アンタッチャブル・ツインズ ~転生したら双子の妹に魔力もってかれた~

歩楽 (ホラ)

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中等部・合宿編

58話 女心(下心)

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 あくびをしながら、リルとティアを見送った紫音は

この家にある、紫音の部屋に移動する。

 この家は、ティアとミカが住んでいる家ではあるが
その2人の主人である、蓮を含む3人の隠れ家である
1年ほど前、ティアとミカがこの世界にやって来た時に
住める場所をということで
紫音の命令で、73分けの眼鏡の男が用意したものである。

 家の外装は築数十年、100年近くなる古いものだが
内装は、ここに住む人間と蓮
そして、紫音によって、好き勝手に作り替えられていた。

 そんな、自分の家でもないのだが、部屋数は多いので
紫音は勝手に自分用の部屋をつくっていた
自分の部屋と言っても、紫音のガラクタを押し込んである
ゴチャゴチャした部屋である
リルが片付けているが、それでも綺麗とは言えない部屋であった。

 その事に、ティアもミカも文句は言わない
それ以上に、シオンにと言うか
リルに多大なる恩を感じていたからであった
リルの【次元転移魔法】で、ティアとミカは、この世界に来れたのだから。

 この魔法が使えるようになった過程や
ティア・ミカは仮初の身体を使っているが
この仮初の肉体を使えるようになった過程には
紫音が、どれだけの苦労したかは、リルしか知らない
リルは自分の主人・シオンを自慢したいのだが

「そんな、どうでもいい事なんて知らねぇ
 お前も忘れてしまえ」と
言われている以上言わない
そのため、ティア・ミカの感謝はリルに向けられていた
当初のティア・ミカの2人は、リルに様を付け、シオンは呼び捨てであったが
リルの必死の頼みで、今はシオンにさん付けで、リルは呼び捨てである
それでも、外出時や人前なら、リル・ティア・ミカは
レンとシオンに対して「さん」付けで呼ぶように言われていた。


 そういった経緯から
1部屋を好き勝手に使っている紫音
ガラクタが置かれた部屋で、探し物を始める
瞬く間に、その部屋は足の踏み場の無いほどに散らかってゆく

「あぁ~~~~どこに置いたかな?」

そして、また横にあった箱を引っくり返す
そして紫音の背後から、紫音の独り言に返事をする人物

「何をお探しですが?
 シオン様」
 
その問に振り向きもせず

紫「あぁ、昔つくった、武器の試作品をだな」

リ「それは、全部私が別空間に保管していますと、いったはずですが」

紫「そうだったか・・・・・な?」

紫音は立ち上がり、腰に手を当て、1回息を大きく吐き振り向く

紫「おかえり」

リ「ただいま帰りました」

 先ほど異世界に行った、リルがメイド服・人間型で立っていた
異世界に行って時間にして、約5分ほどで帰ってきたのだ

紫「細かい話は、マンションに帰ってからでな」

リ「わかりました、もう少し所用がありますので、すこしまっててください」

 かるく、「わかった」と返事をして
散らかった部屋をそのままにして、リビングにもどる
ティアも戻ってきていて、レンとティア・リルが、話していたが無視して
定位置のソファーに座る、ミカは未だ、アニメを見ていた

リルは、忙しそうに、用事をすませ紫音の元に戻り
蓮達3人に挨拶をし、マンションに転移していった。

 ちなみに紫音が散らかした部屋は、ミーティアが片づける事になる。


 そこは、静岡にある、マンションの一室
リルが暮らしているマンションである。

 そうとは言っても、リルの部屋は2LDKの1部屋だけである
あとの1部屋とリビングは、シオンの私物で埋められていた
そうと言うのも、このマンションで洋服作りや、武器作りをしているのだ
趣味な物も多いが、基本、洋服の布や、武器の素材が部屋に押し込まれている。

 リビングは作業台にミシンが置いてあったり
自作高性能PCが2台、各PCにモニター2台、計4台
あと楽器、キーボードや、エレキギターも置かれていた

そんなリビングに転移してきた2人

 紫音は何時もの用に作業台の自分の椅子にすわると
戦闘で折れた木刀と、桜に壊された、グローブを並べ
うめき声と共に、頭を悩ませる。

そんな紫音に

リ「部屋に居ますので、用事があればお呼び下さい」

紫「ほい」

 リルは自分の部屋に向かい部屋に入ると、ドアを閉める。

 リルの部屋に有るのは
大きなダブルベット、その脇に数体のぬいぐるみ
それ以外は、大量の衣服である
もちろんそのほとんどがシオンが作ったものだ

 リルは別空間にしまっていた
クマのぬいぐるみだろう物を取り出す
30cmほどのその物体は包帯でぐるぐる巻きにされており
よく観察しないと、それがクマのぬいぐるみだとは気づかないだろう。

 軽くホコリを落とすように右手で、ポンポンと払うと
リルは、にっこりと何かを思い出すように微笑み
ぬいぐるみの頭を撫でた
リルと紫音が出会った頃に
紫音から貰った初めての物が
くまのぬいぐるみであった
今はボロボロになってはいるが、それはリルの宝物であり
自身で大切に保管している。

 今手に持っている、くまのぬいぐるみは
昔のぬいぐるみと似たものを
紫音に頼んで作ってもらったものである
包帯を巻いているのは
出会った頃の自分の姿を模したものであった

そして、ベットの枕の横にそっと並べる

何かを納得したように、リルは首を縦に2回振ると
くるっと反転しクローゼットに向かう
メイド服から、部屋着に着替えるためである。

 クローゼットと、洋服箪笥の前でしばし考えるリル

シオンと交わした約束が今日行われる

それは、多分夕方か夜であろうと

「シオン様を誘惑する為には・・・
 すこし胸元の空いたセクシーな洋服にしましょうか?」

 リルの想像では
胸元と背中が空いたロングドレスで
シオン様を誘惑する自分の姿がある
座っているシオンに近づき
右手の人差し指で、シオン様の顎を下から持ち上げ
その視線を胸元に持っていき、照れるシオン様をの頭を掴み
一気に豊満な胸にシオン様の顔をうずめる・・・・・・・

リルの口元が緩み、すっと自分の胸元をみる
多少の膨らみはあるものの、ティアや、ミカに比べると・・・
いや、比べるだけ無駄であるだろう
現実に戻され涙しそうになるが、がまんである

「いや!胸はしょ、しょ、将来に期待しましょう
 なら自慢の美脚を見せる服装に・・・・
 いや、その前に下着を、清楚な白か?
 ここは思い切って、きわどい系で」

 紫音は服は作るが、下着等は作らないので、リルは自分で買っているのだ

ベットの上に、いっきに、下着を並べていると、その手が止まる

ある1枚のパンティーに驚愕し目を見開く

「そうでした!
 とうとうこの勝負パンツを履くときが、来たのですね」

 両手で持ち上げたその、パンティーは、薄紫スケスケのヒモパン

何時か来る勝負の日の為に買っておいたパンツである

そしてまた、リルの口元が緩み、こんどはヨダレが・・

本で読んだことが有りますね

男性は女性のパンツを脱がすことでより興奮すると

 「あぁ、シオン様の長い綺麗な指で少しずつ紐解かれる悠久の時
 そして、紐と共に解かれる、私の心と身体、うふふふふふっふうふ」

 そして、シオン様の両手の綺麗な指が布一枚羽織っていいない私の身体を

腰から上に滑るようにつたっていく

 「あっ・・・あぁ~~   あっ」

リルは身体をくねらせ、ピクピクと何かに反応するように、身体を震わせる

そして、身体を駆け上がったシオン様の掌が私の胸を鷲掴みする・・・

鷲掴み・・・

そして又現実にもどされる

「くそ!
 これもそれも、あのモブが・・・・」

そう、それは、モブ呼ばれるダークエルフ、フォーの事である
モデル体型でありながら、はち切れんばかりの大きな胸であった
あの胸を思い出すだけで、怒りが込み上げてくる、リルである
胸の無いリルにとって、理想の美しい胸であったがため
一目見た時から、羨ましくて堪らなかったのであった
そんな胸がシオンの側に使えることを嫌がっての、今までの態度である

「次、(あちらの世界に)帰ったときに、嫌がらせしてやる
 まぁパンティーはこの勝負下着で決まりですね
 後は服装ですが、どうしましょうか」

 ベットの上を片付け、こんどは何着かの服をベットに並べる

「まずは、足を見せるため、ミニスカートかショートパンツでしょうね
 もしミニスカートで下着がみえますと、バレますね
 中身をしってしまった後のプレゼントは、悲しいものです
 なら、ここはショートパンツ一択でしょう」

 すでに、部屋で勝負下着一着で考え込んでいたリルは
白のショートパンツを手に取りそのまま履く

 「上はどうしましょう、出かける訳ではないので
 キメすぎると、バカみたいですし
 まだ5月始め
 春らしくすこし明るい感じで・・・」

 そして、2着の服を手元にとり
全身鏡の前で身体に服を当て考え込む
そして、2サイズほど大きめの薄い緑色のシャツに決めた


最終的には、いつもと、あまり変わり無い部屋着の服装である
部屋着であるがため、この上下は市販のものである。

白色のショートパンツで、太腿まで生足をだし
丈の長い薄い緑色の厚手のシャツをきる
首元のUネックは大きくリルの片方の肩まで出ていた
そでは掌が隠れるくらいの長さで
丈の長さは、リルが立つと丁度ショートパンツがシャツで隠れる長さである
前から見るとまるで履いてないかのようでもある。


 最後に全身鏡で
服装と髪型をチェックすると
紫音の待つリビングにもどる

準備万端のリルは
何も無かったのごとく言葉をかける

「シオン様、御用はありますか?」

そんなリルの服装にすら、目も呉れず、作業台に向かったまま


「あぁ、じゃぁ、コーヒー熱いの」


女心など、1つも理解してない言葉が返ってくるのだった。


 
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