幸運の歌姫

プロローグ

今日、僕は冒険に出る

　
僕は今日始めて村の外に踏み出す。
　ぼ・・冒険者として・・・・
顔見知りの、門兵のおっさんは、ニヤニヤしながら、こっちを見てる・・・
あ・・足が震える・・。

　ここを出ると、バナナ平原・・・。

　街道を外れるとモンスターが居る
人間を襲う、凶悪なモンスターが・・・・
そう、すでに門の近くまで徘徊する黒いモンスターが・・・。

　俺は、知っている、アレは、ホーンマウス・・
頭に小さなとがった角を持つ３０ｃｍほどのネズミモンスター
ふ・・・僕の相手に、ふ・・・ふさわしい。
　

　腰から刃渡り２０ｃｍほどの短剣を抜き正面に構え
震える足を制御しながら、近づく
ゆっくりと狙いを付け震える手で振り下ろす
外れる・・・。

　ホーンマウスは、睨みを効かして、僕を見つめると
小さな角で、俺の足に向かって突進してくる
「痛い！」僕の視界に移るＨＰゲージは少し減る
レベル１の僕はHPが少ない
他の職業と比べても僕のHPは少なめである
一撃を受けた僕のＨＰは残り約９割となっていた。

　え？なぜＨＰゲージが見るか？
これは、冒険者ギルド登録することによって冒険者と成る事ができて
冒険者カードを発行してもらうと
何故か自身のＨＰやＭＰ、ＳＴが見えるようになるらしい
僕は細かい仕組みは分からないから、見えるとしか言い様がない
ＨＰは体力、ＭＰは魔力量、ＳＴはスタミナだよ
僕は今日１５歳となって、今日登録したばかりなんだ
そして、初めてモンスターと戦うんだ。

　ここから、僕の世界を巡る大冒険が始まる・・・
なんて事は考えてない
それでも、ある人の言いつけで
ギルド登録できる１５歳になったら
冒険者になって
一度は世界の中心である、帝都に行ってみろと
世界の大きさに偉大さを見てみろと言われた。

　何も言わず旅立って行ってしまった、あの人の後を
あの人の軌跡を追いたくて
もしかしたら帝都に行けば、あの人に又逢えるかもと・・・
だから僕は、小さな期待と希望を胸に
冒険に出たんだ・・・・。


　だけど・・戦いの経験なんて無い僕の攻撃は当たらない
ホーンマウスの攻撃は、僕の足に何度も傷をつけていく
そして僕のＨＰが７割を切る時だった。

　ホーンマウスは、何かを感じたのか
僕の目の前から逃げるように走っていく

　その時、空が眩いほどの光を放ったのだ
僕は、驚いて空を見上げたんだ
僕を笑いながら見ていた、門兵のおじさんも
イキナリの事に驚き、空を見上げたのだった。