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冒険者ギルド編
旅の準備
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街の門が見えてきた所で、ヴァルスを送還しユートが女の子を抱きかかえて門をくぐる。
ギルドに入り、サラさんに声を掛ける。
「ユートさんマリアさん!どうされました!取り敢えず、奥の応接室へ。彼女は、医務室で様子を見ましょう。」
女の子を抱きかかえたユートを見て、個室に案内してくれた。
女の子を医務室に運び、応接室で女の子がオークに攫われてるのを見つけた事。追い掛けてオークの集落を見つけた事。その集落を潰した事などを説明した。
「はぁ、オークナイトにオークジェネラルですか。」
サラさんは、溜め息をつき。「ちょっとお待ち下さい。ギルドカードをお預かり致します。」と言って、部屋を出て行った。
暫くして、ギルドカードを持ってサラさんが戻ってきた。
「お待たせしました。ユートさん、オークナイトはランクDがパーティーで、オークジェネラルはランクCがパーティーで討伐する魔物です。しかも、小さな集落ひとつ潰すなんてランクCやDのパーティーが複数で受ける依頼です。それをFランクに成ったばかりのユートさん達が討伐してしまうなんて…。」
「えっと、…なんか不味かったですか?」
「いえ、ただ近くの村から女の子が攫われてオークの討伐依頼が先程届きましたが、ランクCの依頼ですからFランクのユートさん達には、本来受けることができない依頼です。ですから、ギルドマスターと相談致しまして、ユートさん達にはDランクに成っていただきます。」
「大丈夫なんてすか?」
「FランクのままCランク相当の依頼を成功させた事が知られる方が問題です。ですから記録上は、Dランクパーティーによる討伐とさせて頂きます。」
サラさんがギルドカードを差し出す。
「ちなみにユートさんとマリアさんはコルーニの街を拠点に活動されるのですか?」
「いえ、そろそろ迷宮都市ベタントスへ行こうと思っています。」
「そうですか。寂しくなりますが、その方が良いかもしれません。冒険者の間で噂が広がるのをギルドも全ては、抑えられませんから。」
その方がいいだろうな。
「明後日には、街を出ようと思っています。それで、馬車を買えるところはありますか?」
「後で紹介状と地図を書きますね。量が多いので報酬の支払いは、明日でお願いします。」
ギルドを出て馬車を買いに行く為、ノンビリ大通りを歩いている。
《ヴァルに確認してなかったけど、馬車を引くのってヴァル的には、問題なかった?》
《全く問題ありません。長距離の移動は、馬車があった方が便利だと思います。》
「すみませーん!」辿り着いたのは、厩舎が併設された工房だった。
「うん、客か?にいちゃん何が欲しい。馬か馬車か?」中年のガタイのいいオヤジが出て来た。
「これ、ギルドからの紹介状です。馬車が欲しいんですけと。」紹介状を渡し、1頭だての馬車が欲しい事を伝えた。
「にいちゃんは、冒険者か。何人が乗るんだ?」
2人だけなのを伝えると。
「じゃあ、こっちにある小さめの馬車で充分だろう。」
オヤジに勧められたのは、小さめの幌馬車だった。
「この馬車で幾らになります。」
「これは、中古を修理した奴だから金貨2枚でいいぞ。」中古って言ってもしっかり修理してあるから丈夫だぞ。
「あと、工房を借りれませんか?少し改造したいので。」
「あぁ、構わねえぞ。その代わり見せてもらうぞ。」
工房へ移動して早速作業に移る。
鉄の棒をオヤジから買って、炉で熱し少し太めの棒に巻きつけバネを作る。流石にオイルダンパーは無理だからな。鍛治スキルでサクサクと作業を進め1時間ほどで、改造を終える。
「終わりました。工房を貸して頂いてありがとうございます。」
「にいちゃん、面白い事するな。俺もマネしてもいいか?」
「エェ、ご自由にどうぞ。」
「にいちゃん、馬はどうするんだ。」
「ちょっと、離れて下さい。」
今呼びますから。とユートがヴァルスを召喚する。
魔方陣から、普通の馬よりふた回りは大きい灰色の馬体が現れた。
「…にいちゃん!これは、スレイプニルじゃないか。こんなの従魔にしてるのか。だけど、馬具の調整が必要だな。サイズを測るぞ、明日の午後迄に仕上げとくから。」
「じゃあ、金貨2枚です。明後日の朝取りに来ます。」
「マリア、馬車で使うクッションとヴァルの食べる物を買いに行こう。」
サイズを測り終えたヴァルスを送還しながら話しかける。
「そうだね、ヴァルが水を飲む為の桶とかも要るんじゃない。」
「食料は、アイテムボックスに入れておけばいいから多めに買っておこうか。」
「布地を買って、服と下着をもう少し作っておきたいし。」
買い物がてらデートでもしますか?
ユートが手を差し出し、マリアがその手を取り歩きだす。
次の日、ユートがひとりギルドの受付が混む時間帯を避けてお昼前に顔を出した。
「ユートさん、今日はお一人なんですね。」
「エェ、マリアは色々準備が有りますから。」
「でわ、早速昨日の報酬ですが、通常依頼の方からトライタスクボアが2体で銀貨6枚、ブラックウルフが10匹で銀貨5枚になります。次にオーク集落討伐ですが、討伐依頼の報酬が、金貨2枚です。それとは別にオークが1体銀貨2枚、56体で金貨11枚と銀貨2枚、オークナイトが1体銀貨4枚、4体で金貨1枚と銀貨6枚、オークジェネラルが1体で金貨1枚です。次に、素材の売却額ですが全部で金貨3枚です。合計で金貨21枚と銀貨9枚です。お確かめください。」
「はい、確かに。サラさん、お世話になりました。」
「ユートさんも、お元気で。」
これで明日馬車を受け取って迷宮都市に出発だ。
ギルドに入り、サラさんに声を掛ける。
「ユートさんマリアさん!どうされました!取り敢えず、奥の応接室へ。彼女は、医務室で様子を見ましょう。」
女の子を抱きかかえたユートを見て、個室に案内してくれた。
女の子を医務室に運び、応接室で女の子がオークに攫われてるのを見つけた事。追い掛けてオークの集落を見つけた事。その集落を潰した事などを説明した。
「はぁ、オークナイトにオークジェネラルですか。」
サラさんは、溜め息をつき。「ちょっとお待ち下さい。ギルドカードをお預かり致します。」と言って、部屋を出て行った。
暫くして、ギルドカードを持ってサラさんが戻ってきた。
「お待たせしました。ユートさん、オークナイトはランクDがパーティーで、オークジェネラルはランクCがパーティーで討伐する魔物です。しかも、小さな集落ひとつ潰すなんてランクCやDのパーティーが複数で受ける依頼です。それをFランクに成ったばかりのユートさん達が討伐してしまうなんて…。」
「えっと、…なんか不味かったですか?」
「いえ、ただ近くの村から女の子が攫われてオークの討伐依頼が先程届きましたが、ランクCの依頼ですからFランクのユートさん達には、本来受けることができない依頼です。ですから、ギルドマスターと相談致しまして、ユートさん達にはDランクに成っていただきます。」
「大丈夫なんてすか?」
「FランクのままCランク相当の依頼を成功させた事が知られる方が問題です。ですから記録上は、Dランクパーティーによる討伐とさせて頂きます。」
サラさんがギルドカードを差し出す。
「ちなみにユートさんとマリアさんはコルーニの街を拠点に活動されるのですか?」
「いえ、そろそろ迷宮都市ベタントスへ行こうと思っています。」
「そうですか。寂しくなりますが、その方が良いかもしれません。冒険者の間で噂が広がるのをギルドも全ては、抑えられませんから。」
その方がいいだろうな。
「明後日には、街を出ようと思っています。それで、馬車を買えるところはありますか?」
「後で紹介状と地図を書きますね。量が多いので報酬の支払いは、明日でお願いします。」
ギルドを出て馬車を買いに行く為、ノンビリ大通りを歩いている。
《ヴァルに確認してなかったけど、馬車を引くのってヴァル的には、問題なかった?》
《全く問題ありません。長距離の移動は、馬車があった方が便利だと思います。》
「すみませーん!」辿り着いたのは、厩舎が併設された工房だった。
「うん、客か?にいちゃん何が欲しい。馬か馬車か?」中年のガタイのいいオヤジが出て来た。
「これ、ギルドからの紹介状です。馬車が欲しいんですけと。」紹介状を渡し、1頭だての馬車が欲しい事を伝えた。
「にいちゃんは、冒険者か。何人が乗るんだ?」
2人だけなのを伝えると。
「じゃあ、こっちにある小さめの馬車で充分だろう。」
オヤジに勧められたのは、小さめの幌馬車だった。
「この馬車で幾らになります。」
「これは、中古を修理した奴だから金貨2枚でいいぞ。」中古って言ってもしっかり修理してあるから丈夫だぞ。
「あと、工房を借りれませんか?少し改造したいので。」
「あぁ、構わねえぞ。その代わり見せてもらうぞ。」
工房へ移動して早速作業に移る。
鉄の棒をオヤジから買って、炉で熱し少し太めの棒に巻きつけバネを作る。流石にオイルダンパーは無理だからな。鍛治スキルでサクサクと作業を進め1時間ほどで、改造を終える。
「終わりました。工房を貸して頂いてありがとうございます。」
「にいちゃん、面白い事するな。俺もマネしてもいいか?」
「エェ、ご自由にどうぞ。」
「にいちゃん、馬はどうするんだ。」
「ちょっと、離れて下さい。」
今呼びますから。とユートがヴァルスを召喚する。
魔方陣から、普通の馬よりふた回りは大きい灰色の馬体が現れた。
「…にいちゃん!これは、スレイプニルじゃないか。こんなの従魔にしてるのか。だけど、馬具の調整が必要だな。サイズを測るぞ、明日の午後迄に仕上げとくから。」
「じゃあ、金貨2枚です。明後日の朝取りに来ます。」
「マリア、馬車で使うクッションとヴァルの食べる物を買いに行こう。」
サイズを測り終えたヴァルスを送還しながら話しかける。
「そうだね、ヴァルが水を飲む為の桶とかも要るんじゃない。」
「食料は、アイテムボックスに入れておけばいいから多めに買っておこうか。」
「布地を買って、服と下着をもう少し作っておきたいし。」
買い物がてらデートでもしますか?
ユートが手を差し出し、マリアがその手を取り歩きだす。
次の日、ユートがひとりギルドの受付が混む時間帯を避けてお昼前に顔を出した。
「ユートさん、今日はお一人なんですね。」
「エェ、マリアは色々準備が有りますから。」
「でわ、早速昨日の報酬ですが、通常依頼の方からトライタスクボアが2体で銀貨6枚、ブラックウルフが10匹で銀貨5枚になります。次にオーク集落討伐ですが、討伐依頼の報酬が、金貨2枚です。それとは別にオークが1体銀貨2枚、56体で金貨11枚と銀貨2枚、オークナイトが1体銀貨4枚、4体で金貨1枚と銀貨6枚、オークジェネラルが1体で金貨1枚です。次に、素材の売却額ですが全部で金貨3枚です。合計で金貨21枚と銀貨9枚です。お確かめください。」
「はい、確かに。サラさん、お世話になりました。」
「ユートさんも、お元気で。」
これで明日馬車を受け取って迷宮都市に出発だ。
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