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中等部・合宿編
53話 それまでの そして それからの 九重静香
しおりを挟む人気のない山道、外灯もさほどなく、月明かりも遮られし闇
そこを2台の車が闇を切り裂き走っていた。
さすがに目隠しで、視界は真っ暗ですね(うんうん)
メインデバイスから、子デバイスまで、取り上げられたましたね
いい判断ですが、デバイス以外は気にしてない様子(ー4点)
そして、耳を塞がないのはダメですね(ー5点)
さて、どこに連れて行かれるんでしょうか(たのしみです)
・・と、どことなく現状を楽しむ少女がいた。
十士族・九重家 長女【九重静香(ここのえしずか)】12歳
国立関東天童魔法学園に通う、小等部6年生である。
九重静香は、ある集団に拉致されたのだ
ピアノコンクールの帰りの車で黒ずくめの集団に襲われ
そこに至っても、静香は冷静に対処する
車に居たのは、護衛兼の運転手とメイド、2人だが
多勢に無勢と感じるといなや、1人で進み出て
自分から捕まったのだ。
その事に、九重静香を拉致した部隊を率いる、小宮は少し不機嫌である
暴れれると思っていたのに、すんなり事が進んだからだ
暴れても良かったが、ひ弱そうな運転手と、メイドの女性を殴ったところで
何の自慢にもならないと、あきらめたのだ。
そしてもう1人顔には出さないが不機嫌な人間がいた
腰に日本刀を差した男、高峰であった
何かあった時の保険として、小宮の舞台の護衛に付いて来たのだが
この部隊の仕事が、子供の誘拐だと、現場に来て初めて知ったのだから
一瞬この部隊を全員切り捨てるかと思って刀に手を掛けたが
自分の立場を考え思いとどまったのだ、最終的には、ユーリに頼もうと
もう1つ、この車という乗り物が気に入らないのである
普段は、ユーリの空間転移で移動してるので気にしないが
車に乗るに帽子を脱がなければ入れない事に!
お気に入りのテンガロンハットは
被って車に乗るには大きすぎたのだった。
小宮は、気にもしていなかったが、小宮の部下たちは
12歳にして、拉致してきた悪人とも思える人間を前に
自分から進み出て捕まった少女に
少し不気味に思っていたが、誰も口にはださなかった。
小宮達の車は、12歳の少女を乗せ
もしもの為、追跡を巻くように道を選び
予定通り時間を掛け、とある港の倉庫にたどり着く。
静香は目隠しをしたまま
女性の声に従い、階段を上がり、何処かの部屋に通された。
靴を脱いだし、足裏の感じから畳の部屋ですね(落ち着きます)
静香に付いて、世話をしてくれるのが、女性で良かったです
声の感じから、2人、20歳前後でしょうか、感謝ですね(うん10点)
手足拘束用デバイス、これは仕方ないですね(正座ができません)
世話が女性に変わったのに、ボディチェック無しですか(ー3点)
静香的には助かりましたね
スカートのベルトに、小型の集音器があるのに気づかれませんでしたし
これは、常時録音で最大で12時間は録音できますので、当分大丈夫でしょう(常備装備)
気になるのは、四条優美姉様も拉致対象と言うのは、本当でしょうか(嘘?)
そして車の中で耳も塞がず、情報を話しまくるとは
あの小宮と言う男はバカなのでしょうか?(ー10?位ですか)
隣の部屋でしょうか?そこが司令室なのでしょう、大きめな声なら聞こえますし
至って稚拙な作戦ですね(ー5点)
とりあえずは、助けが来るまで、静かに待ちましょう(楽しみです)
静香は、常に冷静に対処していた
そして、ある時を境に、騒がしくなり
となりの部屋の声から、四条優美の拉致が失敗したと聞こえたのだ
その言葉に静香は内心ほっとしていた。
そんな騒がしい中でも、体感で30分毎だろうか
彼女達が交代で色々世話をしてくれていた
「痛い所はないか?」
「喉渇いてないか?」
「怖くないか?」・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・「ごめんね・・・」
と、優しく声を掛けてくれていたが
誰かの「侵入者です」の大きな声で、部屋を出て行った。
そして静香の意識は突如襲ってきた睡魔に負け
ゆっくりと上半身を敷いてあった布団に倒すように眠りにつく事となった。
・・・・・・・・・・・・・・・
何の音もしない、微かに部屋に響く音は、小さな少女の寝息のみであった
「 」
それはまず聞こえないだろう何かの微かな音
それに反応して少女は目を覚ます、常に冷静な少女は、体勢を動かさず
耳に神経を集中させ、聞こえる全ての音を拾う
寝てた?(わからない)
何かの燃える音、匂い?(火事?)
隣の部屋、移動してる人2人、それと椅子の軋む音
それとキャスターの音かな?(人数へった?)
微かに聞こえる人の声(録音出来てますでしょうか?)
1人この部屋に近づいて来る、足音から男性(彼女達は?)
この部屋の扉の開く音・・・入ってこない?(何かの確認?)
あ・・・・・
「大丈夫か?九重の人間が助けに来たから、もうちょっと頑張れ、じゃぁな」
聞こえた、小さな声ですが、聞こえた(初めて聞く声)
扉の閉まる音、階段を駆け上がる音2人、聞き取れない違う声(内容不明)
音が・・・ゆがむ?(なに?)
隣の部屋の扉の開く音、何かを叫んだ?(聞き取り無理)
でも多分、先ほどの男性の言葉から、家の者だろう(うん)
助けに来たのは、九重家の部隊
そう頭に入れると、日頃の習慣で
すかさず上半身を起こし、布団の上で正座をしようとしたが
手足に付けられている、拘束用のデバイスで、それを邪魔される
仕方なしではあるが、少し足を崩すように座り直し
助けが、この部屋に入ってくるのを待つ
「静香様ご無事ですか?」
聞いたことのある声です(たしか込中?)
声のした方向に少し頭を振る、腰まである艶のある黒い髪がその動きに釣られて揺れた
アイマスクをした顔を向け、ゆっくりと答える
「ありがとうございます、とりあえず
このアイマスクを外してもらえますか?」(見えないことには)
「失礼します」
その声の主は、近づいてきて、アイマスクを外した
静香は瞳を光に慣らすようにゆっくりと、まぶたを上げる
その下から黒く大きな瞳が現れ、見えるもの全ての情報を得ようと
部屋の確認と手足の拘束デバイスを、視界に入るものを全て確認する
「込中さん、ありがとうございます
作戦指揮は、あの方ですか?」(ちがっていてほしい)
「はい、すでに隣の部屋におりますが」
「そうですか」(あの人は苦手です)
迷彩服を着るその男、込中の姿を見た静香は、やはり助けに来た部隊が
九重家の人間で無いことに懸念を抱く。
カチャ
左手を耳にあて、デバイスで、細かく指示を出しながら、部屋に入ってくる人物がいる
込中と同じ迷彩服を着た男、静香に、あの方と呼ばれた男である
ドア上の高さが低いのだろう、猫背の用に背中を丸め、右手でドアの端を持ち
ゆっくりとドアから上半身だけ入ってきた、その動きは例えるなら
ドロドロのスライム状の液体がヌメッと動くみたいに
見たものに、好感と真逆なものを感じさせる動きである。
身長は有に190を超えるだろう高さだが
異様にまで体の線は細く
風が吹けば飛んで行きそうで
転けたなら骨の2・3本は折れそうな見た目である。
その男は、九重静香の状態を2秒ほど確認し
また他との連絡をしながら
部屋から出て行ったその男と入れ替えに入ってきた女性がいた
数時間前まで一緒にいたメイドである
この場に置いても
フリフリのメイド服なのは言うまでもない。
あの男が何も言わず部屋を出た事に内心ほっとしたが
それ以上に、メイド姿の彼女を見た喜びは
冷静な少女の口元を緩めさした。
そのメイドは静香の姿を見るや
「お嬢様、そのままで、お待ちください!」
そう言い、手に持っていたアレを口に咥え
メイド服のポケットに両手をつっこみ何かを探し出し
そのあるアイテムを静香に向ける
「・・・エンリ、それはなんですか?」(いや、分かってはいるんですが)
「見て分からないんですか?
スマホですよ
あぁ、ケ・イ・タ・イ・デ・ン・ワ
わかりましたか?」
エンリと呼ばれたメイド
赤毛のブロンドの髪を、おさげ三つ編みにし
フリフリのメイド服を着込み、口には咥えタバコ
腰を落とし膝を開く姿勢、簡単に言うなら、うんこ座りである
そして、携帯のカメラを静香に向けていた
「それで、何をなさるつもりですか・・」(いちよ)
「やだなぁ~分かってるくせに、私のお嬢様ファイルに
【拉致られる少女、そして拘束そのさきには(R-18)】を追加するためですよ」
カシャ カシャ、移動してカシャ また カシャ
「いいですね、最高です、さすがはお嬢様!・・・・・・・・・・・・・」
ハァ ハァ ウヒヒ ウホ フッフッフッフ
「スカートめくっていいですか?」
「ダメです!」(まったくもう)
「なら、ギリギリを・・・」
・・・・・「はぁ・・・」(はぁ・・・)
それは、5分は続いただろう
それを止めたのは、込中である
静香の護衛の命令を受けたが
そのメイドの行動に動きが止まっていた込中に連絡がはいる。
「・・・そろそろ、この火事で消防車、警察が来ます、撤退お願いします」
エンリと呼ばれたメイドは
楽しみを邪魔した込中を睨みつけるが
状況が状況、時間も無いのは分かっていた。
持っていた携帯をポケットにつっこみ、タバコを取り出し
タバコの箱を揺らしタバコのフィルター部分をだす、そのまま口に咥え
逆の手で、ジッポライターで、そのタバコに火をつける
大きく息を吸い、煙をはいた
「ふぅ~~~さて、お嬢様、帰りますか
お姫様だっこにしますか?
おんぶにしますか?」
その言葉に両手にある拘束デバイスを
エンリに見せるように前にだすと
「歩けます、これを外してください」(お姫様だっこ・・・)
「そうですか、ちょっと失礼して」
そう言うと、右手で腰から何かのデバイスを取り出し
タバコを咥えたまま、ゴソゴソと魔法を使い、手足の拘束デバイスを解除する
そして、咥えてたタバコを、プッと飛ばし捨てると
静香を、お姫様だっこするのだった
「なんでよ」(え~~~~~)
「して欲しそうだったので
後、裏手で九重(うち)の部隊が待機しています
皆心配しておりますので、早く戻りましょう」
そして、捨てたタバコを、高さ10cmはあるだろう、ハイヒールで踏む
「それなら、なんで写真なんか撮ってたんですか」(恥ずかしい)
「最優先事項は、私の趣味ですから」
その言葉に、お姫様だっこのまま
静香はエンリに抱きつき、にっこり微笑み小さな声でつぶやく
「昔も今も、なんら変わりませんね」(羨ましいですね)
静香がまだ、5歳の頃、フランスで暮らしていたとき
旅行で、ある国に行った事がある、そして運が悪く同時多発テロが起きた
その死者1万人を越す大きなものであったが
その時、知り合ったのが、エンリである。
見渡せば、目の前に広がる死体の山
銃を乱射するテロリスト
そんな中、ただただ、自分の趣味に没頭する女性がいた、それがエンリである
その1日の出来事は、静香の人生を変えた、出来事であった
その後、静香は5歳にして、エンリを雇う事になる
そんな2人の出逢いは、また別の話。
「では、我が家へ帰りましょう」
静香は、エンリに抱きつき、エンリの声を聞き
エンリの心臓の音を感じ、エンリの服に染み付いたタバコの匂いを嗅ぎ
心の底から安心するのだった。
拉致られ、冷静に対処し、常に警戒していた
九重家では、こんな時の対処法すら、教え込んでいた
それでも、静香はまだ12歳の幼い少女である
静香にとって、一番安心でき、心が安らぐ場所は
父の腕の中より、母の胸の中より
エンリの側であった。
静香はエンリに、お姫様だっこされたまま、倉庫裏手に集まっていた
九重家の部隊に戻っていく、皆無事に喜び
消防車の音でその場を引き上げ、家路に着いた。
そして、もう1部隊、迷彩服を着た1団
すでに高津を拘束し、帰り支度を済ましていた
この部隊は、十士族直轄の戦闘部隊の1つである
その指揮をとっていた、極痩せの男は悩む
九重静香を拉致した集団から、静香の救出に来たのだが
来てみれば、すでに首謀者らしき人物は、椅子に縛られており
全ては終わったあとであった
事情を知っているだろう
当の本人静香は、アイマスクの上拘束されていた
詳しいことは、帰ってから諜報部に任せればいい
それより、戦闘の後はあるが、誰も居ない、死体も無いのだ
あるのは、何かの獣?だろうか、その肉片が燃えて
倉庫が火事になっている事くらいである
救急車の音と警察車両の音が近づいてくるので
これ以上の捜査はできず、帰る事になるのだが
頭を使う仕事は自分の分野ではないと、諦める
そして、一言
「帰る・・・」
九重の車、十士族直轄部隊の車の数台が、倉庫を離れ
消防車、警察車両が、倉庫に到着し、消化作業に移ろうとしたとき
何かが爆発したように、大きな轟音と共に倉庫が炎で包まれた
高級車の後部座席で横向きに座り、メイドを背もたれにして
その炎にびっくりする少女がいた
その少女に雇われた、メイドは、メイドにありながら
その主人の横で、足を組み、背もたれに肘を乗せ、タバコをふかす
運転手は、楽しそうに2人に話しかけるが
それに2人が答えることは、めったに無い
この運転手も、この少女が何処かで拾ってきた人物である。
今は、少女と運転手とメイドの3人だけである
十士族・九重家に生まれた静香にとって
本当の自分を見せれる2人であり
そんな自分を認めてくれる2人である
そんな2人に囲まれている空間は
心から安らげる数少ない空間の1つであった。
そして、その少女は、メイドの膝枕で、夢をみる
何を見ていたのかは分からないが
その顔は笑顔に満ちていた。
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