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中等部・合宿編
42話 つかの間の休息
しおりを挟むん?
紫音の笑い声が聞こえる、と
蓮は、その方向に目をやると
地面に横たわる、上半身裸の紫音の姿があった。
ああ、負けたのか、それにしても、シオンの奴嬉しそうだな
フォーと抱き合ってやがるし・・・・・・・
こちとら、メンドクサイのが、出てきたと言うのに・・・。
そう、レンは先程まで、マントヒヒに似た魔物と戦っていた
すでに1匹は倒し、のこり2匹であったが、それ以上に・・・。
今、魔物とレンの間の少し上の空間が歪み
一人の、カーボーイ姿の女性が現れた。
姿を現した女性は、レンと視線を合わすと
それを合図かの用に、意思加速を使い念話でレンに話しかける。
姿を現した女性は
そのまま、ゆっくりと地面まで降りてきて
かぶっていた、大きなテンガロハットを右手で取り
胸にあてて丁寧に深くお辞儀をし
そして姿勢を正し帽子をかぶり直した。
これは、そんな数秒に・・・・・・・・
ユーリは2階から1階を確認したときに、確信した。
魔物と戦っているのが、レイ様ね
姿は以前と変わってはいるけど
うん、漂う雰囲気は以前のまま
いや、以前より洗礼されている? かも?
でも、オーラ?魔力値は低い
ミカが言ってた通り、やっぱ転生組なんだね
それに
高峰と戦っている人間は、覚えがないけど・・・
高峰に手も足もでないとなると
ただの人間かな? うん、ほっとこう。
それより
まだ全力は出してないだろうけど、ミカの力は予想できたし
後は、転生したレイ様の力を・・
いや・・転生組なら、肉体限界があるし
瞬間魔力出力だけなら、私の方が上だろう
なら、今確認しないといけないのは
以前のレイ様の力や
そのスキルが、転生した今の肉体で使えるかどうかか・・
または、どこまで使えるかどうか・・・。
そして、ユーリは、とりあえずはと
300倍近い意思加速で念話で話しかけたのだ
それに、即座に反応し会話を始める、蓮
事実、現状のフォーですら、300倍に達する意思加速は出来ない
いや、する必要がなかった
それは、魔術に長けた(ダーク)エルフ族でも
大半は意思加速100倍程度であり
200倍に達した、エルフは歴代でも数人であった
その為、フォーは、それ以上である
300倍に達する意思加速を必要としなかった
その事から察するに
フォーの実力はすでに歴代屈指のダークエルフであることが分かる
だが、レンは、それを難無く対応する。
『レイ様お久しぶりです、ユーリです』
『おう、元気だったか?
今は、連・B・ティオーノと言う名前だ、レンでいいぞ』
『わかりました、レン様、それと・・・
久しぶりと言うのに、念話だけというのは味気ないですね
こういうのは、どうでしょう?』
そう言うと、ユーリは、念話の上位にあたる
イメージを共有する念話を開始する
今風に言うなら、脳内に仮想空間(バーチャル、スペース)を作り
そこへ自分の、アバターを作り上げ操作し
オンライン上で、会話等をするものである。
仮想空間で、対話、遊び、戦闘訓練等、色々できるため
(バーチャル・スペース・プレイ)V・S・Pとユーリは呼んでいた
それは1秒にかかる情報量が跳ね上がり
通常の10倍近い情報量になるのである
なので、約3000倍の念話ができないと
300倍のV・S・Pが使えないと言うことである。
そして、ユーリと、蓮の脳内に、同じ映像が浮かび上がる
それは、ユーリが構築した、仮想空間で
窓も出入り口もないが、オシャレなリビングである
そして、その中心に置かれた、テーブル、それを囲む用に置かれたソファーだが
その特徴とも言ってもいいだろう、全てが、ディフォルトされていたのだ
そこへ、出てきたのは
2.5等身程に、ディフォルトされた、アメリカンスタイルのユーリの姿であった
その短い手で、履いてないスカートの裾を持つ仕草をし、丁寧にお辞儀をした。
それを見て、蓮は自分のアバターを作り上げる
部屋のイメージと同じく2.5等身に、ディフォルトされた、レンの姿であった
ちなみに仮面は付けてはいない
そして、レンの分身である、アバターを少し動かしながら
『こんなもんか?』
『さすがですね、レン様、やはり、これくらいなら付いてこれますか』
『ああ、ティアやミカでも、慣れれば出来るだろう』
『そうですね、立ち話もなんですから、座りましょうか』
ユーリの話の内容は
300倍の仮想空間に付いてこれた、と言う内容であるし
冷静に答えてみせたが
内心は、転生した身でこの速度に付いて来れた事に驚いていた。
蓮の内容は、頭の硬い、ミーティアでも練習すれば
そのうち、2.5等身のアバターを作る事が出来るだろうと言う内容ではある。
蓮にしてみれば、たかが、300倍の仮想空間出来て当たり前なのである
そして、すれ違いのまま話は続く
2.5等身の、頭のデカイ、ユーリと、蓮のアバターは、ちょこちょこと歩き
ディフォルトされた、ソファーにすわる。
『イメージ共有か、仮想戦闘とかで使った事はあったが
こう言う、ディフォルトは初めてだな、なかなか面白いな』
『それは良かったです
それと、先ほどの、ミカの事なんですが?』
『ああ、あれは自業自得だ!ミカが悪い』
先程やっていた、ユーリとミカの戦闘の事なのだろう
ミカも笑ってたし事実調子にのったミカが悪いのだからと、笑いながら答える
それを確認した、ユーリは、本題にはいる
『それと現在、敵同士と言う構図ですが?どうしましょう?』
『そのままでいいぞ、手抜き無しで』
『いんですか?
レン様は、転生組の様な気がしますが?』
『転生組?・・・・そうか、やはり、【ギャルコレル】も転生してきてるのか!』
ギャルコレル、それは、あの世界での、レンの友人であり
ユーリは、ギャルコレルの部下であり友である。
レンは、ユーリの姿をみて
あちらの世界の姿とあまり変わらないと感じていた
なら、それは召喚されこの世界に来たことを示している。
そして召喚した人物は
召喚術を使える人物、ギャルコレルであろうと
その通り名は 【サモンマスター・ギャルコレル】
そう召喚術師である。
そして、フォー話から
この組織は召喚術を使い、フォーを召喚したと
なら、ギャルコレルと、この組織は、何らかの繋がりがあるのだろう
なら、ギャルコレルはどうやって、この世界にきた?
それは、俺(レン)や、シオンの用に
【奴等】に殺され、奴らにこの世界に飛ばされた確率があがる。
そして、シオンの予想では
あれに殺され、奴らに飛ばされたなら
あちらの世界で4263年以降であり
転生したなら、姿は以前の者ではないと
俺(レン)が、飛ばされたのは。4272年である。
ギャルコレルとは友人だが
長い年月を生きていた俺達は、10年間合わない事は普通でもある
なので、ギャルコレルが殺された事に気がつかなくても
仕方のないことであったとも思っていた。
そして、ユーリの転生【組】という言葉で
レンの頭の中に、転生してきた人物
そしてユーリの用に召喚された人物が、2人以上居る事を裏付けた
それを、今、ユーリの転生組と言う言葉で全てが繋がることになる
そして、レンの「ギャルコレルも転生してきてるのか」の言葉に
ユーリは、してはいけない、失言をしたことに気づく。
その失言で、この世界の
ギャルコレルの存在、それも転生してきた事がばれたのだ
召喚組は、召喚される前の、能力のまま、この世界に来る
それでも世界の違いで、多少の世界制限等は付く
転生組は、この世界の人間として転生するため
能力や肉体の、制限や限界ができてしまう
それは、ギャルコレルが以前より
弱体化してる事に他ならない事が、レンに知られたのだ
『・・・・・・・・失言でした・・・』
『いや、そっちの組織が召喚魔法を使えるのがわかった時点で
ギャルコレルが、この世界に居るだろう事は、ある程度の予想はできてる』
その言葉に、多少は安堵するユーリ、そして腹をくくり、難しい顔をして
『では、隠しても意味はないですね
レン様の想像通り、ギャルコレルも転生してます
なので今は名前が違いますが
それは許可なく言えません・・・。
本人がギャルコレルと言う名前で呼ばれるのが嫌らしく
今は、ファーストネームの、ワーウィックと呼んでください
後レイ様が、同じ世界に居ることを報告をしないといけませんし
今一番の問題は敵対する組織に、レン様がいるいう事ですね
この世界の人間相手なら、どうにでもなりますが
同郷の人物と敵対となりますと色々と大変そうですしね』
たしか【ギャルコレル・B・ワーウィック】
魔術に携わる者であるから
真名では、ないだろうが、あの世界での名前だったか・・・
あの世界では、ギャル=女、と言う概念が無いため、気にしなかったが
この世界で、ギャルコって・・・・・・
蓮は、軽く鼻で笑う
『ギャルコレル・・・
くく、ギャル子ってか?
サイズ教えろよ、スカート送ってやるぞ』
『やめてください
色んな意味で、町一つ吹き飛びますよ』
ギャルコレル、前の世界では白い髭を蓄えた
見た目100歳を超えるジジィである
それを、ギャルと呼び、スカート送ると言う
蓮の冗談とも言える、イヤガラセを理解したのか
ユーリは、右手と頭を左右に振りながら答えた
そんな姿を見て、奴ならやりかねないと、もう一度軽く鼻で笑い話を戻す
『ああ後、組織とか、まったく関係ないからな』
『え?関係ないの?』
ユーリは「組織とか関係ない」と聞き
2.5等身の体を、ソファーから立ち上がり声を発した
ユーリは今、高津達の組織[レッドストーン]に、手を貸している
そして今日、その組織レッドストーンは
十士族の四条家の娘、優美を拉致しようとした、それは失敗したが
九重家の娘、静香の拉致は成功していた
すでにその十士族に、情報は伝わっていると考えていた。
侵入者のロングコート姿、そして速見からの連絡で
倉庫への侵入者は、四条家縁の者
または十士族の関係者だと考えていたのだ
それを、関係ないと言ったのだ
なら何故? ここに来たのだと思考を巡らすが
それは、次の、レンの言葉で納得する。
『お前達が、襲った学生の中に、この世界での俺の妹がいてな
無事だったが、腹が立ったんで潰しにきた』
『妹・・・それは、あぁ、、、申し訳ありません
作戦開始まで、詳しい内容が、わかんなかったもので
私と高峰、そこで、レン様のお仲間と・・・・
し、、、死んでははいないですよね?』
立ち上がっていたユーリは、レンに対して、深々と謝罪した
自分達の立場を、レンに説明しようとして
高峰が居る方向に意識を移すが
そこには、高峰に切り刻まれ死体の用に横たわる
ひょっとこ仮面の男の姿があった
『ハハ、大丈夫、あの変態は、殺されても笑って許してくれるさ』
『そ・・・そうなんですか?』
『ああ、なんなら本人に聞いてみな、居るんだろ?』
『え?・・・・・・・・』
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