幸運の歌姫

歩楽 (ホラ)

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第1章・聖騎士

好感度

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 私のHPが、0となって・・・。


 蘇生可能時間も終を告げた

 体が浮遊感に襲われると

 いきなり目の前に飛び込んでくる光があった

 一瞬目が眩んだが、徐々に見えてくる

 病院の病室で、横たわる本当の自分の姿が・・・

 いくつもの、クダが付けられ

 呼吸器みたいな物が付けられていた・・・。



 そして、頭の中に浮かぶ文字


《 これより人体の蘇生を行います、蘇生まで残り25秒
  なお、蘇生と同時に【L・A・W】のキャラクターは削除され
  アカウントも削除されます
  又、LAWの記憶も完全削除されます。 》


 ・・・・・・そんな!
 帰れるけど・・・記憶がなくなるって!!

 一瞬にして理解する
だからこそ、あの世界の情報が存在しない事に・・。

 だが、同時に、たった3日間だが
あの世界の事を忘れる事に怯える
そう、あ3と出会った
人生最高の出来事と
親友となった大切な人の事を忘れてしまうことに。

 シャルロットを操作していた少女は、声無き声で叫ぶ

「やめて、戻りたくない!あの世界に戻して!!」と!

 だが、徐々に数字は減っていく

「あ3!やっぱり、あの子を残して戻れない
 あ3・・・あああ・・・・・・
 大好きなの・・・・
 君の事を忘れたくないの・・・・
 頼むから・・・
 あああの元へ・・・
 あの世界に戻してちょうだい
 お願いだから・・・・・」



 数字が突然8の文字で止まる
 そして新しい文字が浮かび上がった

《 【あああ】に対する好感度が100になりました
  これによって、相互の相性がMAXとなり
  【あああのお守り】が【あああの幸運のお守り】に変化しました
  また、シャルロットが死に、60秒放置されたことにより
  あああの幸運のお守りの隠し効果が発動します。 》

《 隠し効果が発動されました
  効果【L・A・W】の世界への1度のみの復帰 (衰弱無し・完全回復状態)
  使用しますか? 》

   【はい・いいえ】
  

 強く強く、とても強く奥歯を噛み締め
目をつぶり、見えない涙をながしながら・・・
心に、あ3の笑顔を思い浮かべる。

 あぁ、使うに決まっている、あ3ありがとう
私は、又貴方に・・助けてもらえた、救われた・・・
もどるよ、あ3貴方のもとへ。

頭に念じる【はい】と、強く強く、あ3の事を思いながら。


《 あああの幸運のお守りの隠し効果を発動します
  プレイヤー・キャラクター【シャルロット・フューリー】の
  再構築を開始します。
  これにより、あああの幸運のお守りは、隠し効果がなくなります。 》


**********

【あああの幸運のお守り】
あああ好感度アイテム
PC (プレイヤーキャラ)と、あああの好感度が双方ともMAXの時
あああのお守りから、あああの幸運のお守りに変化します
自身のラックの値に、あああのラックの5割が加算される
アイテムボックスに入っていても発動する

**********

 
 そして私は、病院のベットの上で寝る、私の体を見つめる
まるで、とても長い間、会っていなかった様に感じる体は
多くの管が繋がれ、呼吸器まで繋がれていた。

 そんな情けない姿が、霧がかかったかのように、ぼやけていく。

 そんな景色の中に、母の姿も、父の姿も有りはしなかった
期待などしてなかった、嫌いな両親が居ない事に、少し安堵し

 再び、あいまみえるだろう、ラオウとの戦いに
心を引き締める。

 そう、死ねば戻れる、元の世界に
なら、私は、ラオウを躊躇なく殺せるだろう・・・。

 いや、違う!

 そんな事は関係ない

 あ3の進む未来を壊しかねない、ラオウは

 私の、この手で殺す!



 私の視界は完全に白で塗りつぶされ

 再びあの浮遊感に襲われた

 そして、深夜の冷たい風と、草と土の香り
そう、戻ってきた・・・。

 静かに目を開けると、そこには
私を殺した、男が立っていた。

 驚く男に、私は伝える

 「・・・・戻ってきたよ
 この世界に・・・・
 あの子の世界を
 壊そうとする
 お前を殺しに。」

 と・・・・・・。
 
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