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第1章・聖騎士
死
しおりを挟む死。
それは、1つの現象であった。
ゲーム時代なら
死んでも教会に死に戻りするだけし
NPCなら、決められたイベント以外では、死ぬことはない。
そして、ラオウの言う通りなら
この世界の死は本当の死なのかもしれない
・・・・人殺し・・・・できるはずがない・・・私には・・
シャルは、必殺の一撃を繰り出せる瞬間も何度かあったが
その度に、心のどこかにブレーキがかかり
決着がつかないままだった。
だが、それもシャルロットの防御系の魔法が切れた事によって
一気に防御力が下がり
今までどうにか耐えてきたシャルロットだったが
ついにラオウの攻撃が、シャルロットを射程に捉え
闇夜に人知れず行われた
2人の戦いに終りを告げようとしていた。
「ハァハァ・・・・流石だなシャルロット・・・
ここまで俺と戦えるのは、お前だけだろう、だからこそ
お前は、ここで殺すことにする
今後の俺のジャマになるからな・・」
「ハァ・・・ハァ・・・」
まるで、フルマラソンをしたかのような
疲労感に言葉がでないシャルロット。
すでに、強力なスキルも使い果たし
動くことすらままならない。
「ふん、そろそろ終わりにしてやる!」
ラオウは、高く飛ぶと叫んだ
「【覇王・無限双龍脚 (改)】」
シャルロットを襲う、ラオウの格闘戦闘スキル
ラオウに生み出された、赤と青の2匹の龍の姿が現れ
同じくシャルロットを襲う
盾を構え、その後ろに隠れる。
2匹の龍はまるで意思があるように
シャルロットの盾を避けるように左右に広がり
その口を大きく開けて、襲いかかる
シャルロットも、1匹は盾で凌いだものの
もう一匹は剣を向けるも、それを抜けるように
シャルロットにダメージを与える。
その威力は、残り少ない、シャルロットのHPを削る
ダメージを受け、硬直するシャルロットに
戦闘スキル【覇王・無限双龍脚 (改)】の最後の一撃である
ラオウの蹴りが飛んでくる。
赤と青が混じりあった炎を纏ったラオウの蹴りが
シャルロットの胸を打ち抜いた。
シャルロットは
跳ねるように吹き飛ばされ
地面で一回大きく跳ねると
5メートルほど転がり仰向けに寝転がる様に最後の時をむかえる。
シャルロットのHPは、0となった。
地面に転がる身体、指1つ動かせないが、意識はまだある
頭の中に浮かぶ文字
【蘇生可能時間残り 59秒】
そして、徐々に減っていく・・・
まるで、ゲームで死んだときに行われる
システムメッセージ・・・モニターを覗き込んでいる感覚だった。
そうか、私は死ぬのか、このゲームの世界で・・
元の世界に戻れず・・
戻った所で・・・・・
死んでしまえば
引きこもりの私が居なくなって清々するんだろうな
あの、オヤジも、、ババァも・・
視界は、真っ暗、目を閉じてるのだろう
頭に浮かぶ文字は、どんどん減っていく・・・
耳に聞こえるのは、興奮し雄叫びを上げる、ラオウの声・・・
自動発動の復活アイテムなんて物は、このゲームには無い
もし、復活しても
デスペナルティーで、能力は半分以下
戦える状況ではない
私には、どうすることも出来ない・・・。
頭に浮かぶのは【あ3】の笑顔
最後に・・・あ3に会いたかった・・・
私が居なくなっても、もう、あ3は生きていける
アッコもいるし、、大丈夫よね・・・。
心に、涙は流れない・・・
それでも、心は泣いていた・・・・・。
そして、数字も1桁になる
「そろそろか、シャルロット
ロストだ!完全に消えるぞ
恐怖しろ
そして
俺に逆らったことを
後悔しながら死んでいけ!」
そして、高らかに笑う、ラオウの声だけだ、耳に残り
頭に浮かぶ数字が0になる・・・・・
そして、渦が巻くような感覚とともに
意識が飛ばされ
目の前に撮された景色は
病室のベットに横たわる、現実の自分の姿だった。
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