、その能力を下げる気はありません。
僕の得意なことで、ラインハルト殿下のお役に立てれば良いと思います。
ラインハルト殿下より騎士は強いし、学者はものをよく知っています。そういう者たちを適正に配置するのが王族の方々です」
「自分の方が優れているなどと、なんと不敬な!
そして、屁理屈でわたしに意見するなど、なんと生意気なのでしょう。あなたのような人間が、婚約者だなどと許されません。すぐ、王妃殿下にお伝えしますからね」
キルステンは捨て台詞を吐くと、激高して部屋を飛び出して行った。
そしてわたしは、それをただ見送るしかなかったのだ。ラファエルは、わたしのことを考えてくれているからこそ、あのような発言をしたのだと思うのに。
「ラインハルト様、先生を怒らせてしまいました。申し訳ありません」
ラファエルは、立ち上がり、眉を下げて僕に謝る。ラファエルの態度は、少し子どもっぽかったかもしれない。だけど、わたしが今まで抱えていた鬱屈した思いを、晴らしてくれた気がした。
わたしも、そう思っていたのだとキルステンに言いたかった。兄上に阿るのではなく、自分の能力を使って兄上のお役に立ちたいと。
「ラファエル、ありがとう。わたしを守ると、わたしの役に立つと言ってくれて」
「ラインハルト様……」
美しい薄い水色の瞳にみるみる水の膜が張っていく。わたしも立ち上がり、ラファエルを抱きしめた。
温かい、自分より華奢な体。
あれほど強いのに、こうして抱きしめていると、そんな風には思えない。
「ラファエルが口にしたことは、わたしもこれまでに考えていたことだよ」
「僕は……ラインハルト様の、婚約者では、なくなるのでしょうか。こうして、ラインハルト様と一緒にいることができなくなるのでしょうか……」
ラファエルは、泣きながらわたしの腕の中でそうつぶやいた。なんと愛しいのだろう。
「大丈夫だ。絶対にそんなことはさせないから……」
この天使を、絶対に離したくない。
わたしは、その思いを強くする。
わたしたちの教育に関することは、王妃である母上が差配している。キルステンは、本当にその足で、母上のもとにラファエルが婚約者としてふさわしくないと注進に行ったのだ。
当然ながら、すぐには会えなかったようだが。その結果、キルステンはわたしの教育係から外れることになった。
「キルステンは、王子の婚約者について、自分に決定権があるように勘違いをしておったので、外すこととした」
「母上、ありがとうございます」
母上は、微笑みながら私にそう伝えた。
「キルステンは、ヘンドリックのためだけにそなたが存在しており、そなたのためだけにラファエルが存在していると思っておったようじゃのう。まあ、昔の王家というものはそうであったのだろうが、時代は変わっておる。古い美徳に縛られていては、進歩せぬからのう。
ヘンドリックもラインハルトも辛い思いをしておったのかもしれんと、反省しているところじゃ」
「わたしは、キルステン先生の言うことに疑問を持ちながらも、それを母上には伝えておりませんでした。母上がご存じなくて当然かと」
ラファエルは、魔獣の森で討伐を行うような領地で生活をしてきたのだ。
上位者への敬意は必要であるが、何もかもを譲って一歩下がるような行動をしていれば命に係わる。その経験ゆえに、キルステンに素直な言葉を向けてしまったのだろう。王宮で生きるには素直すぎるが、それこそこれから学んでいけば良いことである。
母上は、ラファエルの行動を好意的に受け止めているようだった。
そして、ラファエルは、これからもわたしの婚約者であるということは、国王である父上も了承していることだ。
「ラインハルトは、せいぜいラファエルを大切にしてやると良い。ラファエルの方も、そなたを大切にする気持ちがあふれているようじゃしのう」
「はい、心から大切にしたいと思っております」
「おやおや、わたしが無粋であったかの」
母上は楽しげな声を出すと、侍女に新しいお茶を出すよう指示をしてから、市井のことに話題を切り替えた。
ラファエルは、父親であるヒムメル侯爵から聞き取りをされたのち、王宮内での年上の先生に対する態度や言葉の選び方、ふるまいについての注意を受けたようだ。
ラファエルは母上にも、謝罪に行っている。王子の伴侶として、これから学習していけば良いのだと、母上は鷹揚な態度でラファエルに応じたようだった。
「王妃殿下は、何事も経験として生かしていけば良いと、励ましてくださいました。寛大なご差配にお応えできるよう、頑張ります」
わたしは、そう言って頬を染めるラファエルを自分の腕の中に閉じ込めた。
ラファエルはわたしの婚約者だ。
ラファエル、可愛いわたしの天使。
わたしだけの……
わたしの婚約者になったからには、魔法騎士になることはできないけれども。
顔を合わせてから半年ほど後に、わたしとラファエルの婚約が発表された。
そしてわたしは、ラファエルとの信頼関係を深めていくことになる。婚約者とはいってもまだ十歳であったわたしは、今にして思えば同志を得たような気持ちだったのかもしれない。それが、もっと違う気持ちに変化するのは、間もなくのことではあったが。
王都近郊の森へ魔獣討伐、『狩』に一緒に行ったときには、ラファエルの戦闘能力の高さに目を見張った。「何があろうとラインハルト様をお守りしてみせます」と言って微笑むラファエルは、何にもたとえようのない美しさだった。
わたしたちが十一歳になると、ラファエルが王子の伴侶になるための教育が始まった。ラファエルが王都にいる時は、王宮で教育を受け、領地に帰る時は、王家から教師が派遣されることとなった。
一年のうちの一定期間、ラファエルは領地へ帰る。それは、婚約に当たって王家とヒムメル侯爵家との間で交わされた約束事であった。
「ラファエル様は、ラインハルト殿下の伴侶になる予定の方です。ラインハルト様に恥じない知識や教養を身に着けなければなりませんが、ラインハルト様を超えてはなりません」
教育係のキルステンは、初対面のラファエルに向かってそう告げた。
キルステンは、兄上を基準として行動するようにわたしに教育をしてきた。わたしの大切なラファエルにも、そういうふうに接するつもりなのだ。心の中に怒りがこみ上げる。
わたしが両手を握りしめていたときのことだ。
「どうして、ラインハルト殿下を超えてはいけないのですか?」
心底わからないという顔をしたラファエルは、美しい薄い水色の目を大きく見開いて、キルステンの灰緑色の目を見つめた。
「それは……ラインハルト殿下はあなたより上のお立場だからです」
「……それは、無理だと思います」
「はあ? 無理とはどういうことですか!」
「今でも僕は、ラインハルト殿下より魔法についても戦闘についても能力が高いと思います。魔獣に関する生物学にしても僕の方が詳しいです。その方が、ラインハルト殿下をお守りするのに都合が良いですし、その能力を下げる気はありません。
僕の得意なことで、ラインハルト殿下のお役に立てれば良いと思います。
ラインハルト殿下より騎士は強いし、学者はものをよく知っています。そういう者たちを適正に配置するのが王族の方々です」
「自分の方が優れているなどと、なんと不敬な!
そして、屁理屈でわたしに意見するなど、なんと生意気なのでしょう。あなたのような人間が、婚約者だなどと許されません。すぐ、王妃殿下にお伝えしますからね」
キルステンは捨て台詞を吐くと、激高して部屋を飛び出して行った。
そしてわたしは、それをただ見送るしかなかったのだ。ラファエルは、わたしのことを考えてくれているからこそ、あのような発言をしたのだと思うのに。
「ラインハルト様、先生を怒らせてしまいました。申し訳ありません」
ラファエルは、立ち上がり、眉を下げて僕に謝る。ラファエルの態度は、少し子どもっぽかったかもしれない。だけど、わたしが今まで抱えていた鬱屈した思いを、晴らしてくれた気がした。
わたしも、そう思っていたのだとキルステンに言いたかった。兄上に阿るのではなく、自分の能力を使って兄上のお役に立ちたいと。
「ラファエル、ありがとう。わたしを守ると、わたしの役に立つと言ってくれて」
「ラインハルト様……」
美しい薄い水色の瞳にみるみる水の膜が張っていく。わたしも立ち上がり、ラファエルを抱きしめた。
温かい、自分より華奢な体。
あれほど強いのに、こうして抱きしめていると、そんな風には思えない。
「ラファエルが口にしたことは、わたしもこれまでに考えていたことだよ」
「僕は……ラインハルト様の、婚約者では、なくなるのでしょうか。こうして、ラインハルト様と一緒にいることができなくなるのでしょうか……」
ラファエルは、泣きながらわたしの腕の中でそうつぶやいた。なんと愛しいのだろう。
「大丈夫だ。絶対にそんなことはさせないから……」
この天使を、絶対に離したくない。
わたしは、その思いを強くする。
わたしたちの教育に関することは、王妃である母上が差配している。キルステンは、本当にその足で、母上のもとにラファエルが婚約者としてふさわしくないと注進に行ったのだ。
当然ながら、すぐには会えなかったようだが。その結果、キルステンはわたしの教育係から外れることになった。
「キルステンは、王子の婚約者について、自分に決定権があるように勘違いをしておったので、外すこととした」
「母上、ありがとうございます」
母上は、微笑みながら私にそう伝えた。
「キルステンは、ヘンドリックのためだけにそなたが存在しており、そなたのためだけにラファエルが存在していると思っておったようじゃのう。まあ、昔の王家というものはそうであったのだろうが、時代は変わっておる。古い美徳に縛られていては、進歩せぬからのう。
ヘンドリックもラインハルトも辛い思いをしておったのかもしれんと、反省しているところじゃ」
「わたしは、キルステン先生の言うことに疑問を持ちながらも、それを母上には伝えておりませんでした。母上がご存じなくて当然かと」
ラファエルは、魔獣の森で討伐を行うような領地で生活をしてきたのだ。
上位者への敬意は必要であるが、何もかもを譲って一歩下がるような行動をしていれば命に係わる。その経験ゆえに、キルステンに素直な言葉を向けてしまったのだろう。王宮で生きるには素直すぎるが、それこそこれから学んでいけば良いことである。
母上は、ラファエルの行動を好意的に受け止めているようだった。
そして、ラファエルは、これからもわたしの婚約者であるということは、国王である父上も了承していることだ。
「ラインハルトは、せいぜいラファエルを大切にしてやると良い。ラファエルの方も、そなたを大切にする気持ちがあふれているようじゃしのう」
「はい、心から大切にしたいと思っております」
「おやおや、わたしが無粋であったかの」
母上は楽しげな声を出すと、侍女に新しいお茶を出すよう指示をしてから、市井のことに話題を切り替えた。
ラファエルは、父親であるヒムメル侯爵から聞き取りをされたのち、王宮内での年上の先生に対する態度や言葉の選び方、ふるまいについての注意を受けたようだ。
ラファエルは母上にも、謝罪に行っている。王子の伴侶として、これから学習していけば良いのだと、母上は鷹揚な態度でラファエルに応じたようだった。
「王妃殿下は、何事も経験として生かしていけば良いと、励ましてくださいました。寛大なご差配にお応えできるよう、頑張ります」
わたしは、そう言って頬を染めるラファエルを自分の腕の中に閉じ込めた。
ラファエルはわたしの婚約者だ。
ラファエル、可愛いわたしの天使。
わたしだけの……
568
お気に入りに追加
3,126
あなたにおすすめの小説
国を救った英雄と一つ屋根の下とか聞いてない!
古森きり
BL
第8回BL小説大賞、奨励賞ありがとうございます!
7/15よりレンタル切り替えとなります。
紙書籍版もよろしくお願いします!
妾の子であり、『Ω型』として生まれてきて風当たりが強く、居心地の悪い思いをして生きてきた第五王子のシオン。
成人年齢である十八歳の誕生日に王位継承権を破棄して、王都で念願の冒険者酒場宿を開店させた!
これからはお城に呼び出されていびられる事もない、幸せな生活が待っている……はずだった。
「なんで国の英雄と一緒に酒場宿をやらなきゃいけないの!」
「それはもちろん『Ω型』のシオン様お一人で生活出来るはずもない、と国王陛下よりお世話を仰せつかったからです」
「んもおおおっ!」
どうなる、俺の一人暮らし!
いや、従業員もいるから元々一人暮らしじゃないけど!
※読み直しナッシング書き溜め。
※飛び飛びで書いてるから矛盾点とか出ても見逃して欲しい。
【完結】お前らの目は節穴か?BLゲーム主人公の従者になりました!
MEIKO
BL
第12回BL大賞奨励賞いただきました!ありがとうございます。僕、エリオット・アノーは伯爵家嫡男の身分を隠して、公爵家令息のジュリアス・エドモアの従者をしている。事の発端は十歳の時…我慢の限界で田舎の領地から家出をして来た。もう戻る事はないと己の身分を捨て、心機一転王都へやって来たものの、現実は厳しく死にかける僕。薄汚い格好でフラフラと彷徨っている所を救ってくれたのが我らが坊ちゃま…ジュリアス様だ!坊ちゃまと初めて会った時、不思議な感覚を覚えた。そして突然閃く「ここって…もしかして、BLゲームの世界じゃない?おまけにジュリアス様が主人公だ!」
知らぬ間にBLゲームの中の名も無き登場人物に転生してしまっていた僕は、命の恩人である坊ちゃまを幸せにしようと奔走する。だけど何で?全然シナリオ通りじゃないんですけど?
お気に入り&いいね&感想をいただけると嬉しいです!孤独な作業なので(笑)励みになります。
※貴族的表現を使っていますが、別の世界です。ですのでそれにのっとっていない事がありますがご了承下さい。

有能すぎる親友の隣が辛いので、平凡男爵令息の僕は消えたいと思います
緑虫
BL
第三王子の十歳の生誕パーティーで、王子に気に入られないようお城の花園に避難した、貧乏男爵令息のルカ・グリューベル。
知り合った宮廷庭師から、『ネムリバナ』という水に浮かべるとよく寝られる香りを放つ花びらをもらう。
花園からの帰り道、噴水で泣いている少年に遭遇。目の下に酷いクマのある少年を慰めたルカは、もらったばかりの花びらを男の子に渡して立ち去った。
十二歳になり、ルカは寄宿学校に入学する。
寮の同室になった子は、まさかのその時の男の子、アルフレート(アリ)・ユーネル侯爵令息だった。
見目麗しく文武両道のアリ。だが二年前と変わらず睡眠障害を抱えていて、目の下のクマは健在。
宮廷庭師と親交を続けていたルカには、『ネムリバナ』を第三王子の為に学校の温室で育てる役割を与えられていた。アリは花びらを王子の元まで運ぶ役目を負っている。育てる見返りに少量の花びらを入手できるようになったルカは、早速アリに使ってみることに。
やがて問題なく眠れるようになったアリはめきめきと頭角を表し、しがない男爵令息にすぎない平凡なルカには手の届かない存在になっていく。
次第にアリに対する恋心に気づくルカ。だが、男の自分はアリとは不釣り合いだと、卒業を機に離れることを決意する。
アリを見ない為に地方に移ったルカ。実はここは、アリの叔父が経営する領地。そこでたった半年の間に朗らかで輝いていたアリの変わり果てた姿を見てしまい――。
ハイスペ不眠攻めxお人好し平凡受けのファンタジーBLです。ハピエン。
【完結】伯爵家当主になりますので、お飾りの婚約者の僕は早く捨てて下さいね?
MEIKO
BL
【完結】そのうち番外編更新予定。伯爵家次男のマリンは、公爵家嫡男のミシェルの婚約者として一緒に過ごしているが実際はお飾りの存在だ。そんなマリンは池に落ちたショックで前世は日本人の男子で今この世界が小説の中なんだと気付いた。マズい!このままだとミシェルから婚約破棄されて路頭に迷うだけだ┉。僕はそこから前世の特技を活かしてお金を貯め、ミシェルに愛する人が現れるその日に備えだす。2年後、万全の備えと新たな朗報を得た僕は、もう婚約破棄してもらっていいんですけど?ってミシェルに告げた。なのに対象外のはずの僕に未練たらたらなの何で!?
※R対象話には『*』マーク付けますが、後半付近まで出て来ない予定です。
【完結】僕がハーブティーを淹れたら、筆頭魔術師様(♂)にプロポーズされました
楠結衣
BL
貴族学園の中庭で、婚約破棄を告げられたエリオット伯爵令息。可愛らしい見た目に加え、ハーブと刺繍を愛する彼は、女よりも女の子らしいと言われていた。女騎士を目指す婚約者に「妹みたい」とバッサリ切り捨てられ、婚約解消されてしまう。
ショックのあまり実家のハーブガーデンに引きこもっていたところ、王宮魔術塔で働く兄から助手に誘われる。
喜ぶ家族を見たら断れなくなったエリオットは筆頭魔術師のジェラール様の執務室へ向かう。そこでエリオットがいつものようにハーブティーを淹れたところ、なぜかプロポーズされてしまい……。
「エリオット・ハワード――俺と結婚しよう」
契約結婚の打診からはじまる男同士の恋模様。
エリオットのハーブティーと刺繍に特別な力があることは、まだ秘密──。
⭐︎表紙イラストは針山糸様に描いていただきました

側近候補を外されて覚醒したら旦那ができた話をしよう。
とうや
BL
【6/10最終話です】
「お前を側近候補から外す。良くない噂がたっているし、正直鬱陶しいんだ」
王太子殿下のために10年捧げてきた生活だった。側近候補から外され、公爵家を除籍された。死のうと思った時に思い出したのは、ふわっとした前世の記憶。
あれ?俺ってあいつに尽くして尽くして、自分のための努力ってした事あったっけ?!
自分のために努力して、自分のために生きていく。そう決めたら友達がいっぱいできた。親友もできた。すぐ旦那になったけど。
***********************
ATTENTION
***********************
※オリジンシリーズ、魔王シリーズとは世界線が違います。単発の短い話です。『新居に旦那の幼馴染〜』と多分同じ世界線です。
※朝6時くらいに更新です。

【完結】婚約破棄の慰謝料は36回払いでどうだろうか?~悪役令息に幸せを~
志麻友紀
BL
「婚約破棄の慰謝料だが、三十六回払いでどうだ?」
聖フローラ学園の卒業パーティ。悪徳の黒薔薇様ことアルクガード・ダークローズの言葉にみんな耳を疑った。この黒い悪魔にして守銭奴と名高い男が自ら婚約破棄を宣言したとはいえ、その相手に慰謝料を支払うだと!?
しかし、アレクガードは華の神子であるエクター・ラナンキュラスに婚約破棄を宣言した瞬間に思い出したのだ。
この世界が前世、視聴者ひと桁の配信で真夜中にゲラゲラと笑いながらやっていたBLゲーム「FLOWERS~華咲く男達~」の世界であることを。
そして、自分は攻略対象外で必ず破滅処刑ENDを迎える悪役令息であることを……だ。
破滅処刑ENDをなんとしても回避しなければならないと、提示した条件が慰謝料の三六回払いだった。
これは悪徳の黒薔薇と呼ばれた悪役令息が幸せをつかむまでのお話。
絶対ハッピーエンドです!
4万文字弱の中編かな?さくっと読めるはず……と思いたいです。
fujossyさんにも掲載してます。

5回も婚約破棄されたんで、もう関わりたくありません
くるむ
BL
進化により男も子を産め、同性婚が当たり前となった世界で、
ノエル・モンゴメリー侯爵令息はルーク・クラーク公爵令息と婚約するが、本命の伯爵令嬢を諦められないからと破棄をされてしまう。その後辛い日々を送り若くして死んでしまうが、なぜかいつも婚約破棄をされる朝に巻き戻ってしまう。しかも5回も。
だが6回目に巻き戻った時、婚約破棄当時ではなく、ルークと婚約する前まで巻き戻っていた。
今度こそ、自分が不幸になる切っ掛けとなるルークに近づかないようにと決意するノエルだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる