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三十二話 不自然な襲撃
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それは、日付が変わって二時間くらいした頃だった。フローラの声で跳ね起きる。
「お姉ちゃん! スタンピード!」
「春香は普通科の皆んなをお願い! フローラは、騎士科と教養科に報せて!」
「うん! 分かった!」
フローラと春香がテントから駆け出す。私もサティやシャルル、ミュゼを起こして迎撃の準備をする。
フローラの索敵範囲は広いので、接敵までには少し余裕がある筈。
私はシールドペタルズを装備し、空に向け照明の魔導具を投げる。
魔導具は、地上から十五メートルくらいで滞空すると、周囲を明るく照らす。
少し遅れて騎士科や教養科の集まるテント付近や、護衛の騎士団や冒険者達が集まる場所も明るくなる。
人は暗いというだけで不安を感じる。緊急事態が起きれば、ただでさえ冷静に行動するのが難しいのに、そこに暗闇がプラスされると、戦いに慣れた騎士や冒険者でも普段通りの動きを出来る人は少ないと思う。
現に、私も明るくなった事で幾分気持ちが軽くなった。魔力感知に優れた私や五感の鋭いフローラでもそうなんだから、学園の生徒、ましてや一年生は不安で仕方ないだろうな。
「悪い。遅れた!」
「クソッ! ハード過ぎるだろう!」
ユークス君とルディ君が、装備を着込んでテントから飛び出して来た。
「エ、エトワールちゃん!」
「どうしよう!」
「シャルル! ミュゼ! 大丈夫だから落ち着いて!」
シャルルとミュゼも合流したけど、夜中にスタンピートという事で、慌ててしまっているのを声を掛けて落ち着かせる。
武術研究部との合同訓練はしていたけど、この演習で初めて魔物と戦った二人なので、パニックになるのも仕方ない。だから私はこっそりと闇属性魔法の鎮静を使う。
「春香がトップで、フローラは遊撃、全体のフォローをよろしく! ユークス君とルディ君、サティは、前衛でスリーマンセルで! ミュゼは、余裕があれば仲間に当たらないよう魔法攻撃。シャルルは、ポーションで皆んなのサポートをお願い!」
「了解!」
「は~い!」
「「「分かった!」」」
「が、頑張る!」
「は、はい!」
事前に決めていたフォーメーションと役割を確認し、念の為指示を出しておく。
そして私は、シールドペタルズを展開する。
「咲き乱れろ!」
六枚の花びらが空中で待機状態となり、台座部分が分裂し私を護る。
「エトワールお姉ちゃん。最初は、脚の速い狼系の魔物だと思う。その後ろに、人型? うーん、ゴブリンやコボルトでもなさそうだし、オークやオーガにしては足が速いんだよね」
「猿系かもしれないわね」
「あー、そうかも」
フローラから襲ってくる魔物についての情報が報される。
「ミュゼ! 当たらなくてもいいから、フローラの合図で魔法を撃ちまくって!」
「分かった!」
フローラが、ミュゼの射程を考慮して合図を送る。
「今っ!」
それに合わせて、ミュゼと私が魔法を乱射する。勿論、私は一発も外すつもりはない。この程度の狼系の魔物のスピードについていけないなんてなると、ママに叱られる。
同時に、騎士科や教養科でも魔法攻撃が始まり、同時に合流するよう移動し始める。
護衛の騎士や冒険者達も戦い始めているのが分かる。特に、近衛騎士団から派遣されている人達は、バッタバッタと魔物を葬っていく。
「ねぇ。エトワールお姉ちゃん」
「どうしたのフローラ!」
一足早く飛び出して暴れていたフローラが戻って来た。
「何故だか、こっちばっかり魔物が襲ってきてる気がするよ」
「……変ね。もし、このスタンピートが人為的だとしても、狙うなら王族じゃないの? もしかして、私達?」
自前の魔法に加え、シールドペタルズから六つの魔法が放たれる。
圧倒的な手数で多少の余裕が出来たので、普通科のみんなを予定されていた合流地点へと誘導できた。
「護れ!」
ガガガガンッ!!
投擲された槍が、シールドペタルズにより防がれる。
「数が多いわね!」
「お姉ちゃん! お猿が混じり始めたよ!」
何故か、槍の投擲が私達の所に集中している気がするのは気の所為じゃないだろう。魔物が投げ槍を投擲してくる事自体が異常なんだけど、今それを言っていても仕方ない。
シールドペタルズを皆んなの防御に専念させ、私は自前の魔法のみで攻撃。フローラは、巨大な三日月刃を振り回し、時に投げつけ魔物を殲滅している。
ドーーンッ!!
火柱が上がり、幾条もの炎の軌跡を描く。春香の魔法と焔槍だ。春香は皆んなのフォローをしながらも魔物を後ろへ通さない。
それにしても、魔物の数が多い。パパがウェッジフォートを建設した後、起きたスタンピートは、こんなものじゃなかったらしいけど、私達学園生には少々厳しいと思う。
聖域騎士団との合同訓練で、パワーレベリング済みの近衛騎士がいてくれなきゃ危なかったかも。
それと、もともと群れで狩りをする狼系の魔物は兎も角、この猿系の魔物も統率が取れすぎてる。
「エトワールちゃん、マナポーション!」
「ありがとう、シャルル!」
シャルルは、ユークス君やルディ君、サティにヒールポーションを配っている。怪我はしていないみたいだけど、ヒールポーションで体力も回復する事が出来るから。そして、私にはマナポーション。これは、パパがくれた特製のやつ。回復量と効き目が違うの。
照明の魔導具の効果が切れる前に、スタンピードが収まればいいのだけど……
◇
ルディとユークスは、サティと共に前線で討ち漏らした魔物を攻撃していた。
「なぁ、フローラちゃん、ヤベェな」
「春香ちゃんも、信じられないくらい凄いよ」
「あなた達、喋ってないで、手を動かしなさい!」
巨大な三日月刃で纏めて狼の魔物を斬り裂くフローラ。大人でも持ち上げるのに苦労しそうなソレを、フローラは楽々振り回し、時には投擲して多くの魔物を蹂躙していた。
「あれ、魔物の方が可哀想になるな」
「ルディ、無駄口はダメだよ」
フローラが振り回す、クレセントムーンの餌食になった魔物は、それこそ肉片となるものも多く、ルディがドン引きするのも多少は仕方ない。
また、別の場所では焔槍を繰り出し、魔法を放ち、バックラーからワイヤーアンカーを撃ち出し、貫かれた魔物を振り回して魔物が群で襲い掛かるのを牽制する春香がいた。
ルディやユークスが引く程の活躍なので仕方ない部分もあるが、サティは二人の尻を叩く。
騎士を目指すサティとしては、エトワール達姉妹におんぶに抱っこではいけないと頑張る。
三人の頑張りもあり、他の普通科の生徒も落ち着いて避難ができた。
教養科のテントが集まった場所でも、魔物からの避難は迅速に進んでいた。
「姫様! お早く!」
「メルティ! 私は王族です! 皆を置いて逃げるなど出来ません! 皆んな、慌てず騎士の指示に従ってください!」
メルティアラがクローディア姫に、逃げるよう言うが、クローディアはそれを拒否。他の教養科の生徒を纏めて合流地点へと向かう。
しかし、教養科にはクローディアが居た事で、近衛騎士団から精鋭が護衛についている。魔大陸の高難易度ダンジョンで、パワーレベリング済みの騎士達にとって、未開地の魔物など鎧袖一触だ。
それでも戦いに慣れていない低レベルの生徒が多い教養科。しかもスタンピートとなると、護衛する対象が対象だけに油断は出来ない。
とはいえ、何故か魔物の多くがエトワール達へと集まっているので、騎士達は後ろに魔物を通す事なく、騎士科と合流を果たす。
騎士科では、生徒達が魔物を相手に奮闘していた。
これが闇夜の中、襲撃されていたなら、おそらく犠牲者は出ただろうが、早い段階で打ち上げられた照明の魔導具のお陰で、生徒達は普段通りの実力を発揮していた。
「チッ! 数が多いな! 近くに教養科もいる! 一匹も後ろに行かせるな!」
「「オオ!!」」
期間は短いものの、サティ達と共に武術研究部でフローラや春香から鍛えられているバスクが仲間にゲキを飛ばす。
実際問題、騎士科は問題なかった。魔物との戦闘など全員が何度も経験している。あとはパニックさえ起こさず、普段の実力を出せれば大丈夫だろう。
それに加え、上級生には王族もいる。割り当てられた近衛騎士の人数も多い。
集団戦闘自体、授業で学んでいる事なので、バスクは寧ろ張り切っていた。
一番苛烈に襲われている普通科が、安定した戦いが出来ている事で、教養科と騎士科の状況も好転し始める。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
いずれ最強の錬金術師?の15巻が発売されました。
よろしくお願いします。
「お姉ちゃん! スタンピード!」
「春香は普通科の皆んなをお願い! フローラは、騎士科と教養科に報せて!」
「うん! 分かった!」
フローラと春香がテントから駆け出す。私もサティやシャルル、ミュゼを起こして迎撃の準備をする。
フローラの索敵範囲は広いので、接敵までには少し余裕がある筈。
私はシールドペタルズを装備し、空に向け照明の魔導具を投げる。
魔導具は、地上から十五メートルくらいで滞空すると、周囲を明るく照らす。
少し遅れて騎士科や教養科の集まるテント付近や、護衛の騎士団や冒険者達が集まる場所も明るくなる。
人は暗いというだけで不安を感じる。緊急事態が起きれば、ただでさえ冷静に行動するのが難しいのに、そこに暗闇がプラスされると、戦いに慣れた騎士や冒険者でも普段通りの動きを出来る人は少ないと思う。
現に、私も明るくなった事で幾分気持ちが軽くなった。魔力感知に優れた私や五感の鋭いフローラでもそうなんだから、学園の生徒、ましてや一年生は不安で仕方ないだろうな。
「悪い。遅れた!」
「クソッ! ハード過ぎるだろう!」
ユークス君とルディ君が、装備を着込んでテントから飛び出して来た。
「エ、エトワールちゃん!」
「どうしよう!」
「シャルル! ミュゼ! 大丈夫だから落ち着いて!」
シャルルとミュゼも合流したけど、夜中にスタンピートという事で、慌ててしまっているのを声を掛けて落ち着かせる。
武術研究部との合同訓練はしていたけど、この演習で初めて魔物と戦った二人なので、パニックになるのも仕方ない。だから私はこっそりと闇属性魔法の鎮静を使う。
「春香がトップで、フローラは遊撃、全体のフォローをよろしく! ユークス君とルディ君、サティは、前衛でスリーマンセルで! ミュゼは、余裕があれば仲間に当たらないよう魔法攻撃。シャルルは、ポーションで皆んなのサポートをお願い!」
「了解!」
「は~い!」
「「「分かった!」」」
「が、頑張る!」
「は、はい!」
事前に決めていたフォーメーションと役割を確認し、念の為指示を出しておく。
そして私は、シールドペタルズを展開する。
「咲き乱れろ!」
六枚の花びらが空中で待機状態となり、台座部分が分裂し私を護る。
「エトワールお姉ちゃん。最初は、脚の速い狼系の魔物だと思う。その後ろに、人型? うーん、ゴブリンやコボルトでもなさそうだし、オークやオーガにしては足が速いんだよね」
「猿系かもしれないわね」
「あー、そうかも」
フローラから襲ってくる魔物についての情報が報される。
「ミュゼ! 当たらなくてもいいから、フローラの合図で魔法を撃ちまくって!」
「分かった!」
フローラが、ミュゼの射程を考慮して合図を送る。
「今っ!」
それに合わせて、ミュゼと私が魔法を乱射する。勿論、私は一発も外すつもりはない。この程度の狼系の魔物のスピードについていけないなんてなると、ママに叱られる。
同時に、騎士科や教養科でも魔法攻撃が始まり、同時に合流するよう移動し始める。
護衛の騎士や冒険者達も戦い始めているのが分かる。特に、近衛騎士団から派遣されている人達は、バッタバッタと魔物を葬っていく。
「ねぇ。エトワールお姉ちゃん」
「どうしたのフローラ!」
一足早く飛び出して暴れていたフローラが戻って来た。
「何故だか、こっちばっかり魔物が襲ってきてる気がするよ」
「……変ね。もし、このスタンピートが人為的だとしても、狙うなら王族じゃないの? もしかして、私達?」
自前の魔法に加え、シールドペタルズから六つの魔法が放たれる。
圧倒的な手数で多少の余裕が出来たので、普通科のみんなを予定されていた合流地点へと誘導できた。
「護れ!」
ガガガガンッ!!
投擲された槍が、シールドペタルズにより防がれる。
「数が多いわね!」
「お姉ちゃん! お猿が混じり始めたよ!」
何故か、槍の投擲が私達の所に集中している気がするのは気の所為じゃないだろう。魔物が投げ槍を投擲してくる事自体が異常なんだけど、今それを言っていても仕方ない。
シールドペタルズを皆んなの防御に専念させ、私は自前の魔法のみで攻撃。フローラは、巨大な三日月刃を振り回し、時に投げつけ魔物を殲滅している。
ドーーンッ!!
火柱が上がり、幾条もの炎の軌跡を描く。春香の魔法と焔槍だ。春香は皆んなのフォローをしながらも魔物を後ろへ通さない。
それにしても、魔物の数が多い。パパがウェッジフォートを建設した後、起きたスタンピートは、こんなものじゃなかったらしいけど、私達学園生には少々厳しいと思う。
聖域騎士団との合同訓練で、パワーレベリング済みの近衛騎士がいてくれなきゃ危なかったかも。
それと、もともと群れで狩りをする狼系の魔物は兎も角、この猿系の魔物も統率が取れすぎてる。
「エトワールちゃん、マナポーション!」
「ありがとう、シャルル!」
シャルルは、ユークス君やルディ君、サティにヒールポーションを配っている。怪我はしていないみたいだけど、ヒールポーションで体力も回復する事が出来るから。そして、私にはマナポーション。これは、パパがくれた特製のやつ。回復量と効き目が違うの。
照明の魔導具の効果が切れる前に、スタンピードが収まればいいのだけど……
◇
ルディとユークスは、サティと共に前線で討ち漏らした魔物を攻撃していた。
「なぁ、フローラちゃん、ヤベェな」
「春香ちゃんも、信じられないくらい凄いよ」
「あなた達、喋ってないで、手を動かしなさい!」
巨大な三日月刃で纏めて狼の魔物を斬り裂くフローラ。大人でも持ち上げるのに苦労しそうなソレを、フローラは楽々振り回し、時には投擲して多くの魔物を蹂躙していた。
「あれ、魔物の方が可哀想になるな」
「ルディ、無駄口はダメだよ」
フローラが振り回す、クレセントムーンの餌食になった魔物は、それこそ肉片となるものも多く、ルディがドン引きするのも多少は仕方ない。
また、別の場所では焔槍を繰り出し、魔法を放ち、バックラーからワイヤーアンカーを撃ち出し、貫かれた魔物を振り回して魔物が群で襲い掛かるのを牽制する春香がいた。
ルディやユークスが引く程の活躍なので仕方ない部分もあるが、サティは二人の尻を叩く。
騎士を目指すサティとしては、エトワール達姉妹におんぶに抱っこではいけないと頑張る。
三人の頑張りもあり、他の普通科の生徒も落ち着いて避難ができた。
教養科のテントが集まった場所でも、魔物からの避難は迅速に進んでいた。
「姫様! お早く!」
「メルティ! 私は王族です! 皆を置いて逃げるなど出来ません! 皆んな、慌てず騎士の指示に従ってください!」
メルティアラがクローディア姫に、逃げるよう言うが、クローディアはそれを拒否。他の教養科の生徒を纏めて合流地点へと向かう。
しかし、教養科にはクローディアが居た事で、近衛騎士団から精鋭が護衛についている。魔大陸の高難易度ダンジョンで、パワーレベリング済みの騎士達にとって、未開地の魔物など鎧袖一触だ。
それでも戦いに慣れていない低レベルの生徒が多い教養科。しかもスタンピートとなると、護衛する対象が対象だけに油断は出来ない。
とはいえ、何故か魔物の多くがエトワール達へと集まっているので、騎士達は後ろに魔物を通す事なく、騎士科と合流を果たす。
騎士科では、生徒達が魔物を相手に奮闘していた。
これが闇夜の中、襲撃されていたなら、おそらく犠牲者は出ただろうが、早い段階で打ち上げられた照明の魔導具のお陰で、生徒達は普段通りの実力を発揮していた。
「チッ! 数が多いな! 近くに教養科もいる! 一匹も後ろに行かせるな!」
「「オオ!!」」
期間は短いものの、サティ達と共に武術研究部でフローラや春香から鍛えられているバスクが仲間にゲキを飛ばす。
実際問題、騎士科は問題なかった。魔物との戦闘など全員が何度も経験している。あとはパニックさえ起こさず、普段の実力を出せれば大丈夫だろう。
それに加え、上級生には王族もいる。割り当てられた近衛騎士の人数も多い。
集団戦闘自体、授業で学んでいる事なので、バスクは寧ろ張り切っていた。
一番苛烈に襲われている普通科が、安定した戦いが出来ている事で、教養科と騎士科の状況も好転し始める。
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いずれ最強の錬金術師?の15巻が発売されました。
よろしくお願いします。
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