いずれ最強の錬金術師?

小狐丸

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16巻

16-2

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 僕もエトワール達に続いてリビングに行くと、ソフィアが出かける用意をしていた。

「タクミ様。少し子供達と散歩に出てきます」
「うん、お願い」

 母親三人と娘達三人、ベビーカーに乗る赤ちゃん三人。それにメイドを加えると少し人数が多くて大袈裟おおげさな感じだね。
 僕はソフィアに子供達を任せ、工房へと向かう。勿論、エトワール達でも赤ちゃんを連れて散歩出来る乗り物を作るためだ。

「あれ? タクミ様。どうしたであります? 急ぎの納品はなかったと思うであります」
「うん。エトワールからのリクエストでね」

 もう工房のヌシのようになったレーヴァが工房に入ってきた僕を見て首を傾げたので、笑って答える。確かに、パペックさんのところを含め、納品関係は前倒しして済ませてある。子供達と触れ合う時間が欲しかったからね。

「リクエストでありますか?」
「エトワールが弟達を連れて散歩したいらしいんだ。でも、今あるベビーカーじゃ行ける場所が限られてくるだろう。エトワールとしては、聖域の色んな景色を見せてあげたいんだってさ」
「エトワールちゃんは聖域の景色が大好きでありますからな。弟ちゃん達にも見せてあげたくなったんでありますな」
「そうみたい」

 エトワールからの希望である、何処どこにでも赤ちゃんを連れていけるベビーカー。
 実はもうアイデアはある。つい最近造った、宙に浮かんですべるように進むグライドバイクだ。それをレーヴァに説明する。

「おお! 確かに、グライドバイクなら道のない場所でも振動なんて関係なく行けるであります」
「だろ。しかも動かなくてもいいんだ。浮かびさえすればいい」
「ベビーカーと同じように、人が押すのでありますな」
「そう。赤ちゃんを乗せるんだから、安全性が第一だしね」

 ベビーカーの車輪をなくし、グライドバイクみたいに浮かせればいい。あとは持ち手を押せば、楽に動かせるだろう。勿論、安全に関しては何重にもセーフティーを設ける。


「浮かせる高さは、十センチもあれば大丈夫でありますな」
「う~ん。一応グライドバイクと同じ二十センチを考えているんだよね」
「ああ、聖域の自然はバリエーション豊かであります。それに対応できるようにした方がいいでありますな」
「そうそう」

 いつものようにレーヴァと二人、新しく作る浮遊するベビーカーの仕様を考えていく。

「エトワールちゃん達が押すのであれば、持ち手の部分が伸縮するようにした方がいいでありますな」
「そうだね。それと赤ちゃんを乗せるバスケット部分。今は新生児だけど、二歳くらいでも乗れる物と換装可能にしないとね」
「でありますな。タクミ様の子供は皆んな身体能力が高いので、三歳くらいになると駆け回ってベビーカーに乗る事もないであります」
「だね。エトワール達はミニグライドバイクに乗ってるくらいだもの」

 そう。僕の前世の記憶では、三歳くらいの子供もベビーカーに乗っていた気がする。新生児なんかの小さな赤ちゃんを乗せるものとは違っていたとは思うけど。
 だけどエトワール達は、ベビーカーに乗っていた期間が凄く短い。
 特にフローラなんかは獣人族だけあって、走り回るようになるのが早かったからね。もう、この辺は世界が違うと納得しないといけないかな。
 ただ、僕はそう思っていたんだけど、レーヴァが少し違うと言ってくる。

「タクミ様。エトワールちゃんや春香ちゃん、フローラちゃんを基準に考えるとダメでありますよ」
「そうなの?」
「そうであります。フローラちゃんは、獣人族基準でも身体能力はずば抜けているでありますよ。春香ちゃんも人族の三歳の身体能力じゃないって、メイドの皆さんが言ってるであります。エトワールちゃんだって、エルフの幼児はあんなに動けないって、聖域のエルフの皆さんから評判であります」
「そ、そうなんだ。王都のお店で情報収集しておかないとダメかな」

 何が原因なのかは分からない。僕に原因があるのか、それともソフィア達が種族の中でも優れているのか。まあ、多分たぶんだけど創世の女神ノルン様製の僕が原因なのかな。
 一度、王都のお店で働いてくれている従業員に話を聞いておこう。
 王都には、僕の商会が出しているお店がある。パペック商会にも商品はおろしているけれど、自分のお店でも色々と売っている。赤ちゃん用品なんかもその内の一つだ。

「話がれちゃたね。あと必要なのは日除ひよけかな」
「安全面を考えると、結界を組み込むのはアリであります」
「ああ、そんなに強度は必要ないけど、結界は必要かもね。これは商品にはならないだろうから、とりあえずは僕の子達の分があればいいか」
「そうでありますな。二、三年しか使えない赤ちゃん用品にしては、少々高価になりすぎるでありますから」

 今回のベビーカーに組み込む魔導具の数は多い。浮遊の魔導具に、防汚、結界。赤ちゃんは体温調節の能力が未熟なので、バスケット内の温度調節。
 短期間しか使用しないベビー用品に相応ふさわしくない値段になる。

「でも貴族なら買うのでは?」
「ああ、貴族なら買いそうだね。いまだに僕が改良した馬車は売れてるみたいだし」

 パペック商会から販売されている僕が改良した馬車は、今もそこそこ売れているらしい。そこそこなのは、もう一通りお金のある貴族に行き渡ったからだ。今は、三台目や四台目を購入する貴族がいるくらいなので、販売数は落ち着いているとパペックさんから聞いている。
 レーヴァが言うように、貴族なら少々高価になっても、他の人が持っていない珍しいベビーカーなら是非ぜひとも手に入れたいと思うかもしれない。
 他の人が持っていないというのが重要で、貴族はそんなつまらないところで、常にマウントを取りたがる人達なんだよね。

「とはいえ、これは我が家の分だけでいいかな。面倒だし」
「赤ちゃんは、何もなくても体調が急変する可能性がありますしね」
「うん。責任云々うんぬんを言い出す貴族って面倒だろう?」
「で、ありますな」

 この世界において乳幼児の死亡率は低くない。
 効果の高いポーションの普及と金儲け主義の神光教の撤退てったいで、改善傾向にはあるけれど、乳幼児の体調が急変する可能性があるのは変わらない。
 聖域なら僕やアカネを筆頭に、光属性魔法の使い手が一定数いるし、そもそも光の大精霊セレネーが顕現けんげんしている土地なので、病気になる人は少ない。
 だけど聖域の外ではそうはいかないからね。
 僕のベビーカーになんの問題もなくても、赤ちゃんに何かあれば変に噛みついてくる馬鹿な貴族が、バーキラ王国にも絶対にいるんだよな。


 他所よその事は考えないようにして、とりあえず自分達の分を作る事にした。
 使用する金属は軽量なミスリル合金にし、部分的に使う木材も軽い木が魔物化したトレント材を使用する。
 他にも鳥系の魔物の骨を加工して軽量化を進める。

「品質の良い魔晶石ましょうせきを使うと、どうしても高価になるよね」
「ミスリルやトレント材を使っている時点で一緒であります」
「それもそうか」

 色々と付与して強化はするけど、魔導具としては単純な浮遊の魔導具で、しかも乗せるのが赤ちゃんなので、魔晶石は小さい物で十分。
 それでも使い捨ての魔石ではなく、魔力の補充が可能な魔晶石は小さくても高価だ。

「バスケット部分には、布地を被せないとね」
「クッション性も必要でありますから、布地の下に綿わたでも入れるでありますか?」
「魔物素材で良さげな物があれば、それでもいいんだけどね」

 布地はカエデにお願いして糸を確保するつもりだ。その部分に妥協だきょうはしない。
 素材を集めれば後は早い。仕組みもシンプルだし大きさも小さい。一応、一つを錬成れんせいしてみて、問題がないかレーヴァと二人でチェックする。
 問題ないとなると、残りの二つを一度に錬成する。

「錬成」

 二台分の素材が魔法陣の光に包まれ、光が収まった後には、二台のベビーカー? が完成する。

「浮いてるのにベビーカーって変だね」
「まぁ、三つしかないでありますから、名前を付けるまでもないであります」
「それもそうだね」

 僕は完成した三台をアイテムボックスにしまうと、子供達の様子を見に行く。
 もう、流石に散歩からは戻ってきているだろう。
 お昼寝でもしてるかな。それとも勉強の時間かな。



 3 賑やかなお散歩


 エトワール、春香、フローラが、それぞれの弟を乗せたベビーカー? を押して聖域を歩いている。
 セルト、ユーリ、クルスも、まだお姉ちゃんというのは分からないだろうけど、初めて見る青い空に機嫌は良さそうだ。
 当然、子供達だけに赤ちゃんを任せてお散歩するなんてありえないので、今回は昨日以上に大人数だ。
 ソフィア、マリア、マーニの母親達に加え、メイドが三人。それと何故かアカネとルルちゃんが、カメラを回している。
 最近エトワールが趣味にしている静止画の方じゃなく、あれは動画を撮るカメラだ。

「アカネ、動画を撮ってるのか?」
「ええ、スナップ写真もいいけど、動く姿を残したいじゃない」
「ま、まあ、それもそうか」
「だから編集機をお願いね」
「えっ!? 動画編集までする気かい?」
「ええ、簡単なエフェクトや音楽も編集できるようにしてよね」
「……考えてみるよ」
「なるはやでね」
「…………」

 アカネに編集機をリクエストされた。
 カメラを造った後、アカネに動画を撮れるタイプのものを造るように言われて、映写機とセットで錬成したんだけど、それじゃ満足できないみたいだ。
 まあ、僕の子供達の映像を残すと思えば、苦にはならないどころか、楽しみではあるけれど……

「ほーら、アレが精霊樹だよ」
「アレがウィンディーネの泉だよ」
「ほらほら、おっきな教会だよ」

 まだ言葉も分からないセルト達に、それでも嬉しそうに聖域を案内するエトワール達。
 少し離れてソフィア達母親が優しく見守っている。
 その周りをカメラを構えて動き回るアカネとルルちゃんが気になるけど、動画の編集までしてくれるのなら、まぁいいか。
 僕達が赤ちゃんを連れていると聖域の人達が知ると、集まってきては代わる代わるセルト達の顔を見て声をかけていってくれた。


「ほら、ここがお姉ちゃんのお気に入りの場所なの。精霊樹と精霊の泉が綺麗に見えるんだ」
「あら、エトワールは良い感性してるわね」
「緑が綺麗でしょう? お姉ちゃんをめてもいいのよ」

 エトワールが聖域の中でも大好きな場所に着き、その景色を弟達に説明していると、ウィンディーネとドリュアスが現れた。

「本当、相変わらずタクミちゃんの子供達は、精霊に好かれるわねぇ」
「そうね。タクミ自身はノルン様の気配を感じるから精霊が集まるのは当然だけど、子供達も負けてないものね」
「えっ!? それ聞いてないけど」

 突然、ドリュアスとウィンディーネから爆弾が放り込まれ、僕は唖然あぜんとしてしまう。
 いや、僕からノルン様の気配を感じて精霊が集まっているなんて知らないし、子供達まで精霊に好かれているっていうのも初めて聞いたよ。

「今さら何を言ってるのよ。エトワール、春香、フローラの三人には、私達大精霊が加護を授けていたじゃない」
「あ、ああ、だから属性の適性がとんでもなくなったのは分かってる」
「お姉ちゃん、新しく生まれた五人の子達も祝福したのよ~」
「えっ、セルト達も……五人全員……」

 生まれたばかりの五人の子達は、もう既に大精霊達からの加護を授かっていると教えられ驚いていると、ソフィアがひざをついて頭を下げる。

「ウィンディーネ様、ドリュアス様。我が子達への加護、ありがとうございます。その大精霊様方の加護に恥じぬ人間に育ててみせます」

 ソフィアはウィンディーネとドリュアスに丁寧すぎるお礼をし、宣言した。
 その横でマリアやマーニ、メイド達もソフィアにならって深々と腰を折っている。

「いいのよ。タクミには、私達も色々と我儘わがまま言わせてもらってるしね」
「そうよぉ~。タクミちゃんの子達は、これからの聖域を護っていくんだから。加護くらいわけないわぁ~」

 僕は色々と頼まれたり頼んだりと大精霊達との関係が近いけれど、エルフのソフィアはなかなかそうはいかないみたい。
 それは程度の差はあれ、マリアやマーニも似たようなものみたいだ。
 ウィンディーネとドリュアスがその場から姿を消すと、僕はソフィアに聞いてみる。

「ねぇ、そんなに僕には精霊が集まってくるの?」
「はい。生まれたての微精霊から下級精霊、中級精霊、上級精霊問わず」
「そ、そうなんだ。じゃあエトワールや春香、フローラも?」
「エルフだけありエトワールが一番仲良くしているようですが、春香やフローラも精霊達から好かれていますよ」
「そうだったんだね……」

 ソフィアやエトワールと違い、僕は精霊を見る事が出来ないから気が付かなかったよ。

「全属性かぁ……」
「大丈夫ですよ。属性の適性など些細ささいな事です。エトワールは、タクミ様のように全ての属性の魔法を使いこなしたいという希望があるので別ですが、春香は火の魔法を好みますし、フローラに至っては、ほぼ身体強化しか使いませんから。その程度のものと考えればいいと思いますよ」
「うん。そうだよね。全部の属性が使えるからって、絶対に使わないといけないなんて事はないか。身体強化一択のフローラはどうかと思うけど、子供達が自分で考えて決める事かもね」
「はい」

 もう大精霊達の加護については、考えるのをやめよう。
 僕がソフィアと話している間にも、聖域の人達が挨拶に来たり、赤ちゃんの顔を見ていったりしている。
 ケットシーのミリやララや猫人族ねこじんぞくのサラ、人族のコレットやシロナ、エルフのマロリーなど聖域の子供達なんかは、エトワール達にとっても良いお兄ちゃんお姉ちゃん。
 いつの間にか散歩に参加していて、ちょっとした集団になっている。

「お姉ちゃん。精霊がいっぱいニャ」
「本当ニャね」
「へぇ~、そうニャンだ」
「タクミお兄ちゃんの子供だから当たり前だよ」

 見た目は猫だけど、その実、妖精ようせい種であるケットシーのミリとララの姉妹には、精霊の存在が感じ取れる。どの程度見えるのかは知らないけどね。
 猫人族の少女サラは獣人族で精霊を見る事は出来ないので、不思議そうにミリとララの話を聞いていた。
 マロリーちゃんは、聖域に暮らせるエルフなので当然精霊を見る事が出来る。

「赤ちゃん、抱っこしたいニャ!」
「私も抱っこしたいニャ!」

 ミリとララが赤ちゃんを抱っこしたいと言い出すと、私も私もと声が上がる。

「少し休憩にしようか」

 近くに芝生が綺麗に整えられたスペースがあるので、そこで休憩する事にした。
 ソフィア達がメイド達と手早くレジャーシートを広げ、お茶の準備を始める。
 メイド達は、空間収納を付与したポーチを持っているので、そこから赤ちゃんを寝かせる布団やお茶のセット、子供達のためのお菓子などを取り出し、あっという間に準備を済ませた。
 僕は交代で赤ちゃんを抱っこする聖域の子供達を見て嬉しくなる。この子達も家族なんだなぁと、しみじみと思う。
 うん。僕にとってもいい息抜きになった。
 こんな日々がずっと続けばいいな。



 4 賑やかな未開地


 穏やかな日常を送れているなぁと思っていたある日、僕の前に、いつものように唐突にシルフが現れた。

「タクミ、未開地が少し騒がしくなりそうよ」
「……えっと、話がいきなりすぎて意味が分からないよ」

 こうして僕の穏やかな日常は破られた。
 僕は、妻達とアカネ、ルルちゃん、レーヴァ、そして今回は未開地に関する事なので念のため騎士団からガラハットさんを呼んでリビングに集め、改めてシルフの話を聞く。
 まず、ソフィアがシルフに問う。
 ソフィアはエルフというだけでなく、実家のシルフィード家が風の精霊と繋がりが強い事もあり、シルフへの対応は凄く丁寧だ。

「それでシルフ様、未開地に異変が起きたのでしょうか?」
「う~ん、異変ってほどでもないのよ。今のタクミ達や同盟三ヶ国なら大丈夫だろうけど、一応報告と思ってね」

 ちなみに同盟三ヶ国とは、バーキラ王国、ロマリア王国、ユグル王国の事だ。

「で、何が起こるの?」

 僕の問いに、シルフが教えてくれた。

「トリアリア王国とサマンドール王国が、神光教のサポートを受けて未開地の南西端の開発を開始したのは言ったわよね」
「うん。お陰で、旧シドニア神皇国の復興に邪魔が入らないって皆んなホッとしているよ」

 今まで他国へ侵略戦争を仕掛け続けてきたトリアリア王国が、珍しく他国に迷惑がかからない未開地の開発に乗り出した事に驚いたのを覚えている。
 だけど旧シドニア神皇国の復興作業を邪魔される事がないと分かって、バーキラ王国やロマリア王国もホッとしているのが本音なんだ。勿論、僕達もね。
 トリアリア王国が、そうそう変わるなんて思わない。きっと力を蓄えてから、復興が進んだ旧シドニアを併合しようと動くに決まっている。
 今のシドニアには、人も物も少ないからね。
 トリアリア王国が狙うほどの旨味がないうちは大丈夫だけど、トリアリアが力を取り戻し、シドニアが豊かになれば、必ず侵攻しようとするだろうな。

「ただねぇ。結構トリアリア王国もサマンドール王国も本気みたいでね。しかも神光教もジリ貧だから利を得るため全面協力している。未開地の南西部がとにかく騒がしいのよ」
「えっと、それは頻繁に魔物の襲撃があるって事だよね」
「ええ。街道を防壁で囲って、魔物除けを等間隔とうかんかくで設置しているわ。開発後の事も考えた工事だけど、当然魔物との戦闘は頻発しているわね」
「うわぁ……」

 街道を築く際に、防壁で囲い魔物除けを等間隔で設置するとなると、工事には大勢の作業員が参加しているだろう。
 当然、魔法も使っているだろうけれど、トリアリア王国やサマンドール王国は、いまだに人海戦術を好むからね。
 そして人が多くなると、その人を狙う魔物が寄ってくる。
 その魔物に対抗するために雇った冒険者や兵士も多く動員しているだろうし、それはまた魔物を呼び寄せる原因となる。

「神光教の神官が結構な人数、今回の未開地開発事業に参加しているから、犠牲者は少ないけどね。それだけ騒がしいとねぇ」
「もしかして、この辺りまで影響ありそう?」
「当然の事だけど聖域には影響はないわ。魔物ごときが、聖域の結界をどうにか出来るわけないもの。だけどバロルやウェッジフォートは多少影響があるかも」
「……うーん、バロルとウェッジフォートの街は魔物が襲ってきても大丈夫だろうけど、そこを行き来する商隊は危ないね」
「多分ね」

 バロルやウェッジフォートは、そもそも魔物のスタンピードに耐えられるように造った城塞じょうさい都市なので、相手がドラゴンでもなければ問題ない。
 だが、そこと聖域を繋ぎ、さらにバーキラ王国やロマリア王国を行き来する商隊には危険が及ぶかもしれない。


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