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七話 黒兎、後始末をする
しおりを挟む城を出たわたくしは、家をなくす悲しさや追い出される惨めさを一人、噛み締めこらえておりましたが、どこか今までとは違う甘い期待も無意識に抱いていたのかもしれません。
小人たちは、それは楽しく幸せそうに皆で過ごしておりました。
朝は鳥の声で目を覚まし、近くの泉で顔を洗うと、皆で朝ごはんを作りたいらげ、歌って仕事に行くのです。
彼らの家は狭くても、歌や笑いが満杯に溢れ、いつも優しい家庭の空気が当たり前に流れておりました。
それはこれまでわたくしが、感じたことが無い物でした。
高く冷たい城の中から花畑を眺めたあの時代、わたくしは心なしかそのようなものに惹かれ憧れていたのです。
けれど、いざ浸かってみれば、そこにあるのは遠慮とぎこちなさでした。
小人たちは、それは楽しく幸せそうに皆で過ごしておりました。
朝は鳥の声で目を覚まし、近くの泉で顔を洗うと、皆で朝ごはんを作りたいらげ、歌って仕事に行くのです。
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それはこれまでわたくしが、感じたことが無い物でした。
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