アンタッチャブル・ツインズ ~転生したら双子の妹に魔力もってかれた~

歩楽 (ホラ)

文字の大きさ
上 下
71 / 180
覚醒編

3話 無駄知識

しおりを挟む
 



 車の中で紫音は叫ぶ

「なんで、食べ物ばっかりなんだよ、筍って、どうせなら肉がいい肉・肉・肉」

蘭が飲んだ言葉を、紫音が代弁するが
鈴にしてみれば何時もの事

鈴「紫音には、ハンバーグ作るからいいでしょ」

紫「オッケー」

蘭「鈴には、私が何か考えるよ、で、紫音は何が欲しいんだ?」

待ってましたと

紫「マンガ、アニメ、ゲーム、オモチャに」

蘭「まて、全部却下だ」

紫「えーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」

鈴「きゃっか きゃっか 」

蘭「マンガや、アニメを見るなとは言わんが、それは小遣いで買え」

 ため息がでそうな、蘭
我が子供ながら、オタク真っしぐらである
いや、ある意味9歳の男の子なのだ、これが普通なのだろう・・・
いや、オタクくらいなら良かったと思い
気になっていた事を聞く

蘭「そうだ紫音さっきノート(PC)で何してたんだ?」

紫「ん?蘭さん、トイレの花子さんって知ってる?」

蘭「あぁ、未だにその手の怪談はあるんだな」

紫「でね、なんで男子トイレには居ないのだろうかと思って」

蘭「なんでだろうね」

紫「もし居たら、トイレの太郎くん?、それって幽霊でしょ
 その太郎くんを見つけるために
 4次元から6次元にかけての、魂の質量と重さ記憶との関係
 それにおける3次元への、又は3次元からの干渉、存在を確定できる
 方法について、魔法式を構築しているところ」

蘭「・・・・・・・・・」

蘭は口を開けたまま言葉がでなかったが
話の意味が理解できなかった鈴が問う

鈴「なにそれ?」

紫「簡単に言うと、幽霊を見つけようって話かな」

蘭「紫音それは、実証できるのか?」

紫「どうだろう?多分無理、幽霊居ないもん」

蘭「アホか、お前は・・・」

 あきれてしまう蘭
でも蘭のしている幾つかの研究の中にも
紫音と同じく雲を掴むような課題はあるのだから
蛙の子は蛙か、と、あきらめはするが
9歳の子供がする事柄ではないと頭を悩ませた

紫「うんとね、医学会では有名な話なんだけど、人間の魂って重さがあって
 その重さが『21グラム』と言われているの、これは平均値ではなく
 その実験をした最初の人間の魂の重さなんだけどね
 だけど重さがあるってことは、そこに何らかの質量が存在するってことでしょ
 そして、古くから魂の行き着く場所は、霊界、幽界
 これは、この3次元の上の次元、4から6次元と言われているの
 今まではそこに干渉する方法が無かったんだけど
 よく考えれば召喚魔法は、次元や世界に干渉できるんだから
 その魔法を解析分析して、理論が把握できれば、幽霊関係なしに
 4次元以上の世界に干渉できるはずなんだよね」

さらっと話す紫音
おどろく蘭はつい

蘭「召喚魔法の分析だと?」

紫音は目をつぶり、右手の人差し指で宙をかき回しながら、考え込むように話す

紫「うん、大体の仕組みは分かったから
 後は、その力を、どうやって4次元に向けるかと
 魔法の維持方法を考えてるとこ
 瞬間仕様魔力が、大きすぎて維持固定が出来ないんだよね」

蘭「な・・・・・・」
鈴「ん?」

蘭の詰まった言葉に、話の内容が一切理解できていない鈴が、首を傾げ反応する

数千年前から存在する、召喚魔法
その多くの仕様目的は悪魔の召喚に仕様されていたものであったが
その魔法陣は、数千年の間に幾重にも別れ上書きされ原型を知る者はすでに存在しない
原型が分からない魔法陣を理解できるものは居ない
今現代で使われている、科学魔法での召喚魔法は
その最終形態、国から使用許可が下りた数種の魔法陣である

そんな召喚魔法の仕組みを理解したなど前代未聞の事である
紫音の言っている事は事実では無いのだろう
そもそも魔法理論など9歳の頭で理解できる事柄でもない
だが、その理論が本当に合っていたとしたら
世界を揺るがす大事件でもある
その重大さを科学魔法学者の蘭は認識している
そして、その目的が、トイレの太郎君などとわ・・・・・

蘭「紫音、他でその話したらダメだからね」

そして、紫音に釘を打つ

紫「うん、どうせ前の音波視覚化サイドモニターの時と一緒で
 誰も信じないし理解できないから」

蘭「あぁ、あれか、、結局できたのか?」

紫「あれはダメ、失敗した」

 笑いながら蘭の問に答える紫音
その言葉に、少し安堵する蘭

 やっぱり、所詮9歳の考えること、マンガやアニメの読みすぎだ
たかが、オタクや、中二病の考える事、ファンタジーだな
魔法理論など理解できるはずが無い・・・と納得する蘭であった

 紫音は頭を掻きながら
前のシートに座っている2人に聞こえない様な小さな声で

紫「視覚共有の為、眼鏡式のモニターにしたのが間違いだったんだよな
 聴覚を視覚化したら、あれほど気持ち悪いもんだったとは
 そもそも眼球に三半規管が無いんだよ、20秒あの映像で見ただけで
 船酔いみたいになって気持ち悪くて吐いたんだよな
 あれは、使い道ないよなぁ・・・・・」

そう蘭の思いとは裏腹に
音波視覚化サイドモニターと呼ばれるその眼鏡式モニターは完成していた
だからこそ紫音の言った失敗とは
使い道のない、ソレは失敗以外の他にはならないと言う意味であった

鈴「やっぱり、紫音は抜けてるねー
 漫画やアニメばっかり見てるから
 オタクになるんだよ」

鈴の言葉で、3人は大笑いする

鈴「蘭さん聞いてよ、この前だって、紫音がさー・・・・・・・・・・」



 静岡に向かう車の中では、尽きる事のない会話が続いてゆく・・・。





それは、いたって普通の家族の光景であった


 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

Bグループの少年

櫻井春輝
青春
 クラスや校内で目立つグループをA(目立つ)のグループとして、目立たないグループはC(目立たない)とすれば、その中間のグループはB(普通)となる。そんなカテゴリー分けをした少年はAグループの悪友たちにふりまわされた穏やかとは言いにくい中学校生活と違い、高校生活は穏やかに過ごしたいと考え、高校ではB(普通)グループに入り、その中でも特に目立たないよう存在感を薄く生活し、平穏な一年を過ごす。この平穏を逃すものかと誓う少年だが、ある日、特A(特に目立つ)の美少女を助けたことから変化を始める。少年は地味で平穏な生活を守っていけるのか……?

手が届かないはずの高嶺の花が幼馴染の俺にだけベタベタしてきて、あと少しで我慢も限界かもしれない

みずがめ
恋愛
 宮坂葵は可愛くて気立てが良くて社長令嬢で……あと俺の幼馴染だ。  葵は学内でも屈指の人気を誇る女子。けれど彼女に告白をする男子は数える程度しかいなかった。  なぜか? 彼女が高嶺の花すぎたからである。  その美貌と肩書に誰もが気後れしてしまう。葵に告白する数少ない勇者も、ことごとく散っていった。  そんな誰もが憧れる美少女は、今日も俺と二人きりで無防備な姿をさらしていた。  幼馴染だからって、とっくに体つきは大人へと成長しているのだ。彼女がいつまでも子供気分で困っているのは俺ばかりだった。いつかはわからせなければならないだろう。  ……本当にわからせられるのは俺の方だということを、この時点ではまだわかっちゃいなかったのだ。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

貴族家三男の成り上がりライフ 生まれてすぐに人外認定された少年は異世界を満喫する

美原風香
ファンタジー
「残念ながらあなたはお亡くなりになりました」 御山聖夜はトラックに轢かれそうになった少女を助け、代わりに死んでしまう。しかし、聖夜の心の内の一言を聴いた女神から気に入られ、多くの能力を貰って異世界へ転生した。 ーけれども、彼は知らなかった。数多の神から愛された彼は生まれた時点で人外の能力を持っていたことを。表では貴族として、裏では神々の使徒として、異世界のヒエラルキーを駆け上っていく!これは生まれてすぐに人外認定された少年の最強に無双していく、そんなお話。 ✳︎不定期更新です。 21/12/17 1巻発売! 22/05/25 2巻発売! コミカライズ決定! 20/11/19 HOTランキング1位 ありがとうございます!

処理中です...