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1.5章
幼い日の思い出
しおりを挟む龍が幼い頃、このマンションへ、引っ越してきたばかりで、沙織が住んでいる隣家へ挨拶をしようと、チャイムを鳴らすと、
「ピアノ、もう飽きた~!」
女の子が、元気よく、家を飛び出し、龍と、ぶつかりかけ、
「ねぇ、ママ!可愛い女の子がいるよ!」
と、叫んだ!
「ちょっと!沙織!」
そして、その子の母親が追いかけようと、家を出てきた。
「すいません。コラ!」
と、沙織の頭をポンと叩いた。
「いえいえ。隣に、引っ越してきた、九条です。」
龍の母が、挨拶をして、
「この子、人見知りが激しくて。良かったら、仲良くしてあげてね。」
そう、優しく女の子に、声を掛けた。
「うん!私、さおりっていうの!よろしくね!」
母親に、殴られて、少し涙目になりながら、挨拶をした。
「...よろしく。りゅうです。」
母親の背中に隠れていた、男の子が挨拶をした。
「ねぇ!ママ、この子と公園に行きたい!」
龍の手を繋いで、聞いてきたので、二人の母親も、良いよ。と快く聞き入れ、二人で、公園で遊んだ。
そして、最初は、緊張していた龍も、段々と笑顔になっていき、二人は仲良くなった。
「ねぇ、りゅうちゃん!次、ブランコ乗ろう!」
「乗る!さおりねえちゃん待ってー!」
ブランコへ、二人とも走ったが、龍が、転けてしまった。
「りゅうちゃん。痛いの痛いの飛んでいけ~!」
泣いている龍に、近寄って、そう、励ました。すると、龍が泣き止み、二人で笑い合った。
夕焼けが、広がる空になり、
「ねぇ、りゅうちゃん!また、一緒に、遊ぼうね。」
約束と言って、指きりをした。
「うん!」
元気よく、頷き、バイバーイと、手を振った。
「ねぇ、沙織ちゃんと仲良くできる?」
「うん。沙織ちゃん、大好き!」
家に着き、ベッドで寝る時に、母と一緒に、そう話し合った。
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