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中等部・合宿編
21話 フォー・フレイア
しおりを挟む俺は、この女が
これから広がる、楽しい未来に喜びで打ち震えていると思っていたら・・・
「な・な・なにをする
おかしな真似をしてみなはれ
ここら一帯を吹き飛ばすぞえ!」
とりあえず椅子に座った女性は恥ずかしいらしい
前かがみになって膝を抱え、ツンデレを披露している!
そんな姿を見て、肩に掛けていた、タオルを渡し
「恥ずかしいなら
とりあえずそれで隠しとけ
それと、頭、髪を洗うから背筋をのばせ
そんなに背中を曲げてると猫背になるぞ!」
黒い女は、受け取った、タオルを縦に持ち
両手で胸と大事な所を隠すと
「頭くらい自分で洗えるでありんす!」
強気だが、俺は楽しそうに女の姿を
横から覗き込むように
「そうか?両手塞がってて頭あらえるのかなぁぁ?」
笑いながらきいてみた
「お主が出て行けば、洗える」
「そう言うなよ
俺、髪洗うの得意だからさ、ほれ、目つむっとけ」
「変なことしなさんなよ!」
湯船に、お湯を貯めながら
シャワーを手に取り、女の髪を濡らしていく。
シャワーで髪全体に湯を染みこませる
俺のシャンプーは男用だし、ここは鈴の使うかと
鈴のシャンプーを女性の頭に掛け泡立てていく。
「泡が、泡が!」
「目に入るぞ、瞑っとけ、あと喋ると口にもはいるぞ」
髪の毛を洗っていると汚れも落ちてきた
でも、髪の油分が流れ落ちるが
長い髪は絡みついたまま
それを解す為、コンデショナーをたっぷりと纏わりつかせ
ゆっくりと髪の毛を解していく・・・
指に絡まる髪の毛が、なめらかになって来た
黒い女の、ストレートの黒い髪は肩甲骨まであったが
びっくりしたのは、この女性の耳である
「もしかして、お前ダークエルフか?」
「いまさがぼがばgばあgブブブブ」
「わるい、今しゃべるな、口に入る」
「さっき、シャンプーってのしたから
今は、コンディショナーをしてる
あと、トリートメントもするからな
もうちょっと我慢しろ」
そう言って、頭のマッサージ込みで
コンディショナー・トリートメントとやっていく
よほど、マッサージが気持ちよかったのか
黒い女は、徐々に緊張もとれ
上半身が軽くリズムを取るように揺れている
それに合わすかのように、マッサージを続けていく・・・。
まぁ、きもちいいのは当たり前である
俺の、生まれ持ったスキル波 (なみ)と呼ばれる振動の事である
戦闘で使用した、木刀と桜のナックルは
この波を利用して超振動を作ったに過ぎない
頭を洗いながら、右手で、10Hzの弱い電波を流し、緊張を解く
この世界に来て知ったことだが
これは『a波』と言って、リラクゼーション効果があるのだ
続ける事により脳内で、エンドルフィンが作られていくのである
そして左手で1秒に1回体感できないほどの弱い刺激を脳に与える
これにより脳は刺激を受けて、ドーパミンが分泌される
声にもスキルを載せている、発音に揺らぎをつくる
これにより耳からもリラックス効果を与えることもできるのだ
この両手と声の効果により
ある種の麻薬効果と催眠効果を自力で作り出していく!
こうなれば後は俺様の意のままだ
あの世界では、この技を使って、ハーレムを築いたこともある
今では、この世界の科学文明で勉強し
前の数倍は確実に使いこなしている
それでも、こっちの世界では試す機会は少なかったが
そう、自信満々に自慢するが!
効果抜群だ!!
トリートメントも終え最後に
シャワーで髪を洗い整え軽く水気を切ると
艶のある黒い髪があらわれる
ポンポンと軽く頭を触る
「目開けていいぞ」
「ん・・・」
マッサージが気持ち良かったのか
ドーパミン効果か、微妙に色っぽい声でこたえる
「左腕洗うから出して」
「え?あ・・・・・うん・・・・」
照れながら俺の指示に従う女性
多少、頭の中がお花畑状態だから
まるで催眠術にかかったのか
麻薬で壊れたかのように・・・
って、ご・・・合法麻薬だから!!!
って言い訳ついでに
俺様の言う事を聞く、黒い女!
さすが俺!!
鈴のボディーシャンプー(ローズオイル配合)を
スポンジに取り泡立て腕を洗い始める
「んで、お前、ダークエルフか?」
「我は純血種のダークエルフでありんす
それより、お前お前うるさい」
「おぅ、そうそう
俺は三千風紫音 (みちかぜしおん)
紫音でいいぜ、お前は?
名前知らなきゃ呼べないな」
「お、お主は、正気かへ?
最高位の魔術師に真名を教えるなんて
呪い殺されても文句いえぬ事ぞ」
「はぁ? お前はしないんだろ
それに、この世界では、当たり前の事だしな
べつに名無しでもいいぜ
それなら「黒女 (くろおんな)」って呼ぶし。」
ビックリして、首だけ振り向いた黒女に
ニヤニヤしながら答える。
「我は・・・・
ク・・【クァトゥオル・ペタルム・フレイア】・・・
フレイア様と呼びいなはれ」
女性は、名乗った瞬間
洗う左手から伝わる心臓の鼓動が跳ね上がる
「それは真名か?」
「わるいかえ?
お主は、我の命を助けてくれたでありんす・・・
それくらいの礼儀はありんすよ」
高位の魔術師が真名を告げる事は
命を差し出すと同じ意味
その事に心臓の鼓動は跳ね上がったままである
「そうか、クァトゥオル・・古代ラテンで4か、ペタルムは花びらか?
4つの花びら? 四葉のクローバー? 幸運? フォーチュン?
由来はどこになる?・・・・
それに、フレイアは神名か、ならフレイアはそのままでいいか
うん今日から【フォー・フレイア】と名乗れ、いいか?」
「え?フォー?」
「おぅ、クァトゥオルって言葉は、こっちでは
数字の【4 (よん)】とか【Four (フォー)】とか言うんだよ
だからフォー・フレイヤ
俺の【シオン】の【シ】も、元は4って言葉だしな
同じ意味を持つ名前を持つ仲間だ
後、ミドルネームも出さないほうがいいだろうしな
で、今度は右手出せ」
仲間と言う言葉に安心したのか
真名を告げても何もしない俺を信用したのか
徐々に心拍数が落ち着いてきた。
「うん・・・・同じ数字・・・仲間・・・・・」
ぶつぶつ言いなが
タオルを逆手に持ち替え、照れたように右腕をさしだす
右腕を洗いながら話をすすめる
「じゃぁ、フォー、少し聞いていいか?」
「すでに、呼び捨てでありんすか?」
「ダメか?まぁダメでも呼ぶけどな」
「それなら、しかないでありんす、フォーと呼ぶことを許すでありんす」
フォーは恥ずかしそうに、照れながら偉そうに答える
そんなフォーにイタズラ心で
お尻の方から、背骨にそって肩甲骨あたりまで
人差し指を軽く肌に当たるように動かしていく
「あぁ~あぁ~ん」
体を少し仰け反りながら、身体全体を軽く震わせ色っぽい声がこぼれ落ちる
我に帰ったフォーが、左手で顔を抑え
「なにしやさんす、やめなはれ」
「ハッハッハ、その喋りはどこで覚えたんだ?」
「我の世界で伝わってる異世界語であるが?
大昔、召喚とかで、呼び出された御仁が使っていた言葉とかで
書物にあったのを、伝え覚えていただけでありんすが?
おかしいのかえ?」
「おかしいと言うか?色んな言葉がまざってんだよな?」
「書物といっても数十冊ありやんすからの~
我には、何がおかしいかわからんのじゃ」
「かまわんよ、話事態は通じてるし
その方がおもしれぇ!
背中洗うぞ」
「なんじゃ、それは!?」
「きにしなさんな、盟約はどうなった?」
「それは、よくわからんのじゃ
この世界に召喚された時
何か装備品付けられたのじゃが
あの小さき妖精が
それを全部はずしてな、もう大丈夫と言って
ここに湯浴びといって
連れてこられたでありんす」
「そうか、それなら大丈夫なんだろうよ
あの小さいのは、リルって言う
まぁ後で自己紹介するわ
それに、これからの事で
他にも合わせたい人間が何人かいるしな」
そう言ってフォーの背中を洗う
伝わる心音は平常に戻ったといえど
さすがに普段より心拍は高いだろう
俺のスキルでリラックスしているといっても仕方ない
だって
お風呂で、裸でふたりっきり!!だも~~~~ん。
あっと、そういえば
リルも始めて会った時は、あそこから拐ってきて
汚なかったから風呂で洗ってやったなと
昔の事を思い出しながら、背中の泡を洗い流す
「よし、こっち向け」
そういって、フォー身体を座っている椅子の上でクルリと回し
フォーの体をこちらに向ける
「○■▼◇∀∈--------」
聞き取れない叫びが風呂場にエコーが掛かって響く
「うるせえ!」
そう言って、フォーの頭を軽く押さえる
「お主は、な・・何を、す・・・するきなんじゃ」
「何をされたい?」
ニコリと微笑みながら言うと
タオルと両手で胸と大事な所を隠しながら
フォーは瞳を左右に泳がせながら言葉に詰まる
そんなフォーを楽しみながら、両手を掴み上に持ち上げと
手から離れたタオルが、太ももの下に落ち
フォーの豊満な胸が、あらわに!
「――――――――――――」
頭を左右に振り声にならない声を出す
でかい!! それが俺の心境!
いや、やわらかそう! だったかもしれないが
要約すれば【いいオッパイ】だ!!
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