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しおりを挟む「それで? なんだよ助けて欲しいことって?」
学校から出て2人きりになったところで聞いてみる。
流風はスマホの地図アプリを開きながらキョロキョロとしている。
「とりあえず、何も言わず俺に着いてきてください、お願いします」
ペコリと頭を下げられ、疑問に思いつつも着いていく。
(あんま詳しく言えねー感じか……? 誰かに口止め、呼び出し、されてるとか?)
(……おもしれぇ、どういう思惑だろうが、何人いようが返り討ちにしてやる)
龍之介がメラメラと謎の闘志を燃やしていると、流風があ、と何かを思い出したように振り返った。
「そういえば君、校長室のアレ、視えてましたよね?」
「足か?! お、お前も視えてたのか?!って、あ、今のは違う! 別に怖いとか、信じてるとかじゃなくてだな……!」
隠していた所謂霊感を自ら暴露してしまい慌てる龍之介。が、流風は何事も無かったかのように構わず話す。
「信じるも信じないも幽霊はいますよ」
キッパリと言い切る姿に一瞬呆気に取られた。
「見る能力の無い方がマジョリティですから、そういう話になりがちですがね。
……ああ、申し遅れましたが、俺は西園寺流風。妖祓いの名家、西園寺の3代目(仮)です」
「あ、妖祓い?!」
「ああ、妖というのは幽霊とかお化けとか妖怪の総称を呼んでいます」
「いや驚いたのはそこじゃねーけど……」
うさんくせえ! 第一声で龍之介は思った。
ただでさえインチキが多いオカルト業界。それの名家だなんて俄には信じられない……。
(ていうか妖祓いの名家って事は代々仕事にしてきた訳だよな……そんなんあんのか……? でも警察に口聞き出来る位なんだから、名家ってのも嘘ではないよな……)
悶々と考えていると、急に足を止めた流風にぶつかりそうになる。
「っと、着きました」
「ココは……」
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