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きぐるみ幼女編
9話 1年前・弁当テロ
しおりを挟むそして、蓮の話は続いていく
鈴の知る、紫音サイドの事は、後にリルに聞いた話である
紫音はシオンとして、成り立った時に
より多くの知識を求めた
その時、幾つかの選択枝の中に
日本に幾つかある【国立関東天童魔法学園】の事が頭に浮かぶ
そして、シオンが蘭と交わした約束の中に
高校だけは卒業しろと言うものがある
ならば、残り数年程の人生、暇つぶしに行ってみるのも一興かと
友人の、【鉄雄】もいることだし、それなりに面白いだろうと
中等部への入学試験を受ける事となるのだが
緯度経度と言う、7:3メガネに、詳細を調べてもらうと
どこから、その情報を持ってきたのか、分からないが
その情報は、学園の裏の顔を明確に記したものだった
そう、緯度経度は、ある書類を入れた封筒を紫音に、笑いながら渡す
紫音は、その笑みを不思議に思ったが
その書類を確認していく紫音
その内の1枚の資料のコピーを見て、目を丸くする
そして緯度経度の楽しいそうな顔の意味を納得したのだ
そこには、事前の書類審査の時点で
紫音と鈴の名前の上に【特別入学枠、合格】の判子が押されていたのだ
2人はまだ、試験さえ受けていない
つい先日、中等部入学、入試用の手続きの書類を送ったばかりである
そう、それほどに【三千風蘭】の名前の力はすごかったのだ
そして、その書類を、何処から持ってきたか定かではないが
緯度経度も、紫音との数年の付き合いで
その手腕は、恐ろしいものとなっていた
そして、それを知った紫音は、苦労もなく入試に合格するが
入試で申し訳ない程度に回答したテストが、高得点とれるわけでもなし
紫音の教室は、鉄雄と同じJクラスとなる
鉄雄も鉄雄で、昨年の頭のおかしい生徒と同じく
自分からJクラスとなった変人である
そして、登校初日の入学式も終わり
次の日から、本格的な授業が開始された
Jクラス、担任はいる物の、彼が、何をするわけでもない
そう、中等部、クラス初顔合わせだからと言って
和気合い合いと、自己紹介するというクラスでは無いのだ
担任は目視と、数合わせで、出席を勝手に摂ると
何も言わずに、教室を出て行く
昨年の出来事から、授業をする先生は増えたものの
授業の3割は、教師のボイコットから自習なのだ
そんな事を、気にする紫音や鉄雄ではない
紫音が学校に来る目的は、大量の知識が収められてるアーカイブ
要は図書館と、学園の所有する、巨大サーバーに蓄積された情報に有るのだ
それ見るとき以外は寝て過ごすだけである
そう、授業初日、その1時限目から紫音は枕持参で、机に身体を預け眠りにつく
紫音の席は入口と反対側、窓のそば前後で言えば真ん中辺りである
そして、その前の席に陣取ったのは鉄雄であった
鉄雄も、自身の机から、大きな辞典を取り出し机上に広げた
きっと誰も興味を持たないであろう、その古き本の名は
【世界の樹木、そして、失われた木々】
その趣味全開の本を読みふける
鉄雄の近くには、小等部から仲のいい鉄雄の友人が陣取っていた
また、このクラスは例年と違い、テスト順位ではなく
学校側が、扱いに困まるような生徒であったり
手の付けられない変わり者が多く居たのだ
そんな、生徒達も、多少音が出る様な事をしていても
基本は静かであったが
やはり、騒ぎ立てる生徒も居たのだ
彼等は8人ほどで、最近流行りの、携帯ゲームをしていた
教室の後ろ、出入り口に近い場所を陣取り
自習とはいえ、授業中に大きな声で騒ぎ立てていたのだった
いつしか昼休みとなり
寝ていた紫音に鉄雄が声を掛けた
「おぃ、起きろ紫音、昼なったぞ、飯どうするよ?
俺は今日は弁当なしなんだよ
購買でパン買うか、それとも食堂まで行って食べるか?
まぁ、どっちにしろ、アホほど人がいるけどな」
「ふぁぁぁあああ・・・・・
ん?昼飯?・・・・・確か弁当を持たされた気がするが・・・」
そう言いながら、紫音はカバンを探ると
どうやって入っていたか不明なほどの大きい弁当箱が出てきたのだ
それを机の上にだすと、包んであった布に、メーッセージカードらしき物が付いていた
「でかくね?・・・紫音それ一人で食べるのか?」
「いや、鈴が作ってくれたんだが、鉄や、友達と食べてくれってさ」
そういい、メーッセージカードを鉄雄に見せた
「おぉ、鈴の手作り弁当か、そりゃ美味そうだ
だから、今日、母さんが、わざとらしく
「中等部から弁当いるのをすっかり忘れたの、ごめんね」
とか言っていたのか」
「はは、鈴の奴の計画的犯行か、それにしても
授業初日だというのに鈴の奴、奮発したな」
3段重ねの弁当を並べて見ると、色とりどりの食材が並び
見た目でも楽しませてくれる、色彩豊かな、お弁当であり
その匂いに惹かれた、鉄雄の友人達が集まり出したのだ
そして、鉄雄は初めてクラスメイトの友人達に紫音を紹介したのだ
「紹介するわ、コイツは【紫音】
そして、この弁当は俺達が全部食っていいらしいぞ」
「いただき・・・
「おお、ありがてえ、いただくは」
「いただきまーす」
「おぃ、ちょっとまて、その唐揚げは、俺が先に目をつけたんだぞ」
「うっせぇ、早い者勝ちだろうがよ」
「なになの、何かくれるなの?」
「うめぇぇーーーーーーーーーーーー」
「ちょ、ナニコレ、美味しすぎない?」
「この、ミニハンバーグのデミグラス、有り得ないうまさなんだけど」
「肉ばっか食ってんじゃねぇよ、俺にもよこせ」
「ヤバ!マジヤバ!超ヤバイヤバイヤバイ、MYだって」
・・・ました、うま!」
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