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02.告白
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次の日
「なあ」
と、俊一が声をかけてきた。
「ん?」
「なんで昨日の誘い断った、お前毎回断ってるよな」
俊一は不思議そうに僕に言ってきた。
「そうだけど、問題ある?」
僕は俊一をじろりと見つめて言った。
「いや、特に問題は無いんだけどさ、お前もしかして男が好きなんじゃないかと思って」
俊一は冗談交じりで笑いながら言ってきた。
僕はびっくりした。
冗談でもそれが僕にとっては本当のことなのだから焦った。
「そ、そんなわけないじゃん!」
「そーだよな!ごめんごめん」
俊一は笑いながら謝った。
僕は顔を伏せた。
今、俊一に顔を見られたら気づかれてしまうと思ったからだ
このことがバレたらきっと引かれる、軽蔑される。
しかも、僕が俊一を好きだなんてバレたら終わりだ。
今までの関係が崩れてしまう。
この関係を保つために絶対に秘密にしておかなければいけない。
僕は一生この気持ちを伝えずに生きてゆくと決めたのだ。
キーンコーンカーンコーン
そんなことを考えてるうちにもう放課後になってしまった。
「凛!帰ろーぜ」
「ごめん、先約あるから」
「そっか...」
少し残念そうに俊一は言って、とぼとぼと帰っていった。
その先約とは、唯一僕の秘密を知っている友人、翔に会いに行くのだ。
翔とは月に数回会う約束をしている。
相談にのってくれるし、アドバイスまでくれる。
大事な友人だ。
カランカラン
喫茶店のドアを開け、いつもの席に向かった。
「よっ!待ってたぞ」
大きな声で翔は言った。
「相変わらず元気だな」
僕は笑いながら答えた。
翔との出会いは高一の春
僕がバイトをしているときに客としてやってきた
翔はフレンドリーでとても元気だ
そのため最初に話しかけられた時は気が合わないなと思っていた。
あの時は、まさかこんなに仲良くなるなんて誰も思わなかっただろう。
翔は僕と同じで男しか好きになれない、いわゆるゲイ。
何故か知らないけど
「お前もゲイだろ」
突然そう言ってきた。なんだか分からないけど「勘」だって言っている。
同じもの同士だとなにか感じるのか?
僕は不思議に思った。
「んでさ、今日すごい大変だったんだよ」
僕は今日あったことを翔に話した。
「それは大変だったな...
俊一くん薄々気がついてるかもね。多分」
「え」
僕は焦った。
薄々気がついてる?そんなばかな。
「あ、でもまあ多分だから!」
翔は焦って付け加えた。
「う、うん」
「んー、でもさ色々話聞いてて思うんだけど、
俊一くんってよく凛のこと見てるよね」
「そんなまさか」
僕は笑いながら翔に答える。
「小さい頃、よく面倒見てくれたし、それの名残じゃない?」
と、僕は言った。
「そうかなー、それにしてもちょっと...
今回の件だって凛のことずっと見てなきゃ分からないことじゃない?」
と、翔は言った。
「そうかな」
「凛って意外と鈍いよね」
翔は小馬鹿にしたように言った。
僕はムッとした。
その顔を見て翔が笑った、そしてそれにつられて僕も笑った。
たった2時間だったがとても楽しかった。
店を出たあと翔が家まで送ってくれた。
ほんとに良い奴だ。
その帰り道、僕は翔に聞いた
「翔って恋人とかいるの?」
翔は、ははっと笑いながら答えた。
「いないよ、まあ、好きなやつはいるけど」
「そうなんだ、どんなやつ?」
僕は興味津々だった。
翔に好きなやつがいるなんて初耳だ、僕も何か役に立ちたい!
そう思った。
「えー、んーとね、俺の隣にいる人...かな」
翔は声は笑っていたが真剣な眼差しで僕を見ていた。
僕はドキッとした。
翔を見たまま目をそらすこともできない。
のみこまれてゆく。
動けない。
「っぷ!ははは!!」
突然翔が笑いだしたのでびっくりした。
「ごめんごめん。急すぎたな!」
翔は笑いすぎて涙目だった。
そんな翔をみて、僕は
なんだ、冗談か。
と安心した
「なんだ、冗談かよ」
僕は気が抜けたような声で言った。
そして翔は答えた。
「いや、冗談じゃないよ。」
「え」
「俺は凛が好きだ、出会った頃からずっと」
また、翔の顔から目をそらすことが出来なかった
「なあ」
と、俊一が声をかけてきた。
「ん?」
「なんで昨日の誘い断った、お前毎回断ってるよな」
俊一は不思議そうに僕に言ってきた。
「そうだけど、問題ある?」
僕は俊一をじろりと見つめて言った。
「いや、特に問題は無いんだけどさ、お前もしかして男が好きなんじゃないかと思って」
俊一は冗談交じりで笑いながら言ってきた。
僕はびっくりした。
冗談でもそれが僕にとっては本当のことなのだから焦った。
「そ、そんなわけないじゃん!」
「そーだよな!ごめんごめん」
俊一は笑いながら謝った。
僕は顔を伏せた。
今、俊一に顔を見られたら気づかれてしまうと思ったからだ
このことがバレたらきっと引かれる、軽蔑される。
しかも、僕が俊一を好きだなんてバレたら終わりだ。
今までの関係が崩れてしまう。
この関係を保つために絶対に秘密にしておかなければいけない。
僕は一生この気持ちを伝えずに生きてゆくと決めたのだ。
キーンコーンカーンコーン
そんなことを考えてるうちにもう放課後になってしまった。
「凛!帰ろーぜ」
「ごめん、先約あるから」
「そっか...」
少し残念そうに俊一は言って、とぼとぼと帰っていった。
その先約とは、唯一僕の秘密を知っている友人、翔に会いに行くのだ。
翔とは月に数回会う約束をしている。
相談にのってくれるし、アドバイスまでくれる。
大事な友人だ。
カランカラン
喫茶店のドアを開け、いつもの席に向かった。
「よっ!待ってたぞ」
大きな声で翔は言った。
「相変わらず元気だな」
僕は笑いながら答えた。
翔との出会いは高一の春
僕がバイトをしているときに客としてやってきた
翔はフレンドリーでとても元気だ
そのため最初に話しかけられた時は気が合わないなと思っていた。
あの時は、まさかこんなに仲良くなるなんて誰も思わなかっただろう。
翔は僕と同じで男しか好きになれない、いわゆるゲイ。
何故か知らないけど
「お前もゲイだろ」
突然そう言ってきた。なんだか分からないけど「勘」だって言っている。
同じもの同士だとなにか感じるのか?
僕は不思議に思った。
「んでさ、今日すごい大変だったんだよ」
僕は今日あったことを翔に話した。
「それは大変だったな...
俊一くん薄々気がついてるかもね。多分」
「え」
僕は焦った。
薄々気がついてる?そんなばかな。
「あ、でもまあ多分だから!」
翔は焦って付け加えた。
「う、うん」
「んー、でもさ色々話聞いてて思うんだけど、
俊一くんってよく凛のこと見てるよね」
「そんなまさか」
僕は笑いながら翔に答える。
「小さい頃、よく面倒見てくれたし、それの名残じゃない?」
と、僕は言った。
「そうかなー、それにしてもちょっと...
今回の件だって凛のことずっと見てなきゃ分からないことじゃない?」
と、翔は言った。
「そうかな」
「凛って意外と鈍いよね」
翔は小馬鹿にしたように言った。
僕はムッとした。
その顔を見て翔が笑った、そしてそれにつられて僕も笑った。
たった2時間だったがとても楽しかった。
店を出たあと翔が家まで送ってくれた。
ほんとに良い奴だ。
その帰り道、僕は翔に聞いた
「翔って恋人とかいるの?」
翔は、ははっと笑いながら答えた。
「いないよ、まあ、好きなやつはいるけど」
「そうなんだ、どんなやつ?」
僕は興味津々だった。
翔に好きなやつがいるなんて初耳だ、僕も何か役に立ちたい!
そう思った。
「えー、んーとね、俺の隣にいる人...かな」
翔は声は笑っていたが真剣な眼差しで僕を見ていた。
僕はドキッとした。
翔を見たまま目をそらすこともできない。
のみこまれてゆく。
動けない。
「っぷ!ははは!!」
突然翔が笑いだしたのでびっくりした。
「ごめんごめん。急すぎたな!」
翔は笑いすぎて涙目だった。
そんな翔をみて、僕は
なんだ、冗談か。
と安心した
「なんだ、冗談かよ」
僕は気が抜けたような声で言った。
そして翔は答えた。
「いや、冗談じゃないよ。」
「え」
「俺は凛が好きだ、出会った頃からずっと」
また、翔の顔から目をそらすことが出来なかった
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