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中等部・合宿編
19話 謎かんな玉 原価500円
しおりを挟む桜達は、江田先生達が歌っている場所につく
桜「えだっちいぃ~~私もぉ~うたいたいぃぃ~~」
江「おぅきたか、就寝時間まであんまりじかんないぞーー」
桜「倍速で歌うぅぅぅ~~~」
江「違うだろ!」
「「「クスクスクス・・・・」」」
集まった生徒たちから、笑い声がこぼれる
すでに1・2年合わせて20人ほど集まっており
すでに盛り上がっていた。
桜と江田先生は
広場の階段の上に陣取っている、といっても
広場より40cmほど、高いだけだが
広場に数十人集まっても、歌っている姿が全員が見えるのだ
そんな桜と江田先生が、何を歌うか決めていると
ゴソゴソと、かんなが二人の周りに20個程の小さなカラーボールを置いていく
夏「かんな、なにやってるの?」
か「ないしょ、後のお楽しみ」
夏目の問いに笑顔で答えるかんな
江「よっしゃ、時間すくないけど、怒られるまでいくか!!」
「「「おぉーーーー」」」
江田先生がギターを弾き始め
「盛り上がり系だー、はい、手拍子ー」
手拍子が始まり、桜の歌い始めの一声!
「ラララァァ――――――」
その瞬間、手拍子がとまる
江田先生も、かろうじてギターを弾く手を止めないでいる
桜の透き通るハイトーンボイスが、キャンプ場に響き渡る、それは女神の歌声でる
鈴・かんな・夏目は、よくカラオケに行くので知ってはいるが
しらないなら衝撃をうけるだろう歌声であった
大きな歌声ではないのに、その美声は
キャンプ場の隅から隅まで響き渡り
その声は、キャンプ場に全員の耳に響き渡る
桜が歌い始めて少したったころ
かんながデバイスのスイッチをいれると
先程転がしていた、小さなボールが、空にむかって7色の光を照らし出す
一個一個が独立して、小さく動きながら
投写機のように光の形を変えながら7色の光を照らし出した
20個の交差する光の束は
まるでオーロラを映し出す3D映像の如く、夜空に光の芸術を映し出し
見る者の心を震えさせ、感情を沸き立たせる
そして、桜はサビに入り、より一層聴く者達は盛り上がり
それに連れて、小さなボールの光も、点滅、拡散、形を変え、桜の歌を盛り上げてゆく
1曲目の後半になる頃には、優美も合流でき、かんなと夏目に話かける
優「あの光は・・・なにですか?
向こうからでも見えたんだけど?」
夏「そうそう、あの変な玉なに?魔法?」
夏目も思い出したように、かんなに問いただすが
ふっふっふ!と 胸を張り自慢げに、かんなは答える
か「初披露、かんな印ライトボール、バージョン4なり」
優「魔法ですか?」
夏「この子が、まともな物を作るはずが・・・」
か「魔法でなくて、ただのLED付きボール?魔改造付きだけど」
優「ただのライト?」
か「うん、メインは百均の、カラーボールと
LED、広角レンズかな?
後ちょこっとの廃物利用の魔改造!原価で1個約500円」
優・夏「「あれが500円?」」
びっくりする優美と夏目
優美は、テレビや、音楽番組で
コレに似た光の光景を見たことはある
あれは、プロの職人が、色々な機材を使って、作り上げているものであって
かんな玉20個でできるはずがないと、謎かんな玉を、凝視する。
夏目は、かんなが、この手の発明が得意なのはしっているが
1個500円20個で1万円?
性能と値段がおかしすぎると、細い目をさらに細くしていく・・。
それほどまでに
音楽と一体化した光が織りなす映像とも言える光の芸術は、すばらしかったのだ
いったい、どんな魔改造が行われたか
それをどうやって操作しているかは、全くの謎である。
そんな、謎かんな玉の話をしている3人をよそに
盛り上がってた1曲目が終わると
盛大な拍手と、アンコールの声が沸き起こる
桜は、両手を上げ、両足で、ぴょんぴょん飛び跳ねて喜んでいる
その頃には
ほかの場所で歌を聞いた1・2年の参加生が集まりだしていて
合宿参加生徒の約70人のほぼ全員が集まっていた。
「それじゃぁ2曲目いってみよーーー」
江田先生が、ノリノリで2曲目にはいる
ノリノリの2曲目が終わって
「どんどんいくぞぉーーー3曲目ーーー」
「そこまでぇぇえーーーーーーーーーーーーーーー!」
柊朱莉が、全ての動きを止めた!
「就寝時間は、過ぎてます、全員解散、コテージにもどり就寝してください」
放心状態の生徒達に、追い打ちをかけた、朱莉だったが
生徒達は、もっと桜の歌を聴きたかったのか、ブーイングである。
そんな生徒達の態度が、朱莉の機嫌を逆撫でする
「 全 員 解 散 ! 」
鬼の形相になった朱莉が、低い声で叫ぶ
集まった生徒達は、これ以上怒らせると
本気でマズイと逃げるように各自のコテージに戻っていくのだった。
朱莉は、血管が切れそうな位、機嫌が悪く頭にきている
本当なら、ここで歌っているのは、自分であったはずだと!
歌には自信があった
幼少期から、習い事の1つとして、ヴォイストレーニングを受けているのだ
初日の失態を取り返し本来のカリスマ性を発揮し
1・2年の、信頼、尊敬を得るはずだったと
それが、自由時間になってみれば
生徒3人、優美達が襲われたと、収集され
あっちこっちと、キャンプ場を走り回され
挙句の果てには、何事もなかったの如く帰ってきたと
無事だったからよかったけれど
気が付けば、襲われたはずの桜色の髪の生徒が
70人近い生徒を集めて歌っているではないか
それも、光輝く幻想的なステージで
信じられないほど盛り上がっていたのだ
これで、腹が立たない方がおかしいと言うものだ
朱莉にとって今回の課外合宿は
これからの中等部・高等部と学生生活を確固たる物にする為に必要不可欠なものだった。
まず2年生の幼馴染の十士族である四条優美を引き込めれば
2年生は大方意のままにでき
1年生には、生徒会長である自分のカリスマ性を見せれば
操りやすくなるというものだ
合宿2日目の夜に、毎年恒例で江田先生はギターを弾いているので
そこで私が歌い上げれば
生徒全員の私を見る目がより神掛る予定であった
それ以外にも、裏で動いてはいたのだが
ことごとく、失敗し最悪、醜態をさらした朱莉は
生徒達からの信頼を失いかけてもいたのだ
ただただ
鬱憤が貯まり
ぶつけようもない怒りが朱莉をおそうのだった
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