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第1章・聖騎士
イヨカン街
しおりを挟む僕たちは、バナナを倒した後
軽い食事をすまして、また歩き出した。
シャルが僕を思ってくれたのか
出来るだけ戦闘を避け次のキャンプ場に向かう事にしたのだ。
そうといっても、このバナナ平原、街道を進めば
まずモンスターに襲われることはない。
そして明るいうちに、目的のログハウスに着く
ここまでくれば、あと半日ほどでイヨカン街であるが
今からだと、着くのが夜中になることもあって
急ぐ旅でもないしと、今日はここで一泊することにした。
今日は早くから料理に取り掛かれたので
道すがら、倒した羊の肉と牛乳を使ってシチューを作る。
すこし煮込む時間があったので
僕はシャルに頼まれて、歌を歌う。
夕日を見ながら、夕食を取りながら
シャルの冒険の話や、僕の家族の話をしていた。
そして日が落ちてくる頃
街道の先から、人影が現れた
びっくりして、話を止め、ゾォー3をアイテムボックスにしまう。
近づいてきたのは、イヨカンからの馬車である。
護衛に4人の冒険者、馬車には先導の男が1人と
荷台には8人ほどの商人や旅人が居た
護衛の冒険者は、シャルの姿を見て、驚いていた。
そうだろう、僕もあの白銀の鎧を見たときは、驚いたのだから
そうと言っても、たった2日前なんだけど
すでに数年前の用にも感じていた。
シャルは、冒険者や先導の人間や、獣人の商人と軽く情報交換をする。
僕は、見たことのある、獣人の商人達から、身を隠すように離れて小さくなる。
そして、商人や冒険者たちは夕食の準備に勤しむ
シャルは夕食に誘われたみたいだが、断っていた
そして、僕の元に戻ってくる。
「あ3、ログハウスは、彼らが使うから、私達は外で野宿でもいいかな?
だめだったら、あ3だけでも、中で寝れるように頼むけど?」
「外でいい・・シャルはあっちで、ご飯食べないの?誘われたでしょ?」
「ん?私は、あ3と話してる方が楽しいから
でも、あ3はいいの?あっちに知り合いとか居ない?挨拶しなくていい?」
「僕は・・・・行かない方がいいから・・」
シャルは、しまったと言う顔をする。
「気にしなくていいよ」
シャルに笑うように言うと
シュンとした顔でシャルは頷くのだった。
その後は、シャルが冒険者から、毛布を借りてきてくれて
僕はシャルと外で野宿をする。
夜中に目を何度か覚ますと、僕の横で静かに座るシャルがいた
後で聞くと、僕が襲われないように警戒していたみたいだ。
「こんな可愛くもない、男みたいな僕を襲う人物なんて居ないのに」
と笑って言うと、怒られた・・・。
僕達は、早めに起きて何時ものように、ハチミツを塗ったパンと
昨日作っていた、猪の肉の干し肉モドキを食べると。
夜警を行い、起きていた冒険者達に挨拶を済ませ
ログハウスで寝ている人間達を起こさないように出発した。
早めに出発したせいか
何事もなくイヨカン街に着くことになった。
小さな街なので
出入りに対して、検問のような物はなく
すんなり街に入れた。
僕は村から出たのも初めてだけど
この街のような、人が集まる場所に来たのも初めてだった。
そう、初めて目にした、他の町は、大きくすごかった
住んでいる人数は、僕の住んでいた小さな村と比べると
何十倍も多いいらしいし、町に入ると活気があった。
中央道りと教えられた通りは
ひっきりなしに、人が行き来する
道の両脇には、大きなお店が立ち並ぶ。
そして、なんと言っても人間の多さだ
僕の村では、亜人や獣人が9割以上をしめ
人間なんて冒険者と旅人しか居なかったのに
この街は、人間がたくさんいた。
いや、人間のほかに
数は少ないが、ドワーフやエルフらしき存在もいた。
たぶん、ノームやホビットと言う、亜人も居るのだろうけど
僕には、人間の子供との区別が付かないので分からなんだ。
驚きと、人の多さで震える僕の手を引っ張ってくれたのはシャルだった。
僕は照れるように、頬が真っ赤になる
誰かと手をつないで、街を歩くなんて初めての事だから。
僕はシャルと手を繋ぎ、初めての街を見て回るのだった。
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