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第十七話
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敵を迎えるに当たって光源である〝灯り〟の魔法はヒロキの杖に移された。付与魔法である〝灯り〟は一度発動させてしまえば最初に設定した時間内は他の魔法によって消されない限り発動し続けるが、戦闘になれば唯一の戦力であるイサリアが照明役となるには相応しくない。その役目は改めてヒロキが務めることになった。
「来るぞ!」
隣に立つイサリアが覚悟を促すように呟く。その声に導かれたように敵の姿が露わになった。
ヒロキはその唸り声から前から現れるモンスターを何かしらの獣だと想定していた。狼か熊の類だ。だが、魔法の光に晒された〝それ〟は想定外の姿をしていた。
一言で言えば横に倒した円筒形の肉塊だ。表面は白に近い灰色で前に進む度に身体が内側から蠢動する。前方部分には頭部と思われる器官が存在し、大きく開いた口らしき穴から不快な音とともに粘り気のある液体を吐き出した。加えて床に接する部分には小さな足を無数に生やしている。彼はそれが牛ほどの巨体をした芋虫であり、唸り声の正体であることを理解した。
巨大な芋主への嫌悪感と恐怖で悲鳴を上げそうになるのをヒロキは必死に堪える。そんなことはこの化け物に対して無意味であるからだ。彼は最善の判断としてイサリアに逃亡を呼び掛けようとした。
「・・・レ・・ロージ・・・エクセ・・・」
既にイサリアが唱える詩の一節のような詠唱が通路内に響き渡っていた。翻訳の魔法を掛けられているヒロキにもその意味はわからなかったが、彼女の口から紡ぎ出される言葉と韻には力が込められていると感じる。その直感はまさに現実となり、イサリアの周囲には青白い光を放つ四本の棒が現れた。
「・・・リラ!」
最後の単語を勢いよく唱えたイサリアは手にしていた杖を巨大芋虫に向ける。それを合図に四本の光の棒は涎と思われる液体を撒き散らして迫る肉塊に襲い掛かった。
イサリアが作り出した光の棒、いや矢は狙いを外すことなくヒロキ達に迫っていた芋虫の頭部に突き刺さる。的確に急所を討ち抜く攻撃に化け物は断末魔を叫ぶ代わりのように激しく暴れるが、やがて力尽きて横倒しとなった。気付けば光の矢は跡形もなく消えていた。
「ヒロキ・・・完全に死んでいるか、蹴飛ばして確かめてくれ。涎は踏むなよ!それはおそらく消化液だ」
「・・・なんだって!・・・いや、わかった・・・」
目の前で起った凄惨な現実に唖然としていたヒロキだったが、イサリアの呼び掛けに状況を思い出す。例え死体でも巨大芋虫に近づきたくないし、ましてブーツ越しでも触れたくなかったが、先を進むにはこの化け物の脇を通り抜けなくてはならない。
死んだふりをしている可能性もあり安全確認はどうしても必要だった。そしてその役目は消去法で彼となるのだ。
「うう・・・」
泣きたくなる気持ちを我慢して、ヒロキは芋虫の体液を避けて灰色の肉塊をブーツのつま先で蹴飛ばした。だが、気味の悪い感触を彼の足に伝えるのみで巨大な肉塊は何の反応も示さない。
「よし、完全に死んでいるな!・・・気味が悪いから、さっさと通り抜けよう!」
「・・・賛成だ!」
化物の死を確認したヒロキ達は壁を擦るようにして巨大芋虫の死体の脇を通り過ぎる。見た目だけでも薄気味の悪い化物だったが、飛び散った体液の匂いなのか、芋虫の元々の匂いなのか鼻を突くような悪臭にヒロキは逆流しようとする胃の内容物を必死に抑え込まなくてはならなかった。
それでもヒロキは化け物の死骸を見つめながらこれを倒すには、自分の知る武器の中で何が必要かと想定する。刀や槍は論外だ。不可能ではないが、接近戦は反撃をくらうリスクが高すぎる。
やはり遠距離から攻撃出来る銃が最適だろう。それも最低でも軍隊で使うようなアザルトライフル、可能ならば対戦車ライフルか手榴弾などの大型の火器が必要だと思われた。
そして、この巨大芋虫を倒したイサリアはそれらを持った兵士と同等か、もしくはそれ以上の〝戦力〟を持つということだ。彼女の本当の実力を知ったヒロキは改めて畏敬の念を感じるしかなかった。
「・・・あんなのがここにはうじゃうじゃいるのか・・・」
しばらくして通路を進み小広間と思われる部屋に到達すると、ヒロキはイサリアに問い掛ける。部屋は教室程の広さがあり、前方と左右には同じような通路が続いているが、それ以外には何もなく他の受験生達の課題となりそうな物もなかった。
「いや、うじゃうじゃはいないはずだ。あれは死肉を食べるとされる肉食性の芋虫だが、あんな大型の個体が存在するとは聞かされていない。芋虫に知性が欠片も無いことは明白だが、あの巨体で不意打ちでもされたら致命的なことになっていただろう。生命力も脊椎動物とは比べものにならないだろうし、並のミーレでは危なかったと思う」
「でも、イサリアは簡単に倒していたじゃないか?」
三方の通路に光を向けて先を確認しながらヒロキは問い掛ける。行く先は彼女に決めてもらうだめだ。
「うむ、一気に倒さないと危険だと判断したから、〝魔弾〟を四本も使った。自慢じゃないが、私の〝魔弾〟は魔法抵抗の低い人間なら一本で瀕死に出来るほどの威力を持っている。さっきの化け物はそれほどの相手だったのだ」
「まじか・・・じゃ、逆にイサリアがあいつを倒していなかったら他のミーレ達に被害が出ていたかもしれないのか?!」
「その可能性はあるな。いずれにしても上に戻ったら学院長に抗議をしよう。導師達は事前にミーレが対処するには難しいモンスターを駆除しているはずなのだ。・・・あの芋虫は獲物がいないと繭を張って休眠する性質を持っているから、それで駆除から漏れたのだろうが・・・まあ、今はとりあえず左側に進もう」
行き先を指定しながらイサリアは壁にチョークを使って目印を書き残す。帰途に備えての保険だ。
「確かに抗議すべきだ・・・左だね・・・」
イサリアの考えに賛成を示しつつヒロキは、左側の通路に向かってゆっくりと歩き出す。先程の芋虫の襲撃もあって、狭い通路に向かうには本能的な抵抗感があったが、彼は照明役として先頭を務めなくてはならない。恐怖を必死に抑えた。
「頼むぞ、ヒロキ」
そのヒロキの肩にイサリアは左手を添える。それは何気ない配慮だったが、彼には触れられた肩から勇気を分け与えられるように感じる。大穴でのイザコザはもうどこかに消えていた。
「来るぞ!」
隣に立つイサリアが覚悟を促すように呟く。その声に導かれたように敵の姿が露わになった。
ヒロキはその唸り声から前から現れるモンスターを何かしらの獣だと想定していた。狼か熊の類だ。だが、魔法の光に晒された〝それ〟は想定外の姿をしていた。
一言で言えば横に倒した円筒形の肉塊だ。表面は白に近い灰色で前に進む度に身体が内側から蠢動する。前方部分には頭部と思われる器官が存在し、大きく開いた口らしき穴から不快な音とともに粘り気のある液体を吐き出した。加えて床に接する部分には小さな足を無数に生やしている。彼はそれが牛ほどの巨体をした芋虫であり、唸り声の正体であることを理解した。
巨大な芋主への嫌悪感と恐怖で悲鳴を上げそうになるのをヒロキは必死に堪える。そんなことはこの化け物に対して無意味であるからだ。彼は最善の判断としてイサリアに逃亡を呼び掛けようとした。
「・・・レ・・ロージ・・・エクセ・・・」
既にイサリアが唱える詩の一節のような詠唱が通路内に響き渡っていた。翻訳の魔法を掛けられているヒロキにもその意味はわからなかったが、彼女の口から紡ぎ出される言葉と韻には力が込められていると感じる。その直感はまさに現実となり、イサリアの周囲には青白い光を放つ四本の棒が現れた。
「・・・リラ!」
最後の単語を勢いよく唱えたイサリアは手にしていた杖を巨大芋虫に向ける。それを合図に四本の光の棒は涎と思われる液体を撒き散らして迫る肉塊に襲い掛かった。
イサリアが作り出した光の棒、いや矢は狙いを外すことなくヒロキ達に迫っていた芋虫の頭部に突き刺さる。的確に急所を討ち抜く攻撃に化け物は断末魔を叫ぶ代わりのように激しく暴れるが、やがて力尽きて横倒しとなった。気付けば光の矢は跡形もなく消えていた。
「ヒロキ・・・完全に死んでいるか、蹴飛ばして確かめてくれ。涎は踏むなよ!それはおそらく消化液だ」
「・・・なんだって!・・・いや、わかった・・・」
目の前で起った凄惨な現実に唖然としていたヒロキだったが、イサリアの呼び掛けに状況を思い出す。例え死体でも巨大芋虫に近づきたくないし、ましてブーツ越しでも触れたくなかったが、先を進むにはこの化け物の脇を通り抜けなくてはならない。
死んだふりをしている可能性もあり安全確認はどうしても必要だった。そしてその役目は消去法で彼となるのだ。
「うう・・・」
泣きたくなる気持ちを我慢して、ヒロキは芋虫の体液を避けて灰色の肉塊をブーツのつま先で蹴飛ばした。だが、気味の悪い感触を彼の足に伝えるのみで巨大な肉塊は何の反応も示さない。
「よし、完全に死んでいるな!・・・気味が悪いから、さっさと通り抜けよう!」
「・・・賛成だ!」
化物の死を確認したヒロキ達は壁を擦るようにして巨大芋虫の死体の脇を通り過ぎる。見た目だけでも薄気味の悪い化物だったが、飛び散った体液の匂いなのか、芋虫の元々の匂いなのか鼻を突くような悪臭にヒロキは逆流しようとする胃の内容物を必死に抑え込まなくてはならなかった。
それでもヒロキは化け物の死骸を見つめながらこれを倒すには、自分の知る武器の中で何が必要かと想定する。刀や槍は論外だ。不可能ではないが、接近戦は反撃をくらうリスクが高すぎる。
やはり遠距離から攻撃出来る銃が最適だろう。それも最低でも軍隊で使うようなアザルトライフル、可能ならば対戦車ライフルか手榴弾などの大型の火器が必要だと思われた。
そして、この巨大芋虫を倒したイサリアはそれらを持った兵士と同等か、もしくはそれ以上の〝戦力〟を持つということだ。彼女の本当の実力を知ったヒロキは改めて畏敬の念を感じるしかなかった。
「・・・あんなのがここにはうじゃうじゃいるのか・・・」
しばらくして通路を進み小広間と思われる部屋に到達すると、ヒロキはイサリアに問い掛ける。部屋は教室程の広さがあり、前方と左右には同じような通路が続いているが、それ以外には何もなく他の受験生達の課題となりそうな物もなかった。
「いや、うじゃうじゃはいないはずだ。あれは死肉を食べるとされる肉食性の芋虫だが、あんな大型の個体が存在するとは聞かされていない。芋虫に知性が欠片も無いことは明白だが、あの巨体で不意打ちでもされたら致命的なことになっていただろう。生命力も脊椎動物とは比べものにならないだろうし、並のミーレでは危なかったと思う」
「でも、イサリアは簡単に倒していたじゃないか?」
三方の通路に光を向けて先を確認しながらヒロキは問い掛ける。行く先は彼女に決めてもらうだめだ。
「うむ、一気に倒さないと危険だと判断したから、〝魔弾〟を四本も使った。自慢じゃないが、私の〝魔弾〟は魔法抵抗の低い人間なら一本で瀕死に出来るほどの威力を持っている。さっきの化け物はそれほどの相手だったのだ」
「まじか・・・じゃ、逆にイサリアがあいつを倒していなかったら他のミーレ達に被害が出ていたかもしれないのか?!」
「その可能性はあるな。いずれにしても上に戻ったら学院長に抗議をしよう。導師達は事前にミーレが対処するには難しいモンスターを駆除しているはずなのだ。・・・あの芋虫は獲物がいないと繭を張って休眠する性質を持っているから、それで駆除から漏れたのだろうが・・・まあ、今はとりあえず左側に進もう」
行き先を指定しながらイサリアは壁にチョークを使って目印を書き残す。帰途に備えての保険だ。
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イサリアの考えに賛成を示しつつヒロキは、左側の通路に向かってゆっくりと歩き出す。先程の芋虫の襲撃もあって、狭い通路に向かうには本能的な抵抗感があったが、彼は照明役として先頭を務めなくてはならない。恐怖を必死に抑えた。
「頼むぞ、ヒロキ」
そのヒロキの肩にイサリアは左手を添える。それは何気ない配慮だったが、彼には触れられた肩から勇気を分け与えられるように感じる。大穴でのイザコザはもうどこかに消えていた。
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