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4巻
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六話 草原地帯ツアー
草原地帯に赴いた我――ヴァンダードは明日、竜に対面することになっている。
ところで、我が草原地帯に足を運んだのは、生まれて初めてのことだ。
途中、別件で城塞都市へ向かう途中だった次男のダーヴィッドと合流でき、口には出せぬがホッとした。
それだけ今回の会談は、プレッシャーがかかるものだったのだ。
我にとっては親しみのあるセブールですら、すでに我の実力を超えているのは間違いない。
セブールは、父上に仕えていた時から実力者であると知られていた。が、久しぶりに会ったセブールはその時の実力を更に超え、別次元と思えるような気配を感じさせる存在となっていた。
そしてシグムンド殿は、そのセブールすら上回る。深淵の森近くで会談した時のシグムンド殿は、我らに気を遣って魔力や気配を極力抑えてくれていたのだと、改めて理解させられた。
それはさておき、なぜ我がわざわざ草原地帯に赴いたかについて話そう。
突如草原地帯に出現した城塞都市や、神が作ったような岩山の頂上にそびえる城など、もう我らでは理解の及ばないことが続き、魔王国として、シグムンド殿との良好な関係構築は急務であると感じたためだ。
そこにトドメのように、古竜飛来という事件もあった。
王である我が自ら出向くことに、現実を理解せず苦言を呈す者もいた。だがイグリスなど、実情を知る者は賛成してくれた。
そして昨日、我はとうとうシグムンド殿と二度目の邂逅を果たす。
相変わらず魔力を極力まで抑える完璧な魔力操作。これ一つとっても、シグムンド殿が尋常ではない強者だと分かる。
なにより、漏れ出す気配だけで膝を屈しそうになったのは初めてだ。
その気配は、あの父上すら赤子と感じられるほどのもので、我ごときではシグムンド殿の真の実力は測ることができぬのだろうと理解した。
ところで前回の会談の時と同じく、シグムンド殿はその馬鹿げた力とは裏腹に、非常に穏やかな人物であった。
話し合いが円滑に進み、お互い敵対することなく、良好な関係を構築していくことで合意できたのは本当によかった。
そして、話を最初に戻すが、とにかく明日、我は竜に挨拶することになっている。
「父上、どうして私も行かなきゃダメなんですか? 私も仕事があるんですけど」
息子のダーヴィッドを誘うと、迷惑そうに拒否してきた。
「そう言うなダーヴィッド。父を一人で古竜の前に行かせるのか」
「いや、古竜様は穏やかな方だと聞いていますよ。孤児院の子供たちもよく遊んでもらっているようですし」
「お前も古竜を見てみたいだろう?」
「いえ、私はいいです」
「いいから付き合え。これは王命だ」
「うわぁ。父上、こんなところで王命とか、意味が分からないんですが……」
嫌がるダーヴィッドをなんとか巻き込むことに成功した。
そして翌日、セブールが迎えに来た。
「…………」
我は思わず絶句してしまった。
セブールの横には、昨日も来ていたおかしなゴーレムがいる。
そのウッドゴーレムは、とてもじゃないが、ゴーレムなどとは思えない威圧感があった。
確か、クグノチとか言ったか。
絶対に我より強いと理解させられるゴーレムなんて、悪夢でしかない。まあ、今日はその強者が護衛だと思えば安心なのか?
いや、そのおかしなウッドゴーレムはまだいい。本当に問題なのは、その背後に見える大きな存在だ。アスラと呼ばれるグレートタイラントアシュラベアの巨体が、見たくなくとも目に入ってくる。
「今日はこの城塞都市の東にある、岩山の城まで行きますので、アスラに乗って移動しましょう」
セブールがサラッとヤバイことを言った。
厄災級の魔物になど、我は乗りたくないのだが。
「セブール、馬ではダメなのか? 我らの馬車馬は軍馬だから、足も速いし魔物にも怯まぬぞ」
そう提案してみたが、セブールに一蹴されてしまう。
「軍馬も悪くはありませんが、アスラのスピードには勝てません。なにより、アスラに寄ってくる魔物などいませんから、アスラに乗った方が効率的です。まあアスラに乗らなくとも、旦那様のいるこの草原地帯に近寄ってくる魔物などいないかもしれませんが」
「……それはそうだろうな」
とにかく、グレートタイラントアシュラベアで行くのは決定のようだな。
「では行きましょう」
「あ、ああ」
「アスラ、皆さんが乗れるよう、かがんでもらえますか?」
おとなしくセブールの指示に従うグレートタイラントアシュラベア。
そしてクグノチが、アスラの背に乗るための足場を木魔法で出現させる。
ウッドゴーレムだから木魔法が使えるのは当然か……いや、そんなわけあるか! 魔法を使うゴーレムなど、レア中のレア個体ではないか!
だが誰もそこを指摘することなく、全員でアスラの背に乗り、城塞都市の門を出て、草原地帯の東へと向かう。
そういえば城塞都市の中にこんな厄災レベルの魔物がいても、誰も怖がったり騒いだりしないのはどうしてなのだ。というか先ほど、子供たちが笑顔で手まで振っていたのだが。
しかし、いくらアスラに乗るなど常識外れであると思っても、さすがに魔王である我が怖いと言い出すことはできぬので、仕方なく黙っている。
そして、草原地帯の東へと進んでいくと、そこには畑が広がっていた。
「見事な農地だな」
思わず呟くと、ダーヴィッドが北の方を指さしながら教えてくれる。
「でしょう。北側には牧場もあるんですよ」
傍から見れば、久しぶりの親子の会話を楽しんでいるように見えるかもしれぬな。
本当なら、我だって親子の会話を楽しみたかったのだが……
自分が跨っているのが、厄災レベルの魔物でさえなければな……
◇
そうこうしているうちに、ヴァンダードたちはオオ爺サマが滞在している場所まで到着した。
ヴァンダードはオオ爺サマの神々しい強大な体躯を見上げ、しばし呆然とする。
一見情けない反応だが、そんな彼の反応に対して、口出しする者は誰もいない。
オオ爺サマと面識のあるイグリスとラギアでも、今回竜が初見のヴァンダードがそうなるのは仕方ないと考えていた。
何せ、自分たちも同じリアクションをしたのだから。
むしろヴァンダードの反応よりも、オオ爺サマによじ登り遊ぶ子供たちの姿の方が、いまだに信じられないくらいだった。
「おっ、お初にお目にかかり光栄です。魔王国の国王ヴァンダードと申します。お目にかかれて光栄です」
緊張のあまり、同じことを二回言うヴァンダード。
『ふむ。丁寧な挨拶、痛み入る。ワシは古竜の長じゃ。黄金竜とでも、シグムンド殿たちや子供たちのようにオオ爺サマとでも、好きに呼んでくれればよい』
ちなみに先日バカンスに来ていたオオ爺サマ以外の古竜だが、今は南の大陸に帰っているので、ヴァンダードたちが遭遇した古竜はオオ爺サマのみだった。
それはヴァンダードたちにとって幸福だったと言える。伝説でしか語られることのない竜。その暴力的なまでの威圧感が、多少は少なく済むのだから……
これだけ友好的なオオ爺サマであっても、面と向かっているヴァンダードの背には、大量の汗が伝っている。
力ある者を信奉する傾向の強い魔族から見ても、創造神が創り出した古竜は別格の存在として感じられたのだ。
ヴァンダードが無言になってしまったので、セブールがオオ爺サマに説明する。
「黄金竜殿。ヴァンダード陛下の治める魔王国は、大陸の西側最大の領土を持つ国でございます」
『ほぉ。魔王国といえば、確かここから北西方向じゃったかのぅ』
「はい。そして魔王国は、その地にて十年ほど前まで、西方諸国すべてを相手に戦争をしていたのですよ」
セブールの説明を隣で聞きながら、ヴァンダードはハラハラしている。
特に、西方諸国全部を相手取り戦争をしていたという下りでは、思わずセブールの口を塞ごうと手が動きかけた。
「い、今は、西方諸国のほとんどと停戦、もしくは終戦の条約を結び、関係は改善しています」
オオ爺サマに咎められるのではと思い、慌ててヴァンダードは、現在の状況を説明する。
『いや、ワシは人間同士の争い事に首は突っ込まんよ』
あっさり言うオオ爺サマ。
彼としては、人間や魔族同士のいざこざなどにあまり興味はないのだ。この星を滅ぼしかねないような出来事でもない限り、オオ爺サマをはじめとする古竜は介入したりしない。
「と、ところで、お、黄金竜様は、この先、この地で過ごされるのでしょうか?」
ヴァンダードがどもりながら尋ねた。ヴァンダードとしては、この先もオオ爺サマがこの地に居座り続けるのか否か、早く確認したかったのだ。
古竜といえば、それこそ神話級の存在であり、古竜自体が信仰の対象ですらある。
シグムンドが念入りに警護しているとはいえ、それでも愚かな国が古竜を手に入れようとし、草原地帯に動乱を起こさないか、ヴァンダードは非常に心配だった。
『神より生み出された後、長きにわたり邪神の封印を守護するお役目を果たしてきたのでの。ほんの骨休めじゃ。なに、ほんの二千年か三千年ほどの予定じゃよ』
「…………」
オオ爺サマが想像を絶する長期間滞在するらしいと知り、ヴァンダードは絶句した。
だが数千年以上を生きた古竜にとって、二千年か三千年など、少し長めの休暇感覚でしかないのは当然かもしれない、と認識を改める。
しかしそうなると、西方諸国連合の中で唯一厄介な国である、ジーラッド聖国が動きだすかもしれない。
ヴァンダードはイグリスと、小声でボソボソと会話をする。
「まずいな。聖国の奴らなら、絶対に黄金竜様を己のものとして扱いだすぞ」
「ああ、ありえますね」
厄介なことに、ジーラッド聖国の聖王であるバキャルは、自分が本気で神の血を引くと思い込んでいる。だが、それがどこの神なのか、またその神が、オオ爺サマや他の古竜たちを創り出した創造神と同一なのかは分からない。
だが聖国のめちゃくちゃな理屈では、神が創りし古竜は、自分たちのものだという主張になりかねないのだ。
いや、確実にそうなる未来しか、ヴァンダードには見えなかった。
「そろそろ、次の場所へ案内します」
思い悩んでいたヴァンダードを、セブールが促した。
「あ、ああ。分かった。では黄金竜様、失礼いたします」
『ふむ。ではまたの』
ヴァンダードやイグリスたちは、困ったことになったと思いつつも、オオ爺サマに深々と頭を下げて挨拶をし、その場をあとにした。
そして、少し離れた場所で待っているアスラのもとに移動する。
「ま、またアスラの背に乗り向かうのだな……」
アスラに乗るという行為にまだ慣れないヴァンダードは、アスラの前で躊躇してしまった。
セブールはそんなヴァンダードの戸惑いなど気にせず、あっさりと言う。
「はい。距離的にはそれほど遠くはありませんが、それでも徒歩で行くのは時間が掛かりますからな」
「馬車ではダメなのか? 我らの馬車を引くのは優秀な軍馬のバトルホースだぞ」
先ほど提案して却下されたのと同じことを、また繰り返すヴァンダード。
ダーヴィッドが呆れてヴァンダードを制止する。
「父上、さっきセブール殿も言っていましたが、アスラ殿なら魔物も寄ってきませんし、馬車よりも速いのですよ」
「ダーヴィッド殿下の言う通りでございます。馬車の移動では周囲に護衛が必要になりますが、アスラなら必要ありませんからな」
「そ、そうか……」
結局押し切られたヴァンダードは、仕方なくアスラに乗るのだった。
こうしてヴァンダードたちは、アスラに乗って草原地帯の視察を続ける。
次に案内されたのは、シグムンドが悪ノリして魔法で作りあげた巨大な岩山、そしてその上にそびえ立つ城だった。
まずヴァンダードが驚いたのは、綺麗に整えられた広い道だ。
草原地帯の入り口辺りから岩山の城まで続くこの道は、シグムンドが魔法で作ったものである。
草原地帯というだけあって、周辺には膝丈ほどの草が生い茂っている中、シグムンドの作った土の道には草一本生えておらず、轍の跡もついていない。
これが完成したばかりの道なら分かるのだが、通常、そのままの状態で維持するのは難しい。
事実として、西方諸国の街道では、通行量が多い場所では轍がひどく、逆に通行量が少ない場所では雑草が生い茂るという状態になっている。
ところがシグムンドが作った道は、作られた時のままの綺麗な状態を維持し続けている様子だ。
ヴァンダードは、不思議に思って言う。
「草原地帯を走る街道なのに、ずいぶんと綺麗な状態で保っているな」
「旦那様が念入りに地面を固め、その上強力な状態保存と修復の魔法を付与していますから」
「はっ!?」
セブールから告げられた内容は、ヴァンダードとしては到底納得できるものではなく、素っ頓狂な声を出す。
ここは魔法が存在する世界で、科学技術よりも魔法技術が発展しているので、当然土木工事にも魔法が使われることはある。
ただ使われるとしても、ごく一部に限られた話だ。この世界の魔法の主な用法といえば、魔物と戦う術であり、戦争における武器である。
それが常識だというのに、魔法で大規模な街道工事をしたというのだ。
「ちなみに、どのくらいの期間で作ったのか、聞いていいか?」
「道自体には、一日も掛かってませんね。確か二時間ほどでしたかな」
「なっ!? に、二時間だと……」
魔法に高い適性のある魔族基準で考えても、相当時間が掛かりそうな作業だ。そう思っていたヴァンダードは、セブールから返ってきた答えに唖然とした。
しかもセブールが言うには、この道はほぼメンテナンスフリーなのだ。
「一体、どれほどの魔力を使えば……」
「陛下、今更ですよ」
いちいち驚いていてはキリがないとばかりに、イグリスが言う。
「シグムンド殿は、城塞都市や岩山の城を、魔法で作りあげたのですよ。岩山を生み出すなんて、もう神の領域です。道くらいで驚いてたら、身が持ちませんよ」
側にいたラギアも、遠い目をしながら言う。
「陛下、ここでは魔王国の常識を捨てればいいんですよ。そうすれば楽です。私は深淵の森で出会った死を覚悟させられるような魔物を、娘が瞬殺した時に諦めました」
「そうか、ラギアも通った道なのだな……」
今となっては、ラギアに深淵の森の中にあるシグムンドの屋敷へ行けなどという、ひどい命令を出したことを、申し訳なく思うヴァンダードだった。
「とはいえな……これはもう小規模ながら天地創造ではないか」
「父上。岩山を作ったというのもすごいですが、城も魔王城と違って美しいですよ」
岩山の上にそびえるこの世界にはない美しい城の姿に、ヴァンダードとダーヴィッドの魔王親子は言葉を失くす。
ちなみにシグムンド的には、記憶の中にあるいろいろな城からいいとこ取りをしただけなので、自慢できるものではないと思っていたりする。
ただその分、内装や外観の装飾には凝ったので、全体的な出来ばえには満足していた。まあいくら凝ったところで、現状、ほとんどゴーレムしかいないのだが……
それはさておき、ヴァンダードたちはしばらく、岩山の城の見事さに見とれ続けた。
城の大きさは確かに魔王城の方が大きい。大きいのだが、シグムンドの作り出した岩山の上にそびえる城と比べると、魔王城の下品さがよく分かってしまう。
建城した魔王に、文句の一つも言いたくなるヴァンダードであった。
ヴァンダードやダーヴィッドが岩山や城に圧倒されている間にも、彼らを乗せたアスラは進み、どんどんと岩山に近付いていく。
だがアスラは岩山の正面にある門へは向かわず、なぜか岩山の北側の方へ歩き始めた。
「んっ? セブール、道を逸れたぞ」
「ご心配なく。こちらに昇降装置がございますので」
「昇降装置?」
セブールから返ってきた「昇降装置」という言葉が理解できなかったヴァンダードは、首を傾げる。
だがアスラが進んでいくうちに、すぐに昇降装置とはなんなのかという答えが分かることになった。山の岩肌に、アスラでも余裕で通れるほど巨大な扉があるのが見えたのだ。
素材はよく分からないが、鋼鉄製らしき重厚な扉。あの扉の向こうにあるのが「昇降装置」らしいと、ヴァンダードは理解する。
また、扉の前には、アイアンゴーレムが控えていた。この門番らしきゴーレムも、城塞都市の正面の門を守るゴーレムと同等の、ヴァンダードにとっては洒落にならないレベルの強さだとすぐに見て取れる。それに加えて、門の開閉のためだけに設置された、ストーンゴーレムまでいた。
「ご苦労様です」
セブールがアイアンゴーレムに挨拶すると、自我を持つアイアンゴーレムがセブールへ会釈を返し、扉を開けるようストーンゴーレムへと指示を出した。
ヴァンダードはもう、考えるのを放棄する。
ゴーレムに自我があるなんてありえないと思いたいのだが、ヴァンダードは高度な自我を持ち、意思疎通可能なゴーレムを今まで散々見ているのだ。
なのでこんな事態はありえないといった、常識に照らした考えを抱くことは無駄だと判断する。
こうしてヴァンダードがいろいろと考えているうちにも、アスラはどんどん進み、扉の向こうに続く部屋に入る。巨体のアスラが入っても、まだまだスペースに余裕があるほど、昇降装置の中は大きかった。
昇降装置に乗ったアスラは、壁面に取りつけられたボタンを前足で器用に押す。
この昇降装置は、標高の高い岩山の城までの移動を楽にするため、シグムンドが作ったものだ。
シグムンドやシグムンドの同行者は岩山の城まで転移してしまえばいいのだが、問題はシグムンド以外が移動する場合だ。本人に飛行能力がなかったり、移動に適した従魔を持っていなかったりする場合、城に行くだけでも一苦労なのである。
眷属だけでなくゴーレムたちからも移動を楽にしたいという要望が来て、昇降装置――もとい、エレベーターを設置したというわけだ。
このエレベーターに、ヴァンダードとダーヴィッドは興味を抱く。
歴代の魔王により無秩序に増改築されて今の状態となった魔王城は、縦にも横にも大きいので、移動が大変なのだ。
「父上! これっ、魔王城に欲しいですね」
「ああ、小型のものでいいからぜひ欲しいものだな」
そんなことを二人が話しているうちに、エレベーターはあっという間に城の一階へと到着する。
視界の中に飛び込んできた広いフロアとその内装に、ヴァンダード親子は息を飲む。
「……魔族もセンスを磨くべきですね」
「……ああ、魔王城の改装も検討するべきだな」
壁や天井の装飾から細かな部分の彫刻まで、シグムンドの城は丁寧に作られており、魔王城とは違う美がそこにはあった。それこそ魔王親子が、魔王城の下品さを恥ずかしく思うほどに美しい。
城の規模では魔王城の方がずっと大きいにもかかわらず、シグムンドの城に圧倒されているヴァンダードたちを、案内役のセブールが促す。
草原地帯に赴いた我――ヴァンダードは明日、竜に対面することになっている。
ところで、我が草原地帯に足を運んだのは、生まれて初めてのことだ。
途中、別件で城塞都市へ向かう途中だった次男のダーヴィッドと合流でき、口には出せぬがホッとした。
それだけ今回の会談は、プレッシャーがかかるものだったのだ。
我にとっては親しみのあるセブールですら、すでに我の実力を超えているのは間違いない。
セブールは、父上に仕えていた時から実力者であると知られていた。が、久しぶりに会ったセブールはその時の実力を更に超え、別次元と思えるような気配を感じさせる存在となっていた。
そしてシグムンド殿は、そのセブールすら上回る。深淵の森近くで会談した時のシグムンド殿は、我らに気を遣って魔力や気配を極力抑えてくれていたのだと、改めて理解させられた。
それはさておき、なぜ我がわざわざ草原地帯に赴いたかについて話そう。
突如草原地帯に出現した城塞都市や、神が作ったような岩山の頂上にそびえる城など、もう我らでは理解の及ばないことが続き、魔王国として、シグムンド殿との良好な関係構築は急務であると感じたためだ。
そこにトドメのように、古竜飛来という事件もあった。
王である我が自ら出向くことに、現実を理解せず苦言を呈す者もいた。だがイグリスなど、実情を知る者は賛成してくれた。
そして昨日、我はとうとうシグムンド殿と二度目の邂逅を果たす。
相変わらず魔力を極力まで抑える完璧な魔力操作。これ一つとっても、シグムンド殿が尋常ではない強者だと分かる。
なにより、漏れ出す気配だけで膝を屈しそうになったのは初めてだ。
その気配は、あの父上すら赤子と感じられるほどのもので、我ごときではシグムンド殿の真の実力は測ることができぬのだろうと理解した。
ところで前回の会談の時と同じく、シグムンド殿はその馬鹿げた力とは裏腹に、非常に穏やかな人物であった。
話し合いが円滑に進み、お互い敵対することなく、良好な関係を構築していくことで合意できたのは本当によかった。
そして、話を最初に戻すが、とにかく明日、我は竜に挨拶することになっている。
「父上、どうして私も行かなきゃダメなんですか? 私も仕事があるんですけど」
息子のダーヴィッドを誘うと、迷惑そうに拒否してきた。
「そう言うなダーヴィッド。父を一人で古竜の前に行かせるのか」
「いや、古竜様は穏やかな方だと聞いていますよ。孤児院の子供たちもよく遊んでもらっているようですし」
「お前も古竜を見てみたいだろう?」
「いえ、私はいいです」
「いいから付き合え。これは王命だ」
「うわぁ。父上、こんなところで王命とか、意味が分からないんですが……」
嫌がるダーヴィッドをなんとか巻き込むことに成功した。
そして翌日、セブールが迎えに来た。
「…………」
我は思わず絶句してしまった。
セブールの横には、昨日も来ていたおかしなゴーレムがいる。
そのウッドゴーレムは、とてもじゃないが、ゴーレムなどとは思えない威圧感があった。
確か、クグノチとか言ったか。
絶対に我より強いと理解させられるゴーレムなんて、悪夢でしかない。まあ、今日はその強者が護衛だと思えば安心なのか?
いや、そのおかしなウッドゴーレムはまだいい。本当に問題なのは、その背後に見える大きな存在だ。アスラと呼ばれるグレートタイラントアシュラベアの巨体が、見たくなくとも目に入ってくる。
「今日はこの城塞都市の東にある、岩山の城まで行きますので、アスラに乗って移動しましょう」
セブールがサラッとヤバイことを言った。
厄災級の魔物になど、我は乗りたくないのだが。
「セブール、馬ではダメなのか? 我らの馬車馬は軍馬だから、足も速いし魔物にも怯まぬぞ」
そう提案してみたが、セブールに一蹴されてしまう。
「軍馬も悪くはありませんが、アスラのスピードには勝てません。なにより、アスラに寄ってくる魔物などいませんから、アスラに乗った方が効率的です。まあアスラに乗らなくとも、旦那様のいるこの草原地帯に近寄ってくる魔物などいないかもしれませんが」
「……それはそうだろうな」
とにかく、グレートタイラントアシュラベアで行くのは決定のようだな。
「では行きましょう」
「あ、ああ」
「アスラ、皆さんが乗れるよう、かがんでもらえますか?」
おとなしくセブールの指示に従うグレートタイラントアシュラベア。
そしてクグノチが、アスラの背に乗るための足場を木魔法で出現させる。
ウッドゴーレムだから木魔法が使えるのは当然か……いや、そんなわけあるか! 魔法を使うゴーレムなど、レア中のレア個体ではないか!
だが誰もそこを指摘することなく、全員でアスラの背に乗り、城塞都市の門を出て、草原地帯の東へと向かう。
そういえば城塞都市の中にこんな厄災レベルの魔物がいても、誰も怖がったり騒いだりしないのはどうしてなのだ。というか先ほど、子供たちが笑顔で手まで振っていたのだが。
しかし、いくらアスラに乗るなど常識外れであると思っても、さすがに魔王である我が怖いと言い出すことはできぬので、仕方なく黙っている。
そして、草原地帯の東へと進んでいくと、そこには畑が広がっていた。
「見事な農地だな」
思わず呟くと、ダーヴィッドが北の方を指さしながら教えてくれる。
「でしょう。北側には牧場もあるんですよ」
傍から見れば、久しぶりの親子の会話を楽しんでいるように見えるかもしれぬな。
本当なら、我だって親子の会話を楽しみたかったのだが……
自分が跨っているのが、厄災レベルの魔物でさえなければな……
◇
そうこうしているうちに、ヴァンダードたちはオオ爺サマが滞在している場所まで到着した。
ヴァンダードはオオ爺サマの神々しい強大な体躯を見上げ、しばし呆然とする。
一見情けない反応だが、そんな彼の反応に対して、口出しする者は誰もいない。
オオ爺サマと面識のあるイグリスとラギアでも、今回竜が初見のヴァンダードがそうなるのは仕方ないと考えていた。
何せ、自分たちも同じリアクションをしたのだから。
むしろヴァンダードの反応よりも、オオ爺サマによじ登り遊ぶ子供たちの姿の方が、いまだに信じられないくらいだった。
「おっ、お初にお目にかかり光栄です。魔王国の国王ヴァンダードと申します。お目にかかれて光栄です」
緊張のあまり、同じことを二回言うヴァンダード。
『ふむ。丁寧な挨拶、痛み入る。ワシは古竜の長じゃ。黄金竜とでも、シグムンド殿たちや子供たちのようにオオ爺サマとでも、好きに呼んでくれればよい』
ちなみに先日バカンスに来ていたオオ爺サマ以外の古竜だが、今は南の大陸に帰っているので、ヴァンダードたちが遭遇した古竜はオオ爺サマのみだった。
それはヴァンダードたちにとって幸福だったと言える。伝説でしか語られることのない竜。その暴力的なまでの威圧感が、多少は少なく済むのだから……
これだけ友好的なオオ爺サマであっても、面と向かっているヴァンダードの背には、大量の汗が伝っている。
力ある者を信奉する傾向の強い魔族から見ても、創造神が創り出した古竜は別格の存在として感じられたのだ。
ヴァンダードが無言になってしまったので、セブールがオオ爺サマに説明する。
「黄金竜殿。ヴァンダード陛下の治める魔王国は、大陸の西側最大の領土を持つ国でございます」
『ほぉ。魔王国といえば、確かここから北西方向じゃったかのぅ』
「はい。そして魔王国は、その地にて十年ほど前まで、西方諸国すべてを相手に戦争をしていたのですよ」
セブールの説明を隣で聞きながら、ヴァンダードはハラハラしている。
特に、西方諸国全部を相手取り戦争をしていたという下りでは、思わずセブールの口を塞ごうと手が動きかけた。
「い、今は、西方諸国のほとんどと停戦、もしくは終戦の条約を結び、関係は改善しています」
オオ爺サマに咎められるのではと思い、慌ててヴァンダードは、現在の状況を説明する。
『いや、ワシは人間同士の争い事に首は突っ込まんよ』
あっさり言うオオ爺サマ。
彼としては、人間や魔族同士のいざこざなどにあまり興味はないのだ。この星を滅ぼしかねないような出来事でもない限り、オオ爺サマをはじめとする古竜は介入したりしない。
「と、ところで、お、黄金竜様は、この先、この地で過ごされるのでしょうか?」
ヴァンダードがどもりながら尋ねた。ヴァンダードとしては、この先もオオ爺サマがこの地に居座り続けるのか否か、早く確認したかったのだ。
古竜といえば、それこそ神話級の存在であり、古竜自体が信仰の対象ですらある。
シグムンドが念入りに警護しているとはいえ、それでも愚かな国が古竜を手に入れようとし、草原地帯に動乱を起こさないか、ヴァンダードは非常に心配だった。
『神より生み出された後、長きにわたり邪神の封印を守護するお役目を果たしてきたのでの。ほんの骨休めじゃ。なに、ほんの二千年か三千年ほどの予定じゃよ』
「…………」
オオ爺サマが想像を絶する長期間滞在するらしいと知り、ヴァンダードは絶句した。
だが数千年以上を生きた古竜にとって、二千年か三千年など、少し長めの休暇感覚でしかないのは当然かもしれない、と認識を改める。
しかしそうなると、西方諸国連合の中で唯一厄介な国である、ジーラッド聖国が動きだすかもしれない。
ヴァンダードはイグリスと、小声でボソボソと会話をする。
「まずいな。聖国の奴らなら、絶対に黄金竜様を己のものとして扱いだすぞ」
「ああ、ありえますね」
厄介なことに、ジーラッド聖国の聖王であるバキャルは、自分が本気で神の血を引くと思い込んでいる。だが、それがどこの神なのか、またその神が、オオ爺サマや他の古竜たちを創り出した創造神と同一なのかは分からない。
だが聖国のめちゃくちゃな理屈では、神が創りし古竜は、自分たちのものだという主張になりかねないのだ。
いや、確実にそうなる未来しか、ヴァンダードには見えなかった。
「そろそろ、次の場所へ案内します」
思い悩んでいたヴァンダードを、セブールが促した。
「あ、ああ。分かった。では黄金竜様、失礼いたします」
『ふむ。ではまたの』
ヴァンダードやイグリスたちは、困ったことになったと思いつつも、オオ爺サマに深々と頭を下げて挨拶をし、その場をあとにした。
そして、少し離れた場所で待っているアスラのもとに移動する。
「ま、またアスラの背に乗り向かうのだな……」
アスラに乗るという行為にまだ慣れないヴァンダードは、アスラの前で躊躇してしまった。
セブールはそんなヴァンダードの戸惑いなど気にせず、あっさりと言う。
「はい。距離的にはそれほど遠くはありませんが、それでも徒歩で行くのは時間が掛かりますからな」
「馬車ではダメなのか? 我らの馬車を引くのは優秀な軍馬のバトルホースだぞ」
先ほど提案して却下されたのと同じことを、また繰り返すヴァンダード。
ダーヴィッドが呆れてヴァンダードを制止する。
「父上、さっきセブール殿も言っていましたが、アスラ殿なら魔物も寄ってきませんし、馬車よりも速いのですよ」
「ダーヴィッド殿下の言う通りでございます。馬車の移動では周囲に護衛が必要になりますが、アスラなら必要ありませんからな」
「そ、そうか……」
結局押し切られたヴァンダードは、仕方なくアスラに乗るのだった。
こうしてヴァンダードたちは、アスラに乗って草原地帯の視察を続ける。
次に案内されたのは、シグムンドが悪ノリして魔法で作りあげた巨大な岩山、そしてその上にそびえ立つ城だった。
まずヴァンダードが驚いたのは、綺麗に整えられた広い道だ。
草原地帯の入り口辺りから岩山の城まで続くこの道は、シグムンドが魔法で作ったものである。
草原地帯というだけあって、周辺には膝丈ほどの草が生い茂っている中、シグムンドの作った土の道には草一本生えておらず、轍の跡もついていない。
これが完成したばかりの道なら分かるのだが、通常、そのままの状態で維持するのは難しい。
事実として、西方諸国の街道では、通行量が多い場所では轍がひどく、逆に通行量が少ない場所では雑草が生い茂るという状態になっている。
ところがシグムンドが作った道は、作られた時のままの綺麗な状態を維持し続けている様子だ。
ヴァンダードは、不思議に思って言う。
「草原地帯を走る街道なのに、ずいぶんと綺麗な状態で保っているな」
「旦那様が念入りに地面を固め、その上強力な状態保存と修復の魔法を付与していますから」
「はっ!?」
セブールから告げられた内容は、ヴァンダードとしては到底納得できるものではなく、素っ頓狂な声を出す。
ここは魔法が存在する世界で、科学技術よりも魔法技術が発展しているので、当然土木工事にも魔法が使われることはある。
ただ使われるとしても、ごく一部に限られた話だ。この世界の魔法の主な用法といえば、魔物と戦う術であり、戦争における武器である。
それが常識だというのに、魔法で大規模な街道工事をしたというのだ。
「ちなみに、どのくらいの期間で作ったのか、聞いていいか?」
「道自体には、一日も掛かってませんね。確か二時間ほどでしたかな」
「なっ!? に、二時間だと……」
魔法に高い適性のある魔族基準で考えても、相当時間が掛かりそうな作業だ。そう思っていたヴァンダードは、セブールから返ってきた答えに唖然とした。
しかもセブールが言うには、この道はほぼメンテナンスフリーなのだ。
「一体、どれほどの魔力を使えば……」
「陛下、今更ですよ」
いちいち驚いていてはキリがないとばかりに、イグリスが言う。
「シグムンド殿は、城塞都市や岩山の城を、魔法で作りあげたのですよ。岩山を生み出すなんて、もう神の領域です。道くらいで驚いてたら、身が持ちませんよ」
側にいたラギアも、遠い目をしながら言う。
「陛下、ここでは魔王国の常識を捨てればいいんですよ。そうすれば楽です。私は深淵の森で出会った死を覚悟させられるような魔物を、娘が瞬殺した時に諦めました」
「そうか、ラギアも通った道なのだな……」
今となっては、ラギアに深淵の森の中にあるシグムンドの屋敷へ行けなどという、ひどい命令を出したことを、申し訳なく思うヴァンダードだった。
「とはいえな……これはもう小規模ながら天地創造ではないか」
「父上。岩山を作ったというのもすごいですが、城も魔王城と違って美しいですよ」
岩山の上にそびえるこの世界にはない美しい城の姿に、ヴァンダードとダーヴィッドの魔王親子は言葉を失くす。
ちなみにシグムンド的には、記憶の中にあるいろいろな城からいいとこ取りをしただけなので、自慢できるものではないと思っていたりする。
ただその分、内装や外観の装飾には凝ったので、全体的な出来ばえには満足していた。まあいくら凝ったところで、現状、ほとんどゴーレムしかいないのだが……
それはさておき、ヴァンダードたちはしばらく、岩山の城の見事さに見とれ続けた。
城の大きさは確かに魔王城の方が大きい。大きいのだが、シグムンドの作り出した岩山の上にそびえる城と比べると、魔王城の下品さがよく分かってしまう。
建城した魔王に、文句の一つも言いたくなるヴァンダードであった。
ヴァンダードやダーヴィッドが岩山や城に圧倒されている間にも、彼らを乗せたアスラは進み、どんどんと岩山に近付いていく。
だがアスラは岩山の正面にある門へは向かわず、なぜか岩山の北側の方へ歩き始めた。
「んっ? セブール、道を逸れたぞ」
「ご心配なく。こちらに昇降装置がございますので」
「昇降装置?」
セブールから返ってきた「昇降装置」という言葉が理解できなかったヴァンダードは、首を傾げる。
だがアスラが進んでいくうちに、すぐに昇降装置とはなんなのかという答えが分かることになった。山の岩肌に、アスラでも余裕で通れるほど巨大な扉があるのが見えたのだ。
素材はよく分からないが、鋼鉄製らしき重厚な扉。あの扉の向こうにあるのが「昇降装置」らしいと、ヴァンダードは理解する。
また、扉の前には、アイアンゴーレムが控えていた。この門番らしきゴーレムも、城塞都市の正面の門を守るゴーレムと同等の、ヴァンダードにとっては洒落にならないレベルの強さだとすぐに見て取れる。それに加えて、門の開閉のためだけに設置された、ストーンゴーレムまでいた。
「ご苦労様です」
セブールがアイアンゴーレムに挨拶すると、自我を持つアイアンゴーレムがセブールへ会釈を返し、扉を開けるようストーンゴーレムへと指示を出した。
ヴァンダードはもう、考えるのを放棄する。
ゴーレムに自我があるなんてありえないと思いたいのだが、ヴァンダードは高度な自我を持ち、意思疎通可能なゴーレムを今まで散々見ているのだ。
なのでこんな事態はありえないといった、常識に照らした考えを抱くことは無駄だと判断する。
こうしてヴァンダードがいろいろと考えているうちにも、アスラはどんどん進み、扉の向こうに続く部屋に入る。巨体のアスラが入っても、まだまだスペースに余裕があるほど、昇降装置の中は大きかった。
昇降装置に乗ったアスラは、壁面に取りつけられたボタンを前足で器用に押す。
この昇降装置は、標高の高い岩山の城までの移動を楽にするため、シグムンドが作ったものだ。
シグムンドやシグムンドの同行者は岩山の城まで転移してしまえばいいのだが、問題はシグムンド以外が移動する場合だ。本人に飛行能力がなかったり、移動に適した従魔を持っていなかったりする場合、城に行くだけでも一苦労なのである。
眷属だけでなくゴーレムたちからも移動を楽にしたいという要望が来て、昇降装置――もとい、エレベーターを設置したというわけだ。
このエレベーターに、ヴァンダードとダーヴィッドは興味を抱く。
歴代の魔王により無秩序に増改築されて今の状態となった魔王城は、縦にも横にも大きいので、移動が大変なのだ。
「父上! これっ、魔王城に欲しいですね」
「ああ、小型のものでいいからぜひ欲しいものだな」
そんなことを二人が話しているうちに、エレベーターはあっという間に城の一階へと到着する。
視界の中に飛び込んできた広いフロアとその内装に、ヴァンダード親子は息を飲む。
「……魔族もセンスを磨くべきですね」
「……ああ、魔王城の改装も検討するべきだな」
壁や天井の装飾から細かな部分の彫刻まで、シグムンドの城は丁寧に作られており、魔王城とは違う美がそこにはあった。それこそ魔王親子が、魔王城の下品さを恥ずかしく思うほどに美しい。
城の規模では魔王城の方がずっと大きいにもかかわらず、シグムンドの城に圧倒されているヴァンダードたちを、案内役のセブールが促す。
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