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84.二人で過ごす発情期

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 R18回です。ご注意ください。

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 クリスティアンは寝室のベッドの上にアラステアを横たえた。しかし、アラステアの夜着を脱がそうとしてもクリスティアンにしがみついたままなのでもどかしいかぎりだ。薄い夜着の下のアラステアの身体は熱を帯び、何とも蠱惑的だ。早くその肌を味わいたいとクリスティアンは思う。

「アラステア、少しだけ手を放して」
「いや、クリスティアン様……うふふ、だいすき……」

 頬を紅潮させて紫色の瞳を潤ませたアラステアは、甘い声でつぶやく。クリスティアンはアラステアの可愛らしさにくらくらする。
 力まかせに引き離してけがをさせてしまっては大変だ。そう思ったクリスティアンは、先に自分が衣服を脱ぐことにした。
 クリスティアンは、なんとか脱いだ上着をアラステアに手渡し、残りの衣服も全部脱ぎ捨てた。
 むせかえるようなアラステアのフェロモンの香りに包まれたクリスティアンには、すでに余裕などひとかけらも残っていない。クリスティアンは上着に顔を埋めているアラステアの顔を自分の方に向け、噛みつくようにその唇を味わった。

 甘い、甘い。甘い。

 アラステアの唾液の甘さに、クリスティアンは夢中になる。舌を絡ませ、下唇を吸い、上顎を撫でると、アラステアは身体をクリスティアンに擦りつけるように身動ぎした。
 クリスティアンがアラステアの夜着を脱がせながら顎に、首筋にとその白い肌の上に唇を這わせていく。

「クリスティアンさま……、ねえ、首のこれもはずして……」
「ああ、そうだね、やっと……」

 アラステアの赤い唇からこぼれる甘い声でのおねだりに、クリスティアンは眩暈がするほどの高揚をおぼえた。
 アラステアに求められるままに、クリスティアンはその首筋にはめられていたネックガードを取り去る。そう、ようやく二人が番になる時がやってきたのだ。
 アラステアの肌は火照っていて、その中心は立ち上がって蜜を零していた。

「ああ……、クリスティアンさま……」
「アラステア、可愛い、可愛い」

 クリスティアンはアラステアの胸の突起を舌で転がし、甘噛みした。

「いやあっ! あああああ……」
「アラステア、これだけでいってしまったのか……」

 アラステアは、その可愛らしい分身から白濁を吐き出し、ひくひくと体を震わせた。クリスティアンは、涙ぐむアラステアの顔を見て涙を舐めとる。そして、アラステアの両足を大きく広げて、その後孔に手をのばした。

「ひあっ……ああああ」

 すでに濡れたオメガの後孔は、くぷりと音を立ててアルファの指をくわえこんだ。クリスティアンは、左手で胸の突起を弄びながら、右手の指をアラステアの身体に入れ、その中を探っていく。

「ああんっ……んぅ……」

 指を動かし、アラステアのよいところを押し、内側を擦るたびに声を上げるアラステアの愛しさとその芳しい香りに、クリスティアンは自身が痛くなるほど硬直していた。
 いつもなら、丁寧にアラステアの身体を開いていくのだが、発情したその身体はすでに柔らかく潤っていて、いつでもクリスティアンを受け入れられるようになっている。クリスティアン自身もすでに十分高められていて、ゆっくりと事を進める余裕などない。
 胸の突起をつまむたび指を締め付けるそこは、すでにクリスティアン自身を欲しがっているかのようにひくついていた。

「アラステア、可愛い、もうわたしは我慢できないよ」
「クリスティアンさま……、ねえ、はやく……」
「……アラステアっ!」

 潤んだ紫色の瞳が、クリスティアンを見つめている。いつになく積極的なアラステアの言葉に急かされるようにクリスティアンは、身体の中から指を抜いた。
 そしてアラステアをくるりとひっくり返してうつ伏せにすると腰を掴み、濡れそぼったその後孔に後ろから自身を突き入れた。

「ああああああっ! ああんっああんっ」
「アラステアっ、ああっ……」

 クリスティアンはアラステアの細い腰を掴みながら、自身を奥まで押し込み、抜く直前まで引いてから、また突き上げる。アラステアは再び自身から白濁を吐き出した。
 クリスティアンは、アラステアの華奢な背中に覆いかぶさると、その項に、肩にキスをしながら抜き差しを繰り返していく。
 クリスティアンがアラステアを抱きかかえて伸ばした手で、その胸の突起をつまむと、身体の中がまるで自分を求めるようにぎゅうと締め付けてくる。

「きもちいいっ……アラステア、素晴らしいよ……」
「あああんっ……! クリスティアンさまっ! ひあっあっ! きもちいっ……」

 アラステアは、クリスティアンから、愛しいアルファから与えられる快感に嬌声を上げる。
 クリスティアンは抽挿を繰り返し、アラステアの身体を激しく揺さぶった。アラステアとクリスティアンは絶頂に近づいていく。

 これが、オメガの発情期なのか。

 クリスティアンは目も眩むような快感に、我を忘れてアラステアの中を蹂躙し、肩に、背中に噛み痕を残す。

「クリスティアンさま、ねえ、うなじを噛んでっ! ぼくをつがいにして……!」
「アラステアっ 其方を番にするよ。愛している……!」

 クリスティアンはひと際強くアラステアの身体を突くと、その首筋に噛みついた。

「あああああああああああっ!!」

 アラステアは、身体をのけぞらせてクリスティアンを締め付ける。クリスティアンは、アラステアの中に自身の熱を吐き出した。

 熱い。熱い。熱い。

 アラステアは、自分の細胞がすべて書き換えられていくような感覚に囚われた。それは、大きな喜びと少しばかりの喪失感を伴っている。その感覚の中で、アラステアは意識を手放した。
 クリスティアンは気を失ったアラステアの中に、長い時間をかけて子種を放出した。それはアルファの性でもある。

「アラステア……、ようやく番になれた……」

 愛するオメガと番となれた喜びに満ちたアルファは、自分が噛んだその首筋にキスをして抱きしめる。
 クリスティアンは、長い射精を終えてアラステアの中から自身を抜くと、アラステアを仰向けにして意識を失っているその頬を撫でて満足気に微笑んだ。

 二人で過ごす発情期は、まだ始まったばかりだ。




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