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執着と性的衝動
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土曜日が待ち遠しくなるのは久しぶりだった。木曜日に、あと二日と思い、金曜日に明日が早く来ないかなと願った。
俺は午後4時少し前に「若きウェルテルの悩み」を読み終え(インターネットで内容は知っていたが、なんとなく読み終えることにした)、それから外着に着替えた。玄関を出ると、太陽はすでに真っ赤だった。
日が大分短くなったなあ、と思いながら俺はショッピングモールへと向かった。
ショッピングモールへと着いたのは、4時40分だった。
自転車を駐輪場にとめ、俺は本屋へと入った。そして、前に香月君と話した場所で彼を待つことにした。
そういえば、紅根はカフェにいるのだろうか。そう思ったが、確かめようとは思わなかった。今、彼女に会う必要もなく、話すこともない。いようがいまいが、どちらでもいい。
5時を過ぎると、俺は通路に出た。先週と同じように香月君がやってきた。制服姿で、鞄を持っていた。なぜ土曜日に彼は制服姿なのだろうか。
やあ、と俺は手を上げ、香月君を呼びとめた。
「ああ」香月君も手を上げた。「どうしたの? 何か分かったの?」
俺は、いいや今日は違う用事があってね、と言い笑った。
香月君はなんだろうと考えているようだった。
「単刀直入に聞くけど、香月君の学校に、とびきり可愛い子っていない?」
「え?」
「いや、まぁ、いきなり何の話だと思ってるかもしれないけど」首の後ろが急に痒くなり、俺は掻いた。「香月君が通っている高校にいる、かなり可愛い女の子のことが知りたいんだよね」
「それは何か、あいつのことに関係があるの?」
俺はなぜか笑ってしまった。そして、全く関係ないと伝えた。
「じゃあ、なんで……知りたいの?」
「うーん。まぁ、色々とね」
「残念だけど俺には分からないよ。可愛い子なんて」
いやいや。そんなわけない。あんなに可愛い子だったんだから。全校生徒が知っていてもおかしくない。他校に知れ渡っていてもおかしくない。雑誌に載っていてもおかしくない。それを同じ学校に通っている君が知らないなんて、そんなわけない。
「髪は黒くて、背中付近まであったかな。目はぱっちりしていて、制服は着崩してなくてちゃんと着ていた。スカートの長さは膝上で、腿はぎりぎり見えない。耳がちっちゃい。眉毛はちょっとだけ剃っているか、抜いているかで、描いてはいない。可愛くて、可愛らしくて、少し美人。駅前の公園を横切っていた。鞄は手に持っていて、ああ、靴は学校指定のものかな、黒のローファーだった。うーん、あとは鞄に何かぶら下げていたな。キーホルダーみたいな。銀色の、少し大きな蝶々みたいな。これで分かる?」
香月君は顔を顰めた。
「いや、分からないけど……どうしてそれを知りたいの?」
「うーん。でも、あいつには関係ないよ」
「じゃあ、何に関係が?」
俺の性的衝動に関係がある……とは言えないな。仕方ない。ここは一つ、嘘でも吐いておこうか。
「うん。まぁ、実はその子がお金を落としていったんだよね。俺はそれを拾って、返そうと思ったんだけど、見失ったんだ。結構大きな声で呼んだんだけど」
「へえ」
「……で、誰か分かるかな?」
香月君は首を横に振った。
「いや、分かんない。でも、それなら駅とか交番にお金届ければよかったんじゃない?」
「ああ」と俺は今気付いたように振る舞ってみた。「そうだね」
「なんなら俺が届けようか?」
……ん、どこに?
「ああ、もちろん高校に」
もちろん……高校に?
俺はその言葉を聞き、考えた。そして気になった。
もちろん高校に? いやいや、俺は君がどこかに落し物を届けてくれるとはちっとも思っていなかったよ。ましてや高校にだなんて、考えもしなかった。あと、『もちろん』ということは、何かを正した、軌道修正した、明確にしたってことだ。では、何を正した。それは考えだろう。そして、それはどんな考えだ?
香月君は、俺がどんな考えを持っていると思っていた?
俺は頭の中で「もちろん高校に」と呟いてみた。
このとき、香月君は俺の意識をずらし、何かを消そうとしたんだ。でも、一体それは何だ。
もちろん、高校。ということは、高校と同じカテゴリのものを消そうとした。
では高校の他に、落し物を届けるとしたのならどこがある。選択肢は、交番、駅。ああ、なるほど、そうか。
香月君は彼女に直接届けることができるんだ。
俺が「え? 彼女に届けられるの?」と、そう思ったと勘違いしたに違いない。
この考えはただの深読みか?
まぁ、いい。俺は俺を信じよう。
「どうした?」香月君は、俺を見上げた。
「いいや、大丈夫。やっぱり駅に届けに行くよ」
「そう。うん。それがいいよ」
ありがとう。俺はそう言って、彼から離れた。そして、本屋に入り、興味もない科学雑誌のあるコーナーへ行って、それから文庫本コーナーへと行き、漫画コーナーへと行ってから、ショッピングモールを出た。
香月君はこの後どこに行くのだろうか。駅、それとも家に帰るのか。
どちらにしても、もう一度公園に行ってみよう。なんとしてでも、俺は彼女のことが知りたい。
公園には人がいなかった。それもそうだ。もう周りは暗くなっている。
俺は空いていたベンチに座った。外灯と駅の明かりで、少しばかり公園内が見えた。美しい秋を感じさせてくれるのは葉が黄色になっているイチョウだけで、他の木の葉は茶色く枯れ、落ちていた。
俺は駅の反対側にある入口を見た。きっと、今日は誰も来ないだろう。
それでも、俺はここにいたいと思っていた。彼女が万が一現れることを考えると、どうしても動きたくなかった。
だが俺も帰らなければならない。三十分くらい待って、俺は公園を出た。
日曜日は休養日だ。英気養わなければ、何事もうまくいかない。宿題は土曜日の夜に全部終わらせた。だから今日はいつもより二時間余計に寝たい。
そう思っていたのだが、目覚まし時計をセットしていないのにも関わらず、俺はいつもの時間に目が覚めてしまった。家の中は日曜日そのもので、何の音もしていなかった。家族は予定通り、まだ夢の中だろう。
俺はベッドから出て、勉強机に座った。置き鏡に寝ぐせのついた髪が見えた。俺はそれを手櫛で整えようとしたが、うまくいかなかった。
息を吐く。机の上には、綺麗にカバーのかけられた文庫本が一冊置かれている。
仕方ない。目が覚めてしまったのだ。そして机には文庫本、しかも友達から借りたものがある。こうなったら全て、最後まで読み終えてしまおうじゃないか。
俺は『はつ恋』を手にとり、本をひろげ、しおりを外した。
俺の初恋は幸せだっただろうかと考えながら、本を閉じた。朝食も食べずに、俺は物語の終わりを見届けた。時計を見ると、短針が二を指していた。
俺は、背伸びをして、あくびをした。今さら眠気がやってきた。
だが、ここで寝るわけにはいかない。
俺は一階に下りて、俺のためにとってあった朝食を食べた。そして、シャワーを浴び、顔を軽く剃り、歯を磨いた。それからパジャマから普段着に着替えて、外に出た。もちろん行き先は公園だ。
先週の日曜日とは違い、天気は快晴だった。
公園に着くと、俺はベンチに座った。そこにはお年寄りが二人ベンチに腰掛けて話をしているだけで、子供はいなかった。
今日は日曜日だ。違う遊び場所に行けるのだろう。例えば遊園地や映画館、日帰り旅行だってできる。
だが、俺はここで彼女を待っている。そして、それはきっと徒労に終わる。なぜなら今日は日曜日。彼女もきっとどこかに出かけているに違いない。もしくは彼氏とデートをしているのかもしれない。
でも俺は、太陽が夕日になるまで待った。じっと公園の入り口、出口を見て、何人もの人を見送った。もちろん彼女は姿を現さなかった。
他人が俺を見れば、なぜそんなに彼女に執着しているのかと聞くだろう。俺はそれにこう答える。彼女を性的衝動のはけ口にしたいからだと。次に他人はこう聞く。彼女ではなければだめなのか、と。俺はそれにこう答える。ああ、彼女じゃないとダメだ。もちろん紅根でもいい。だが、紅根とはそういうことができない。それは勘であり、真実だ。永遠に、俺と彼女は一定の距離を保った知り合い同士だろう。では、あの可愛い子はどうだろうか。できると思う。彼女は自分自身を、自分の外見をかなり好きに違いない。自分が好きだからこそ、世界の全てを美しくしたいと思っているはずだ。それには何が必要だろう。外見のいい何かだ。それはファッション、街並み、友達、恋人、人生、全てだ。もちろんこの考えも勘だが、きっと真実だ。俺が彼女と出会うことができれば、彼女は俺を美しい世界の一部にしたいと思うだろう。
俺もその気持ちが少し分かる。美しいものが俺も好きだ。だが俺は、彼女たちのように世界が自分を中心に回っているとは思っていない。彼女たちの選択は吸収だが、俺たちの選択は接触なのだ。俺たちの世界は存在しているが、自分たちを中心には回っていない。メリーゴーラウンドの馬に乗らずに、歩いているのが俺たちだ。
俺は午後4時少し前に「若きウェルテルの悩み」を読み終え(インターネットで内容は知っていたが、なんとなく読み終えることにした)、それから外着に着替えた。玄関を出ると、太陽はすでに真っ赤だった。
日が大分短くなったなあ、と思いながら俺はショッピングモールへと向かった。
ショッピングモールへと着いたのは、4時40分だった。
自転車を駐輪場にとめ、俺は本屋へと入った。そして、前に香月君と話した場所で彼を待つことにした。
そういえば、紅根はカフェにいるのだろうか。そう思ったが、確かめようとは思わなかった。今、彼女に会う必要もなく、話すこともない。いようがいまいが、どちらでもいい。
5時を過ぎると、俺は通路に出た。先週と同じように香月君がやってきた。制服姿で、鞄を持っていた。なぜ土曜日に彼は制服姿なのだろうか。
やあ、と俺は手を上げ、香月君を呼びとめた。
「ああ」香月君も手を上げた。「どうしたの? 何か分かったの?」
俺は、いいや今日は違う用事があってね、と言い笑った。
香月君はなんだろうと考えているようだった。
「単刀直入に聞くけど、香月君の学校に、とびきり可愛い子っていない?」
「え?」
「いや、まぁ、いきなり何の話だと思ってるかもしれないけど」首の後ろが急に痒くなり、俺は掻いた。「香月君が通っている高校にいる、かなり可愛い女の子のことが知りたいんだよね」
「それは何か、あいつのことに関係があるの?」
俺はなぜか笑ってしまった。そして、全く関係ないと伝えた。
「じゃあ、なんで……知りたいの?」
「うーん。まぁ、色々とね」
「残念だけど俺には分からないよ。可愛い子なんて」
いやいや。そんなわけない。あんなに可愛い子だったんだから。全校生徒が知っていてもおかしくない。他校に知れ渡っていてもおかしくない。雑誌に載っていてもおかしくない。それを同じ学校に通っている君が知らないなんて、そんなわけない。
「髪は黒くて、背中付近まであったかな。目はぱっちりしていて、制服は着崩してなくてちゃんと着ていた。スカートの長さは膝上で、腿はぎりぎり見えない。耳がちっちゃい。眉毛はちょっとだけ剃っているか、抜いているかで、描いてはいない。可愛くて、可愛らしくて、少し美人。駅前の公園を横切っていた。鞄は手に持っていて、ああ、靴は学校指定のものかな、黒のローファーだった。うーん、あとは鞄に何かぶら下げていたな。キーホルダーみたいな。銀色の、少し大きな蝶々みたいな。これで分かる?」
香月君は顔を顰めた。
「いや、分からないけど……どうしてそれを知りたいの?」
「うーん。でも、あいつには関係ないよ」
「じゃあ、何に関係が?」
俺の性的衝動に関係がある……とは言えないな。仕方ない。ここは一つ、嘘でも吐いておこうか。
「うん。まぁ、実はその子がお金を落としていったんだよね。俺はそれを拾って、返そうと思ったんだけど、見失ったんだ。結構大きな声で呼んだんだけど」
「へえ」
「……で、誰か分かるかな?」
香月君は首を横に振った。
「いや、分かんない。でも、それなら駅とか交番にお金届ければよかったんじゃない?」
「ああ」と俺は今気付いたように振る舞ってみた。「そうだね」
「なんなら俺が届けようか?」
……ん、どこに?
「ああ、もちろん高校に」
もちろん……高校に?
俺はその言葉を聞き、考えた。そして気になった。
もちろん高校に? いやいや、俺は君がどこかに落し物を届けてくれるとはちっとも思っていなかったよ。ましてや高校にだなんて、考えもしなかった。あと、『もちろん』ということは、何かを正した、軌道修正した、明確にしたってことだ。では、何を正した。それは考えだろう。そして、それはどんな考えだ?
香月君は、俺がどんな考えを持っていると思っていた?
俺は頭の中で「もちろん高校に」と呟いてみた。
このとき、香月君は俺の意識をずらし、何かを消そうとしたんだ。でも、一体それは何だ。
もちろん、高校。ということは、高校と同じカテゴリのものを消そうとした。
では高校の他に、落し物を届けるとしたのならどこがある。選択肢は、交番、駅。ああ、なるほど、そうか。
香月君は彼女に直接届けることができるんだ。
俺が「え? 彼女に届けられるの?」と、そう思ったと勘違いしたに違いない。
この考えはただの深読みか?
まぁ、いい。俺は俺を信じよう。
「どうした?」香月君は、俺を見上げた。
「いいや、大丈夫。やっぱり駅に届けに行くよ」
「そう。うん。それがいいよ」
ありがとう。俺はそう言って、彼から離れた。そして、本屋に入り、興味もない科学雑誌のあるコーナーへ行って、それから文庫本コーナーへと行き、漫画コーナーへと行ってから、ショッピングモールを出た。
香月君はこの後どこに行くのだろうか。駅、それとも家に帰るのか。
どちらにしても、もう一度公園に行ってみよう。なんとしてでも、俺は彼女のことが知りたい。
公園には人がいなかった。それもそうだ。もう周りは暗くなっている。
俺は空いていたベンチに座った。外灯と駅の明かりで、少しばかり公園内が見えた。美しい秋を感じさせてくれるのは葉が黄色になっているイチョウだけで、他の木の葉は茶色く枯れ、落ちていた。
俺は駅の反対側にある入口を見た。きっと、今日は誰も来ないだろう。
それでも、俺はここにいたいと思っていた。彼女が万が一現れることを考えると、どうしても動きたくなかった。
だが俺も帰らなければならない。三十分くらい待って、俺は公園を出た。
日曜日は休養日だ。英気養わなければ、何事もうまくいかない。宿題は土曜日の夜に全部終わらせた。だから今日はいつもより二時間余計に寝たい。
そう思っていたのだが、目覚まし時計をセットしていないのにも関わらず、俺はいつもの時間に目が覚めてしまった。家の中は日曜日そのもので、何の音もしていなかった。家族は予定通り、まだ夢の中だろう。
俺はベッドから出て、勉強机に座った。置き鏡に寝ぐせのついた髪が見えた。俺はそれを手櫛で整えようとしたが、うまくいかなかった。
息を吐く。机の上には、綺麗にカバーのかけられた文庫本が一冊置かれている。
仕方ない。目が覚めてしまったのだ。そして机には文庫本、しかも友達から借りたものがある。こうなったら全て、最後まで読み終えてしまおうじゃないか。
俺は『はつ恋』を手にとり、本をひろげ、しおりを外した。
俺の初恋は幸せだっただろうかと考えながら、本を閉じた。朝食も食べずに、俺は物語の終わりを見届けた。時計を見ると、短針が二を指していた。
俺は、背伸びをして、あくびをした。今さら眠気がやってきた。
だが、ここで寝るわけにはいかない。
俺は一階に下りて、俺のためにとってあった朝食を食べた。そして、シャワーを浴び、顔を軽く剃り、歯を磨いた。それからパジャマから普段着に着替えて、外に出た。もちろん行き先は公園だ。
先週の日曜日とは違い、天気は快晴だった。
公園に着くと、俺はベンチに座った。そこにはお年寄りが二人ベンチに腰掛けて話をしているだけで、子供はいなかった。
今日は日曜日だ。違う遊び場所に行けるのだろう。例えば遊園地や映画館、日帰り旅行だってできる。
だが、俺はここで彼女を待っている。そして、それはきっと徒労に終わる。なぜなら今日は日曜日。彼女もきっとどこかに出かけているに違いない。もしくは彼氏とデートをしているのかもしれない。
でも俺は、太陽が夕日になるまで待った。じっと公園の入り口、出口を見て、何人もの人を見送った。もちろん彼女は姿を現さなかった。
他人が俺を見れば、なぜそんなに彼女に執着しているのかと聞くだろう。俺はそれにこう答える。彼女を性的衝動のはけ口にしたいからだと。次に他人はこう聞く。彼女ではなければだめなのか、と。俺はそれにこう答える。ああ、彼女じゃないとダメだ。もちろん紅根でもいい。だが、紅根とはそういうことができない。それは勘であり、真実だ。永遠に、俺と彼女は一定の距離を保った知り合い同士だろう。では、あの可愛い子はどうだろうか。できると思う。彼女は自分自身を、自分の外見をかなり好きに違いない。自分が好きだからこそ、世界の全てを美しくしたいと思っているはずだ。それには何が必要だろう。外見のいい何かだ。それはファッション、街並み、友達、恋人、人生、全てだ。もちろんこの考えも勘だが、きっと真実だ。俺が彼女と出会うことができれば、彼女は俺を美しい世界の一部にしたいと思うだろう。
俺もその気持ちが少し分かる。美しいものが俺も好きだ。だが俺は、彼女たちのように世界が自分を中心に回っているとは思っていない。彼女たちの選択は吸収だが、俺たちの選択は接触なのだ。俺たちの世界は存在しているが、自分たちを中心には回っていない。メリーゴーラウンドの馬に乗らずに、歩いているのが俺たちだ。
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