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27-2.断罪必至の悪役令息に転生したけど生き延びました ※
しおりを挟むベルのついばむようなキスは、やがて食べるようなキスに変わっていく。唇の間から侵入してきた舌は僕の舌を絡めとり、口の中を優しく愛撫する。
「んあっ……」
キスをすることには慣れたと思っていたけれど、今日のベルはいつもより念入りだ。気持ち良くて声が出てしまう。
ベルの唇は僕の顎から喉を辿っていく。その間に夜着は広げられ、僕の体はベルの前に晒される。
「ガブリエレ……、なんて美しい……」
「ベル、恥ずかしいからそんなに見ないで……」
ベルは呟くようにそう言うと、僕の訴えは無視して体をその大きな手で撫でていく。鎖骨から肩にキスをしながら時々強く吸い上げる。
「あああ……」
「ふふ、可愛い……」
ベルの手がわき腹から胸を撫で上げ、僕の乳首を摘まむ。そのむずむずとした感覚に思わず声を上げると、ベルはうれしそうに笑った。
ベルは僕の乳首を咥えて舌で転がし始める。そして、僕の中心に手を伸ばして扱き始めた。
「ああっ、ベル、やあ……」
「気持いいようですね……」
ベルは乳首を弄りながら胸から腹を舐めた後、僕の中心を咥えた。
「あっ……そんなとこ、やだっ」
僕は抵抗しようとしたのだが、温かいものに包まれたそこが気持ちよくて仕方ない。ベルの舌と口で扱かれたそこは、どんどん昂っていく。
「だめっ……出る、出るから、放してっ いやああああっ!」
あまりの気持ちよさに耐えきれず、僕はベルの口の中に出してしまった。慌ててベルをうかがうとごくりと喉が動く。
「飲み込んだのか……?」
「はい。ガブリエレのだと思うだけで甘美な味がいたします」
「うそ……」
ベルはにこりと微笑むと、香油の瓶を手に取り、僕の腹の上に垂らした。薔薇の香りが辺りに広がっていく。その香油を指に纏わせると、ベルは僕の後ろの窄まりに指を這わせた。
「あっ……ああ…」
ベルは、「痛くないようにいたします」と言いながら、僕の中に香油をたっぷりと注いでいく。そして、ベルの指が僕の穴を広げながら中に入り込んでくる。ベルの指が僕の中のある一点を掠めると、今までにないもどかしい快感が僕に訪れた。
「いやっ……そこはだめだ……」
「ああ、いいところはここなのですね……」
ベルは高揚した声を上げながら、その場所をうまく掠めるように僕の中を解していく。
やがて、僕の足はベルによって担ぎ上げられる。そして、ベルの屹立した大きな象徴が、僕の窄まりに宛がわれた。
「ガブリエレ、貴方をわたしの、わたしだけの伴侶に……」
「ベル……、ああっ! あっ!」
僕の中に、指とは比べ物にならない質量のものが入り込んでくる。僕は体を逸らせて、その圧迫感を受け止める。それを中に納めてから、ベルは躊躇するように動きを止めて、僕の顔を見つめている。瑠璃色の瞳は情欲に溢れ、僕を喰らおうとする獣のように輝いていた。
ベルの汗がぽたぽたと僕の腹の上に滴る。動くのを我慢しているベルも、つらいはずだ。
「ベル……、動いて……」
「しかし、ガブリエレ……」
「いいから、だいじょうぶ、だから……」
僕がそう言って微笑むと、ベルは少し顔を歪めてから、腰を引くと、再び僕の奥にそれを押し込んだ。
「ひあああっ……あんっ……んうっ……」
ベルは緩やかに、そして激しく、腰を何度も打ち付けながら、僕の体を揺さぶった。香油が僕とベルの間で淫靡な音を立てている。
「ガブリエレっ! ああっ、なんて素晴らしいっ!」
「ああっ ベルっ、ベル……」
体の中のいい場所を、体の奥深い場所を、擦られ、掻き回されて、僕は快感を与えられ続ける。
「ガブリエレ、愛していますっ……ガブリエレ、ガブリエレ!」
「あんっ、ベル、ぼくもあいしているよ……ああっ」
自分の腹に白濁をまき散らしながら、達した僕から、ベルは自分を抜き取った。
呼吸を整えている僕に、「まだまだ、夜は長いと思ってください」と囁いたベルは、僕をひっくり返すと、今度は後から僕を貫いた。そしてベルは、後ろから僕を抱きしめたまま、揺さぶり始めた。
「ひっ ひあっ! あああん……ああああっ!」
「ああっ,素敵だ……。
ガブリエレ、ガブリエレ……、わたしの愛しい人……」
僕はベルに何度も穿たれ、揺さぶられ、やがて気を失った。その夜、べルが僕の中に精を放った回数はわからない。
微睡みの中から意識が覚醒する。温かいものに包まれて気分が良いけれども、腰が重いしあちこちの関節が痛い。
寝返りを打とうとしたのだけれど、身動きができないことに気づいた。
「あれ……僕は……」
ベルがくすりと笑う声が聞こえて、目を開けると、僕を見つめている瑠璃色の瞳が目に映る。僕は、ぱちぱちと瞬きをしてから、伴侶になったばかりの美しい男を見る。
「ガブリエレ、あなたの菫色の瞳はなんと美しいのでしょうか。この菫色の瞳に見つめられるのは、わたしにとっての最大の喜びです。
愛しています……いつまでもあなたのお側に……」
僕はベルの言葉を聞いて、微笑みを返す。
「そうだな。いつまでも僕の側にいるという言葉を違えることのないように……」
「はい、いつまでも……」
ベルは、その言葉を発した唇で、僕にキスをする。
いつまでも、ベルは僕の側にいる。そして、僕もベルの側にいて、お互いに幸せを紡いでいくのだ。
断罪必至の悪役令息に転生したけど生き延びた。
僕は、とても幸せだ……
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