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王都ソレイユ1
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ノトスの街を出発した俺達は、通常馬車で10日掛かる道程を一日で約その半分の距離を進み、陽が傾いてきたので、野営に適した場所を見つけて準備に入った。
「……しかし、カイト様は非常識です」
アンナさんが少しキレ気味で俺を非難する。
「何なんですか、このゴーレム馬車の速さは、深淵の森に行った時は、もっとゆっくりだったじゃないですか!」
「いや、あの時は別に急いてなかったし。今回はスピードが重要でしょ、間に合わないと意味ないですし」
俺がそう言うとアンナさんは仕方なく黙った。
確かに悪路を時速80キロ近くで走ると、その乗り心地たるや酷いものだった。
ルキナはアトラクションを楽しむように、キャアキャア言って喜んでいた。
魔導具で結界を張り、作っておいたシチューを鍋ごと出して夕食を済ませる。
結界があるので大丈夫なのだけど、一応三時間交替で見張りをしながら夜を過ごした。
翌朝、素早く準備して出発する。
その日も朝早くから走り続けると、お昼過ぎには王都ソレイユが見える位置にまでたどり着いた。
「……馬車で十日は掛かるのに、……二日掛からないなんて……」
アンナさんがブツブツ言ってるが、さすがに目立ち過ぎるのは不味いと思い、軍用車両をアイテムボックスに収納して、ここからは歩いて行く事にする。
左手にルキナを抱くと、王都に向け歩き出す。
「しかし、凄い防壁の高さだな」
王都を囲む防壁は、分厚く高さが10メートル近くある。
「サーメイヤ王国の王都だからね。人口も20万人位だったと思う」
「へぇ~」
エルの説明に、気のない返事をしながら、日本で言えば東京都なら一つの区の、もしくは地方都市の市の人口位かと考える。
そう思うとこの世界は、改めて酷しい世界なのだと感じた。
歩いて門の前の長い、王都へ入る為の列に並んでいると、ノルトと比べても様々な種族の人間が居るのが分かった。
長い時間列に並んで、やっと王都の中に入る事が出来た。
「おお、道路も石畳なんだな」
「石畳?」
エルが不思議そうに聞く。あゝ石畳じゃ通じないか。
「えっと、石貼りの道のことだよ」
「ふ~ん、カイトの故郷の言葉なのね」
ルキナを左手に抱き、エルと右手で手を繋ぎ、今夜泊まる宿を探すために歩きだした。
ギルドに寄ってお勧めの宿を聞いて、街の中心部にある宿を目指し歩いていた。
その横を豪華な馬車が通り過ぎ、暫く走った所で急に止まった。
バタンッ!勢いよく馬車のドアが開き、金髪の少年が飛び出して来た。
「エルレイン姉上!」
少年を見たエルが驚きの表情で固まっている。
「……クリストフ?」
エルが少年の名前を呼ぶ。
僕、クリストフ・フォン・バスタークは、王都の屋敷に向かう、馬車に乗っていた。
バスターク辺境伯領は、サーメイヤ王国の南に位置し、ローラシア王国とゴンドワナ帝国と国境を接し、常にサーメイヤ王国の盾として、国家防衛の要として、国内の尊敬を集める家だ。
ゴンドワナ帝国との戦争も定期的に行われて来た。
だけど今回は違った。ゴンドワナ帝国でバスターク辺境伯領と接しているチラーノス辺境伯が、今回に限って何時もの倍の兵力で攻めて来た。
父上と兄上が、領都バンスで籠城する為に残られている。
僕と母上は王都に避難して来た。
本当は、一番上にエルレイン姉上が居るのだけど、姉上は中央の法衣伯爵に求婚され、それが嫌で家を飛び出された。
僕が姉上でも、あの婚姻はないと思う。父上よりもずっと歳上の、オークみたいに醜く、評判もあまり良くない伯爵の8番目の妻になんて、姉上が逃げ出すのも分かる気がする。
姉上の事を考えていたからか、馬車の窓から姉上が歩いているのを見つけた。
兎人族の小さな女の子を抱いた、銀髪の少年と手を繋いで歩く姉上は、本当に姉上か迷ったけど、姉上達の後ろに、姉上付きのメイドのアンナが居たから間違いない。
僕は慌てて馬車を止めさせると、馬車を飛び出した。
「エルレイン姉上!」
「……クリストフ?」
大声で姉上を呼ぶと、振り向いた姉上が驚いた顔で僕の名前を呼んだ。
「……クリストフ?」
エルがそう呼んだ少年が走り寄る。その後ろからエルに良く似た女性が、馬車から降りて早足で歩いて来た。
「お母様!」
やっぱりエルのお母さんみたいだ。
エルとその女性がひしっと抱き合う。
ガチャ ガチャ ガチャ
と、金属鎧の音が聞こえ、クリストフと呼ばれた少年とエルと抱き合う母親らしき女性と俺の間に入って、剣の柄を握り殺気を向けてくる。
この野郎、ルキナが怖がるじゃねぇか。
「……それ抜いた瞬間、殺すからな」
全力の殺気を護衛の兵士にだけ向ける。
バタンッ!
次の瞬間、護衛の兵士が泡を吹き、失禁しながら気を失い倒れた。
「なっ!カイト何してるのよ!」
エルがいきなり失禁して倒れた二人の護衛に、驚き俺を批難して来た。
「いや、こいつらが殺気を向けて来て、ルキナを怖がらせたんだよ」
エルは、キュッと俺にしがみついてるルキナを見て。
「それは仕方ないわね。私なら殺してるわ」
そのやり取りを呆然として少年と女性が見ていた。
「じゃ、行こうか」
俺はそのまま、この場から立ち去ろうとする。
「ちょっ、姉上!」「エルレイン!」
そのまま俺に付いて立ち去ろうとしているエルを、少年と女性が呼ぶがそのまま立ち去った。
「エル、良かったの?久しぶりなんだろう」
宿への道を歩きながらエルに聞いてみる。
「そんなに久しぶりでもないわよ。だってカイトと会う少し前だもの、家を出たの」
「ふ~ん、あれ?アンナさんは」
いつの間にかアンナさんが見当たらない。
「私達が泊まる宿の名前は、知ってるから問題ないでしょう」
エルの母親と弟に、何か話しているのか?
王都にあるバスターク辺境伯の屋敷で、辺境伯夫人レイラと次男のクリストフが、困惑から立ち直れぬまま、応接室でアンナと相対していた。
アンナはというと、落ち着いてソファーに座り、優雅にお茶を飲んでいた。
「いや、確かにアンナはこの家のメイドではないが……」
壮年の家宰のフレデリックが、呆れたようにアンナを見ている。
「それでエルレインお嬢様を見つけたそうですが、それでどうしたら護衛のハンスとヘルムートが、ああなるのですか?」
「フレデリック!それよりエルレインは、どこへ行ったのか聞かないと!」
レイラが興奮気味に叫ぶ。その間もアンナは優雅にお茶を飲んでいる。
アンナが手に持っていたソーサーとカップをテーブルを置く。
「さて、護衛の二人に関しては、不用意にカイト様に殺気を向け、ルキナ様を怖がらせましたので、自業自得かと。
だいたい、剣を握り殺気を向けた相手に、逆に殺気を当てられた位で、失禁して気を失う護衛はどうかと思いますが、殺されなかっただけでも良かったのでは?まあ私には関係ありませんが」
「それでエルレインお姉様はどこへ行った」
クリストフが焦れて聞く。
「どこへって、宿に決まっていると思いますが?今日、王都に着いたのですから、一泊はすると思いますよ」
フレデリックは護衛の兵士二人が、殺気を当てられただけで、失神させる程の威圧を放てる少年がいることに驚いていた。
バスターク辺境伯は王国の盾、その領軍の兵士は精強、護衛の兵士とて腕利きを配している。
しかもこの場で優雅にお茶を飲む、アンナにも違和感を感じる。多少の護身術は使えた筈だが、今のアンナからは、それどころではない気配を感じる。
混乱する思考を追い出し、取り敢えず重要な事を聞こうと切り替える。
「それでアンナは、エルレインお嬢様の宿泊先は知ってるのですか?」
「勿論、私は何時までもお嬢様と一緒ですから」
「その宿を教えてアンナ!」
レイラがアンナに縋るような目で訴える。それにアンナは首を横に振って、やれやれという仕草をする。
「奥様、宿を教えるのは構いませんが、会ってどうなされる積もりですか?あのオークの様な爺いに嫁がせるお積りですか?」
レイラは、アンナの言葉に何も言えなくなるが、それでも娘と話したかった。
「お願いアンナ、エルレインに会わせて」
レイラがアンナに懇願する。
「アンナ、意地悪もその辺にして下さい。奥様をエルレインお嬢様に会わせて下さい」
フレデリックの言葉に、アンナは心底仕方ないという感じで了承した。
「ただし、護衛は宿の外で待機させて下さい」
その言葉を聞いて、レイラもクリストフもホッとした顔をする。
フレデリックは、何とか話が纏まった事に安堵し、また、エルレインと一緒に居た少年に対し、警戒感を強める。
「……しかし、カイト様は非常識です」
アンナさんが少しキレ気味で俺を非難する。
「何なんですか、このゴーレム馬車の速さは、深淵の森に行った時は、もっとゆっくりだったじゃないですか!」
「いや、あの時は別に急いてなかったし。今回はスピードが重要でしょ、間に合わないと意味ないですし」
俺がそう言うとアンナさんは仕方なく黙った。
確かに悪路を時速80キロ近くで走ると、その乗り心地たるや酷いものだった。
ルキナはアトラクションを楽しむように、キャアキャア言って喜んでいた。
魔導具で結界を張り、作っておいたシチューを鍋ごと出して夕食を済ませる。
結界があるので大丈夫なのだけど、一応三時間交替で見張りをしながら夜を過ごした。
翌朝、素早く準備して出発する。
その日も朝早くから走り続けると、お昼過ぎには王都ソレイユが見える位置にまでたどり着いた。
「……馬車で十日は掛かるのに、……二日掛からないなんて……」
アンナさんがブツブツ言ってるが、さすがに目立ち過ぎるのは不味いと思い、軍用車両をアイテムボックスに収納して、ここからは歩いて行く事にする。
左手にルキナを抱くと、王都に向け歩き出す。
「しかし、凄い防壁の高さだな」
王都を囲む防壁は、分厚く高さが10メートル近くある。
「サーメイヤ王国の王都だからね。人口も20万人位だったと思う」
「へぇ~」
エルの説明に、気のない返事をしながら、日本で言えば東京都なら一つの区の、もしくは地方都市の市の人口位かと考える。
そう思うとこの世界は、改めて酷しい世界なのだと感じた。
歩いて門の前の長い、王都へ入る為の列に並んでいると、ノルトと比べても様々な種族の人間が居るのが分かった。
長い時間列に並んで、やっと王都の中に入る事が出来た。
「おお、道路も石畳なんだな」
「石畳?」
エルが不思議そうに聞く。あゝ石畳じゃ通じないか。
「えっと、石貼りの道のことだよ」
「ふ~ん、カイトの故郷の言葉なのね」
ルキナを左手に抱き、エルと右手で手を繋ぎ、今夜泊まる宿を探すために歩きだした。
ギルドに寄ってお勧めの宿を聞いて、街の中心部にある宿を目指し歩いていた。
その横を豪華な馬車が通り過ぎ、暫く走った所で急に止まった。
バタンッ!勢いよく馬車のドアが開き、金髪の少年が飛び出して来た。
「エルレイン姉上!」
少年を見たエルが驚きの表情で固まっている。
「……クリストフ?」
エルが少年の名前を呼ぶ。
僕、クリストフ・フォン・バスタークは、王都の屋敷に向かう、馬車に乗っていた。
バスターク辺境伯領は、サーメイヤ王国の南に位置し、ローラシア王国とゴンドワナ帝国と国境を接し、常にサーメイヤ王国の盾として、国家防衛の要として、国内の尊敬を集める家だ。
ゴンドワナ帝国との戦争も定期的に行われて来た。
だけど今回は違った。ゴンドワナ帝国でバスターク辺境伯領と接しているチラーノス辺境伯が、今回に限って何時もの倍の兵力で攻めて来た。
父上と兄上が、領都バンスで籠城する為に残られている。
僕と母上は王都に避難して来た。
本当は、一番上にエルレイン姉上が居るのだけど、姉上は中央の法衣伯爵に求婚され、それが嫌で家を飛び出された。
僕が姉上でも、あの婚姻はないと思う。父上よりもずっと歳上の、オークみたいに醜く、評判もあまり良くない伯爵の8番目の妻になんて、姉上が逃げ出すのも分かる気がする。
姉上の事を考えていたからか、馬車の窓から姉上が歩いているのを見つけた。
兎人族の小さな女の子を抱いた、銀髪の少年と手を繋いで歩く姉上は、本当に姉上か迷ったけど、姉上達の後ろに、姉上付きのメイドのアンナが居たから間違いない。
僕は慌てて馬車を止めさせると、馬車を飛び出した。
「エルレイン姉上!」
「……クリストフ?」
大声で姉上を呼ぶと、振り向いた姉上が驚いた顔で僕の名前を呼んだ。
「……クリストフ?」
エルがそう呼んだ少年が走り寄る。その後ろからエルに良く似た女性が、馬車から降りて早足で歩いて来た。
「お母様!」
やっぱりエルのお母さんみたいだ。
エルとその女性がひしっと抱き合う。
ガチャ ガチャ ガチャ
と、金属鎧の音が聞こえ、クリストフと呼ばれた少年とエルと抱き合う母親らしき女性と俺の間に入って、剣の柄を握り殺気を向けてくる。
この野郎、ルキナが怖がるじゃねぇか。
「……それ抜いた瞬間、殺すからな」
全力の殺気を護衛の兵士にだけ向ける。
バタンッ!
次の瞬間、護衛の兵士が泡を吹き、失禁しながら気を失い倒れた。
「なっ!カイト何してるのよ!」
エルがいきなり失禁して倒れた二人の護衛に、驚き俺を批難して来た。
「いや、こいつらが殺気を向けて来て、ルキナを怖がらせたんだよ」
エルは、キュッと俺にしがみついてるルキナを見て。
「それは仕方ないわね。私なら殺してるわ」
そのやり取りを呆然として少年と女性が見ていた。
「じゃ、行こうか」
俺はそのまま、この場から立ち去ろうとする。
「ちょっ、姉上!」「エルレイン!」
そのまま俺に付いて立ち去ろうとしているエルを、少年と女性が呼ぶがそのまま立ち去った。
「エル、良かったの?久しぶりなんだろう」
宿への道を歩きながらエルに聞いてみる。
「そんなに久しぶりでもないわよ。だってカイトと会う少し前だもの、家を出たの」
「ふ~ん、あれ?アンナさんは」
いつの間にかアンナさんが見当たらない。
「私達が泊まる宿の名前は、知ってるから問題ないでしょう」
エルの母親と弟に、何か話しているのか?
王都にあるバスターク辺境伯の屋敷で、辺境伯夫人レイラと次男のクリストフが、困惑から立ち直れぬまま、応接室でアンナと相対していた。
アンナはというと、落ち着いてソファーに座り、優雅にお茶を飲んでいた。
「いや、確かにアンナはこの家のメイドではないが……」
壮年の家宰のフレデリックが、呆れたようにアンナを見ている。
「それでエルレインお嬢様を見つけたそうですが、それでどうしたら護衛のハンスとヘルムートが、ああなるのですか?」
「フレデリック!それよりエルレインは、どこへ行ったのか聞かないと!」
レイラが興奮気味に叫ぶ。その間もアンナは優雅にお茶を飲んでいる。
アンナが手に持っていたソーサーとカップをテーブルを置く。
「さて、護衛の二人に関しては、不用意にカイト様に殺気を向け、ルキナ様を怖がらせましたので、自業自得かと。
だいたい、剣を握り殺気を向けた相手に、逆に殺気を当てられた位で、失禁して気を失う護衛はどうかと思いますが、殺されなかっただけでも良かったのでは?まあ私には関係ありませんが」
「それでエルレインお姉様はどこへ行った」
クリストフが焦れて聞く。
「どこへって、宿に決まっていると思いますが?今日、王都に着いたのですから、一泊はすると思いますよ」
フレデリックは護衛の兵士二人が、殺気を当てられただけで、失神させる程の威圧を放てる少年がいることに驚いていた。
バスターク辺境伯は王国の盾、その領軍の兵士は精強、護衛の兵士とて腕利きを配している。
しかもこの場で優雅にお茶を飲む、アンナにも違和感を感じる。多少の護身術は使えた筈だが、今のアンナからは、それどころではない気配を感じる。
混乱する思考を追い出し、取り敢えず重要な事を聞こうと切り替える。
「それでアンナは、エルレインお嬢様の宿泊先は知ってるのですか?」
「勿論、私は何時までもお嬢様と一緒ですから」
「その宿を教えてアンナ!」
レイラがアンナに縋るような目で訴える。それにアンナは首を横に振って、やれやれという仕草をする。
「奥様、宿を教えるのは構いませんが、会ってどうなされる積もりですか?あのオークの様な爺いに嫁がせるお積りですか?」
レイラは、アンナの言葉に何も言えなくなるが、それでも娘と話したかった。
「お願いアンナ、エルレインに会わせて」
レイラがアンナに懇願する。
「アンナ、意地悪もその辺にして下さい。奥様をエルレインお嬢様に会わせて下さい」
フレデリックの言葉に、アンナは心底仕方ないという感じで了承した。
「ただし、護衛は宿の外で待機させて下さい」
その言葉を聞いて、レイラもクリストフもホッとした顔をする。
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