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AAA

3話 ☕「大丈夫かな?」

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 古着屋を出て、少し道を戻り
野菜などを売っている食材屋に足を向ける
店の並びは、食材屋が在り
隣に惣菜や簡単な焼き菓子を売る店があり
その隣に、喫茶店の様な、お店が並ぶ
その他にも店は並ぶ、俗にいう商店街だ
そして、この3件の店が並んだ通り
日によって場所は多少変わるが
今日は、喫茶店の入り口近くの
一番良い場所に置かれた
少し高めの椅子がある
豪華な座布団とも言える布が敷かれ
そこに居座る存在こそ・・・。


 そう、俺は目を疑った
居なくなったと喜んでいたAAAが
アレにちょっかいを出していたからだ。

☕「なんだろ?
 なんだろ~~?
 まるぅ~~ぃ、まるぅ~ぃ。
 つついても、大丈夫かな?」

 興味津々で
豪華な椅子を占領するその主を
AAAはゆっくり触ろうとしている
それを見ていた、喫茶店の店員が

G「おねーさん
 この都市は初めてですか?」

☕「え、ぁ、はい
 今日着いたばかりで・・・・。」

G「そうですか
 あ、その子は商店街のマスコットで
 【ライス】って言います
 触っても大丈夫ですよ
 優しく触ってあげてくださいね」

 あぁ?
おい、GL163N-5
何がマスコットだ
大飯喰らいの【デブ猫】だろうが、間違えるな!

 AAAが恐る恐る・・・・指でつつき・・・
「ぺた。」と触り、そして
両手で、もふもふしながら

☕「もふもふ~~~
 いやされるぅぅ~~~
 きゃわいぃぃ~~~。」

G「ふふふ
 お菓子を、あげると
 もっと、かわいいですよ。」

☕「そうなんですか?!」

G「そりゃもう!
 お菓子、200Ⓖになります。」

☕「え?」


 さすが、GL163N-5
なかなかの商売魂、ぐっじょぶだ!!

 AAAの奴、財布を開けて悩んでやがる
そういえば、さっき、1000Ⓖも無いって言ってたな。

 だが、AAAの奴、可愛い物に勝てなかったみたいだ
決心を決めて、お菓子を買い
それを、椅子の主
丸いデブ猫の前にちらつかせる。

 それに気が付いたデブ猫
目をパッチリ開け
お菓子欲しさに
その両手を伸ばすが
その(でぶ)巨体に似合わない
短い手足は、お菓子に届かない・・・。

 椅子から落ちない様に
手足や尻尾をバタつかせ
ひっしにもがく姿は
AAAや、GL・・・
ましてや、一部始終を見ていた観客の心を掴む。

「きゃわぃぃぃ~~~~~~」・・・と。


 まぁ、俺に言わせれば
その何が可愛いか解らないし
それは、デブ猫の演技でしかない
そう、エサに在り付く為に
わざと可愛いフリをしているだけだ!

 それでも、デブ猫の飯代が浮けば俺は、何も言う事はない
そもそも、そのデブ猫、自分の体重の倍以上喰らうからな
デブ猫も、デブ猫で大変なんだろう
商店街で、見世物になって飯に在り付く為に
あんな演技までして
そう、飼い主がエサを恵んでくれるなんて
心温まる幻想は捨ててしまえ!
俺だって飯に在り付くのに必死なんだ!!

 AAA達は暫し、デブ猫のしぐさに癒された後に
お菓子を、デブ猫の口元に運んで
美味しそうにお菓子を食べるデブ猫の姿に
再度癒されるのだった。

 そして、その全てを観察し
AAAの持つお菓子が全て無くなった所で

🚬「おう、GL
 もういいだろ、コレ持って帰るぞ。」

G「あ、シケモクだ
 食べ終わる所見計らって来るって
 もしかして見てた?」

☕「え?、なにが?」

 AAAが面白い顔をして、キョロキョロと
俺の顔とGLの顔を交互に見てるから
言ってやろう

🚬「あぁ、このAAAが嬉しそうに全財産はたいて
 この、デブ猫に、お菓子を食わせてたのを
 初めから全部見てたさ。」

G「え? 全財産?」

🚬「あぁ、そいつ文無しだとさ
 たぶん、財布の中500Ⓖもねぇぞ」

 俺や見物人の視線を集めたAAAは
顔を真っ赤にさせて、下を向く
まぁ、面白い事、面白い事
アレだ?
金が無いなら稼げる場所教えてやろうか?
娼婦の宿が在る場所か?
スラムの在る場所か?
どっちを教えてほしい?

 とか、思ってたら

G「ご・・・ごめんなさい
 良い服着てるから、お金持ちだと・・・
 あ、でも、商売なんでお金は返せないの」

 これぞ、トドメ!
よくやった、GL163N-5

🚬「さて
 面白い物見たし帰るわ。」

 俺は、デブ猫を小脇に抱える・・
すでに片手で、ヒョイと持ち上げれるほど軽くないのだ
どんだけ太れば気が済むんだこのデブ!!

G「ライスちゃん、また、あしたねーー」

 それ以外にも、近くの店員や
お客から、別れの挨拶をされるデブ猫
てか、俺には挨拶1つ無いのかよ!!

とは言った物の何時もの事・・・

てか、オイ!AAA
半泣き状態で俺の服の裾もって付いて来るんじゃねぇ!!

行き場所が無いなら
さっきのGL163N-5相手に情に訴えて
一晩くらい泊めてもらえ!
そいつ、貴族では無いけど
結構良い家の人間だぞ
両親も優しいし、金貸してくれるかもしれんぞ!

・・・だから、なんで俺に付いてくる!!
俺が周りの奴らに、変な目で目られるだろうが!


 俺はでっかいオッパイが好きなんだ
AAAのペッタン娘が好きだなんて噂が立ったらどうすんだ!!

 振り払おうにも
左手には、キャバクラでもらったゴミと
古着屋で仕入れたアレがあるし
右腕はデブ猫を抱えてる
そのうえ、このデブ猫
嫌そうな俺の顔を見て
笑ってやがる・・・。

 今晩のエサ無しだな
まぁこのデブ猫に、家で餌を与えた事なんて無いが・・。
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