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異世界で新たな一歩目を!
第三十八話 『顔の引きつりが抑えられない』
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「ねぇ、清原君はレベルいくつになったの?」
話題を変える様に、葉山は話を始めた。
というか、一旦合流したらレベルを報告し合うって決めてたんだった。
「俺はレベル25になったよ。まあ、なったというよりも戻ったと言った方が正しい けど。」
「おおぉ~~、物凄くレベル上がってるじゃん!」
まあ、半分以上はスキルの「経験値増加」のお陰だろうけど、美少女からこんな風に持ち上げられて嬉しくない男は居ないはずだ。
「葉山の方はどうだったんだ?」
「今はレベル12だよ。クルト君が魔物を次々に運んできてくれるから、どんどんレベルが上がったんだ。」
笑顔でそう報告する葉山。
このたった三十分でレベルを12も上げるなんて。
しかも、「経験値増加」を持たずに。
『オイラが物凄い勢いで魔物をハヤマ様に流したけど、ハヤマ様は大して苦戦せずに全魔物を捌ききっていたのさ。きっと、この三十分で軽く100体以上は魔物を倒しているのさ。普通なら、ダンジョンが回収する人間の負の感情は膨大だから尽きることはないのさ。でも、ハヤマ様が魔物を倒しすぎたことで、今は貯蓄されていた負のエネルギーを使用して魔物をこのダンジョンに召喚しているのさ。』
クルトは、若干笑みを引きつらせながら俺にそう伝えた。
それを聞いて、俺も顔の引きつりを抑えきれない。
というか、最低でもレベル12の人間ができることではないだろう。
「そ、そうか。葉山も十分凄いよ、この短時間で12もレベルを上げるなんて。」
「そうかな、えヘヘ。」
俺の言葉で無邪気に笑っている葉山だが、俺は決意する。
葉山だけは怒らせるのを止めよう、と。
...................................................
.............................
..............
俺と葉山は、順調にダンジョン探索を進めていた。
今日は、ダンジョン探索三日目だ。
俺のレベルは65、葉山は47と予想よりもハイスピードでレベルアップできている。
もはや、第一層のハイオークなんて相手ではないだろう。
《経験値が入りました。》
俺は、空中から襲い掛かってきたコウモリの姿をする魔物を真っ二つに切る。
このコウモリの魔物はスピードが異常に発達しており、立体的な動きで俺から逃げ回るから倒すのが結構面倒臭い。
更に、この階層の魔物達はどんどん俺に襲って行くようにとクルトから命令を受けているので、より一段と面倒臭い。
きっと、三日前の俺ではコウモリの体を見ることも出来ずに殺されていたことだろう。
まあ、今の俺の相手ではないけれども。
「そろそろ、葉山との合流場所かな。」
このダンジョンの構造は実にシンプルだ。
分かれ道は一階層で五か所くらいしかないし、どの道を通っても次の階層への階段へ辿り着ける。
体感で、一階層の踏破に掛かる時間は二時間程だ。
階層ごとの範囲も大体同じなので、いくつもの階層を踏破してきた俺は経験則からもうすぐ次の階層への階段があるんじゃないかなと思う。
「おっ、この階層もここで終わりか。」
俺は、奥の方に地下への階段を見つけたことで安堵する。
この階層はあのコウモリのせいで結構進むのに苦労させられたから、次の階層へ進めるのはとても嬉しい。
俺は葉山よりも先にこの階層の終わりまで到着してしまったので、一旦階段の前に座って休憩する。
ちなみに、各階層の出入り口には基本魔物は発生しないようになっているらしいので、少しくらい警戒を緩めて休憩しても全然問題ないらしい。
「あっ、清原君先に着いてたんだ。待たせてごめんね。」
待つこと数分で、葉山とクルトもこの階層を踏破してきた。
「そんなに待ってないよ。いい感じに休憩を取れたから。」
「そっか、それは良かったよ。」
そう言うと、葉山はその場に一旦腰を下ろした。
話題を変える様に、葉山は話を始めた。
というか、一旦合流したらレベルを報告し合うって決めてたんだった。
「俺はレベル25になったよ。まあ、なったというよりも戻ったと言った方が正しい けど。」
「おおぉ~~、物凄くレベル上がってるじゃん!」
まあ、半分以上はスキルの「経験値増加」のお陰だろうけど、美少女からこんな風に持ち上げられて嬉しくない男は居ないはずだ。
「葉山の方はどうだったんだ?」
「今はレベル12だよ。クルト君が魔物を次々に運んできてくれるから、どんどんレベルが上がったんだ。」
笑顔でそう報告する葉山。
このたった三十分でレベルを12も上げるなんて。
しかも、「経験値増加」を持たずに。
『オイラが物凄い勢いで魔物をハヤマ様に流したけど、ハヤマ様は大して苦戦せずに全魔物を捌ききっていたのさ。きっと、この三十分で軽く100体以上は魔物を倒しているのさ。普通なら、ダンジョンが回収する人間の負の感情は膨大だから尽きることはないのさ。でも、ハヤマ様が魔物を倒しすぎたことで、今は貯蓄されていた負のエネルギーを使用して魔物をこのダンジョンに召喚しているのさ。』
クルトは、若干笑みを引きつらせながら俺にそう伝えた。
それを聞いて、俺も顔の引きつりを抑えきれない。
というか、最低でもレベル12の人間ができることではないだろう。
「そ、そうか。葉山も十分凄いよ、この短時間で12もレベルを上げるなんて。」
「そうかな、えヘヘ。」
俺の言葉で無邪気に笑っている葉山だが、俺は決意する。
葉山だけは怒らせるのを止めよう、と。
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俺と葉山は、順調にダンジョン探索を進めていた。
今日は、ダンジョン探索三日目だ。
俺のレベルは65、葉山は47と予想よりもハイスピードでレベルアップできている。
もはや、第一層のハイオークなんて相手ではないだろう。
《経験値が入りました。》
俺は、空中から襲い掛かってきたコウモリの姿をする魔物を真っ二つに切る。
このコウモリの魔物はスピードが異常に発達しており、立体的な動きで俺から逃げ回るから倒すのが結構面倒臭い。
更に、この階層の魔物達はどんどん俺に襲って行くようにとクルトから命令を受けているので、より一段と面倒臭い。
きっと、三日前の俺ではコウモリの体を見ることも出来ずに殺されていたことだろう。
まあ、今の俺の相手ではないけれども。
「そろそろ、葉山との合流場所かな。」
このダンジョンの構造は実にシンプルだ。
分かれ道は一階層で五か所くらいしかないし、どの道を通っても次の階層への階段へ辿り着ける。
体感で、一階層の踏破に掛かる時間は二時間程だ。
階層ごとの範囲も大体同じなので、いくつもの階層を踏破してきた俺は経験則からもうすぐ次の階層への階段があるんじゃないかなと思う。
「おっ、この階層もここで終わりか。」
俺は、奥の方に地下への階段を見つけたことで安堵する。
この階層はあのコウモリのせいで結構進むのに苦労させられたから、次の階層へ進めるのはとても嬉しい。
俺は葉山よりも先にこの階層の終わりまで到着してしまったので、一旦階段の前に座って休憩する。
ちなみに、各階層の出入り口には基本魔物は発生しないようになっているらしいので、少しくらい警戒を緩めて休憩しても全然問題ないらしい。
「あっ、清原君先に着いてたんだ。待たせてごめんね。」
待つこと数分で、葉山とクルトもこの階層を踏破してきた。
「そんなに待ってないよ。いい感じに休憩を取れたから。」
「そっか、それは良かったよ。」
そう言うと、葉山はその場に一旦腰を下ろした。
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