62 / 63
その後の世界
集落の再生
しおりを挟む
ユキトがこの大陸へ降り立ち一日が過ぎた。
ユキトは一度ロンバルドへ転移で戻り、小麦の種籾と小麦粉を大量に購入。同じく武具屋で剣、盾、槍、弓と矢を買い込んだ。
次に雑貨屋で農作業に使う鍬や鋤などを購入して、再び転移で戻る。
「ユキトお兄ちゃーん!」
ミルモとすっかり仲良くなり、一緒に遊んでいたアメリアが、ユキトを見つけて走り寄る。
高レベルの身体能力でジャンプするとユキトにしがみつく。
「良い子にしてたかい」
「うん!アメリア良い子にしてたよ!」
ユーカリの木にしがみつくコアラの如く、ユキトにしがみつくアメリアの頭を撫でる。
「あっ!アメリアちゃん良いな~」
ミルモもユキトの元に走って来た。
ユキトはミルモも抱きあげる。
「やったー!アメリアちゃんと同じだー!」
二人を抱いて集落の広場へ行くと、集落の住民が集まっていた。
「ちょうど良かった。畑に植える麦を持って来たので、皆さんで植えつけて下さい」
そう言ってユキトが、植える為に持って来た麦を、その場に出した。
他にも色々な野菜の種を出して行く。
「当座の食糧が必要でしょうから、小麦粉も持って来たので、倉庫を造って入れておきます」
ユキトはそう言うと、集落の端に土魔法で倉庫を一瞬で造り上げる。
倉庫の地面を石に錬成して、浄化魔法をかける。その上に小麦粉の入った袋を積み上げていく。
ユキトは、小麦を収納した倉庫の横に、もうひとつ倉庫を造り、魔石を取り出し即席で冷蔵倉庫を造り出す。
冷蔵倉庫には、ジーブル達が狩って来た、魔物や野生動物の肉を保存しておく。
ユキトが、倉庫に食糧を保管して出て来ると、集落の長が待っていた。
「ユキト様、何から何まで、ありがとうございます」
今にも土下座しそうな勢いで頭を下げる。
「知り合ったのも何かの縁でしょうし、集落が成り立つ位にまではお手伝いします」
「それで、厚かましいお願いなのですが、近隣に同胞の集落が存在するのか、調べて貰えないでしょうか」
長の言いたい事は良く分かった。
この規模の集落だけでは、直ぐに人口が限界を迎える。血が濃くなり過ぎる。
「どちらにしても、この大陸は一度調査する積りでしたから、周辺に集落が存在するのかも含めて調べてみます」
ユキトは早速、バルクを呼ぶ。
バルクには周辺の探索を任せていた。その報告を聞こうと思ったのだ。
「バルク!」
ユキトの声を聞き、直ぐにバルクが駆けつける。
「お呼びですか?」
「あゝ、周辺の探索を任せていただろう。何か報告はないかと思ってね」
「この集落の周辺ですが、半径20キロメートルには、人の住む集落は見つけられませんでした。
ただ無人の廃墟となった集落は幾つかありましたから、探索範囲を広げれば、もしかすると人の集落が見つかるやもしれません」
「ありがとう。一度俺もルドラで探索してみるよ」
ユキトが偶然見つけて救う事になった、この集落は人族の集落だったが、この大陸に人族以外も存在していたらしい。
現在、その他種族が生存しているのかは、分からないらしいが、身体能力の高い獣人族なら集落を築いているかもしれない。
エルフも魔法が廃れた大陸とはいえ、精霊魔法なら使えるのでは、とサティスに聞いてみたのだが、精霊を視れる精霊視を持つエルフは少ないらしい。ただ、精霊との契約の仕方は、代々受け継いでいるので、一定の年齢になると精霊と契約し、精霊魔法を教えて貰えるそうだ。
魔法適正に長けたエルフが、魔法に頼れず生きるのは大変だろう。
それでもこの大陸でも、エルフは森に住んでいるらしいが、森の魔物との生存競争は激しいらしい。
ユキトは集落を見渡し、暫くはこの集落の人達だけでやって行けると判断する。
後はこの先、長期的には他の集落との交流が無ければ先細るだけなので、その辺りを解決しないといけない。
自国の人間でもない人達に、何故そこまでと人には言われそうだが、ミルモの様な小さな子供が、平穏に生きる事を選べない状況は見過ごせなかった。
ユキトは、我ながらバカだと思いながら、ルドラを呼び出し周辺の探索に向かう。
ユキトがルドラに跳び乗ると、何時の間にかアメリアも乗って来る。それをミルモが羨ましそうに見ている。
「ユキトお兄ちゃん、ミルモちゃんもダメ?」
アメリアにお願いされて、ユキトが断れる訳もなく、ユキトはルドラにアメリアとミルモを乗せて飛び立った。
ユキトは一度ロンバルドへ転移で戻り、小麦の種籾と小麦粉を大量に購入。同じく武具屋で剣、盾、槍、弓と矢を買い込んだ。
次に雑貨屋で農作業に使う鍬や鋤などを購入して、再び転移で戻る。
「ユキトお兄ちゃーん!」
ミルモとすっかり仲良くなり、一緒に遊んでいたアメリアが、ユキトを見つけて走り寄る。
高レベルの身体能力でジャンプするとユキトにしがみつく。
「良い子にしてたかい」
「うん!アメリア良い子にしてたよ!」
ユーカリの木にしがみつくコアラの如く、ユキトにしがみつくアメリアの頭を撫でる。
「あっ!アメリアちゃん良いな~」
ミルモもユキトの元に走って来た。
ユキトはミルモも抱きあげる。
「やったー!アメリアちゃんと同じだー!」
二人を抱いて集落の広場へ行くと、集落の住民が集まっていた。
「ちょうど良かった。畑に植える麦を持って来たので、皆さんで植えつけて下さい」
そう言ってユキトが、植える為に持って来た麦を、その場に出した。
他にも色々な野菜の種を出して行く。
「当座の食糧が必要でしょうから、小麦粉も持って来たので、倉庫を造って入れておきます」
ユキトはそう言うと、集落の端に土魔法で倉庫を一瞬で造り上げる。
倉庫の地面を石に錬成して、浄化魔法をかける。その上に小麦粉の入った袋を積み上げていく。
ユキトは、小麦を収納した倉庫の横に、もうひとつ倉庫を造り、魔石を取り出し即席で冷蔵倉庫を造り出す。
冷蔵倉庫には、ジーブル達が狩って来た、魔物や野生動物の肉を保存しておく。
ユキトが、倉庫に食糧を保管して出て来ると、集落の長が待っていた。
「ユキト様、何から何まで、ありがとうございます」
今にも土下座しそうな勢いで頭を下げる。
「知り合ったのも何かの縁でしょうし、集落が成り立つ位にまではお手伝いします」
「それで、厚かましいお願いなのですが、近隣に同胞の集落が存在するのか、調べて貰えないでしょうか」
長の言いたい事は良く分かった。
この規模の集落だけでは、直ぐに人口が限界を迎える。血が濃くなり過ぎる。
「どちらにしても、この大陸は一度調査する積りでしたから、周辺に集落が存在するのかも含めて調べてみます」
ユキトは早速、バルクを呼ぶ。
バルクには周辺の探索を任せていた。その報告を聞こうと思ったのだ。
「バルク!」
ユキトの声を聞き、直ぐにバルクが駆けつける。
「お呼びですか?」
「あゝ、周辺の探索を任せていただろう。何か報告はないかと思ってね」
「この集落の周辺ですが、半径20キロメートルには、人の住む集落は見つけられませんでした。
ただ無人の廃墟となった集落は幾つかありましたから、探索範囲を広げれば、もしかすると人の集落が見つかるやもしれません」
「ありがとう。一度俺もルドラで探索してみるよ」
ユキトが偶然見つけて救う事になった、この集落は人族の集落だったが、この大陸に人族以外も存在していたらしい。
現在、その他種族が生存しているのかは、分からないらしいが、身体能力の高い獣人族なら集落を築いているかもしれない。
エルフも魔法が廃れた大陸とはいえ、精霊魔法なら使えるのでは、とサティスに聞いてみたのだが、精霊を視れる精霊視を持つエルフは少ないらしい。ただ、精霊との契約の仕方は、代々受け継いでいるので、一定の年齢になると精霊と契約し、精霊魔法を教えて貰えるそうだ。
魔法適正に長けたエルフが、魔法に頼れず生きるのは大変だろう。
それでもこの大陸でも、エルフは森に住んでいるらしいが、森の魔物との生存競争は激しいらしい。
ユキトは集落を見渡し、暫くはこの集落の人達だけでやって行けると判断する。
後はこの先、長期的には他の集落との交流が無ければ先細るだけなので、その辺りを解決しないといけない。
自国の人間でもない人達に、何故そこまでと人には言われそうだが、ミルモの様な小さな子供が、平穏に生きる事を選べない状況は見過ごせなかった。
ユキトは、我ながらバカだと思いながら、ルドラを呼び出し周辺の探索に向かう。
ユキトがルドラに跳び乗ると、何時の間にかアメリアも乗って来る。それをミルモが羨ましそうに見ている。
「ユキトお兄ちゃん、ミルモちゃんもダメ?」
アメリアにお願いされて、ユキトが断れる訳もなく、ユキトはルドラにアメリアとミルモを乗せて飛び立った。
1
お気に入りに追加
3,532
あなたにおすすめの小説
【完結】悪役令嬢の断罪現場に居合わせた私が巻き込まれた悲劇
藍生蕗
ファンタジー
悪役令嬢と揶揄される公爵令嬢フィラデラが公の場で断罪……されている。
トリアは会場の端でその様を傍観していたが、何故か急に自分の名前が出てきた事に動揺し、思わず返事をしてしまう。
会場が注目する中、聞かれる事に答える度に場の空気は悪くなって行って……
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
転生したらチートでした
ユナネコ
ファンタジー
通り魔に刺されそうになっていた親友を助けたら死んじゃってまさかの転生!?物語だけの話だと思ってたけど、まさかほんとにあるなんて!よし、第二の人生楽しむぞー!!
異世界でチート能力貰えるそうなので、のんびり牧場生活(+α)でも楽しみます
ユーリ
ファンタジー
仕事帰り。毎日のように続く多忙ぶりにフラフラしていたら突然訪れる衝撃。
何が起こったのか分からないうちに意識を失くし、聞き覚えのない声に起こされた。
生命を司るという女神に、自分が死んだことを聞かされ、別の世界での過ごし方を聞かれ、それに答える
そして気がつけば、広大な牧場を経営していた
※不定期更新。1話ずつ完成したら更新して行きます。
7/5誤字脱字確認中。気づいた箇所あればお知らせください。
5/11 お気に入り登録100人!ありがとうございます!
8/1 お気に入り登録200人!ありがとうございます!
【完結】義妹とやらが現れましたが認めません。〜断罪劇の次世代たち〜
福田 杜季
ファンタジー
侯爵令嬢のセシリアのもとに、ある日突然、義妹だという少女が現れた。
彼女はメリル。父親の友人であった彼女の父が不幸に見舞われ、親族に虐げられていたところを父が引き取ったらしい。
だがこの女、セシリアの父に欲しいものを買わせまくったり、人の婚約者に媚を打ったり、夜会で非常識な言動をくり返して顰蹙を買ったりと、どうしようもない。
「お義姉さま!」 . .
「姉などと呼ばないでください、メリルさん」
しかし、今はまだ辛抱のとき。
セシリアは来たるべき時へ向け、画策する。
──これは、20年前の断罪劇の続き。
喜劇がくり返されたとき、いま一度鉄槌は振り下ろされるのだ。
※ご指摘を受けて題名を変更しました。作者の見通しが甘くてご迷惑をおかけいたします。
旧題『義妹ができましたが大嫌いです。〜断罪劇の次世代たち〜』
※初投稿です。話に粗やご都合主義的な部分があるかもしれません。生あたたかい目で見守ってください。
※本編完結済みで、毎日1話ずつ投稿していきます。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
屋台飯! いらない子認定されたので、旅に出たいと思います。
彩世幻夜
ファンタジー
母が死にました。
父が連れてきた継母と異母弟に家を追い出されました。
わー、凄いテンプレ展開ですね!
ふふふ、私はこの時を待っていた!
いざ行かん、正義の旅へ!
え? 魔王? 知りませんよ、私は勇者でも聖女でも賢者でもありませんから。
でも……美味しいは正義、ですよね?
2021/02/19 第一部完結
2021/02/21 第二部連載開始
2021/05/05 第二部完結
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる