アンタッチャブル・ツインズ ~転生したら双子の妹に魔力もってかれた~

歩楽 (ホラ)

文字の大きさ
上 下
26 / 180
中等部・合宿編

19話 謎かんな玉 原価500円

しおりを挟む
 



 桜達は、江田先生達が歌っている場所につく

桜「えだっちいぃ~~私もぉ~うたいたいぃぃ~~」
江「おぅきたか、就寝時間まであんまりじかんないぞーー」
桜「倍速で歌うぅぅぅ~~~」
江「違うだろ!」
「「「クスクスクス・・・・」」」
集まった生徒たちから、笑い声がこぼれる
すでに1・2年合わせて20人ほど集まっており
すでに盛り上がっていた。

 桜と江田先生は
広場の階段の上に陣取っている、といっても
広場より40cmほど、高いだけだが
広場に数十人集まっても、歌っている姿が全員が見えるのだ

そんな桜と江田先生が、何を歌うか決めていると

ゴソゴソと、かんなが二人の周りに20個程の小さなカラーボールを置いていく

夏「かんな、なにやってるの?」
か「ないしょ、後のお楽しみ」

夏目の問いに笑顔で答えるかんな

江「よっしゃ、時間すくないけど、怒られるまでいくか!!」

「「「おぉーーーー」」」

江田先生がギターを弾き始め

「盛り上がり系だー、はい、手拍子ー」

手拍子が始まり、桜の歌い始めの一声!

「ラララァァ――――――」

 その瞬間、手拍子がとまる
江田先生も、かろうじてギターを弾く手を止めないでいる
桜の透き通るハイトーンボイスが、キャンプ場に響き渡る、それは女神の歌声でる

鈴・かんな・夏目は、よくカラオケに行くので知ってはいるが
しらないなら衝撃をうけるだろう歌声であった
大きな歌声ではないのに、その美声は
キャンプ場の隅から隅まで響き渡り
その声は、キャンプ場に全員の耳に響き渡る

桜が歌い始めて少したったころ

かんながデバイスのスイッチをいれると
先程転がしていた、小さなボールが、空にむかって7色の光を照らし出す
一個一個が独立して、小さく動きながら
投写機のように光の形を変えながら7色の光を照らし出した

20個の交差する光の束は
まるでオーロラを映し出す3D映像の如く、夜空に光の芸術を映し出し
見る者の心を震えさせ、感情を沸き立たせる
そして、桜はサビに入り、より一層聴く者達は盛り上がり
それに連れて、小さなボールの光も、点滅、拡散、形を変え、桜の歌を盛り上げてゆく

1曲目の後半になる頃には、優美も合流でき、かんなと夏目に話かける

優「あの光は・・・なにですか?
 向こうからでも見えたんだけど?」

夏「そうそう、あの変な玉なに?魔法?」

夏目も思い出したように、かんなに問いただすが

ふっふっふ!と 胸を張り自慢げに、かんなは答える

か「初披露、かんな印ライトボール、バージョン4なり」

優「魔法ですか?」

夏「この子が、まともな物を作るはずが・・・」

か「魔法でなくて、ただのLED付きボール?魔改造付きだけど」

優「ただのライト?」

か「うん、メインは百均の、カラーボールと
 LED、広角レンズかな?
 後ちょこっとの廃物利用の魔改造!原価で1個約500円」

優・夏「「あれが500円?」」

びっくりする優美と夏目

 優美は、テレビや、音楽番組で
コレに似た光の光景を見たことはある
あれは、プロの職人が、色々な機材を使って、作り上げているものであって
かんな玉20個でできるはずがないと、謎かんな玉を、凝視する。

 夏目は、かんなが、この手の発明が得意なのはしっているが
1個500円20個で1万円?
性能と値段がおかしすぎると、細い目をさらに細くしていく・・。

 それほどまでに
音楽と一体化した光が織りなす映像とも言える光の芸術は、すばらしかったのだ
いったい、どんな魔改造が行われたか
それをどうやって操作しているかは、全くの謎である。

 そんな、謎かんな玉の話をしている3人をよそに

 盛り上がってた1曲目が終わると
盛大な拍手と、アンコールの声が沸き起こる
桜は、両手を上げ、両足で、ぴょんぴょん飛び跳ねて喜んでいる

 その頃には
ほかの場所で歌を聞いた1・2年の参加生が集まりだしていて
合宿参加生徒の約70人のほぼ全員が集まっていた。

「それじゃぁ2曲目いってみよーーー」
江田先生が、ノリノリで2曲目にはいる

ノリノリの2曲目が終わって
「どんどんいくぞぉーーー3曲目ーーー」

「そこまでぇぇえーーーーーーーーーーーーーーー!」

柊朱莉が、全ての動きを止めた!

「就寝時間は、過ぎてます、全員解散、コテージにもどり就寝してください」

放心状態の生徒達に、追い打ちをかけた、朱莉だったが
生徒達は、もっと桜の歌を聴きたかったのか、ブーイングである。


 そんな生徒達の態度が、朱莉の機嫌を逆撫でする



「  全  員  解  散  !  」



鬼の形相になった朱莉が、低い声で叫ぶ

集まった生徒達は、これ以上怒らせると
本気でマズイと逃げるように各自のコテージに戻っていくのだった。


 朱莉は、血管が切れそうな位、機嫌が悪く頭にきている
本当なら、ここで歌っているのは、自分であったはずだと!

歌には自信があった
幼少期から、習い事の1つとして、ヴォイストレーニングを受けているのだ
初日の失態を取り返し本来のカリスマ性を発揮し
1・2年の、信頼、尊敬を得るはずだったと

それが、自由時間になってみれば
生徒3人、優美達が襲われたと、収集され
あっちこっちと、キャンプ場を走り回され
挙句の果てには、何事もなかったの如く帰ってきたと
無事だったからよかったけれど

気が付けば、襲われたはずの桜色の髪の生徒が
70人近い生徒を集めて歌っているではないか
それも、光輝く幻想的なステージで
信じられないほど盛り上がっていたのだ

これで、腹が立たない方がおかしいと言うものだ

 朱莉にとって今回の課外合宿は
これからの中等部・高等部と学生生活を確固たる物にする為に必要不可欠なものだった。

 まず2年生の幼馴染の十士族である四条優美を引き込めれば
2年生は大方意のままにでき
1年生には、生徒会長である自分のカリスマ性を見せれば
操りやすくなるというものだ
合宿2日目の夜に、毎年恒例で江田先生はギターを弾いているので
そこで私が歌い上げれば
生徒全員の私を見る目がより神掛る予定であった
それ以外にも、裏で動いてはいたのだが
ことごとく、失敗し最悪、醜態をさらした朱莉は
生徒達からの信頼を失いかけてもいたのだ

ただただ

鬱憤が貯まり

ぶつけようもない怒りが朱莉をおそうのだった


 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

Bグループの少年

櫻井春輝
青春
 クラスや校内で目立つグループをA(目立つ)のグループとして、目立たないグループはC(目立たない)とすれば、その中間のグループはB(普通)となる。そんなカテゴリー分けをした少年はAグループの悪友たちにふりまわされた穏やかとは言いにくい中学校生活と違い、高校生活は穏やかに過ごしたいと考え、高校ではB(普通)グループに入り、その中でも特に目立たないよう存在感を薄く生活し、平穏な一年を過ごす。この平穏を逃すものかと誓う少年だが、ある日、特A(特に目立つ)の美少女を助けたことから変化を始める。少年は地味で平穏な生活を守っていけるのか……?

幼馴染が家出したので、僕と同居生活することになったのだが。

四乃森ゆいな
青春
とある事情で一人暮らしをしている僕──和泉湊はある日、幼馴染でクラスメイト、更には『女神様』と崇められている美少女、真城美桜を拾うことに……? どうやら何か事情があるらしく、頑なに喋ろうとしない美桜。普段は無愛想で、人との距離感が異常に遠い彼女だが、何故か僕にだけは世話焼きになり……挙句には、 「私と同棲してください!」 「要求が増えてますよ!」 意味のわからない同棲宣言をされてしまう。 とりあえず同居するという形で、居候することになった美桜は、家事から僕の宿題を見たりと、高校生らしい生活をしていくこととなる。 中学生の頃から疎遠気味だったために、空いていた互いの時間が徐々に埋まっていき、お互いに知らない自分を曝け出していく中──女神様は何でもない『日常』を、僕の隣で歩んでいく。 無愛想だけど僕にだけ本性をみせる女神様 × ワケあり陰キャぼっちの幼馴染が送る、半同棲な同居生活ラブコメ。

5年A組の三学期。

ポケっこ
青春
狂いの5年A組も三学期。5Aでは一日に一回何か可笑しな出来事が起こる。そんな5Aを盛り切りする咲希先生と生徒達の日常を描いた物語。

昔義妹だった女の子が通い妻になって矯正してくる件

マサタカ
青春
 俺には昔、義妹がいた。仲が良くて、目に入れても痛くないくらいのかわいい女の子だった。 あれから数年経って大学生になった俺は友人・先輩と楽しく過ごし、それなりに充実した日々を送ってる。   そんなある日、偶然元義妹と再会してしまう。 「久しぶりですね、兄さん」 義妹は見た目や性格、何より俺への態度。全てが変わってしまっていた。そして、俺の生活が爛れてるって言って押しかけて来るようになってしまい・・・・・・。  ただでさえ再会したことと変わってしまったこと、そして過去にあったことで接し方に困っているのに成長した元義妹にドギマギさせられてるのに。 「矯正します」 「それがなにか関係あります? 今のあなたと」  冷たい視線は俺の過去を思い出させて、罪悪感を募らせていく。それでも、義妹とまた会えて嬉しくて。    今の俺たちの関係って義兄弟? それとも元家族? 赤の他人? ノベルアッププラスでも公開。

「南風の頃に」~ノダケンとその仲間達~

kitamitio
青春
合格するはずのなかった札幌の超難関高に入学してしまった野球少年の野田賢治は、野球部員たちの執拗な勧誘を逃れ陸上部に入部する。北海道の海沿いの田舎町で育った彼は仲間たちの優秀さに引け目を感じる生活を送っていたが、長年続けて来た野球との違いに戸惑いながらも陸上競技にのめりこんでいく。「自主自律」を校訓とする私服の学校に敢えて詰襟の学生服を着ていくことで自分自身の存在を主張しようとしていた野田賢治。それでも新しい仲間が広がっていく中で少しずつ変わっていくものがあった。そして、隠していた野田賢治自身の過去について少しずつ知らされていく……。

処理中です...