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第8部 分かたれる道

4-5三年越しの想いをのせたレースが今始まる

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 雲一つない、晴れ渡る青い空。風は穏やかで、空気もカラっとして、心地よい暖かさ。毎日、天気を見ているが、これほどの好条件は、珍しい。毎年、この時期は、曇ったり、天気が崩れやすいが、最高に爽やかな、晴天だった。

 今日は、私にとって、物凄く特別な日。いよいよ『ノア・マラソン』の、当日だ。前回、出場したのは、まだ、見習いの時だったけど。早いもので、あれから、三年の月日が経過した。

 普通、これぐらい時間が経てば、どんな失敗や嫌なことでも、いい思い出になる。でも、これだけは違っていた。一日たりとも、あの日の出来事を、忘れたことがない。今でも、消化不良のまま、引きずり続けているのだ。

 運営の計らいにより『特別ルール』で、完走扱いにしてもらったけど。私は、全然、納得がいっていない。私の心は、いまだに、ゴールに到達していないのだ。

『何とかして、完全な形でゴールしたい』と、思い続けて三年。出場した翌年は、また協会に怒られると困るので、自重。その翌年は、昇進で忙しくて断念。そして、今年、ついに参加を決意した。

 ただ、出場するかどうかで、滅茶苦茶、悩んだのは、言うまでもない。見習い時代とは、比べ物にならないぐらい、仕事が忙しいし。常に、周囲から注目されている。あと、昔とは違って、かなり考えて、慎重に行動するようになったからだ。

 自分では、なかなか答が出せなかったので、色んな人に、相談してみることに。リリーシャさんに話したら『無茶をしないなら』と条件付きで、OKしてくれた。

 あと、ツバサさん、ノーラさん、ミラージュさん。ナギサちゃん、フィニーちゃん、キラリスちゃんたち。先輩や同期の子にも、相談してみた。その結果、全員、背中を押してくれたのだ。

 唯一、ナギサちゃんだけは、難色を示したけど。それは、ケガを心配してのことで、考え方は、リリーシャさんに近い。

 ちなみに、ツバサさん、ミラージュさん、キラリスちゃんは、体育会系なだけあって、とても、好意的な意見だった。ミラージュさんは『一発かまして、世界中をあっと言わせてやれ』と言って、力強く背中を叩いてくれた。

 何にせよ、周囲の了解は得たので、あとは、自分自身の覚悟しだいだ。とはいえ、正直、かなり怖かった。『また、ケガをしたらどうしよう?』という恐怖が、常に、沸き上がってくる。これは、ケガを経験したアスリート、特有の症状だ。

 それに、以前の無名だったころとは違い、今は、誰もが注目している。だから、無様な走りは、絶対できなかった。ケガの心配に加え、結果も出さねばならない。見習い時代とは違う、とても大きな、プレッシャーがある。

 そのせいもあってか、昨夜は、あまり眠れなかった。夜中に、何度も目が覚め、その都度、時計を見る。これを、朝まで、何度も繰り返していた。

 早朝、ベッドから出ると、バルコニーに向かった。目の前の海を眺めながら、大きく深呼吸をすると、ほんの少しだけ、気持ちが落ち着いて来た。

 サッとトレーニング・ウェアに着替えると、庭に出て、念入りにストレッチと準備運動をする。それが終わると、ダイニングに行って、朝食の準備をした。

 相変わらず、パンだけど、今日は、ちょっと量が多い。五十キロを走り切るには、そうとうな、エネルギーが必要だからだ。食後は、パックに入ったエナジーゼリーと、缶のエナジードリンクも飲み干す。

 普段は、朝から、こんなに食べないので、いつもの倍以上のカロリーを、摂っている。でも、以前、出場した時は、後半、完全に燃料切れだった。なので、今回は、かなり多めに、栄養補給している。

「よしっ、準備は完ぺき! あとは、会場に向かうだけだ」
 私は、パンッと軽く頬を叩くと、気合を入れ、外に向かうのだった……。


 ******


 私は、駐機場に、エア・カートを停めたあと、スタート地点の付近にある、運営のテントに向かっていた。

 家が〈東地区〉の海沿いなので、スタート地点の〈エメラルド・ビーチ〉は、結構、近い。普通に、歩いても行ける距離だけど。今回は、徹底的に、体力を温存するため、エア・カートでやってきた。

 よくよく考えると、昔の私って〈北地区〉から、会場まで、走って行こうとしていたんだから。滅茶苦茶、無謀だったよね――。

 運営のテントに着くと、マギコンを出して、申し込み票を提示した。ここで申し込みを済ませると、出場グループの案内と、ゼッケンを渡される。前回は『Jグループ』だったので、今回も、最後方からのスタートだと思う。

 私の申し込み票を、確認した女性スタッフは、
天使の翼エンジェルウイング、ようこそ、おいで下さいました。心より、お待ちしておりました」 
 立ち上がると、深々と頭を下げた。

 彼女が挨拶すると、付近にいたスタッフたちも『お待ちしておりました』と、一斉に頭を下げ、とても丁寧に対応してくれる。
 
「こちらこそ、よろしくお願いいたします」
 私も頭を下げ、挨拶を返す。

 最近は、どこに行っても、こんな感じで、VIP扱いだ。尊重してもらえるのは、嬉しいんだけど。やっぱり、堅苦しいのは苦手だし、大げさすぎると思う。

「今回『天使の翼』は『Aグループ』からの、スタートになります。最前列のグループに、お並びください」

「えっ?! でも、私、前回は、一番、後ろのグループでしたし。大した実績もないのに、一番前のグループは、マズイのでは……?」

 最前列は、実績のある選手やプロたちの、速い人たちの集団だ。参加者が、三万人以上なので、後方が詰まらないように、速い順にグループを組み、時間差でスタートする。

「前回『天使の翼』は、見事に完走されましたし。シルフィード史上初の快挙という、素晴らしい実績をお持ちです。あと『Aグループ』は、常に、MVで中継されますので。注目選手は、ここに入って貰うことに、なっております」

「でも、前回は、タイムを超過していましたし。私は、注目選手では、ありませんので――」

 注目選手の多くは、様々な大会で、好成績を残している、プロの選手たちだ。アマでも、各種大会での入賞経験者たちは、かなり注目されている。

 でも、私は、過去に一回、出ただけで。Aグループの人たちのほとんどが、沢山の大会に出ている、ベテラン選手ばかりだ。

「とんでもない。『天使の翼』は、注目度ナンバーワンなんですよ」
 後ろに控えていたスタッフの一人が、マギコンを操作すると、目の前に、空中モニターが表示される。

 そこには、今年の『ノア・マラソン』の、注目選手の一覧がのっていた。その中には、私の名前も入っている。しかも、注目度ランキングが『1位』になっていた。

「えぇっ?! 何で、私なんかが……?」
 私は驚いて、目が点になった。

「マラソンをやっている人で、三年前のレースを知らない人は、誰もいません。それぐらいに、凄い走りだったんです」

「世界中の人たちが『天使の翼』の走りを、楽しみにしていますので。この注目度は、当然の結果だと思います」

「三年前も、私は、スタッフとして参加してましたが。あれほど熱いレースは、初めてでした。また、参加してくださって、本当に嬉しいです」

 近くにいたスタッフたちが、一斉に話し始める。何やら、妙に興奮している様子だ。中には、最後のゴール間際の直線を、応援しながら、一緒に走ってくれたというスタッフもいた。みんな、本当に嬉しそうだ。

「こちらがゼッケンです。前回と同じ『77番』です。どうか、今回は、無事にゴールしてください。心から、応援しています」
「はい。今度こそ、必ず無事に、ゴールにたどり着きます」

 彼女の優しい笑顔に、私は固い決意で答えた。

 私は、たくさんのスタッフの応援に、見送られながら、スタート地点に向かう。まさか、ここまで、好意的に接してもらえるとは、思ってもみなかった。

 単に『スカイ・プリンセス』だから、という訳ではない。前回のレースを見て、ファンになってくれた人が、多かったようだ。

 スタート地点に向かう道中も、たくさんのスタッフや、参加選手に声を掛けられ、激励してもらった。誰もが口を揃え『三年前のレースは凄かった』と、言っていた。思った以上に、みんな、あのレースを見ていたようだ。

 こんなに温かく迎えてくれて、こんなに応援してもらって。私は、なんて幸せ者なんだろう。ここまでして貰ったら、何が何でも、完走しなければならない――。


 ******


 私は、コースになる道路の脇にある、ランニング・コースで、念入りに、ウォーミングアップした。今回は、先頭グループで、一番、最初のスタートなので、しっかり、体を動かしておかなければならない。
 
 適度に体を温めたあと、コースに向かった。先頭のAグループは、すでに、数十人の選手が集まっていた。左側が女性グループ、右側が男性グループに分かれている。

 私は、グループの一番後ろに向かう。だが、並んでいる人たちから『前にどうぞ』と勧められ、何だかんだで、一番、先頭になってしまった。みんな、私を知っているようで、次々と握手を求められた。
 
『サインして欲しい』という人も多く、次々と対応していく。中には、マラソンの超有名選手もおり、こちらのほうが、恐縮してしまった。以前、見習い時代に来た時とは、偉い違いだ。誰もが私を知っており、とんでもなく好意的だ。

 一段落すると、私は、遥か前方を見据えた。三年前とは違い、視界が広く感じる。単に、先頭にいるからではない。物凄く、落ち着いているからだ。

 今回は、二回目だし。前回とは違い、徹底的に、練習も準備もして来た。それに、十五歳の時と違い、体もしっかり出来ている。精神的にも、以前とは比べ物にならないぐらい、成長していた。全てが、以前よりも、数段パワーアップしている。

 でも、一番は、周りの空気だ。前回は、周りは全て、ライバルだと思っていた。でも、今は、まるで、全員が味方のような気がする。スタッフも、選手も、観客も、みんな、ビックリするほど、好意的だからだ。

 それに、何といっても、今日は天気がいい。降水確率は0%。風も柔らかく穏やか。体も心も軽く、ベスト・コンディションだ。全てが最高の状態で、これ以上は望みようがない。

 全てが逆だった前回は、あまりにも、条件が悪すぎた。そう考えると、あの状態で、よく最後まで、走り切れたものだ。

 時間が迫ってくると、私は、トントンッと、軽くステップを踏みながら、気持ちを高めていく。でも、熱くするのは心と体だけで、頭は常に冷静に。静かに呼吸しながら、周囲に意識を向けた。

 スタート直前なのに、ビックリするぐらい、落ち着いている。昨日までの緊張が、嘘のように、心が穏やかだった。元々本番には、強いタイプだし。あとは、冷静に状況を見ることさえ出来れば、上手く行くはずだ。

 やがて、運営から放送が入る。
『間もなく、開始時間になります。Aグループの方は、準備をお願いいたします。スタート直後は、接触事故が多いため、周囲の方との距離に、ご注意ください』

 ほどなくして、目の前に大きな空中モニターが現れ、カウントダウンが始まった。残りが十秒を切ったところで、私は心を落ち着け、軽く拳を握って構えた。

 5……4……3……2……1……GO!! 

 カウント終了と共に、軽やかに躍り出た。先頭集団が、一斉に走り始め、周囲から、大きな歓声が沸き上がる。

 私は、黙々と腕と足を動かし、風を切りながら、走って行く。私の心は、すでに、はるか先のゴールにあった。今度こそ、あの時、果たせなかった目標を、達成するために。

 こうして、長い長い闘いの火ぶたが、切って落とされたのだった……。


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次回――
『過去の自分を越えるためにひたすら前に走り続ける』

 過去を支配する者は未来を支配し、現在を支配する者は過去を支配する
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