アンタッチャブル・ツインズ ~転生したら双子の妹に魔力もってかれた~

歩楽 (ホラ)

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きぐるみ幼女編

10話 1年前・襲撃

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 鈴の弁当テロ・・・。


 いや、鈴の作った弁当に群がった少年少女に
昼食の全てを間食された紫音だった。


「俺食ってないんだけどなぁ・・・・・・まぁ・・いぃんだけど」

そう、ほんの数分で、弁当の中身は空になったのだ
だが、紫音は気にしない
それ以上に、鈴の作った弁当を、笑顔で食べるクラスメイト達
そして「美味しい」といってくれた事に、満足していたからだ
それにしても、流石に鉄雄の友人達
その姿、服装は異質、独自のアイデンティティーを貫く人間達であった


「うまかったぁぁ、しおんだっけ?どっかの、一流シェフでもやとってんの?」
「いや、普通の家だよ、シェフおろか、お手伝さんも、いないよ」
「へぇ、それにしても、お前の、母親料理上手くね?」
「・・・・あぁ・・・うん、まぁ、そかもな」

まぁ、集まった中の数人は、お手伝いさんや、シェフが居るような
金持ちの子供だろう事が、あからさまに分かる様な会話をしながら
シェフが居ないなら、弁当を作るのは母親だろうと、想像する初対面の人間に
これを作ったのは、双子の妹だと、説明するのがメンドくさい紫音は
もう、それいいかと、適当に返事をするのだった
だが、その弁当が鈴の手によるものだと知っている鉄雄は
紫音の態度に、どうせ説明するのがイヤなんだろうなと、苦笑いをしていた

「え?これ君のお弁当?わぁ・・・君食べて無いよね?私の少し分けてあげるよ」
「いやぁ悪いな、つい美味しくて、俺のもわけたるわ」
「マジで!うわぁ、ごめんね、ボクは中等部では、食堂行くつもりだったから
 機会があれば、今度お礼に奢らせてよ」
「ニニスの弁当をたべるなの、今日は、りんごなのよ、たべるなの」

鉄雄の見守る中、紫音は会話の中心となり
机を合わせ、紫音の弁当を食べた、弁当持ちの友人達は、その弁当を広げた
そして、数人から、弁当を少し分けてもらい、軽い昼食を食べるのだった

紫音と鉄雄は気づく、鈴の策略にまんまと放ったことを
転入してきた、紫音がクラスに馴染める様に
鈴は、無駄に大きな弁当を拵えたのだ
それを、周りに、おすそ分けすることで、紫音に友達が出来るようにと
そうなのだ、そうでもしなけれな
紫音自身が、自ら動き
クラスメイトと交流する様なタイプではないであろうと
そう、その考えは、当たっていた、紫音にしてみれば
学校とは寝る所であり、友人など、どうでもよかったのだ
まぁ、そのうち、鉄雄以外に、2・3人出来て
面白おかしく、過ごせればいいと思っていた程度なのだ

それなのに、鈴の策略で
クラスメイト数人に囲まれて、徐々に打ち解け始める紫音
紫音にしてみれば、想定外であり
これから、友人・友となるだろう人間が
いや、きっと、彼等、彼女等にとって
紫音はすでにクラスメイトで有り、友達であったに違いないのだ

そう、紫音の周りに、多くの友人が集まった事自体ないのだ
以前の紫音だった彼の記憶にも有りはしない
そもそも、友人と呼べる人間が、片手で数えれる位しか居ないのだから



それも束の間



ガラガラガラ

ドカ!

ガシャガシャガガッガ・・・・・・ドタ



教室後ろの出入り口が、いきなり開き
大きな音と共に、ドアの近くにいた、生徒が吹っ飛ぶ
そして、数個の机と椅子をなぎ払い、床に倒れたのだ


「なにすんだ、てめえ!」

いきなり蹴られた少年の友人達は、敵意を向けて
ドアの向こうに立つ人間達を睨みつける

教室後ろの出入り口付近で、今日一日騒いでいた集団
彼等は、小等部で仲のよかった8人組
普段から素行は悪く、幾つもの警察沙汰も起こしていた
学園側も、注意をするが、彼等には強く出れなかった
彼等は個々の能力が高く優秀だった、更生さえすれば
学園にとって利益になる生徒だったからだ
そして、彼等の親は、各企業の重役でもあり
学園に融資されている金額も、桁が1つ違っていたのだ
そんな、生徒だからこそ、学園は強く出れず
最終手段として、クズクラスに入れたのだ

それを分かっている、少年達は仲間意識は高かった
小等部から、学園内、学園外で、つるみ悪さをしてきたのだ
仲間意識が高いのは当たり前だろう事である

そして、今いきなり、その仲間の1人が蹴られたのだ
残った7人が、苛立ち、怒るのは当たり前だった
だが、ドアの外に居るのは、彼等の見知った顔
小等部の時、幾度となく見たことのある、1学年上の人間達
直接、争ったことはなかったが、それなりには噂は聞いていたが
彼等、8人もそれなりに、悪さをしてきたのだ
相手が年上であろうと、遠慮はしなかった

瞬時に肉体強化をかけ
ドアの向こうにいる、2年生に襲いかかる1年
だが、相手が悪かった、そこにいたのは
鼓道場に通う小柄の男【大文字隼人 (だいもんじやはと)】
その実力は蓮のお墨付きである
隼人は、その手で軽く2人を弾き飛ばす

それを見た残り5人は、本気になる
3人は、自身の武器をとる
1人は、オーソドックスな西洋剣
1人は、日本刀
1人は、短剣を両手に構えた
残りの2人は、いつでも魔法を打ち出せる体制をとった
そして、弾き飛ばされた2人も、痛みを堪え立ち上がるが
だが、時はすでに遅かった
蓮達2年生の暇人は、10人を超えていた
そして、彼等、彼女等の経験値は高かった
すでに、魔法を構えた2人は、バインド系魔法で拘束され
武器を構えた3人は、隼人の打撃で教室の奥へと飛ばされた

終わってみれば、圧倒的な力で瞬殺された8人

蓮達にしてみれば、狩りにもならない相手

蓮は、興味が失せたか、さっさと自分の教室に足をむけたのだ

そして、ここからは、1年生に対する2年生のリンチが始まった。


 
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