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きぐるみ幼女編
18話 1年前・赤き、マジック・シューター
しおりを挟むそこにいた、約数人を抜いて全ての視線が、ファイアボムに向けれらる
その魔力の塊は、勢いよく、宮守鉄雄に向けて飛んでいく
それは、鉄雄に当たろうとも、鉄雄が避けようとも
いつかは、何かに当たり、その魔法は拡散、炸裂する
その威力はこの教室を焼き尽くすだろう、そう思われた
だが
勢いよく飛んでいく魔力の塊は、鉄雄に届く前に
隼人と、鉄雄の丁度真ん中で
大きな音を上げ、空中で弾けたのだ
そして、その魔法は炎を纏い破裂し拡散していく
それはまるで、大きく打ち上がった、炎の花火の様に
そして、その炎が教室を包み込もうと広がり
一番近くにいた、隼人と鉄雄に襲いかかる
その瞬間だ、そう、その炎が隼人と鉄雄に襲いかかる瞬間
その炎の全てが凍りつく
そう、突如、氷で作られた炎の彫刻ができあがった
その出来事と、美しく幻想的な、氷の彫刻は
見たいて者の視線を奪い、彼等の時間を止めるが
凍りついて、瞬く間に、その氷の芸術は、音もなく粉々に弾け
ダイアモンドダストの様に、光輝き消えていった
その光景に見とれていた、生徒達は、言葉をうしなった
その中、冷静に分析する蓮
「ほう、すごいな、どんな魔法を使ったんだ?」
そして、隣にいた、蓮の友人は答える
「それは、分からんが、使った奴は、あいつだ」
そう言って、指さした先には
隼人が、床に倒れたため、その奥に居た
2人の人間がはっきりと見えた
それは、鉄雄と、もう1人指を指された人物
真っ赤な魔導帽とマントを羽織る、女子生徒だった
腕を組むようにし、その魔道士を彷彿させる姿からも
その中等部1年の少女の体格からは、につわしくない武器をを右手にもち
ドヤ顔でポーズをキメる、女子生徒であった
「ん?あれは」
「蓮は知らないのか?
彼女は、小等部の時、上位クラスだったから
俺達とは、あまり関わること無かったが、名前くらいは来たことあるだろう
確か、フルネームは【カレラ・エルノーラ・クレミシ】
イタリアあたりの、どこかの国の貴族の出だとか、聞いたこと有るな
そして、あの真っ赤な魔道士本来の格好からは、相容れない
彼女の武器があれだ」
「ほう、聞いたことあるな、1つ下の学年に
赤い魔導帽をかぶる、マジックシューターが居ると
そうか、彼女がそれなのか」
*****
燃え様に赤い魔導帽と、マントを羽織る、少女
彼女の名前は【カレラ・エルノーラ・クレミシ】
ニニスが、ミドルネームで、エルノと呼び
鉄雄が、カレラと呼ぶ少女
カレラは悩んでいた
目の前の、大文字隼人が発動し魔力を注ぎ込んでいる魔法にたいしてだ
今すぐ、その魔法を止める手段は、いくつもあるが
それでは、あまりにも、芸がなさすぎる
一番、私 (わたくし)が引き立つ方法を模索しないとと
そして、彼が発動した魔法の最大威力も、カレンには推測できた
純粋な、後衛、魔道士職なら、その魔法、ファイアボムを制御しえるだろうが
中途半端な、彼の魔法ならと
カレンに、中途半端・制御しきれないと思わさた原因の1つが
魔力を貯める時間にもあった、魔力を貯め出して、すでに20秒以上
そして、それだけ時間をかけた割に、魔力の塊はさほど大きくはない
時間がかかりすぎなのだ、そんな想定内の威力の魔法それも
反撃してくださいと言わないばかりの時間
カレンにとって、この彼の料理法を考えるには十分な時間であった
それもそのはず
実際、隼人がこの魔法を使うのが初めてであり
その魔法の本来の力の半分も出ていなかったのだ
そして、横目で、友人のニニスが
何やら、紙のおもちゃをつついて遊んでいる姿を確認し
子供を見守る母親の様な笑がこぼれるが
その傍らに、カレラの瞳に映った
異質であり、異様であり、興味をそそられる人物、紫音を見る
気難しい、ニニスが笑顔で、初対面の男性と会話をするなんて・・
どうやって、ニニスに取り入ったか・・・
いや、鉄から聞いた話では、あの男は他人に取り入ったり
気に入られようと、行動する人間ではないと
どちらかと言えば、他人と関わり合いを持ちたくない人間だと聞いた
なら?ニニスが、あの男を気に入ったのか?
鉄雄と仲の良いカレンは、中等部に進学するに当たって
学園に入学を決めた彼の事を少し聞いていた
「こんど友達(ツレ)が、中等部から入ってくるんだけど
こいつが、笑えるくらい、かなり変態なんだ
いたってシンプル、怒らないし、いたって無害だし
無愛想に見えるけど、話しかければ、普通に対応もするが
自分から他人と関わり合いを持つような奴じゃないし
見ればわかるが、どちらかと言えば、他人を遠ざけようとするな
まぁ、友達になれば、笑えうほど、バカで、面白い奴だぞ
あと・・・は・・・まぁいいか
おっと、奴の実力は、魔力、魔力量とも2だ!
気に入らないからって
あんまり、いじめんなよ、はっはっはっは」
気に入らないから、イジメルって、どんな目で、私 (わたくし)を見てんのって話だけど
あの、ニニスが気に入るなら、面白い人間であることは間違いなさそうね
ニニス達を、横目で眺めながらそんな事を、思いつつ
カレンは、両手をマントで隠れた腰にやり
2年の乱入者が放とうとする魔法に対して準備をはじめるのだった
そして、とうとう、その魔法は放たれた
その初動を感じ取ったカレラは、放たれるより速く、その両腕を動かす
腰に添えた、両の腕を覆い隠していた、燃えるような赤いマントを翻し
両手に握った、武器を観客の目に晒す (皆魔法に集中し、誰も見てないのだが)
それは、誰が見ても、彼女には似合わないであろう、武器であった
そう、それは黒く鈍く光る、通称44マグナムと言われる拳銃
【リボルバー式魔法拳銃、K&A・S社製M29、8インチモデル】である
大人でも、扱い辛い、大型魔法拳銃を軽々と右手で持ち
そして、左手の指に挟んだ3個の.44魔法弾
そして身体の前で、腕をクロスさせるように挙げる
クロスさせた時、リボルバーに銃弾を装填させ
おおきく構えをとる、右手に持つ44マグナムを構え
左手を、ハンマーに添えた
そして、隼人の手から放たれた、魔力の塊を狙い撃つ
最初の魔法弾は、重力系魔法弾
それは、隼人と鉄雄の間にある、魔力の塊にヒットする
そして、ファイアボムは大きく弾け炸裂しその炎を開放したのだ
2発目の魔法弾、それは、氷系魔法弾
弾け撒き散らす炎を、かいくぐり、その中心部にある
初段の重力弾が起こした、力場にぶつかり
その魔法弾に込められた、力を解放する
その力は、魔力の炎さえも凍らすほどの力
一瞬にして、解放された魔力の炎は、その先端までも氷の結晶と化した
最後の魔法弾は、振動系魔法弾であった
それは、氷の結晶となった、炎の彫刻に当たると
それそのものを、超振動で粉砕したのだった
そして、隼人の放った魔法は全て、氷の霧となり
教室の後ろを包みこみ、ダイアモンドダストの様に光輝いた
空中に溶け、もとの魔力そなって、消えていった
そして、カレラは、腕を組むようなカッコをし
拳銃を強調しながら、ドヤ顔をキメる
「さすが、カレラ様カッケェ」
「ふぅふふぅ~~ん」
時間にして約1秒にも満たない時間で行われた
カレラの早撃ち、その早撃ちを目で追えた人間は居なかった
いや、隼人の魔法に視線を囚われ、誰も見ていなかった
やっと、目の前で起こった、幻想的な出来事が
赤い魔導帽をかぶったカレラの魔法だと気づいた生徒たちが
声を上げ、拍手をし、自分達が無事であったことに、感謝するのだった。
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