11 / 13
第壱蟲 『抑蟲』
LOST+PAINTER
しおりを挟む
帰りの道の最中、ナダレは一軒の花屋に立ち寄った。
部長からのアドバイスにあった『バラの花束』を購入するためである。
結婚記念日ということで、ベタではあるが妻に、そして娘にもと思ったのである。
「うーん……赤いバラなんてのを探していたけれど売れ筋なんだろうか、一本もないな……。」
店頭には色とりどりの花が並んではいたものの『愛』を象徴する真っ赤なバラは1つとして見当たらなかった。
それどころか他の花々でさえも白や黄色や青はあれど、赤い花だけは見当たらない。
「すみません、赤い花以外でなにか……こう結婚記念日に向いた花って無いですかね?」
そのような質問をされた花屋の店員は少し不思議そうに首を傾げる。
「赤以外ですか……ならこちらのキキョウの花束はどうでしょう?」
そう言い店員の差し出したのは青いキキョウの花。
「キキョウですか?」
秋の七草でも知られるキキョウであるが、花としても人気は高く、特に結婚記念日の花束にはポピュラーな部類である。
「花言葉は『永遠の愛』、結婚記念日にはぴったりだと思いますよ?」
そう言うと、店員はにっこりと微笑んだ。
「ではそれをお願いします」
ナダレがそういうと店員は手際良く花束を包み、会計を済ませる。
「ありがとうございました」
そしてナダレは花束を手に持ち、その店をあとにしたのであった。
部長からのアドバイスにあった『バラの花束』を購入するためである。
結婚記念日ということで、ベタではあるが妻に、そして娘にもと思ったのである。
「うーん……赤いバラなんてのを探していたけれど売れ筋なんだろうか、一本もないな……。」
店頭には色とりどりの花が並んではいたものの『愛』を象徴する真っ赤なバラは1つとして見当たらなかった。
それどころか他の花々でさえも白や黄色や青はあれど、赤い花だけは見当たらない。
「すみません、赤い花以外でなにか……こう結婚記念日に向いた花って無いですかね?」
そのような質問をされた花屋の店員は少し不思議そうに首を傾げる。
「赤以外ですか……ならこちらのキキョウの花束はどうでしょう?」
そう言い店員の差し出したのは青いキキョウの花。
「キキョウですか?」
秋の七草でも知られるキキョウであるが、花としても人気は高く、特に結婚記念日の花束にはポピュラーな部類である。
「花言葉は『永遠の愛』、結婚記念日にはぴったりだと思いますよ?」
そう言うと、店員はにっこりと微笑んだ。
「ではそれをお願いします」
ナダレがそういうと店員は手際良く花束を包み、会計を済ませる。
「ありがとうございました」
そしてナダレは花束を手に持ち、その店をあとにしたのであった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
3
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる