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8.カフェテリアの違和感
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オメガであるアラステアは、抑制剤を毎日必ず飲んでいる。今の時代のオネスト王国では、アルファもオメガも毎日抑制剤を服用して、発情をコントロールするのが当たり前だ。昔と異なり、今の抑制剤は副作用も少なく、アルファにもオメガにも心身にかかる負担は少なくなっている。更に、飲み忘れたときにも、比較的容易に薬を手に入れられるようになっていた。
オメガはフェロモンの測定器で発情期のサイクルを知り、それに合わせて薬の量をコントロールする。パートナーがいれば、軽い薬に代えてともに発情期を過ごし、いなければ、少し強い薬にして発情を抑えるのだ。かつては、発情を定期的に起こした方が自然だと考えられていたが、今では薬でコントロールした方が体に良いという研究結果が出ている。実際、以前は短命だったオメガの寿命は飛躍的に伸びたのだ。
他にもオメガは、飲み忘れ防止のための抑制剤とともに、緊急避妊薬を持ち歩くのが当然のこととなっているのだが、これは、お守りのようなものだと考えられていた。
そう、いくら薬の開発が進んでも、望まぬ急な発情やそれによる事故、また、発情促進剤を使っての強姦事件はなくならないという不幸な現実がある。そして、強姦被害者になる可能性は、アルファ、オメガ、双方にあるのだった。
アラステアは、未だに発情期が来ていない。これは、子どもの頃に病弱であったため、機能の発達が遅れているのが原因だろうと医師からの診断を受けている。併せて医師からは、発情期の発現時期には個人差があるので心配無用だとも言われていた。アラステアは、医師の言葉を信じてはいるものの、不安がないとは言い切れなかった。
◇◇◇◇◇
学院のカフェテリアは、全校の学生が食事をできるようになっている。そして、自宅から持ってきたランチを食べたり、カフェテリアでランチボックスを注文して中庭で食べたりもできる。自由度が高い仕様になっているのだ。
カフェテリアは、アラステアにとってはエリオットに遭遇する確率の上がる場所になる。ローランドが接近禁止なのはエリオット側からだという正論を言ってくれなければ、家からランチを持ってきて中庭で食べていたかもしれないとアラステアは思った。
アラステアは、いつもそばにいるローランドとクリスティアンが、そんなことを許さないだろうとは想像してはいなかったのだが。
いつものようにアラステアがローランドとクリスティアンに連れられて来たカフェテリアは、いつもとは違う雰囲気に包まれていた。
何人かの学生が見るとはなしに見ている視線の先には、艶のある栗色の髪に青い瞳の第二王子レイフ、そしてその隣の席には、入学式の日にアルフレッドに向かって走って来たピンク色の髪の男爵令息ノエル・レイトンが座っている。ノエルは、可愛らしい笑顔でレイフと話している様子が見て取れるので、おそらく親しい間柄になったのだろうとアラステアは推測した。
「ええー、本当に僕って男爵家に引き取られたばっかりでえ、何も知らないんですよー」
「貴族のルールはこれから学べば良いだろう」
「ありがとうございますっ。ああっ、このお魚おいしーい」
第二王子が異なる学年の男爵令息と親しくなっているのは、皆の注目を浴びてもしかたないことだろう。それがマナーも何もなっていない者であればなおさらである。
しかし、カフェテリアの雰囲気に違和感があるのはそれだけではないようだった。
そして、そのレイフとノエルの向かい側に座っている砂色の髪の男。顔は見えないが、その男がエリオットであるとアラステアにはわかった。
アラステアがエリオットの姿を見るのは、入学式の日以来だ。
エリオットはもうアラステアとは関係のない人だし、今後も関わることは無い。アラステアは彼らから目を反らし、ローランドとクリスティアンの方に視線を移した。
「ローランド、アラステア、今日はランチボックスを頼んで中庭へ行こうか」
「それは良いけど、急にどうしたのだい?」
「ちょっとね。アラステアも良いかい?」
「はい、もちろん」
クリスティアンは自分の顔の辺りに手をやりながら、アラステアとローランドにそう言うと、護衛騎士の一人にランチボックスの手配と、何かの伝達を命じた。そして、何の躊躇もない動作で踵を返し、カフェテリアの出口に向かったのだった。
アラステアはローランドとともにクリスティアンの後に続く。
ノエルのピンク色の瞳がそんな三人を見ているなどということには、アラステアはまったく気づいていなかった。
中庭は、テーブルや椅子が配置されていて、ランチタイムの利用の他、放課後にお茶会を開くこともできる場所になっている。
テーブルや椅子の間は程よい距離がとられているが、少なくない人数がそこでランチボックスや自宅から持参したランチを広げていた。
「中庭でランチタイムを過ごされる方も多いのね」
アラステアは中庭でランチをとるのは初めてだったので、普段がどんな様子なのかは知らない。アラステアのぽつりとした呟きにクリスティアンから返って来たのは、思いがけないものだった。
「いや、今日はいつもより多いのではないかな。……おそらくアルファは今日のカフェテリアは避けたいだろうからね」
「え、どういうことなんだい?」
クリスティアンの言葉にローランドが疑問符を投げた。
「カフェテリアの中にかなりの濃度のオメガフェロモンが漂っていた。もちろん、皆、抑制剤を飲んでいるから発情したりはしないだろうけれどね。誰かオメガの者が、薬を飲み忘れたのか、発情期が近いのに弱い薬を飲んでいるのか」
「毎日フェロモン測定をして自己管理するのは、オメガとして当然のことなのに……」
ローランドは、クリスティアンの返答に驚いている。
クリスティアンが口元を抑えるように顔に手をやっていたのはそういうことだったのかと、アラステアは気づいた。アラステアとローランドはオメガであるので、オメガフェロモンの香りを感知するのは難しい。
そして、ローランドが言うようにアルファとオメガにとって自己管理は必須事項なのである。
「それで、そのオメガの人が危険だということはないのですか?」
「学院内が絶対安全だとは言い切れないだろうが、既に学校医には連絡する手配はしている。皆にわからないように医務室に連れて行って、抑制剤を投与してくれるだろう」
フェロモンが流れ出てしまったオメガのことを心配していたアラステアは、クリスティアンの言葉にひと安心した。しかし、その間にアラステアにとっては、安心できない事態も進行していた。
「あの、ところでクリスティアン殿下、離れていただくわけにはいかないでしょうか……」
「んー、アラステアの髪は良い香りだね。香油は何を使っているの?」
クリスティアンは隣に座っているアラステアの頭に顔を近づけ、髪の香りを確かめるようにしていた。王族相手にどこまで抗議しても良いのだろうか。髪の香りを確かめられるだけでも抗議するべきなのではと思うけれど、どこかに触れられているわけではない。
アラステアは、どうしたら良いのかがわからずに、ひたすらに身を竦めていた。
「クリスティアン、アラステアからすぐ離れなさい。アルファのくせにオメガにそんなに近づいたらだめだろう」
「やれやれ、やっと落ち着いたのに残念だな」
ローランドがクリスティアンに抗議をしてくれたおかげで、アラステアは解放された。
しかし、これ以降、クリスティアンが「アラステアが可愛いから」というよくわからない理由で、ローランドと同様に構ってくるようになるのだが、そのことをまだアラステアは知らない。
護衛騎士が用意してくれたランチボックスを食べながら、アラステアとローランドはフェロモンが漏れ出したオメガのこと、抑制剤のことなどについて話し込んでいた。
「予想外のことで、中庭でランチを食べることになったけど、気候もさわやかだし、心地良かったね」
「ええ、ランチボックスもとても美味しくて、楽しかった」
「ふふ、これからも時々、中庭で過ごそうか」
「はい、そうしましょう」
食べ終わる頃には、アラステアとローランドは、中庭でランチタイムを過ごす計画を立てていた。
しかし、クリスティアンは美しい笑顔でそれを聞きながら、全く別のことを考えていたのだ。彼はフェロモンをまき散らしていたオメガが誰であるかを推測し、それに対する対応を頭の中で検討していた。
「オネスト王国の秩序を乱すことは許されないからね」
クリスティアンの呟きは、誰にも聞かれることはなかった。
オメガはフェロモンの測定器で発情期のサイクルを知り、それに合わせて薬の量をコントロールする。パートナーがいれば、軽い薬に代えてともに発情期を過ごし、いなければ、少し強い薬にして発情を抑えるのだ。かつては、発情を定期的に起こした方が自然だと考えられていたが、今では薬でコントロールした方が体に良いという研究結果が出ている。実際、以前は短命だったオメガの寿命は飛躍的に伸びたのだ。
他にもオメガは、飲み忘れ防止のための抑制剤とともに、緊急避妊薬を持ち歩くのが当然のこととなっているのだが、これは、お守りのようなものだと考えられていた。
そう、いくら薬の開発が進んでも、望まぬ急な発情やそれによる事故、また、発情促進剤を使っての強姦事件はなくならないという不幸な現実がある。そして、強姦被害者になる可能性は、アルファ、オメガ、双方にあるのだった。
アラステアは、未だに発情期が来ていない。これは、子どもの頃に病弱であったため、機能の発達が遅れているのが原因だろうと医師からの診断を受けている。併せて医師からは、発情期の発現時期には個人差があるので心配無用だとも言われていた。アラステアは、医師の言葉を信じてはいるものの、不安がないとは言い切れなかった。
◇◇◇◇◇
学院のカフェテリアは、全校の学生が食事をできるようになっている。そして、自宅から持ってきたランチを食べたり、カフェテリアでランチボックスを注文して中庭で食べたりもできる。自由度が高い仕様になっているのだ。
カフェテリアは、アラステアにとってはエリオットに遭遇する確率の上がる場所になる。ローランドが接近禁止なのはエリオット側からだという正論を言ってくれなければ、家からランチを持ってきて中庭で食べていたかもしれないとアラステアは思った。
アラステアは、いつもそばにいるローランドとクリスティアンが、そんなことを許さないだろうとは想像してはいなかったのだが。
いつものようにアラステアがローランドとクリスティアンに連れられて来たカフェテリアは、いつもとは違う雰囲気に包まれていた。
何人かの学生が見るとはなしに見ている視線の先には、艶のある栗色の髪に青い瞳の第二王子レイフ、そしてその隣の席には、入学式の日にアルフレッドに向かって走って来たピンク色の髪の男爵令息ノエル・レイトンが座っている。ノエルは、可愛らしい笑顔でレイフと話している様子が見て取れるので、おそらく親しい間柄になったのだろうとアラステアは推測した。
「ええー、本当に僕って男爵家に引き取られたばっかりでえ、何も知らないんですよー」
「貴族のルールはこれから学べば良いだろう」
「ありがとうございますっ。ああっ、このお魚おいしーい」
第二王子が異なる学年の男爵令息と親しくなっているのは、皆の注目を浴びてもしかたないことだろう。それがマナーも何もなっていない者であればなおさらである。
しかし、カフェテリアの雰囲気に違和感があるのはそれだけではないようだった。
そして、そのレイフとノエルの向かい側に座っている砂色の髪の男。顔は見えないが、その男がエリオットであるとアラステアにはわかった。
アラステアがエリオットの姿を見るのは、入学式の日以来だ。
エリオットはもうアラステアとは関係のない人だし、今後も関わることは無い。アラステアは彼らから目を反らし、ローランドとクリスティアンの方に視線を移した。
「ローランド、アラステア、今日はランチボックスを頼んで中庭へ行こうか」
「それは良いけど、急にどうしたのだい?」
「ちょっとね。アラステアも良いかい?」
「はい、もちろん」
クリスティアンは自分の顔の辺りに手をやりながら、アラステアとローランドにそう言うと、護衛騎士の一人にランチボックスの手配と、何かの伝達を命じた。そして、何の躊躇もない動作で踵を返し、カフェテリアの出口に向かったのだった。
アラステアはローランドとともにクリスティアンの後に続く。
ノエルのピンク色の瞳がそんな三人を見ているなどということには、アラステアはまったく気づいていなかった。
中庭は、テーブルや椅子が配置されていて、ランチタイムの利用の他、放課後にお茶会を開くこともできる場所になっている。
テーブルや椅子の間は程よい距離がとられているが、少なくない人数がそこでランチボックスや自宅から持参したランチを広げていた。
「中庭でランチタイムを過ごされる方も多いのね」
アラステアは中庭でランチをとるのは初めてだったので、普段がどんな様子なのかは知らない。アラステアのぽつりとした呟きにクリスティアンから返って来たのは、思いがけないものだった。
「いや、今日はいつもより多いのではないかな。……おそらくアルファは今日のカフェテリアは避けたいだろうからね」
「え、どういうことなんだい?」
クリスティアンの言葉にローランドが疑問符を投げた。
「カフェテリアの中にかなりの濃度のオメガフェロモンが漂っていた。もちろん、皆、抑制剤を飲んでいるから発情したりはしないだろうけれどね。誰かオメガの者が、薬を飲み忘れたのか、発情期が近いのに弱い薬を飲んでいるのか」
「毎日フェロモン測定をして自己管理するのは、オメガとして当然のことなのに……」
ローランドは、クリスティアンの返答に驚いている。
クリスティアンが口元を抑えるように顔に手をやっていたのはそういうことだったのかと、アラステアは気づいた。アラステアとローランドはオメガであるので、オメガフェロモンの香りを感知するのは難しい。
そして、ローランドが言うようにアルファとオメガにとって自己管理は必須事項なのである。
「それで、そのオメガの人が危険だということはないのですか?」
「学院内が絶対安全だとは言い切れないだろうが、既に学校医には連絡する手配はしている。皆にわからないように医務室に連れて行って、抑制剤を投与してくれるだろう」
フェロモンが流れ出てしまったオメガのことを心配していたアラステアは、クリスティアンの言葉にひと安心した。しかし、その間にアラステアにとっては、安心できない事態も進行していた。
「あの、ところでクリスティアン殿下、離れていただくわけにはいかないでしょうか……」
「んー、アラステアの髪は良い香りだね。香油は何を使っているの?」
クリスティアンは隣に座っているアラステアの頭に顔を近づけ、髪の香りを確かめるようにしていた。王族相手にどこまで抗議しても良いのだろうか。髪の香りを確かめられるだけでも抗議するべきなのではと思うけれど、どこかに触れられているわけではない。
アラステアは、どうしたら良いのかがわからずに、ひたすらに身を竦めていた。
「クリスティアン、アラステアからすぐ離れなさい。アルファのくせにオメガにそんなに近づいたらだめだろう」
「やれやれ、やっと落ち着いたのに残念だな」
ローランドがクリスティアンに抗議をしてくれたおかげで、アラステアは解放された。
しかし、これ以降、クリスティアンが「アラステアが可愛いから」というよくわからない理由で、ローランドと同様に構ってくるようになるのだが、そのことをまだアラステアは知らない。
護衛騎士が用意してくれたランチボックスを食べながら、アラステアとローランドはフェロモンが漏れ出したオメガのこと、抑制剤のことなどについて話し込んでいた。
「予想外のことで、中庭でランチを食べることになったけど、気候もさわやかだし、心地良かったね」
「ええ、ランチボックスもとても美味しくて、楽しかった」
「ふふ、これからも時々、中庭で過ごそうか」
「はい、そうしましょう」
食べ終わる頃には、アラステアとローランドは、中庭でランチタイムを過ごす計画を立てていた。
しかし、クリスティアンは美しい笑顔でそれを聞きながら、全く別のことを考えていたのだ。彼はフェロモンをまき散らしていたオメガが誰であるかを推測し、それに対する対応を頭の中で検討していた。
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